災害の教訓生かし対策を(建設局:金沢)
2014年10月02日
建設局審査で金沢議員
10月2日に開かれた神戸市議会決算特別委員会建設局審査で、日本共産党の金沢はるみ議員は、8月の台風・豪雨被害対策などを取り上げました。
今回、民有地での被害が多く出ました。しかし、神戸市は「民間の所有は民間で補修するのが基本」との立場です。しかし、私道は、行政では対応できないということで、住民からは困惑と憤りの声も出ています。民間所有の山も同様です。土砂崩れなどが発生すれば住民のいのちにもかかわります。また、長田区では、擁壁が崩れる被害も出ていますが、自力復旧には多額の費用がかかります。横浜市では、擁壁の崩れに対する支援制度があります。
今回の被害では有馬街道が広い範囲で陥没し、通行できない状況が長く続きました。代替道路として、六甲北有料道路の無料化が行われましたが、慢性的な渋滞が発生。消防団員が土嚢を取りに行くのに渋滞に巻き込まれるという事態も生まれています。河川の逸水被害では、10年前の台風23号による被害を受けた地域が、今回も床上・浸水の被害にあっています。
金沢議員はこうした点を指摘し、日常的に市民が利用する道路、あるいは民間所有の山、擁壁などにたいする支援策の創設、主要道路が通行止めになった場合、該当区間だけ高速道路の無料化を会社と協議すること、監視カメラの設置等の検討、災害に機敏に対応するためにも、日常的に職員体制を充実させること、などを求めました。
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答弁:質問に対し末永清冬建設局長らは「(民有地)支援は難しいが、一関市で私道に補助しているのも承知している。他の自治体の事例で、どういった形で支援を求められているのか研究していきたい」「(擁壁補助)横浜で制度があるのは承知している。私有財産への公的支援になるので、必要な部分があるか研究していきたい」「(山)区域の規制によって国が入ったり県が入ったりしている。我々も国、県に対して早く入ってほしいと要望を出している。一定の要件があれば入っていけるのではないかと思っている」「(河川へのカメラ設置)今後の増設については、見直しを考慮しながら検討していきたい」などと答えました。
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船坂川の上流には丸山ダムがあり、豪雨などの前に放流されます。放流する際にはサイレンが鳴るものの、台風時はサイレンは鳴らず、かなりの増水となっていても、危険かどうかわかりません。金沢議員はこうした点も指摘し、サイレンの設置を県に求めるようただしました。また、県との連絡体制の検証も求めました。畑恵介部長は「県と協議していく」と答えました。
災害時の対応で大きな役割を果たす建設事務所の職員が、この10年間で約20人減っています。金沢議員は、災害発生時やその後の対応に混乱も発生したことなどを指摘し、通常から職員体制を強化するよう求めました。