借上住宅・再開発 被災者の命と営業守る立場にない神戸市
2013年10月11日
森本真議員の質問に矢田市長答弁にも立たず
神戸市議会定例本会議が10月11日に開かれ、日本共産党議員団から森本真議員が 一般質問に立ち、借上災害公営住宅問題、新長田駅南再開発問題などについて、 矢田立郎市長の政治姿勢をただしました。
神戸市長の意見で県も継続入居「85歳以上」に改悪
阪神・淡路大震災の被災者が生活する借上災害公営住宅。神戸市は、「20年で全 員退去」という方針を変え、「85歳以上」などの条件をつけて継続入居を認める としています。ところが、この条件がいっそう入居者を混乱させています。 さらに、兵庫県が、当初「80歳以上」としていた継続条件を、神戸市からの意見 で「85歳以上」に変更したことが明らかになっています。 森本議員は、希望者の全員継続入居が入居者の願いだ、と指摘したうえで「県に 変更を求めたのは市長自身か」とただしました。 中村三郎副市長は、市長や中村副市長らが県に申し入れたことを認めました。
住宅返還の32%は死亡返還
借上災害公営住宅の入居世帯のこの間の住宅返還事由は、337世帯のうち112世 帯・32%が死亡返還となっています。 森本議員は、市長がたびたび、「震災で亡くなられた方の思いを受け継ぎ、命を 何よりも大切にする」と発言していることをあげ「こういう高齢者や障がい者等 が住んでいる状況で、まだ転居を強要するのか」「市長は、市民の声を聞くと強 調しているが、入居者の声を聞くよう求めても聞こうとしなかった。それが市長 の言う市民参画か」と厳しく批判しました。 中村副市長は「借上住宅は緊急措置。20年で原則返還というのが基本だ」「市長 は多くの市民の声を聞いてきた。借上げ住宅入居者には、職員が意見を聞いてい る」などと答弁しました。
新長田再開発 被災者の資産の価値上げよ
さらに、森本議員は、市長が「神戸市政は新たなステージに入る」と言っている が、その前に解決しないといけない問題として、借上住宅では入居者の命を守る 問題、新長田再開発では被災者の負債の問題があると指摘。 新長田再開発では「被災者の資産がいまでは負債になっている。三宮に来る企業 に最大5年で4億5千万も補助するなら、新長田の資産価値を上げる努力をすべ き。塗炭の苦しみを味わっている被災者・従前商店の人たちの営業、暮らしを守 ることが市長の仕事ではないのか」と迫りました。
矢田市長一言の答弁もなし
答弁に立たない矢田市長に対し、森本議員は「市長が答弁すべき。答弁しないと いうということは借上住宅入居者の命を守る立場にない、新長田の商店の営業を 守るという立場にないということを認めることになる」と、再三答弁を求めまし たが、市長は最後まで答弁に立ちませんでした