暮らしや子育て、地元中小企業応援で神戸経済と地域の活性を(予算反対討論:山本)
2016年04月10日
山本じゅんじ議員が予算反対討論
3月28日に開かれた神戸市議会本会議で日本共産党議員団の山本じゅんじ議員が「平成28年度神戸市一般会計予算」などに対する反対討論を行いました。
山本議員は反対理由として①都心・三宮(地区)一極集中による大型開発と投資となっている②中小企業への支援策、雇用対策が不十分③地域住民自治を壊す公共施設の一方的な再編計画になっている④自治体としての責任が大きく後退している⑤震災の教訓をいかした安心して住み続けられるまちづくりになっていないことの5点を上げました。
都心・三宮(地区)一極集中
予算特別委員会で神戸市が、1万5000㎡を超える巨大なバスターミナルを建設しようとしていることが明らかとなりました。現在のミント神戸のバスターミナルで対応できるにもかかわらず、中央区役所や三宮図書館・勤労会館などをつぶして建設しようというものです。山本議員は、成長戦略の名のもとに、市民不在のまま公共施設を押しのけ、巨大なバスターミナル建設計画を進めようとしているが「とうてい市民の理解を得ることはできない」としました。
また国際戦略港湾や神戸空港、医療産業都市の推進で、さまざまな優遇策を講じ、多額の投資を行ない推進してきました。特に神戸空港は、新都市整備事業会計の資金を流用するなどあらゆる手段を講じても業績は上がらず、神戸市が希望を託したコンセッションも全く見通しが立っていません。医療産業都市では、KIFMECが破産の申し立て手続きを開始しようとしています。
山本議員は「こうした事業を推進してきたが、市民生活や税収への効果は、ほとんどみられず実感できないというのが実態」としました。それでも神戸市は、あらたに新港突堤基部の再整備などをすすめようとしていると指摘。不要不急の大規模投資を伴う大型事業はやめるべきとしました。
中小企業への直接支援策を
市内の中小企業は、政府がいう「良好な経済」を実感できない状況が続いています。予算案でも航空・水素・ロボット・IT産業の推進など、政府・財界と一体となった「成長産業」にいっそう偏重しており、既存の中小企業対策がきわめて弱く、あいかわらず神戸市は融資制度が中心です。
山本議員は「神戸経済全体の底上げを図ることが何より大切」で「事業所数・従業者数で圧倒的多数を占める市内の中小企業への積極的な支援が必要」と指摘。既存中小企業の長年培われた力を生かした経済対策へ抜本的に転換するべきとしました。
また、元町高架通商店街や有楽名店街が、貸し主であるJRや阪神に立ち退きを求められています。これら商店街は、長年神戸を代表するスポットのひとつにもなってきた商店街です。山本議員は、神戸市は商店街で営業を継続することを求める業者の立場にたち、地域経済振興の立場からもJRに対して継続して営業することができるよう働きかけるように強く求めました。
公共施設の一方的な再編計画はやめよ
神戸市は「公共施設の最適化」として、公立幼稚園の廃園、障がい者・高齢者施設は民営化、小中学校の統廃合や義務教育学校の設置、公立保育所の再編、市営住宅は大幅な削減がすすめられています。公立幼稚園の廃園に対しは、保護者だけでなく地域や市立幼稚園PTA連合会からも反対の声が上がっています。
山本議員は「本来、公共施設は地域社会やコミュニティー活動の中心をなすもの」「一方的な再編計画の押しつけは改めるべき」と指摘しました。
自治体としての責任も後退させる
行財政改革2020案では、敬老祝い金の廃止や高齢者の配食サービスの縮小などが実施されようとしています。市長自身の公約「中学生までの子ども医療費の無料化」は今回も見送られました。7区で中学校給食が中止となった原因は「安上がりのデリバリー方式を採用」したことにあり、安定した中学校給食の実施体制を整えるためには、自校調理方式を真剣に検討する必要があるが、神戸市はデリバリー方式に固執しています。
山本議員は「小学校の給食も民間委託の対象とされている」と指摘。神戸市は衛生管理や食育にきちんと責任をもち、直営で実施すべきとしました。
震災の教訓をいかした市政を
借上災害公営住宅は、20年の期限を理由に被災者の追い出しを続けています。さらには入居者を裁判に訴えるなどと、市政の冷たさが象徴されています。やっと築き上げたコミュニティーを破壊し、命を危険にさらすことは絶対に許されることではありません。ポスト震災20年との市政は、被災者切り捨てであり、震災の教訓をいかした安心して住み続けられるまちづくりではありません。
山本議員は「阪神淡路大震災は、決して過去の出来事ではない」「借上災害公営住宅の問題がそのことをはっきりと示している」として「希望者全員が継続入居できるよう、被災者に寄り添い市民にあたたかい神戸市政への転換」を強く求めました。
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最後に山本議員は、日本共産党神戸市会議員団が提案している予算の編成替えを求める動議について、市長提案の予算から、不要不急の施策経費、大企業や外資系企業などの企業誘致への行きすぎた支援などの経費を削減することで財源をつくり出しており、その財源を活用することで「市民の願いに応えて、市民のくらしや福祉、教育、地元中小企業への支援など神戸経済の底上げと税源の涵養に資する拡充策を提案」するものであり、賛同を呼びかけました。