借上入居者の継続入居を(都市計画総局)
2013年03月05日
大かわら議員「命にかかわること」
神戸市議会予算特別委員会の都市計画総局審査が3月5日におこなわれ、日本共産党の大かわら鈴子議員が借上住宅、指定管理者制度、新長田駅南再開発事業について質問しました。
借上災害公営住宅では、神戸市の強引な追い出しに、多くの入居者が「夜も眠れない」「考えただけで胸がドキドキする」など不安を訴え、体調を崩す人も出ています。神戸市は「個別に丁寧な対応をしていく」と言いながら、実際に進めているのは転居を迫る対応のみ。
大かわら議員は「入居者の身体の状況等は聞かず、どう出て行かせるかの対応しかしていない」と厳しく批判。そうした対応が、高齢者の健康を害している原因だと指摘しました。
また、神戸市は、専門家による懇談会を設置して、一定の移転困難者にたいする対応を検討するとしています。しかしこのことは機械的な線引きにつながり、高齢者や身動きが取れない人ばかりが住宅に残ることになります。大かわら議員は「1人で暮らせない人も、地域のコミュニティのささえで、今までの生活が成り立っていた。入居者が17年かけてやっと築いてきた地域のコミュニティをバラバラにしてしまうのか」と迫りました。
神戸市の市営住宅の維持管理は長年、住宅供給公社が担ってきました。ところが10年度から「効率的な管理運営と市民サービスの向上をはかる」などとして、指定管理者に任せています。大かわら議員は「(指定管理者となっている会社に)問い合せをしても、まともな回答が返ってこない」など、多くの苦情が出ていることを指摘。「実際にはサービス向上ではなく、低下としか言いようがない。民間ではなく、元の神戸市直営に戻すべきだ」と質しました。
◇ 答弁:遠藤都市計画総局住宅部長らは「(借上)職員が個別に対応している。基本方針としては期限通り順次、返還していく。住み替えをすすめる中で無理がないようにしていく」「公平性の観点から、どこかで線を引くのはやむを得ない。グループ申し込み制も活用していただく。移転先では高齢者が新たなコミュニティに参加できるようなサービスを展開している」「(指定管理者)苦情が届いた時は速やかに指導している。当初は戸惑うこともあったが、おおむね評価いただいている」などと答えました。
◇ 大かわら議員は、借上住宅について「命がかかっている。ルールと命、どちらが大事なのか」と批判、希望者全員の継続入居を認めるよう迫りました。