借上継続で入居者の不安解消を
2012年12月05日
西ただす議員が議案外質問
西議員は、借上住宅、中学校給食、子どもの医療費助成、携帯基地局問題を取り上げました。
神戸市は、災害借上公営住宅入居者に対する強制退去という方針を変えようとしていません。日本共産党議員団はこれまでも、入居者が震災後ようやく落ち着いて生活できるようになり、入居者同士、また近くの人たちとのコミュニティもできあがっていることなどを指摘し、市営住宅として継続するよう、繰り返し求めてきました。ところが、市長らは口では「丁寧に対応する」とはいうものの、転居以外の選択肢を示していません。
西議員は改めて、神戸市のやり方に、入居者が耐え難い苦痛を味わっていることを指摘。宝塚市や伊丹市が市営住宅として住み続けられるよう、対応していることと比べても、神戸市の姿勢は異様だと批判。弁護士団体からも法的に問題があると指摘されていることも示し、入居者に政府が認めている3つの選択肢を示し、市営住宅として住み続けられるようにすべきだと求めました。
中学校給食・検討会での公平な議論保障を
中学校給食を求める声はどんどんひろがっています。署名は、須磨区や東灘区で1万筆を超え、全体で6万筆を超しています。運動会や音楽会にあわせて小学校前でおこなわれた署名活動では、列ができるほどです。県下でも中学校給食を実施する自治体が増えています。10月には、芦屋市でも自校方式で実施することが決まりました。
ところが教育長は「自校方式は財政的に論外」など、コスト優先の発言を繰り返し、検討会での議論を誘導しています。
西議員はこうした態度を批判するとともに、あり方検討会に、全国で取り組まれている自校方式のすばらしさをきちんと説明し、公平な議論を保障すべきだと求めました。
中学校卒業まで医療費無料に
神戸市の子どもの医療費は、この12月から通院は2歳児まで無料になりましたが、県下ではなお最低水準にとどまっています。西議員は、安心して子育てできる神戸市にするためにも、医療費無料の対象を広げるべきだとして、中学校卒業まで無料にすべきだと求めました。
携帯基地局・健康守る立場で対応を
携帯基地局からの電磁波による健康被害が各地で問題になっています。東灘区住吉山手地域でも、携帯基地局撤去を求める運動が起こっています。地域住民がおこなった健康調査アンケートでは、めまい、吐き気、鼻血、目の渇きなどの意見が10数件出ています。基地局の近くには、住吉中学校や子どもホームなどもあります。ところが、建設前、地域にたいする説明は行われていません。隣のマンション住民にだけの説明にとどまっています。
西議員は、住民の生活と健康を守る視点から、住民への説明等の義務づけなど、対策をとるよう求めました。
◇ 答弁:質問に対し矢田市長らは「(子どもの医療費)助成制度は県市協調だ。それに市独自の上乗せで中学3年生までの入院費を無料としてきた。本来、国が取り組むべき施策だ。中学卒業まで無料にするには22億という市の独自財源が必要で現状では難しい」「(借上)自治体それぞれの状況に応じて検討されているのは承知している。オーナーの意向も様々で、公平性の観点から20年の期限をもって返還する。希望する地域に住み替えてもらうよう早い段階から斡旋している。今後も安心感を持ってもらえるように無理のない住み替えで居住の安定を図っていく」「(携帯電話基地局)電磁波と健康被害の因果関係については、宮崎地裁で判決がでている。症状は認められたが、直ちに電磁波によるものではないというのが実情だ。設置については、電波法を所管している総務省が許可している。低いレベルで、一般の住民に健康被害を及ぼさないとされている。自宅などで電磁波を測定したい方には簡易型の測定器を貸し出している」「(給食)検討会で議論いただいている。10月に他都市を視察した。自校調理方式、親子方式、センター方式、あらゆる方式を見ていただいた。視察の結果をふまえて、実施する方法、それぞれのメリット、デメリット、経費面を含めて議論いただく。実施については白紙の状態だ。自校調理方式になると、敷地内で給食室を建設できるというのは82校中10校しかない。自校調理方式については具体的に検討する場合、やらないといけない課題が山積しており、現実的ではない」などと答えました。
多数の借上オーナーは継続を希望
西議員は再質問で、借上住宅について、圧倒的多数の民間オーナーは、継続を求めていること、神戸市の財政負担も増えないことも明らかにしてきたと指摘。高齢者にとって、転居がどれほど大変か分かっているはずだとして「高齢者や障害者の状態が悪化して、生命にかかわる問題だ」と批判しました。
中学校給食については、経費問題最優先という立場に立っていると批判。食育の観点から、全員喫食を念頭に置いて進めるべきだと求めました。電磁波については、鎌倉市などでは条例もできているとして「住民合意をどう担保するのか」とただしました。同時に、予防原則という立場で対応する必要性を強調しました。
◇ 答弁:これに対し中村副市長は「借上住宅は臨時的に供給した。公平性の確保、財政の観点から適切に返還していく必要がある。オーナーに円滑に返還することと、居住の安定とがある。出来るだけ早い時点から話をしてスムーズに別の市営に移っていただく。いろんな人がいることは知っている。福祉とも連携しながら対応していきたい」などと答えました。
◇ 西議員は、借上住宅について、つい最近まで内部でも延長を検討していたこと、オーナー対象に延長を含めたアンケートをしていることなどをあげ「180度態度を変えて追い出そうとしている。安心して生活できる手だてを取ることが神戸市としてとるべき態度だ」と批判しました。