地域住民の声反映を中央市場本場跡地利用などただす
2012年09月18日
金沢はるみ議員が議案質疑
神戸市議会定例市議会が9月18日に開会。会期は10月23日までで、2011年度神戸市各会計決算などが審議されます。
開会本会議の18日には、日本共産党議員団を代表して、金沢はるみ議員が議案質疑に立ち、中央卸売市場本場西側跡地売却問題、外郭団体にたいする債権を放棄する問題などについて矢田立郎市長らの責任を追及しました。
神戸市は、中央卸売市場本場西側跡地をイオンモール株式会社に45億円で売却するとしています。この跡地利用について兵庫区南部の住民は、強い期待と要望をもっています。日本共産党議員団が実施したアンケートでは、第一位が食と観光用の小売市場、第二位が市営住宅の建設、第三位が公営プールを備えた運動公園、という声が寄せられています。
金沢議員は、第1に売却額45億円の根拠について質問。今回の売却額45億円の根拠は何一つ明らかにされていないと批判。根拠を明確にするよう求めました。また、跡地の利用計画について、同議員は、売却相手のイオンに対して、住民の声・要望が十分に反映されていないとして「市民の声を取り入れた提案に作り変えるべき」だと市長の見解をただしました。
住宅供給公社は存続すべき
神戸市は、神戸市住宅供給公社の民事再生手続きに関して、貸付金24億円の債権を放棄するとともに、同公社に対する債務を負担するために190億円もの第3セクター債を発行しようとするなど、合計で251億2400万円も支出しようとしています。なお、同公社が行っている事業の一部は、都市整備公社が継承するとしています。
金沢議員は、住宅供給公社に関する市民負担は総額で300億円以上になると指摘。日本共産党議員団はこれまでも、都市整備公社に事業を移すよりも、住宅供給公社を存続させて事業を行う方が、結果的に市民負担が少なくてすむことを指摘してきました。同議員は、こうした経緯を示しながら「これらの議案は、市民に大きな負担を強いるものであり認めることはできない」と批判し、住宅供給公社の債権放棄や新たな債券発行の中止を求めました。
舞子ビラ負債 銀行団にも要求を
さらに、神戸市は舞子ビラの土地信託事業解消に伴う損失補償も実行するとして102億900万円も支出しようとしています。神戸市と土地信託契約を行っていた銀行団が抱える事業負債全額を神戸市が支払うというもの。1996年当時、神戸市と銀行団との間で交わされた契約では、土地信託終了時に負債が残った場合、神戸市と銀行団との間で処理方法について協議するとされています。金沢議員は「今回の負債の全額を神戸市が引き受けなければならない根拠はない」と指摘。銀行団と協議し、銀行団に負担を求めるように求めました。
質問に対し中村副市長は「(住宅供給公社、舞子ビラ)あり方検討委員会から提言を頂いている」「将来に負担を残さず、問題を先送りしないための措置」などと答弁。中央市場本場西側跡地売却問題については小柴副市長が「不動産評価審議会で決められたもので適正な価格」「跡地活用について、自治会なども参加して検討した」などと答えました。
金沢議員は、これまでの市議会答弁などで、売却収入は、本場の業者などの家賃低減に充当するとか、PFIの事業費に充てるなどとしていたことなどを指摘。跡地利用についても、街のにぎわいや発展に寄与するものかどうかという点からの検討がいるとして、周辺商店街から出ている不安の声も紹介。神戸市として調査するとともに地域住民が入った検討委員会をつくるよう求めました。