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震災20年 残された課題の解決を 都心再整備の再検討求める(代表質問:森本)

2015年02月24日

 森本真議員が代表質疑

 森本議員は、災害援護資金、借上住宅、新長田駅南再開発、都心の再整備問題を取り上げました。

災害援護資金は、被災者生活再建支援法がなかった20年前、住宅や家財などを失った被災者が唯一といってもいいお金でした。これまでの被災者の運動、議会での質疑などの結果、昨年4月「返済期限到達後10年以降、無資力状態であれば返済を免除する」ということになりました。神戸市は、少額償還者も免除対象とするように求めています。しかし、政府は、借受人が無資力状態であっても、「保証人」に返済能力があれば返済を続けてもらう、との立場です。東日本大震災の場合、保証人は必須要件にはなっていません。

森本議員は、借受人が無資力状態であれば、保証人に関係なく免除し、少額返済者も免除対象にするよう求めました。

民間オーナーの希望に沿う対処を

借上住宅問題について森本議員は、大震災で住宅を失い、やっとの思いで入居できた公営住宅から「20年の期限」を盾に追い出しをはかる神戸市などのやり方に、入居者は不安を、市民は行政の冷たさを感じていると批判。神戸市の民間借上住宅のオーナーは被災者のために、神戸市に協力し市営住宅仕様の住宅を建てました。35年ローンという莫大な借金を負っています。多くのオーナーは、震災前から住んでいたなじみの入居者の退去問題や、どんどん空き部屋が多くなっていることに困惑と不安を感じています。

森本議員はこうした点を指摘し、借り上げの延長、民間住宅の買い取りなど民間オーナーの希望に添った対処を求めました。

頑張り続けている商店こそ支援を

新長田駅南再開発事業について、当時の都市計画局長がテレビで「行政主導で住民の声を聞いてこなかった」と反省の弁を語っています。市長も長田区の新年のつどいで「さまざま課題がある」としています。

森本議員は、市長として当時の局長の指摘を認めたうえで、震災以前から頑張りつづけ、いまも苦しんでいる商店の苦境を救うため、直接支援する施策をおこなうよう求めました。

公的施設移転は本末転倒

都心の再生について神戸市は、昨年の目玉予算として、三宮駅周辺および未来創造都市など都心の再生を掲げ、1年かけて構想をまとめるとしていました。しかし、何の具体案も示されていません。にもかかわらず市長は、中央区役所、勤労会館、市役所2号館、3号館を集約化して「種地」を創出するなどの予算を計上しています。

森本議員は「ここに久元市長の政治姿勢が明瞭に表れている」と批判。市民に身近で大切な行政施設を開発の“種地”に使う、という姿勢を厳しく批判しました。

 

▲答弁とその後の質疑から▲

 市長「三宮再生は重要課題」

質問に対し久元市長らは「(援護資金)少額返済など自治体の判断でできるよう求めている。財務省から保証人の状況の把握が不可欠という見解が示された」「(借上住宅)契約通り返還を基本で進めている。買い取りは考えていない」「(新長田駅南再開発)市の床、権利者の床を一体運用して商業再構築したい」「(都心の再整備)20年間、復旧復興、財政再建に取り組む中、新しい課題もでてきた。他都市がチャレンジして発展する中、新しい発想で成長を考えないといけない。神戸の玄関口として三宮の都心再生は重要な課題」などと答えました。

大企業偏重でなく既存中小企業支援を

答弁に対し森本議員は「被災者は国の大きな壁を打ち破った経験がある。公的支援法を市民と一緒に勝ち取った。自治体が、返せないと判断すれば免除できるよう、兵庫県やほかの被災自治体と力を合わせ運動すべきだ。議会も応援する」と指摘しました。

借上住宅については建設当時、公営住宅法にもとづき神戸市営住宅仕様とされています。森本議員は「民間オーナーは、神戸市側の言い分に協力し建設した。それを20年で入居者をおいだす。空にするから、どうにかしてくださいというのではにっちもさっちもいかない、と言われている」と、改めて買い取るという姿勢に立つよう求めました。

新長田駅南再開発についても神戸市は、外部から大きな業務施設を呼べば地域も潤うというやり方です。森本議員は「店も自宅も焼けて、なにもなくなった中、区画を購入して、もう一回がんばろうとしている中で、困っている人を助けるすべになっていない」と批判。鳥居副市長は「やめたい、売りたいという方もいる」と認めながら「いっしょにすすめたい」との答弁にとどまりました。森本議員は「病気で倒れた人も共益費は払い続けないといけない。やめても共益費は払い続けないといけない、というのが現状だ。震災復興20年、今まで頑張ってきた人たちをこそ救わないといけない、という姿勢に立つべきだ」と強く求めました。

都心再整備について森本議員は「三宮駅前開発はJR、阪急の計画であり、市が財界と一緒になって、JRや阪急のための種地をつくろうとしている」と、市民サービスや福祉を後退させる姿勢を批判。「大企業に何億円も支援するなら、既存の中小企業に数千万円でも出して、元気になってもらうべきだ」と、大企業に偏重した都心再開発の再検討を求めました。