既存の中小企業支援こそー 企業誘致偏重を批判(総括質疑:赤田)
2014年10月14日
赤田かつのり議員が総括質疑
10月14日に開かれた神戸市議会決算特別委員会で、日本共産党議員団の赤田かつのり議員が総括質疑に立ち、中小企業支援策、三宮開発、財源の使い方などを取り上げました。
神戸市は、経済対策として誘致企業に対する優遇策を拡充しています。三宮開発も同様、誘致企業には税の減免制度など、他都市と比べてもトップクラスの優遇措置を講じています。財界主導による三宮開発は、大型ビルやJR、阪急の駅ビル建て替えなどで地元商店に大きな影響が出ることが予想されます。ミント神戸がオープンしただけでも「人の流れが変わり、売り上げも減少した」という声が出されています。しかし、神戸市は影響調査もしていないことがあきらかになっています。
赤田議員は、地元商店などの声を紹介しながら、企業誘致では市内既存中小企業に波及しないと指摘、「特定企業だけが恩恵を受けるようなインセンティブ策はやめるべき」とただしました。
三宮開発地元業者に悪影響 「全業者調査こそ必要」と批判
また、三宮開発について、何の調査もせず「都市間競争に勝つ」ということだけで進めようとしていることを批判。三宮周辺地域を支えてきた業者を置き去りにするようなやり方ではなく、全事業者を対象とした調査をすべきだと求めました。
神戸市の一般会計は、3年間で約110億円の黒字となっています。黒字になった原因は、市民福祉の削減、市職員の削減などです。神戸市はこの黒字分を財政調整基金に積み立てるとしています。
赤田議員は、市民に負担を押し付けた結果生まれた黒字であることを指摘、来年度予算で、中学校卒業までの医療費の無料化、深刻な過密校対策などに活用するよう求めました。
▲答弁とその後の質疑から▲
質問に対し久元喜造市長らは「(企業誘致)都市間競争に打ち勝つために、市税優遇策の拡充、都心オフィス立地促進事業などを創設した」「(三宮再整備)ミント神戸は駅の整備、バスターミナルの必要性などから計画した。利便性も向上した。三層構造で地下でもつながっている。来街者の増加に寄与している」「(黒字)今後も、収支見通しは不透明。少子高齢化などで財源も必要になる。財政調整基金に積み立て、臨時的財源として使う」「財政調整基金がゼロなら、予期せぬことがおこれば大変だ。福祉向上にはつとめている」などと答えました。 赤田議員は、これらの答弁に対し、神戸市工業統計でも中小企業が減少し続けていること、融資についても「融資予定額」が減少していることなどを指摘、直接支援がないなど、既存中小企業にたいする支援策が不十分だと指摘しました。
三宮開発について、具体的な調査をすることなく推進していること、開発によって三宮一極集中となり、他の区の商店も営業が苦しくなることなどを、経営者の声を紹介しながら指摘、市民の暮らし増進にはつながらないと批判しました。
子どもの教育条件改善こそ
黒字となった3年間、神戸市は、保育所民営化、福祉パスの改悪、子育て世代の増税などを進めました。他方、医療産業都市、神戸空港などには多額の資金を使っています。
赤田議員は、久元市長がブログで、プレハブ校舎があたかも過去の問題だったかのように書いていることも指摘、今なお、市内30校でプレハブ校舎での授業が行われていることなどをあげ、子どもの教育環境の改善などにこそ黒字分を使うべきだと批判、福祉施策を後退させてきた路線の転換を求めました。