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議員提出議案(反対討論:赤田)

2018年12月12日

赤田議員が議員提出議案

 12月5日の神戸市議会本会議で赤田かつのり議員は、チェックオフに関する「神戸市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の件」を閉会中継続審査とすることに反対し討論しました。(反対討論の全文は以下の通りです)

 

議員提出第38号議案「神戸市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の件」を、「閉会中継続審査」とすることについて、私は日本共産党神戸市会議員団を代表して、反対討論を行います。

同議案は、神戸市職員のうち、神戸市職員労働組合の組合費だけを、給与からの控除(いわゆるチェックオフ)を議員提出議案によって廃止しようとするものです。

議案の提案理由によれば「なれ合いが生じている不健全な労使関係をただし、もって市政に対する市民の信頼を得る」ことを目的としています。

日本共産党神戸市会議員団は、これまでも、不健全な不当・不法な労使関係については、速やかな是正をもとめる立場であることを繰り返し表明してきました。 

しかし、不健全な労使関係を調査している「神戸市職員の職員団体等の活動における職務専念義務違反に関する調査委員会」、いわゆる第三者委員会からの中間報告では、ヤミ専従や退職手当の上乗せなどの不当行為が、「神戸市当局と組合幹部の組織ぐるみ」でおこなわれ、それも「神戸市当局主導」おこなわれたことを厳しく指摘し、断罪をしています。

一方、チェック・オフ制度の問題については一言の言及もありません。

つまりチェック・オフ制度と不健全ら労使関係、いわゆるヤミ専従等の問題とは何の関係もないことが、第三者委員会の調査からも明らかになったのです。

先の決算特別委員会の議論においても、不健全ら労使関係を市政運営に利用してきた市幹部職員らは「知らなかった」など言い逃れの証言を述べていることが、第三者委員会において「信用性には大きな疑いがある」と指弾されました。

これら幹部職員を重要ポストに任命してきた久元市長も、同じように5年間「気づかなかった」「知らなかった」と言い逃れの答弁を繰り返し、幹部職員についても証拠が不十分などとして処分を先送りしています。

これまでもヤミ専従など不健全な労使関係は「当局の関与無しになし得ない」ことは、誰もが認めていることです。その当局側の責任も、処分をあいまいにしながら、何の関係もないチェック・オフ制度を廃止して、合法な便宜供与を廃止することは、ヤミ専従問題における当局の責任をあいまいにする、きわめて不適切な行為と言わざるをえません。

ひるがえって他都市の状況を見ると、チェック・オフに基づく給与天引きが、多くの自治体で実施されていますが、ヤミ専従問題が神戸市に際立っている点からも、無関係な議論を持ち出していることは明らかです。

だからこそ、神奈川県鎌倉市においては「チェック・オフ廃止」議員提出条例は、議案提案者が答弁された通り、労働組合の法令違反を言及することがあっても、「委員会でも本会議でも否決された」のです。ただ加えるならば、日本共産党のみの反対ではなく、公明党をはじめ議会の良識の多数によって否決されたのであります。

また、茨城県牛久(うしく)市においては、「泉佐野市の大阪地裁判決や、大阪市の不当労働行為再審査事件の命令書交付などを受け」、10年前に廃止したチェック・オフ条例を、自民党、公明党、日本共産党、国民民主党、日本維新の会、新社会党など全会一致で、復活させたのは、まさに今年のことであります。

そもそもチェック・オフ制度は憲法が保障する労働基本権です。

これを重要な組合活動の一つとして保証するべきことは、いまや国際的な常識となっていることは、我が会派の質疑で、久元市長もお認めになっていることであります。

神戸市人事委員会の回答においても「チェック・オフは長年に亘り労使慣行として広く定着していると考えられますし、チェック・オフの廃止により、チェック・オフを希望する職員にとっては不利益になる」と指摘されております。

労使いずれもチェック・オフの廃止に合意していないもとで、議会が勝手にチェック・オフ制度の廃止を定めれば、使用者である神戸市と、被使用者である労働組合や職員団体の合意に介入することになります。

議会には条例制定権が付託されておりますが、市職員の団結権を弱体化させる方向での権利の乱用は、地方自治法の要請ではありません。

この議員提出議案にあたっては、先の総務財政委員会で、多くの会派は、ヤミ専従は当局主導で行われたものであったことを指摘し、当局関与の真相解明を求める声が大半を占めました。「チェック・オフとヤミ専従は何の関係もない」という意見も多く出されました。であるなら、「もう少し議論を慎重に」「専門家・当事者の意見を聴いて」と言って継続審査にするのではなく、直ちに廃案にするべきです。

以上、わが議員団からの反対討論とさせていただきます。