市民の意見を尊重し、敬老祝い金の存続を 市議団が申し入れ
2016年05月11日
5月6日に久元市長から敬老祝い金受給資格者(88歳と100歳)に対して、「お手紙」が一斉に届きました。
「手紙」では、「私の思いを直接お伝えするため」として、「今までお渡ししていた敬老祝い金を廃止」の考えを伝える内容です。
受け取った市民から「このような一方的で、失礼な手紙は今まで見たことが無い(88歳女性)」「市民に意見を募集している真っ最中で意図的としか思えない(88歳の親を持つ女性)」などの抗議の声があがっています。
日本共産党議員団は11日、市長に対して、敬老祝い金など政策等の決定にあたっては、「意思決定」の上からの押しつけではなく、市民感情に配慮するとともに、市民の意見を考慮・尊重する市政運営をおこなうことを求めました。「敬老祝い金など政策等の決定にあたっては、市民意見を尊重した市政運営をおこなうことを求める申し入れ」を行いました。
市長は、海外出張中(5月2日から12日 安倍首相とともに対日投資セミナーに参加など)のため、申し入れには神戸市保健福祉局高齢福祉部長らが対応しました。
共産党議員団は敬老祝い金の存続を主張
私たち議員団は、神戸市の敬老祝い金廃止の方針に対しては、政府の年金削減で高齢者の生活がさらに大変になっていること、市民や受給資格者に知らされず強引に決めようとしていること、市の税金のつかい方をあらためれば継続できることなどの理由から反対を表明してきました。
廃止は「市民意見の募集中」で「最終的な意思決定」ではない
神戸市は、4月25日から5月20日の期間で「神戸市敬老祝い金に関する条例の廃止とこれからの高齢者施策について」の市民意見を募集(パブリックコメント)しています。
その最中の市長の手紙は、「意見を考慮した上で最終的な意思決定を行おうとするもの」としたパブリックコメントの趣旨から逸脱したもので、「これからの高齢者施策について」も市民意見を無視したものになるのは明らかです。
敬老祝い金廃止は、議会は同意していない
また、「手紙」をおくられた市民は、市議会で議決された「神戸市敬老祝い金に関する条例」で「祝い金の支給を受けることのできる者」としての権利を有しています。
「条例の廃止」について市議会で一度も審議されていないにもかかわらず、市長の強引なやり方は、地方自治体の二元代表制の根幹を無視した行為といわざるをえません。