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議会改革

市民から議会を遠ざける危険

2011年09月16日

市会改革「通年議会」のデメリット指摘

市会活性化に向けた改革検討会が9月16日に開かれました。第5回目になる今回は、これまで、検討してきた項目の内、当局に対するチェック機能の強化を中心テーマに議論しました。議決事項の拡大、調査権限、本会議での質疑のあり方、通年議会、予算編成過程や議案の賛否のための情報開示などについて、各会派から提出された意見を基に議論を行いました。日本共産党議員団からは、松本のり子、金沢はるみ両議員が参加しています。
議論の結果、神戸市の基本計画(マスタープラン)を議決対象に加えることや、本会議での一問一答方式の導入は、全会派が合意しました。通年議会については、公明党やみんなの党、新社会党などが賛成。民主党、自民党などは年2回の開催という考えを示しています。
日本共産党議員団は、通年議会にはメリットとデメリットがあると指摘。市民の政治参加、議会への関心を高めることにつながるのかどうかという点を基本に議論することが必要だと主張しました。
メリットとして①市長の専決処分がなくなる②議長が本会議を招集できるということがあります。
逆に、デメリットとなる部分も多くあります。特に、市民の議会や市政への参加機会を減らすことにつながる可能性が高くなります。
議会では、会期中に一度、議決・決定した事柄については再度の審議はしない、とする「一事不再議の原則」があります。現在、年4回の議会ごとに、多くの市民が、請願、陳情を提出、口頭陳述を行うなど、市民の議会、市政参加の大きな機会となっています。口頭陳述は、神戸市議会の進んだ制度のひとつです。
通年議会あるいは年間2回の議会となった場合、たとえば、「敬老パスの無料復活」などを求める請願、陳情は、年に1回か2回しか提出できなくなる可能性があります。同じような内容で市民が提出した請願、陳情が「一事不再議」として、議論されないということも否定できません。現実に、通年議会制をとっている三重県四日市市議会などでは、同様の請願などは一事不再議の扱いとされています。
日本共産党議員団は「一事不再議とされれば、請願、陳情が激減する可能性も否定できない。これは、市民から議会を遠ざけることにもつながる」と指摘しました。
検討会では、一事不再議問題については、引き続き議論することになりました。