入居者の生活第一にすべき
2015年06月24日
桜の宮市営住宅建て替えで
6月24日に開かれた市議会本会議で日本共産党の味口としゆき議員が議案質疑に立ち、北区桜の宮市営住宅の建て替え問題などを取り上げました。
この議案は、老朽化が激しい桜の宮市営住宅を建て替えるというものですが、問題は入居者の生活が第一に考えられていないということ。同住宅は2299戸という大規模団地です。ところが建て替え計画は3期に分けて行うとされています。今回、1期目として640戸を対象に建て替えるとしていますが、新たに建設される住宅は450戸にとどまっています。しかも、PFI方式ですすめるとしており、市が直接建設するのではなく民間が建設、それを神戸市が買い取るというやり方です。さらに、2期、3期の建て替え計画はなにも示されていません。高齢化が進む入居者からは「いつになるのか」という不安の声が上がっています。
神戸市は古い市営住宅を取り壊したあと、一部に新しい住宅を建てますが、残った土地は「余剰地」として、神鋼不動産株式会社に売却、戸建て住宅が建設される計画です。ここに市営住宅を建設すれば、2期、3期の入居者の不安も解消されます。
味口議員はこうした点を指摘し「入居者の生活を第一に考えると、『余剰地』などといえるものではない。ここに市営住宅を建設すべきだ」と求めました。
また、戸建て住宅を建てるとされている土地は、神鉄北鈴蘭台駅に近いところです。駅に近い方が売れるという思惑が透けて見えます。
味口議員は「団地全体の計画を示すべき」「民間活力を活用するというが、入居者の暮らしを守るということが第一になっていない」「民間業者が戸建てを建設し、利益を上げるということだ」と指摘。市民の暮らしよりも業者の利益を優先する姿勢を厳しく批判しました。
◇ 答弁:質問に対し鳥居聡副市長は「全体の街づくりの観点で計画している。一気に工事を進めるのは困難なので(3期に)分けている」「民間業者が利益を上げようとするのは、ある意味当然のこと」などと答えました。
公営住宅法では、市営住宅を建て替える場合、原則として現在の戸数以上を確保するように規定されています。味口議員は、こうした点も指摘、戸建て住宅を建てるのではなく、市営住宅を建設することで、2期、3期工事の対象の人たちの不安も解消されるとして「余剰地というのは、すべての建て替えが終了した後に残った土地のことだ」と批判。全体計画も示さず、2期、3期の入居者を置き去りにするようなやり方はやめるべきだと求めました。
鳥居副市長は「市営住宅の第二次マネジメント計画で市営住宅の総戸数削減を決めている。その中で個別団地をどうするか決めていく」などと、戸数削減ありきの姿勢を明らかにしました。
◇ 味口議員は「今回の議案は、神鋼グループにとっては、駅近の利便地に戸建て住宅をつくることができるというメリットはあるが、肝心の入居者は置き去りにされている」と厳しく批判。手法も安倍政権のすすめる大企業偏重の経済政策に追随したものだと指摘しました。