最適な保育・教育環境の保障を(議案質疑:松本)
2014年09月18日
子育て支援関連条例案で要求
松本のり子議員が議案質疑
神戸市議会定例本会議が9月18日に開かれ、日本共産党神戸市会議員団を代表して、松本のり子議員が子育て新システムに関する条例案について議案質疑を行いました。
これらの議案は、来年4月から「子ども・子育て新制度」が実施されることにともない、各施設の設置基準等を定めるもの。新制度については、内容が複雑なこと、自治体に対して詳細の通知が遅れたことなどもあり、保護者や保育所等を運営する法人からも不安の声が出されています。財源も消費税頼みの上、必要額を確保できるめども立っていません。
松本議員はこうした点を指摘したうえで、子どもの安全対策、通常の保育料に上乗せして徴収する費用、小規模事業所を卒園した後の保育の保障等について、久元喜造市長らの政治姿勢をただしました。
4階からどう避難させるのか
子どもの安全対策では、認定こども園は3階以上、小規模事業所は4階以上でも設置可能とされています。万一、火災などが起きた際、少ない職員数ですべての乳幼児の安全を確保できるのか、不安が広がっています。松本議員は「どんな事態が起きても、子どもたちの安全を保障するため、どのように対応するのか」とただしました。
幼稚園では現在、保育料の他に、入園料、施設整備費、教材費等も徴収しています。認定こども園では「保育の質の向上を図るうえで特に必要」と思われる経費についても、上乗せ徴収が容認されています。また、施設の老朽化対策にかかる経費の徴収も認められています。こうしたことが放置されれば、各家庭の経済状況によって受けられる保育内容に違いが生じることにもつながります。松本議員は「こうしたことは、直接契約となることによって生じる問題。保護者の経済力によって受けられる保育内容に差が生じないような対策を講じるべきだ」とただしました。
小規模保育事業所の給食について、施設内に調理設備を設置することになっていますが、自園調理とするのかどうかは不明です。松本議員は「子どもたちに最適な食事を提供するためにも、また、安全、安心を保障するためにも、給食は自園調理とすべきだ」と指摘しました。また、保育室だけではなく、食事や遊び、年齢差などを考慮して、複数の部屋を確保するよう求めました。
小規模卒園後の保育保障を
小規模事業所で受け入れるのは0~2歳児までの子ども。保護者が不安に感じているのは、小規模事業所を卒園した後の問題です。特に神戸市内では、小規模事業所がすでに開設されており、「卒園後問題」の解決は緊急を要しています。
松本議員は、保護者の不安を解消するためにどう対応するのかただしました。
▲答弁とその後の質疑から▲
質問に対し玉田敏郎副市長は「(安全対策)各施設は避難経路等の一定の基準を満たしている。厚生労働省からの通知もされている。避難訓練についても保育士の人数、設置階数を踏まえて実現性の高いものになるよう、細かく書かれている。安全が確保されるように指導していきたい」「(上乗せ徴収)保育の質を向上させる部分の上乗せは、現在も負担に差があることを踏まえて認められている。現行以上の差が生じるとは考えていない」「(自園調理)自園調理か連携施設からの搬入に限定している。食事の提供には支障ない」「(小規模施設卒園後)連携施設は受け皿の役割も担う。できる限り受け皿を確保して、円滑に入所していただけるように援助する」などとこたえました。
副市長「大きなバギーで避難も」 「無責任すぎる」と厳しく批判
松本議員は、安全対策について、4階から乳幼児を非常階段を使って非難させるのは事実上困難だと指摘、見解をただしました。玉田副市長は「各施設に任せている。大きなバギーのようなもので何人かはいるものもある。いろんな方法を駆使してもらう」などと答弁。松本議員は「非常階段で大きなバギーを使って子どもをおろすことなどできない。この場でそのような発言をすること自体問題だ」と厳しく批判。子どもの安全を守るために、具体的な対応を取るよう求めました。
小規模事業所卒園後の保育について松本議員は、先行実施した小規模事業所が38か所あるとして、卒園後その子どもたちがどうなるのか、保護者が心配している、として公的責任を果たすよう求めました。玉田副市長は「努力する」との答弁に終始。松本議員は「児童福祉法でも行政の責任が明記されている。その立場に立って対応すべきだ」と批判しました。
上乗せ徴収について松本議員は、老朽化対策として、施設の整備費まで徴収されることについて「本来、行政や運営しているところの責任」だとして、市がチェックできる対応を求めました。