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原発再稼働中止を求めよ 市長に議案外質疑

2012年03月29日

再生エネルギーで地域経済活性化を

議案外質問に立った味口としゆき議員は、矢田市長が、京都、大阪両市長とともに関西電力に対して行った申し入れに対する関電の回答について市長の見解、関電に脱原発を求めるようただしました。
福島原発事故の被害は今もなお拡大、避難を余儀なくされる人も増え続けています。健康や教育、農林漁業、産業など、あらゆる分野に被害を拡大しています。こうした中、関電に対して、3市長が「関西電力における今後の経営について」という意見書を出しています。それに対する関電の回答は「原子力発電は…引き続き重要な電源」などと、原発依存を変えないとの態度を示しています。さらに、野田政権は、原発事故収束宣言を行い、関西電力・大飯原子力発電所の再稼働を認め、地元の自治体に同意を求めようとしています。
味口議員は、大飯原発がいったん事故を起こせば、琵琶湖への影響が懸念され、神戸市にも重大な影響があると指摘。市長に、関西電力・大飯原発3、4号機について、再稼働はすべきでないと関電に提言するよう求めました。また、新たな安全神話をつくりあげ、原発再稼働を進める政府にたいし、神戸市として反対の意思を申し入れるべきだと求めました。

答弁:質問に対し矢田立郎市長は「管内で大事故になれば市民活動、経済活動に影響を及ぼす。ただ今日の市民生活、経済活動は、安定的な電気供給に頼っている。電力をすべて、再生可能エネルギーだけでまかなうのは難しい」「中長期的には原発に依存しないことが必要だが、市民生活、経済活動に著しく影響を与える停止はしないほうがいい。再稼働問題については様々な観点から多くの知恵の結集などが必要だ。広く国民の理解、市民の理解を得ながら、国が判断する。現地点で国に一方的に申し入れるべきではない」などと答えました。

味口議員は、再稼働について、関電にも国にも働きかけをしないという答弁を批判。関電の株主として、近隣自治体とも協力し、関電にも政府にも再稼働中止を求めるべきだと重ねて指摘しました。
市長が「中長期的には原子力発電に依存しない、あるいは原子力発電を必要としない電力供給体制や再生可能エネルギーの大幅な拡大が必要」などとしている点について、味口議員は、神戸市として、スケジュールなどを設定することを求めました。
神戸市には、原発をめぐる問題、エネルギー政策、自然・再生可能エネルギーの開発や活用の問題を総合的に考えるセクションはありません。すでに、他の自治体では、原発に依存しないエネルギー政策の実現に向けた取り組みも始まっていますが、神戸市はその点でも遅れています。再生可能エネルギーは、太陽光や風力、小水力、波力や潮力も、どれも地域に存在する自然を活用するもの。国の政策や動向待ちではなく、地方自治体が率先して開発も推進もすすめるという考え方への転換、政策の転換が求められる課題です。市内中小業者の仕事づくりにもつながります。
味口議員は「3・11以前の認識をあらためて、自然・再生可能エネルギーの本格的普及・導入に全力をあげるべきだ」と迫りました。

答弁:質問に対し矢田市長は「代替エネルギーに換えるには時間がかかる。すべてに大変な影響を受ける。そういう観点からもきちっと工程表を示していただきたいと、国に言っている。メガソーラーや他の再生エネルギーを利用できないか、小水力発電など、視野に入れながらやっていきたい。推進を考えたとき、それなりの主体となる専門家が必要。当面は総合的に企画調整局が中心」などと答えました。

最後に味口議員は、福島から避難してきている20代の青年が、津波被害によって一瞬にして住んでいる家を失った恐怖。そして原発事故によって、いまも故郷・福島に戻りたくても戻れない無念さを語っていると紹介、「市長が従来の認識を変えて取り組むべきだ」と指摘しました。