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漁業者に具体的支援を(産業振興局)

2013年02月28日

産業振興局審査で赤田議員

神戸市議会予算特別委員会の産業振興局審査が2月28日におこなわれ、日本共産党の赤田かつのり議員は中小企業基本条例、融資制度、三宮地域で新築されたビルに入居する企業への賃料補助、漁業者支援問題などを取り上げました。

中小企業振興基本条例は1979年に東京・墨田区で制定されて以来、全国にひろがり、現在、100自治体を超えています。赤田議員は、地域に根差した中小企業の振興を重視することが、地方自治体の社会的責任だということを明確にした旗印が必要だと指摘。条例制定に着手するよう求めました。

神戸市の中小企業融資制度の貸し付け実績は、08年度の2976件・467億1000万円から下がり続けて、2011年度には2313件・216億5400万円となっています。融資制度は中小企業の資金繰りを支え、廃業・倒産を食い止める力になっています。しかし、融資を受けて頑張れるものなら頑張りたいと思っていても、返済の不安を抱えます。複数利用してきた融資制度の借換え・一本化をとの要望も強く出ています。赤田議員は、こうした点を指摘し、セーフティネット資金融資、無担保無保証人融資、小規模企業おうえん融資の返済期間を10年以上に、措置期間を3年以上に延長すべきだとただしました。

神戸市は、都心地域オフィス等立地促進事業で、新築・建替されたビルに入居する企業への賃料補助制度を開始するとしています。年間最大で9000万円も補助するとしています。赤田議員は、大手消費財メーカーの三宮移転が大きく報じられたことなどをあげ、事実上の大手企業優遇策であり、中止すべきだと求めました。逆に売り上げがほとんどないところまで苦境に立たされながらも、営業を続けている商店への支援策として、家賃補助制度を創設するよう求めました。

塩屋港は第1種漁港で、地元の沿岸漁業の根拠地となっています。海苔の養殖・加工業が盛んで、市内で最も高いシェアを占めています。しかし経営実態は厳しいのが現状です。漁業者は専用船の機能向上、製造機のオートメ化などでローンに苦しんでいます。最近では海苔船の燃油の高騰や高い水道料金、垂水下水処理場からの高度処理水の排出によって海苔が黄色く色落ちし、1枚当たりの単価が10円台を割る事態となっています。赤田議員は、現場に入り、実態を調査するよう要求。海苔の色落ち防止対策の研究、水道料金の減免制度をつくるなど対策をとるよう求めました。

◇ 答弁:谷口時寛局長らは「(振興条例)中小企業活性化プログラムを策定し、検証もしている。経済環境を踏まえ、ニーズに沿うような施策をしたい」「(融資)据え置き期間について短いという話もあり、要望があるか検討したい」「(賃貸料補助)都心エリアに事業所の集積が進めば、新たな取引の機会が増え、活性化につながる」「(漁業支援)漁業環境改善の取り組みもすすめている。栽培漁業センターでヒラメの稚魚も放流し、漁獲高は顕著に上がっている。他の産業も水は使う。海苔業だけ支援というのは困難」などと答えました。

◇  赤田議員は、漁業支援について、燃油代など経営は厳しいとして、改めて対策を要求。都心オフィスへの賃料補助について「小売店への直接支援こそ必要だ」と迫りました。