ヤミ専従問題 「神戸市当局主導」の違法行為と第三者委員会が断罪(総括質疑:味口)
2018年12月04日
ヤミ専従問題
「神戸市当局主導」の違法行為と第三者委員会が断罪
味口議員が総括質疑
神戸市当局と労働組合幹部(市職員労働組合と市従業員労働組合)が組織ぐるみで、ヤミ専従を行ってきた問題で、職務専念義務違反に関する調査委員会(以下、第三者委員会)は、〝神戸市の意向が強く反映され神戸市主導で行われてきた脱法行為である〟と断罪しました。12月3日に開かれた決算特別委員会総括質疑で、日本共産党の味口としゆき議員が市長の政治責任を追及しました。
久元市長の責任は明白
第三者委員会が11月22日に発表した「中間報告」等では、神戸市が「脱法行為と指摘されることを認識していた」にとどまらず、「市の事業や取り組みを円滑に進めるための手段として位置づけ」ており、「長期間の組合専従は神戸市の意向が強く反映されたものと言わざるを得ず、神戸市の責任は重い」と、厳しく指摘しました。
味口議員は、この調査結果から、当局主導の不正行為は明白であり、久元市長は自らの責任を取るべきと求めました。
答弁ダイジェスト
久元市長:市長には当然責任があるので、第三者委員会の最終報告を受けたあとに明らかにする。しかし、過去神戸市政では73年から93年まで、共産党は市長を応援した。異常に高い給与など革新自治体の経営がヤミ専従の根源だ。
味口議員:市長自身の責任を先送りしながら、真相解明をまかせた第三者委員会で一言も触れられてもいない革新自治体についてなぜ言及できるのか。高い給与というなら、自治省官僚として地方公務員より高い給与と退職手当を受け取ったのは久元市長ではないか。
自治省発表の1973年決算の一般会計にしめる人件費割合は、革新自治体だった東京都35.2%、保守県政の兵庫県40.7%。けっして過去の革新自治体が高かった証拠はない。40年以上前の破たんした議論を持ち出し、自身の責任を免れるような発言は絶対許されない。
労働組合もヤミ専従は「久元市長の公約実現のため」と認めている
第三者委員会はヤミ専従は「神戸市主導」と指摘し、市職労も機関紙「公鏡」で「久元市長の公約実現のためにやってきた」と述べています。
味口議員は、市長が5年間知らなかったなどありえないと述べ、久元市長は、直ちに責任を取るべきと求めました。
答弁ダイジェスト
味口議員:第三者委員会は、ヤミ専従は神戸市主導と指摘している。これを利用してきたのが久元市長だ。ヤミ専従を温存させてきた職員を、副市長や局長に任命したのは市長だ。自分の責任は先送りで最終報告を待つなどとんでもない態度だ。
久元市長:最終報告待たずに、(幹部職員を)十分ではない根拠に基づいて処分できない。私は職員出身ではなく不適正な職場の実態は承知していない。5年間、把握できなかったということについては責任がある。
味口議員:総務省の官僚として地方政治に精通していることを売りにしてきた市長としては逃げ口上にすぎる。市長に統治能力がなかったと言っているようなものだ。
神戸市職員の職員団体等の活動における職務専念義務違反に関する調査委員会による中間報告等(概要) 全文はこちら
離席率について(中間報告)
離席率(職場を離れている時間には職免申請がなされている時間も含まれているので離席率=職務専念義務違反の割合ではない)に関して、現段階で一応の心証を得た者について報告する。調査未了者がいるため、年内の最終報告を目指す。
過員配置問題について(中間報告)
組合本部役員がいることを理由とする過員配置を廃止し、業務量に対応した適正な人員配置にすべき。
(抜粋)「平成7年から平成21年にかけて職員部長や行財政局長のポストにあった複数の元職員から事情を聴取したが、いずれも『過員配置』の事実については『認識していなかった』、『職務専念義務違反(ヤミ専従)』の事実についても…どの程度だったかはわからない」との回答しか得られなかった。これらの供述が、多くの職員が…『当然のこと』と認識していたと供述していることに照しても、その信用性には大きな疑いがある」
虚偽回答問題について
平成20年5月に総務省によって実施された「無許可専従に関する一斉点検」に対する神戸市の(ヤミ専従はなかったなどとする)回答は、客観的事実に反し、虚偽回答であった可能性も否定できない。
(抜粋)「職務専念義務違反行為は、職員団体等の側で内密に行っていたというものではなく、当局側においても、職員団体との日常的な協議・意見交換を市の事業や取り組みを円滑に進めるための手段として位置づけ、これを随時行えるよう、職務専念義務違反行為を長年に亘って事実上容認してきた経緯が存在する」
法令の上限を超える在籍専従許可問題について
平成元年以降、法令上限を超える在籍専従許可を受けた職員は、市職労は8名、市従労は4名認められた。
平成14年以降、法令上限を超え組合専従させる目的で、外郭団体等に派遣されていた職員は、市職労は2名、市従労は4名認められた。神戸市は法趣旨を逸脱することを認識しており明らかに脱法行為である。
(抜粋)「神戸市職員作成による平成14年7月10日付『組合専従者に対する対応』では、情報公開請求がされた場合、法令の上限を超える在職専従について違法性を指摘される可能性があるため、退職派遣を用い、派遣先で休職等した上、組合専従するとされている。また、『7年問題はクリアできるが、全容が明らかになると意図的に脱法的行為を行ったととらえられる危険性がある』とも記されており、神戸市においても、脱法行為と指摘される可能性を認識していた」
(抜粋)「退職派遣を用いた組合専従を行う場合、組合役員の給与等は組合負担であり、在籍専従に比して組合側に特段の利益はないことからすれば、法令違反の批判を避けるべく、神戸市主導で退職派遣を用いたと考えざるを得ない。さらに、退職派遣以前から、『3役については専従に入ってもらうよう対応してきた』と記されていることからしても、長期間の組合専従は神戸市の意向が強く反映されたものと言わざるを得ず、神戸市の責任は重い」
専従休職者の復職時の昇給及び昇格並びに退職手当の過払いに問題について(略)