消防力の整備を(消防局:松本)
2015年11月01日
消防局審査で松本議員
神戸市議会決算特別委員会の消防局審査が10月7日におこなわれ、日本共産党の松本のり子議員が質問に立ち、消防力の整備指針、ケアライン119、消防団の定数拡大問題などを取り上げました。
神戸市の消防力の整備指針をみると、消防署所、消防ポンプ自動車、救急自動車が未達成となっています。救急自動車は市の基準33隊に対して32隊。来年、灘区に1隊配置されることで、充足率は100%になります。しかし、高齢化がすすむなか、救急車で病院に運ばれる人の57%が65歳以上となっています。松本議員は、今後の超高齢化社会に備えて市の基準の33隊を見直し、増やす方向で検討するよう求めました。消防署所が不足している地域として、松本議員は、特に人口が増加している西神南地域で増やすように求めました。
緊急通報システム・ケアライン119ペンダント型専用端末の配布は、平成07年度に廃止になり、固定電話での緊急通報システムに切り替えられました。しかし、ひとり暮らしの高齢者が家で倒れて身動きがとれず、固定電話までいけないことがあり、長時間してから近所の人やヘルパーに見つけられ救急車で病院へという事例が毎年多くなっています。松本議員は「今の固定電話式の緊急通報システムでは、こういう時に役に立たない。倒れたときにすぐに対応ができる方法で他局とも連携して対応する必要がある」として、身に着けるペンダント型ケアライン119の復活を求めました。
近年、集中豪雨による崖崩れや、河川の氾濫などが全国で大きな災害が多発しています。神戸においても台風、集中豪雨による土砂災害などの災害が市内各地でおこっています。今年8月の台風11号では避難勧告発令状況が各地に出ました。広範な地域に出されたものの対応する消防団員の数は限られています。神戸市の条例では消防団の定数は4000人となっています。松本議員は「この定数は昭和61年に改定されたもので、改定から長い歳月がたち、地域の状況は変わっている」と指摘。消防団の人員数など条例を含めて内容を見直するよう求めました。
昨年、火災予防条例が改正され、特に重大な消防用設備などが未設置の違反建物は、ホームページで公表されるようになりました。松本議員は、公表されても未設置のまま営業を続けるようなことがないよう、違反については厳しく対応するよう求めました。
一般住宅などを改修して、デイサービスや宿泊サービス、5人以下の無認可保育所などをおこなっている事業所があります。このような事業所に対しても必要な防火指導をおこなうよう求めました。
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答弁:質問に対して岡田勇消防局長らは「東日本大震災を受け、大規模災害にも対応できるように消防力基準の改正がおこなわれた」「国の指針を受け、神戸市も配置基準を見直す」「多聞に新しい署所をつくったので垂水北部、西神南への駆けつけ時間は緩和されている」「(ペンダント型ケアライン119)ペンダント型は個数に制限があり、全員にあたらないという問題があった」「一般電話機の技術革新でワンタッチボタンを押すことによって、ペンダント型と同様の効果が得られるため切り替えた」「今後も固定電話式で続ける」「(消防団)平成18年度に消防団長を構成員とする神戸市消防団新体制検討委員会で団員数などを検討した」「大規模な災害などが発生したときには、区域外の消防団からも応援出動するなど、柔軟な体制をとることになっている」「定数については消防署所の整備状況、街の形態、人口の定着状況、社会情勢など地域防災力を総合的に考え、必要に応じて見直しをしていく」「(防火対象物違反)消防局のホームページで13対象の違反を公表した」「違反のうち6対象は是正され、残り7対象についても関係者に対して必要性を説明し是正に向けてすすんでいる」「ホームページの閲覧数も増えており、違反対象施設の是正への対応時間が早くなっている」「警告に対して是正されない場合は、法的拘束力のある措置命令を発動する」「(一般住宅でのデイサービス)消防では、いろいろな対象物に査察に行っている。車両で地域を回っているときに新しい施設などを把握するように努めている」などと答えました。