現行より後退する子育て関連条例(反対討論:味口)
2014年09月25日
子どもの安全対策不十分
味口としゆき議員が反対討論
9月25日に開かれた本会議で日本共産党議員団の味口としゆき議員が、子育て新制度に関連する4条例案の反対討論を行いました。
味口議員は、子どもたちの安全対策について大きな問題があると指摘。火災などが発生した時の対応策について、副市長が「大きなバギーで降ろす」と答弁したり、文教こども委員会でも「滑り台で降ろす」などと、答弁したことを厳しく批判。乳幼児の安全を守るための現実的な対策が示されない現状を見過ごすことはできないと強調しました。
また、現行制度からの後退がうまれる点を指摘。認定こども園に移行した後に、通常の保育料以上の上乗せ徴収が認められていることについても神戸市は、「施設と保護者の合意で認められているものであり、市が関与することはできない」との態度です。
第3の問題点として味口議員は、公的責任の後退があると批判。児童福祉法24条1項では、行政の保育実施責任が明確にされています。しかし、小規模保育事業所を卒園した3歳以後の保育所入所の問題について、副市長は「最大限の努力義務がある」としか答弁していません。味口議員は「努力はするが、保育所に入所できるかどうかは分からないというのでは、余りにも無責任」と批判しました。
こうした問題がおきる根本原因は、国による制度改悪にあります。「子育て新制度」は、来年4月に本格実施予定ですが、未だに不明な点が多く、児童福祉法24条1項の保育の実施責任の形骸化、小規模保育基準の緩和など、致命的な弱点をもっている制度です。
味口議員は「条例制定にあたって国基準に対して、市が独自に上乗せした施策がいくつかあるのは事実」としながら、制度がもつ根本的な問題点は是正できていないことを指摘。神戸市は、この間、子育て中の保護者や市民の「認可保育所を抜本的に拡充して待機児童の解消を」という願いに背をむけてきました。さらに、「待機児童を解消する」として、小規模保育事業を先行実施してきました。味口議員は「これまでの方針を根本から見直すことが強く求められる」と指摘しました。
また、学童保育についても条例案では、つめこみ保育を解消できないことも明らかになっています。
味口議員は「保護者の願いは、保育、子育て支援策の拡充であって、『新制度』の実施にともなって、保育水準の後退を許すことはできません。神戸市は、公立も含めて認可保育所を抜本的に増やすことを、待機児童解消の柱にするべき」と強調しました。