借上入居者に不安与える神戸市
2012年10月10日
総括質疑で山本議員が批判
決算特別委員会の総括質疑は10月10日に行われ日本共産党の山本じゅんじ議員が、借上住宅、海上アクセス、ニュータウンの活性化策について矢田立郎市長に質問しました。
借上住宅について同議員は、本会議で、入居者と直接会うべきだと求めたのに対し、答えなかったと批判。多くの入居者が不安な思いで生活しているとして、改めて入居者と直接会って話をすべきだと求めました。
また、神戸市はすべての入居者を追い出す方針を出していることにたいして、2009年12月のすまい審議会の部会で、委員からの質問に答えて当時の住宅部長らが「延長する可能性はあります」「出て行ってくれとは言ってません」と明確に答えている点を指摘。当時はこれが神戸市の方針ではなかったのか、とただしました。
海上アクセスについて、神戸市は58万人の利用を見込んでいました。ところが11年度でも38万人の利用にとどまっています。110人乗りに平均37人しか乗っていません。山本議員は「これでは公益性があるとはとてもいえない」と指摘。にもかかわらず、神戸市は158億円もの負債を市民の財産で穴埋めしようとしていると厳しく批判。海上アクセスは直ちに運航を中止すべきだと求めました。
神戸市は、名谷や西神地域などにニュータウンを建設してきました。それらの団地が、入居開始から30年以上経過し、高齢化や施設の老朽化が進んでいますが、対策は極めて不十分なのが現状です。
山本議員は、今後のあり方について明確なビジョンを持つ必要があると指摘し、検討会設置を提案しました。
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答弁:矢田市長らは「(借上住宅)個々の事情を具体的にお聞きしようということで、職員が生の声を聞いている」「民間やURから借り上げて臨時的に供給した。目的と現状との乖離、公平性の観点から適切に返還していく必要がある」などと答えました。「(海上アクセス)公益性、公共性の高い公共交通機関だ」「債権放棄ではなく株式化し、新たな資金を必要とせず、負担を最小限にすることが出来るものだ」「(ニュータウン対策)事情を見ながら検討していく必要がある。所管する部局が地域にはいって、課題解決をはかっていこうとすすめている」「地域とも話し合いながらすすめていく」などと答えました。
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答弁に対し山本議員は、職員ではなく市長が直接聞くべきだと批判。入居者が、神戸市の通知を見るたびに不安で頭が痛くなる、と訴えているとして借上住宅として継続するよう求めました。また、すまい審の住宅部会で、当時の住宅部長らが「継続せざるを得ない」などと答えていることについても「現状からスタートしている答弁だ。いつ、追い出し方針に変わったのか」とただしました。 ◇ 答弁:中村副市長は「返還していくという方針を明記した上で、意見を聞いた」「内部的に方針を覆す方針がでたのではない」などと答えました。 ◇ 山本議員は「直接、生の声を聞くことで状況を理解すべきだ。政府も買い取りも出来ると言っている」と批判し、継続入居できるよう対応すべきだと求めました。