議会報告

  • 2021年06月28日
    本会議

    保健所強化 一過性でなく恒常的な体制強化を

     6月28日に神戸市会本会議がひらかれ、日本共産党神戸市議団の松本のり子議員が登壇し一般質問をおこないました。

    質疑項目
    1.新型コロナウイルス感染症対策と保健所体制の強化について
    2.学校の校則について
    3.王子動物園の再整備について
    4.ファッション文化・産業の振興について


     新型コロナウイルス感染症によって全国で保健所体制の脆弱さが明らかになりました。1994年に地域保健法が改悪されたことにより保健所の統廃合がすすみ、神戸市でも保健センターが各区に配備され、保健所は中央区に1か所だけとなりました。保健師の仕事はコロナ対策に加え地域の疾病予防と健康維持・増進や母子保健など公衆衛生の強化です。コロナ禍で保健師は増員されましたが、ピーク時には残業100時間を超えていたとのことです。松本議員は、一過性の体制強化で終わらせず感染症対策と通常業務ができるように体制を維持・増加させるよう追及しました。

    答弁ダイジェスト

     久元市長:2022年4月には約300名になる予定。これは一過性の対応ではない。
     松本議員:コロナの自宅療養では医師の判断が必要な治療があるが、現在医師は5名しかいない。保健師の増員とともに医師の配置も必要ではないか。
     恩田副市長:全国的に公衆衛生の医師の確保が難しい。応急的対策として非常勤を採用している。過去に配置していた9名をまず目安に引き続き医師確保に努力したい。
     松本議員:一定の人数が確保できたら東灘区役所と灘区役所を巡回して常時保健師と話しができるような関係づくりをすべきだ。
     恩田副市長:引き続き関係部局と健康局の中で議論しながら一番よい形で配置していく。
     松本議員:これまでは人数が限られていたために問題が起きてから出ていくしかなかった。本来は問題が起きる前の予防の観点で考えるべきだ。



    ブラック校則見直し
    子どもの権利条約を生徒と教師が学び定着させてこそ

     神戸市の中学校の校則が子どもの髪形や服装などのライフスタイルを規制していますが、ライフスタイルは子ども達一人ひとりの基本的人権の問題です。「下着や靴下・靴は白でなければならない」「髪を結ぶゴムは黒で耳から下でないといけない」など細かな校則を子ども達に押し付けています。先の常任委員会で教育長は「子どもが権利を理解したうえで取り組む」と答弁しました。松本議員は、大人が享受している自由と同じ自由が規定されている子どもの権利条約を、教師・子ども達がしっかり学び、校則の見直しに取り組むよう求めました。

    答弁ダイジェスト

     長田教育長:まずは教職員が子どもの権利条約や子どもの権利に関する理解を深め、児童生徒が条約や権利を学び、自らが意見を述べる過程を大切にしてすすめるべきと考えている。
     松本議員:教育長は長年その場所に座っているが、下着や靴の色や髪形などを指導してきた根拠は何か。
     長田教育長:学校ごとに経緯や理由があると思っているが、中学生らしい服装や髪形として当時の時代背景のもとで定められたものではないかと思っている。
     松本議員:身に着けているものは人権で、憲法で保障されるべきもの。教育委員会に問題があったのではないか。校長がすべて仕切り意見表明権が教師にないと言われている。意見表明権のない教師が子どもたちに子どもの権利条約を教えられるわけがない。校長を筆頭にした教育改革が必要だ。きちんと意見が自由に言えるような学校現場をつくるべきだ。
     長田教育長:風通しのよい職場、学校風土をつくる取り組みをすすめている。すでに子どもの権利条約や子どもの権利について学校で研修するよう通知をしている。
     松本議員:今年度で方向性を見出すようだが、子ども達から聞かれた時に、根拠を教えることができるように知識と思考を身に着けない限り、子どもは教師や学校に対して信頼関係が持てない。教師が子どもの権利条約や憲法を学べるように時間をとっていただきたい。


    王子動物園再整備
    机上の空論ではなく、動物の実状見て計画を!

     久元市長は1月29日の会見で、王子動物園の再整備を発表しました。動物園エリアは基本的に今のエリアの中でおこなうとされています。しかし、今の動物園エリアは決してスペースが十分ではなく、象舎やキリン舎は日本動物園水族館協会の基準にてらしても半分程度の広さとなっています。松本議員は、動物園整備は動物の福祉の観点からも十分なスペースを確保するべきと質しました。

    答弁ダイジェスト

     油井副市長:まだ王子動物園がどれくらいの規模なのかは正式に決まっていないが、平面的ではなく立体的に建てるようなところもある。現在の規模で足りなくなることはない。
     松本議員:象やキリンだけが狭いのではない。フクロウや鷲も鳩小屋のようで、少ししか飛べない。今整備すると50年100年と続く。もう少し一つ一つ動物を見て考えるべきだ。また、再整備に関する会議資料を見ると今の王子公園スペースに大学が入ってくることになっている。今の限られたスペースで完成させることになれば縦に高い檻ばかりができるのではないかと心配だ。
     油井副市長:王子動物園の特徴が市街地にある都市型の動物園で、1か所で多くの動物と触れ合えることが重要と考えている。まだガイドラインが策定されていないが今の規模で王子動物園としてやっていけると考えている。
     松本議員:企画調整局は計画だけで何も言わない。一番動物のことを理解している飼育員の声をしっかり聞いてすすめるべきだ。広げる必要がある場合は建設局が中心となって意見を出し、取り組んでいただきたい。

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