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お知らせ

2019年度神戸市予算案について(2)

2019年02月12日

2019年度神戸市予算案について (前回からのつづき)
アベ政治の持ち込みによる“神戸のまち壊し”にストップ!
住民と力をあわせて、政治を動かし、要求実現を前へ
日本共産党神戸市会議員団

 

3 アベ政治の持ち込みによる“神戸のまち壊し”にストップを!

就任5年を迎えた久元市長は「人口を増やすことを目的にせず、都市の価値を高めることに視点を置いた政策を展開する。この点は経済界とも一致している」(神戸新聞11月20日付インタビュー)と公言。住民よりも、財界や安倍政権の意向に沿った市政運営をはばからない立場を鮮明にしています。

 

三宮一極集中の再開発は、住民サービスの切り捨てに直結

久元喜造市長は「震災はおわった」「国際競争力に打ち勝つ」まちづくりをすすめるとして、大阪湾岸道路や、六甲アイランド南の埋め立てなど、長年凍結されていた大型公共事業計画を復活させました。神戸市が人口減少社会を迎えても、大企業や外資系企業が「効率的」に儲けを確保することを狙う三宮再開発をトップダウンでおしすすめています。
三宮再開発のもとで行政サービスの核である区役所は遠くに立ち退きをさせられ、勤労会館や図書館・青少年会館も移転、神戸文化ホールや生田文化会館、葺合文化センターなどは、集約され現地からなくなります。
さらに、駅から距離で地域を選別する「都市空間向上計画」や、公共施設10%カットを進める「公共施設等総合管理計画」などで、郊外やニュータウンなど人口減少により困難を抱える地域の住民サービス切り捨てに突き進もうとしています。
こうした「神戸まち壊し計画」といえる計画は「大企業が一番活躍しやすい」国づくりを強行する安倍自民・公明政権が地方自治体に押し付ける「大都市圏環状道路」「国際戦略港湾」「都市再生緊急整備」「立地適正化計画」「インフラ長寿命化基本計画」などを忠実に実行したものです。

 

駅前再開発と郊外切り捨てが一体に
さらに「呼び込み型」企業誘致偏重も

久元市長は、駅前再開発を「都市の価値の向上」の重点と位置付け、垂水駅、西神中央駅、名谷駅などでタワーマンションを核とした「拠点駅前」再開発を推進しようとしています。駅前のタワーマンションの林立は、待機児童の増加と学校の過密化をまねき、地価高騰で公共施設が確保できなくなっています。そのため、新年度予算では、学級増対策に3小学校、1中学校で仮設校舎建設がすでに必要になっています。さらに、遠距離通園を前提としたパーク&ライド型の保育施設や、幼稚園の廃止転用、マンションを優先にした近隣センタ-の縮小など、これまで小学校区の生活圏でつちかってきたコミュニティを無視した公共施設再編がすすめられています。
また、地域経済の担い手である地場産業や市場商店街など中小企業対策はおざなりに、新年度は「再開発」を円滑に進めるための立ち退き助成金を創設。さらに、誘致企業の従業員の市内移住促進助成(一人当たり120万円)や、東京圏から市内へ転居する起業家などに移住支援金として最大100万円などなりふり構わない「呼び込み」策を新年度予算ですすめています。

 

国の社会保障負担増に歩調あわせ、増税と新たな負担増

総務省官僚からの天下りの久元市長は、消費税増税と住民福祉を天秤にかける安倍首相の手法をそのまま輸入し、認知症患者の事故救済制度の財源(年3億円)に、70万人以上の納税市民に1人当たり年400円もの住民税増税を強行するなど、全国に例のない住民負担増をすすめています。
国民健康保険料についても、一般会計からの支援(法定外繰り入れ金)を中止し、兵庫県均一保険料に近づけることで保険料が値上がりする世帯に対し、前年度実施していた値上げ抑制策を、新年度は半減してしまいました(値上げの激変緩和 上限15%→30%)。
さらに、来年10月の消費税増税計画に歩調をあわせ、上下水道料金、市バス料金、地下鉄料金、公営駐車場料金、公共施設や市場使用料など、軒並み値上げを強行しようとしています。

 

根深い神戸の不正・腐敗構造

垂水区中学生のいじめ自死事件では、教育委員会によるいじめメモ隠ぺいが大問題となりました。また労働組合幹部の「ヤミ専従」問題では、神戸市当局主導で、違反・脱法行為がすすめられ、黙認し続けた歴代市長を含めトップや幹部職員の責任問題に発展しています。
議員団は、不正行為に対する市民の批判を逆手にとって、学校現場や労働組合への不当な弾圧を許さず、不正を行った者とトップの責任を厳しく追及しています。

 

運動いかんで“まち壊し”計画跳ね返し、地域の願いに応えることも可能

いま、神戸市政では、安倍政権いいなりに“神戸まち壊し計画”をすすめるのか、それを押しとどめて、地域と暮らしに寄り添う「地方自治体」として役割を果たすのかが、鋭く問われています。
日本共産党は「都市空間向上計画(案)」が、安倍政権がすすめる“地方壊し”の一環として「駅前には過密が押し付けられ、駅から離れた郊外は切り捨てられる。誰も喜ばない反市民的な計画」であることを明らかにし、政党・党派や立場の違いを超えて広範な市民に反対をよびかけました。
2018年3月の「計画の考え方(案)」と、10月の「計画の考え方(修正案)」の市民意見募集では、連続して反対意見が多数寄せられ、神戸市は、年度内の地域指定(線引き)を断念しました。
また灘区鶴甲団地の会館問題について、当初の「廃止」計画を撤回させ、さらに団地の中心地への鶴甲会館の移転・新築を実現。過密化の問題では、HAT灘の浜で小学校と特別支援学校の新設、高羽小学校の校舎の新設、保育所・児童館の新築などが実現、新年度も予算が計上されるなど、運動いかんでは地域を巻き込み、幅広い共同の事業として発展しています。

 

4 住民の切実な願いに背を向ける 自民党主導の与党会派

安倍内閣と一体になった、こうした久元市政を主導的に支えているのが、自民党と公明党です。
市議会でも「増えていく社会保障費をどうするということで、消費税に行き着く。神戸市も一緒で社会保障費の増大、また三宮の再整備、大阪湾岸道路西伸部の整備とか、神戸のこれからの成長・発展に必要となる大規模プロジェクトがめじろ押しと言ってもいいが、その財源を確保して安定的な財政運営を行うというのは当たり前」(公明党・藤本浩二市議 2018年2月28日予算特別委員会)などと、大型開発推進と住民負担増を後押しています。日本維新の会も「都心三宮再整備、ウオーターフロントの再整備などにスピード感を持って展開していくことには異論はない」「都市空間向上計画はスピーディーに策定を」などとして、市長トップダウンの市政運営のスピードアップを求めるなど、悪政の先兵の役割を果たしています。
日本共産党は、昨年の予算議会で、子どもの医療費無料の市長公約の実現をもとめ「条例修正案」を議会に提案し21名の議員の賛同を得ましたが、自民党や公明党にくわえ、国政野党である立憲民主党や国民民主党の市議らの反対で無料化の実施を阻んでいるのが実態です。

 

暮らしに希望を
力あわせ政治を変えよう

日本共産党神戸市会議員団が2017年と18年におこなった「神戸市民アンケート」には、9700人を超える方々から多くの声が寄せられました。
アンケートでは「まちの活性化のために、市政にのぞむこと」のトップは、三宮再開発などの「ムダな公共事業の削減」(44%)でした。その一方、「子どもに係る医療費の負担や、入れない保育所を改善してほしい」「高すぎる国保・介護保険や、介護施設を増やして入れるようにしてほしい」「スーパーの撤退で移動販売しかなくなった」「バスが減便されて不便に」「公立幼稚園が廃止され、子どもたちの声が聞こえなくなりさびしくなった」「台風・大雨のたびに崩れる崖や冠水被害。いつになったら改善されるのか」など、暮らしや地域課題の改善を求める切実な声があがっています。
暮らしに寄り添い、こうした願いに応えることこそ神戸市政は最優先にすべきです。

 

安倍政権の暴走ストップを神戸から

また、市民アンケートでは、安倍政権のもとで憲法第9条を変えることについては68%の方が、消費税10%増税については70%の方が反対を表明されており、市民の願いは明白です。
消費税10%増税ストップと憲法9条守れ!の声を、神戸から大きく広げましょう。