予算懇談会 市民生活守る予算案に
2014年02月17日
大企業優先に批判の声
日本共産党神戸市会議員団は2月17日、神戸市中央区の私学会館で2014年度予算懇談会を開き、約80人の市民が参加しました。
松本のり子団長が挨拶したあと、神戸・市民要求を実現する会の武村義人代表が「神戸市は国の方針に右にならえ。県も4~5億円で継続できるのに高齢者医療費助成を改悪しようとしている。市民要求に目を向けた予算にしていくことが大事だ」と、安倍内閣や兵庫県、神戸市の姿勢を厳しく批判しました。
森本真議員団幹事長が、神戸市予算案の内容を報告。全体の特徴は国とよく似ているとして「大企業や大規模事業には金を使うが、市民の暮らしのための予算はきわめて少額。大企業が栄えると周りが潤うというトリクルダウンの方針で、アベノミクスに寄り添った大企業優先、企業誘致最優先の予算案になっている」と批判。同時に、市民運動の成果として、中学校給食、乳幼児医療費助成の拡充、神鉄への敬老パスと同程度の支援策の検討、学校司書の配置などをあげるとともに、それぞれの課題も明らかにしました。
喜田ゆい県議が、兵庫県の福祉医療改悪の内容などについて説明、県民、市民に優しい県政、市政にしていきたいと決意を表明しました。
地域循環型経済策に転換を
中学校給食は自校方式で
参加者からの発言要旨は次の通りです。
「子どもの医療費が800円から500円になったが、近隣自治体がどんどん無料になっているので、早く中学卒業まで無料にしてほしい。中学校給食も、川西は自校方式でやると決めたと聞いている。デリバリー方式は破綻が明らかになっている。神戸市も少しずつでも自校方式を実現してほしい」(新日本婦人の会)
「いままで微々たるものでも運動で勝ち取ってきた信用保証料の援助などを喜んできた。ところが今回、大企業への固定資産税の補助の仕方を見たら怒りがわいてくる。神戸経済を支えている中小業者が固定資産税を払えなくなると、差し押さえまでやっている態度とあまりにも違いすぎる」(兵商連)
「雇用問題は、企業に任せていては進まない。公契約条例で雇用安定を図ること、地域循環型の経済をつくることが不可欠だ。公契約条例で仕事の安定、中小企業振興条例とセットで地域を活性化させることが大事だ。神戸市が雇用している非正規労働者の条件アップは自らの判断でできる。市立大学や高校の卒業生に労働法のダイジェスト版を配るとか、ブラック企業の餌食にならないような施策もできるはずだ」(兵庫労連)
ゆるされない被災者いじめ
「空港の利用者は403万人、と言っていたのに230万人。着陸料も減って県の補助金などを投じても足りない。空港島造成のための借金が返せず毎年度、市債を発行している。市はすべての資料を示して廃港も含めて検討すべき」(ストップ!神戸空港の会)
「小規模保育事業のあり方を危惧している。直接契約もするとしている。保育料が払えないと切られるのではと危惧している。認可保育所の整備を望んでいる」(神戸市保育運動連絡会)
「借上住宅入居者は、20年で追い出されるとの恐怖感をもっている。神戸市は完全予約制というまやかしの制度を出してきた。転居を申し込んだ人だけは5年延長するというものの、申し込んだら確実に転居させるというもの。大震災の教訓を継承するというが、被災者をいじめて20年で追い出す、などという制度を継承されたら困る」(借上住宅協議会)
「神鉄の利用者減は続いている。このまま今のやり方で神鉄任せでは解決しない。敬老パス、福祉パスの適用を求める署名に取り組んでいる」(公共交通神戸電鉄粟生線/沿線住民の足を守る会)
「神鉄に敬老パスと同等の施策をとりたいと市長が言ったのは大きな前進だと思う。神鉄とも懇談する」(みんなで乗って残そう神鉄粟生線・北区連絡会)
「国保料の計算方法がかわることで、年金22万円程度の非課税世帯に所得割が発生し、5万円くらい値上がりする。経過措置はするというが、一般会計繰り入れと控除拡大を求めて運動したい」(社保協)
各減免制度に影響
生活保護基準引き下げ
「最先端の医療、科学技術のまちづくり、などと言っているが、私たちが望むのは身近な医療の充実だ。国際社会に貢献といいながら、金儲けの路線に沿って進めるようになっている。介護保険の改悪で、要支援を自治体に移行するとなっているが、要支援1、2の人がどうやって暮らしているか、市内の介護事業所の実態など、把握してこんな方針を出しているのかと思う」(民医連)
「生活保護の基準引き下げで、様々な減免制度などにも影響が出てくる。福祉パスの取り上げで社会参加の機会が奪われている。クーラー、エアコンを設置して欲しいと要求している」(生健会)
「障害者権利条約を1月に批准した。国の責務が定められている。北神電鉄と神鉄については敬老、福祉パスが使えるようにしてほしい。ICカード化で、福祉パスで地下鉄に乗って北神急行にも乗ると、普通料金を払わないといけない。障害者は半額になるのに全額とられる。しかも改札が通れない。重度心身障害者、医療的ケアを必要とする人を対象とする施設が神戸市には、にこにこハウス一つしかない。医療的ケアが伴うので在宅では大変な状態になる。友生養護学校跡地や垂水養護の跡地には少なくとも重度障害者向けの施設をつくってほしい。医療では一医療機関に薬局は含めないでほしい。両方で一つのものとして対応を」(兵障協)
「子どもの権利条約は20年前に批准されているが政府が無視している。学校現場、保育所現場など、子どもに関わるところは正規職員でということを基本にしてほしい」(DCI神戸)
「教育日本一というスローガンは問題。学力はどうなのか、不登校はなど、数値目標で追求されやすい。すぐに結果が出ないのが教育。校務に非正規を持ち込もうとしているが、現場では打ち合わせもできなくなり、十分な連携ができなくなる。神戸市は『人は人によって人になる』と言いながら、人を配置していない」(全教神戸)