福祉パス制度の改悪ねらう 市が検討会設置
2012年06月07日
障害者など弱者ねらい打ち
検討会審議わずか3回
第1回神戸市福祉乗車制度のあり方検討会が6月7日、開かれました。神戸市は、検討会の審議を通じて、同制度の「改悪」をすすめようとしています。しかし、検討会はわずか3回。6月に続き、7月と8月に開き、「報告書案」を出すというスケジュールです。福祉パスは、障害者、母子家庭、生活保護世帯、原爆被爆者などを対象に、9万枚以上交付されています。多くの対象者に知らせることなく、審議が進められています。検討会の傍聴席もわずか10席にすぎません。あまりにも性急すぎます。
神戸市は、見直しの理由として、交付枚数の増加による財政負担の増大、利用実績の把握が困難、不正使用、他都市との比較、他の移動支援施策との関係の整理、などをあげています。同時に「時代に即した福祉乗車制度の在り方を検討」「ICカード化による不正利用防止」「実績に応じた負担金配分」などを実現するとしています。
現在の発行数の内、障害者が52,426枚で、全体の58%を占めています。利用実態についてはICカード化することで解決します。
「不正利用」が常態化しているかのような主張も、現実とはかけ離れています。不正利用があれば、厳正に対応すればいいことです。一部の不正利用を口実に、障害者など、社会的弱者の移動手段を奪うことは許されません。事業者への負担金についても、現行では市バスが75%を占めています。
神戸市は、70歳以上の高齢者に交付している敬老パスを08年に有料化、10年には負担を二倍に引き上げました。その結果、利用者は5万人も減少しています。
矢田市長になってから、次々、福祉制度が改悪されてきました。01年度からの10年間で、市民負担は276億円も増えています。これ以上の市民サービス低下は許されません。福祉、暮らし、営業を守るため、日本共産党議員団は、市民の皆さんと力を合わせてがんばります。