既存の中小企業支援こそー 企業誘致偏重を批判(総括質疑:赤田)
2014年10月14日
赤田かつのり議員が総括質疑
10月14日に開かれた神戸市議会決算特別委員会で、日本共産党議員団の赤田かつのり議員が総括質疑に立ち、中小企業支援策、三宮開発、財源の使い方などを取り上げました。
神戸市は、経済対策として誘致企業に対する優遇策を拡充しています。三宮開発も同様、誘致企業には税の減免制度など、他都市と比べてもトップクラスの優遇措置を講じています。財界主導による三宮開発は、大型ビルやJR、阪急の駅ビル建て替えなどで地元商店に大きな影響が出ることが予想されます。ミント神戸がオープンしただけでも「人の流れが変わり、売り上げも減少した」という声が出されています。しかし、神戸市は影響調査もしていないことがあきらかになっています。
赤田議員は、地元商店などの声を紹介しながら、企業誘致では市内既存中小企業に波及しないと指摘、「特定企業だけが恩恵を受けるようなインセンティブ策はやめるべき」とただしました。
三宮開発地元業者に悪影響 「全業者調査こそ必要」と批判
また、三宮開発について、何の調査もせず「都市間競争に勝つ」ということだけで進めようとしていることを批判。三宮周辺地域を支えてきた業者を置き去りにするようなやり方ではなく、全事業者を対象とした調査をすべきだと求めました。
神戸市の一般会計は、3年間で約110億円の黒字となっています。黒字になった原因は、市民福祉の削減、市職員の削減などです。神戸市はこの黒字分を財政調整基金に積み立てるとしています。
赤田議員は、市民に負担を押し付けた結果生まれた黒字であることを指摘、来年度予算で、中学校卒業までの医療費の無料化、深刻な過密校対策などに活用するよう求めました。
▲答弁とその後の質疑から▲
質問に対し久元喜造市長らは「(企業誘致)都市間競争に打ち勝つために、市税優遇策の拡充、都心オフィス立地促進事業などを創設した」「(三宮再整備)ミント神戸は駅の整備、バスターミナルの必要性などから計画した。利便性も向上した。三層構造で地下でもつながっている。来街者の増加に寄与している」「(黒字)今後も、収支見通しは不透明。少子高齢化などで財源も必要になる。財政調整基金に積み立て、臨時的財源として使う」「財政調整基金がゼロなら、予期せぬことがおこれば大変だ。福祉向上にはつとめている」などと答えました。 赤田議員は、これらの答弁に対し、神戸市工業統計でも中小企業が減少し続けていること、融資についても「融資予定額」が減少していることなどを指摘、直接支援がないなど、既存中小企業にたいする支援策が不十分だと指摘しました。
三宮開発について、具体的な調査をすることなく推進していること、開発によって三宮一極集中となり、他の区の商店も営業が苦しくなることなどを、経営者の声を紹介しながら指摘、市民の暮らし増進にはつながらないと批判しました。
子どもの教育条件改善こそ
黒字となった3年間、神戸市は、保育所民営化、福祉パスの改悪、子育て世代の増税などを進めました。他方、医療産業都市、神戸空港などには多額の資金を使っています。
赤田議員は、久元市長がブログで、プレハブ校舎があたかも過去の問題だったかのように書いていることも指摘、今なお、市内30校でプレハブ校舎での授業が行われていることなどをあげ、子どもの教育環境の改善などにこそ黒字分を使うべきだと批判、福祉施策を後退させてきた路線の転換を求めました。
乗継割引制度の改善を(交通局:西)
2014年10月06日
交通局審査で西議員が要求
10月6日に開かれた神戸市議会決算特別委員会交通局審査で、日本共産党議員団の西ただす議員が質問に立ち、地下鉄のホーム柵設置、民間委託した市バス営業所での労働条件、市バス乗継割引改善策などを取り上げました。
地下鉄のホームへの転落防止柵設置は、視力障がい者などを中心に強く要望され続けている問題。日本共産党議員団も要求し続けています。地下鉄がある他都市では、設置に向けた取り組みが進められています。横浜市や仙台市などでは100%設置されています。神戸市だけが未着手となっており、遅れが目立っています。西議員はこうした状況を示し、早急に設置するよう求めました。
◇
答弁:質問に対し、吉田雅好高速鉄道部長は「神戸だけがゼロだ。車両の更新に合わせて、西神山手線から着手したい」などと答えました。
◇
西議員は、財政が厳しいのは他都市も同じだとして、安全面からも早急に進めるよう、重ねて要求しました。
神戸市が阪急バスに委託している松原営業所などについて日本共産党議員団は、これまでも労働条件の改善等を求めています。現場では、労働条件の改善を図るために作られている「改善基準告示」違反や、過酷な労働条件と低賃金がつづいています。そのため、離職者が後を絶たないという事態となっています。死亡事故が起きた背景には、新人の運転手が多く、その教育に時間がとられるなど、過重労働になっていることもあると指摘されています。
西議員は、こうした経過を示しながらどのような対策を講じているのかただしました。
◇
答弁:質問に対し、野々下慶介自動車部長は「月の初めに運転手数はチェックし、充足している」などと答えました。
◇
西議員は、年間10数人が退職していることなども示し、委託先任せでは乗客の安全対策に不安が生じることなどを指摘し、改善をつよく求めました。
現在、市バスの乗継割引は、ICカードを利用するとき、降車して乗り継いでから、次の降車までが60分までなら、一回分の料金で済むということになっています。ところが、これでは北区など移動時間が長い路線では、時間超過となってしまう場合があり、改善を求める声が出ています。
西議員は、時間延長も含めて改善するよう求めました。
また、乗継制度と絡めて、北区や長田区の路線が短縮されたり、減便されていることについても、市民から不便になったという声が強く出ていることを指摘し、再編路線を元に戻し、市民、利用者の意見を反映した路線にするよう、強く求めました。
◇
答弁:質問に対し野々下部長は「短い路線で2回分払うという不公平感を是正したいのが大きな目的だ。一人当たりの平均乗車時間は20分程度で、乗り継ぎに10分程度、60分は妥当だ。時間延長は考えていない」などと答えました。
最低賃金厳守させよ (市民参画局:大かわら)
2014年10月03日
市民参画局審査で大かわら議員
10月3日に開かれた神戸市議会決算特別委員会市民参画局審査で、日本共産党議員団の大かわら鈴子議員が、神戸市シルバー人材センターの賃金、災害時のコールセンター問題などを取り上げました。
シルバー人材センターで就労する高齢者の配分金(賃金)について厚生労働省は、最低賃金を下回らないようにとの通達を出しています。兵庫県の最低賃金は10月1日、時給761円から776円に改善されました。ところが、シルバー人材センターが受注する業務のうち、清掃業務や駐車場管理など40件は最低賃金を下回ったままです。また、昨年の最賃改定時にも、神戸市からの指導を無視して最低賃金を下回ったままの会社が2社残されています。
大かわら議員は、違反は神戸市の外郭団体が受注した駐車場の指定管理業務まで含まれていることを指摘。安あがりな労働という扱いを放置せず、強力に指導するとともに悪質な場合は受注しないよう求めました。
また、8月の台風と集中豪雨の時、コールセンターが混雑し、つながらなかったり、担当者に転送を繰り返されるなど、十分対応できない事態が生じました。大かわら議員は、電話やインターネット回線の増設、災害時の情報をコールセンターですべて集約し、ワンストップで対応できるようにすることと災害コールセンターの番号を周知徹底することなどを求めました。
◇
答弁:質問に対し、清家久樹市民生活部長は「最賃値上げを決定した9月の時点で40社に勧告を行ったが、現在も下回っている。強制力がないので、今後も粘り強く要望していきたい」などとと答弁。梶川龍彦参画推進部長は「災害対応については、市民の不安にこたえるのが非常に大事であり、スムーズに対応できるようにしたい」「(コールセンターの番号は)広報こうべの土砂災害の特別版に掲載していきたい」などと答えました。
◇
シルバー人材センターは最低賃金法の適用外とされているものの、厚生労働省通知で「最低賃金以下にならないよう」にと明確にされています。大かわら議員は、指導しても改善しないところにたいしては、契約の解除も含めて検討すべきだと迫りました。質問に対し清家部長は「打ち切ると、高齢者の労働の機会を失うことになる。引き上げてもらうよう粘り強く要望していく」などと答えました。大かわら議員は、厚労省の通知の立場ですすめる必要性を強調。絶対に放置することのないように求めるとともに、今後も、実態調査することなどを求めました。
兵庫区役所の建替については、建替計画と合わせて、区民ホールの建設についても議論されてきました。建設検討懇話会では、区役所内に公会堂機能を残すことは一致していたものの、区民ホールについては、区役所内に併設する意見と南部地域に独立して建設するという意見が両論併記とされていました。ところが、懇話会の最終報告書には「区役所庁舎に併設」とされています。
大かわら議員は、突然併設とされた経緯がわからないと指摘「いつ、だれが検討し、どの段階で決まったのか」とただしました。
◇
答弁:質問に対して大谷幸正市民参画局長は「総合的に判断して提案した。議論された結果で市の提案でよしとなった」などと答えました。
◇
大かわら議員は極めて不透明だと批判。懇話会でも確認されていないとして、地域の住民の声をしっかり聞くように求めました。
入れ替わり激しい進出企業(企画調整局:松本)
2014年09月30日
医療産業都市で松本議員が指摘
9月30日にひらかれた神戸市議会決算特別委員会企画調整局審査で、日本共産党議員団の松本のり子議員が質問に立ち、医療産業都市、誘致企業への各種優遇策などを取り上げました。
神戸市は医療産業都市関連事業に、国・県合わせ3400億円もの予算を投じ基盤整備をおこなっています。また、オフィス賃料補助や減税で30億円も支援していますが、進出した医療関連企業の437社の3分の1以上、155社がすでに撤退。仕事おこしという点でも、既存の市内中小業者は、ほとんど恩恵をうけていないのが現実です。
身近な健康・福祉の政策でも、神戸市民は、他の自治体が子どもの医療費を無料にするなか、外来無料は2歳までと最低水準におかれています。敬老パスは有料化され、多くの高齢者の外出機会を奪い、市民の健康づくりと逆行しています。
松本議員は、医療産業都市が安倍内閣の国家戦略特区の指定を受け、経済効果を指標に、医療を研究開発や産業に特化すれば、地域医療がないがしろにされ、さらに、市民の暮らしや福祉の切り捨てにつながる、と批判し、事業の見直しを求めました。
また、医療産業やベンチャー企業の誘致に莫大な予算を投じ、その「おこぼれ」で地域経済や雇用の活性化を期待するという手法をあらため、既存の中小業者に直接支援する方向へ切り替えることを求めました。
◇
答弁:企画調整局の内藤直樹医療産業都市担当部長は「医療産業都市は、震災復興事業として、市民の健康福祉の向上、地域経済の活性化を目的にあげている。医療機器研究会やスーパーコンピューターの講習、高度医療機器の市民講座や見学会で、市民福祉や地域経済に寄与している」などと答弁。林芳弘企業誘致担当部長は「経済の持続的発展のためには、現在の地元企業とともに、これからの神戸をつくる企業の誘致が不可欠。そのために企業誘致策を拡充した。雇用内容は企業の経営判断。まずは一人でも雇用が増えればということでやっている」などと答弁しました。
◇
松本議員は、地域経済の活性化というなら、市税を投入して多額の補助を受けた誘致企業に、正規雇用や地元企業への発注など、最低でも地域貢献を義務付けるべきだと求めました。
◇
答弁:今西正男企画調整局理事は「国内投資が低水準のなか、都市間競争に打ち勝つには一定のインセンティブが必要。(地域貢献などの)義務を課すと、せっかくのインセンティブが働かない。両刃の剣になる」などと答弁しました。
医療産業都市で入れ替わり激しい進出企業(企画調整局:松本)
2014年09月30日
9月30日にひらかれた神戸市議会決算特別委員会企画調整局審査で、日本共産党議員団の松本のり子議員が質問に立ち、医療産業都市、誘致企業への各種優遇策などを取り上げました。
神戸市は医療産業都市関連事業に、国・県合わせ3400億円もの予算を投じ基盤整備をおこなっています。また、オフィス賃料補助や減税で30億円も支援していますが、進出した医療関連企業の437社の3分の1以上、155社がすでに撤退。仕事おこしという点でも、既存の市内中小業者は、ほとんど恩恵をうけていないのが現実です。
身近な健康・福祉の政策でも、神戸市民は、他の自治体が子どもの医療費を無料にするなか、外来無料は2歳までと最低水準におかれています。敬老パスは有料化され、多くの高齢者の外出機会を奪い、市民の健康づくりと逆行しています。
松本議員は、医療産業都市が安倍内閣の国家戦略特区の指定を受け、経済効果を指標に、医療を研究開発や産業に特化すれば、地域医療がないがしろにされ、さらに、市民の暮らしや福祉の切り捨てにつながる、と批判し、事業の見直しを求めました。
また、医療産業やベンチャー企業の誘致に莫大な予算を投じ、その「おこぼれ」で地域経済や雇用の活性化を期待するという手法をあらため、既存の中小業者に直接支援する方向へ切り替えることを求めました。
◇
答弁:企画調整局の内藤直樹医療産業都市担当部長は「医療産業都市は、震災復興事業として、市民の健康福祉の向上、地域経済の活性化を目的にあげている。医療機器研究会やスーパーコンピューターの講習、高度医療機器の市民講座や見学会で、市民福祉や地域経済に寄与している」などと答弁。林芳弘企業誘致担当部長は「経済の持続的発展のためには、現在の地元企業とともに、これからの神戸をつくる企業の誘致が不可欠。そのために企業誘致策を拡充した。雇用内容は企業の経営判断。まずは一人でも雇用が増えればということでやっている」などと答弁しました。
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松本議員は、地域経済の活性化というなら、市税を投入して多額の補助を受けた誘致企業に、正規雇用や地元企業への発注など、最低でも地域貢献を義務付けるべきだと求めました。
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答弁:今西正男企画調整局理事は「国内投資が低水準のなか、都市間競争に打ち勝つには一定のインセンティブが必要。(地域貢献などの)義務を課すと、せっかくのインセンティブが働かない。両刃の剣になる」などと答弁しました。
事業者の悉皆調査実施を(産業振興局:山本)
2014年09月29日
9月29日に開かれた神戸市議会決算特別委員会産業振興局審査で、日本共産党議員団の山本じゅんじ議員が質問に立ち、商店街・中小企業の活性化、住宅・店舗リフォーム助成、台風・豪雨による農道被害対策などを取り上げました。
神戸市が、三宮周辺の開発を進めようとしていることについて山本議員は、三宮一極集中となると指摘。市内商店街や中小企業が元気になる対応策をとるべきだと求めました。
神戸市は今年度から、高齢者対策として「高齢者バリアフリー助成制度」を創設しました。山本議員は、こうした施策を実施している自治体では、地域経済の活性化に役立っていることなどを示し、対象を店舗にまで広げた「住宅・店舗リフォーム助成制度」を創設するよう求めました。
8月の台風・豪雨被害で、北区などを中心に農道にも被害が出ています。ところが、国の補助制度では、小規模な被害でも基礎から直すことなどの条件があり、ほとんど使えないというのが実態です。山本議員は、制度改善を国に求めるとともに、神戸市独自の支援策を創設を求めました。
◇
答弁:質問に対し、佐藤一郎産業振興局長らは「(商店街)三宮再整備では、来客数の変化や問題点などを調査している。各種会議での意見聴取、概況調査など、周辺地域の情報把握に努めている。今年度、すべての小売市場の概況調査をしている」「(中小企業)ニーズを把握するためヒアリングもした。悉皆調査は考えていない」「(住宅・店舗リフォーム助成)経済効果は否定しないが、目的が明確でない中での実施は考えてない」などと答えました。
◇
山本議員は、住宅・店舗リフォーム助成を実施しているところは、それをきっかけに、商店街の魅力を作り出すことにつながっていると指摘。「経済効果があることを認めているならば、前向きに検討するべきだ」と、再度実施するよう求めました。
ため込んだ基金福祉向上に活用を(行財政局:赤田)
2014年09月29日
9月29日にひらかれた神戸市議会決算特別委員会行財政局審査で、日本共産党議員団の赤田かつのり議員が質問に立ち、行財政改革問題などを取り上げました。
神戸市の一般会計決算は実質収支で、11年度22億円、12年度20億円、13年度26億円と、3年連続の黒字を計上しています。これは、職員削減や、福祉制度の廃止・改悪など市民負担を増やしてきた結果です。神戸市は、今後も「行財政改革2015」の完遂を掲げ、さらなる「行革」をすすめようとしています。
赤田議員は、2014年度末には110億円もの積立(財政調整基金)が生まれていることを指摘。基金の趣旨からも取り崩しは可能だとして、ただちに福祉向上のために使い、市民に還元すべきだと求めました。
◇
答弁:岸本義一行財政局長は「(自由に使えるお金という)趣旨はその通りだが、今後の収支見通しは、少子高齢化などで依然厳しい。基金に積み立て、今後の市政運営に活用したい」などと答えました。
◇
赤田議員は、市民負担が増えていることを指摘し「真正面から、市民の暮らしに回すべき。台風、豪雨災害への対応も検討すべき」と提起しました。
赤田議員は、神戸市が進める指定管理者制度や事業の民間委託などで、公的業務に携わる人がワーキングプアとなっている事例をあげて改善を求めました。児童館は社会福祉協議会が指定管理者として運営しています。永年、1年ごとの契約が続いていましたが、日本共産党議員団の追及で、市長が是正する意向を示し、来年度から契約期間は4年になる予定です。ところが、契約期間中でも、地域団体からの申し出があればその時点で管理者を変更できる、とされています。赤田議員は、職員から出ている不安の声を紹介し、雇用を守るためにも是正するよう求めました。
◇
答弁:藤原茂則行政監察部長は「途中で終わるケースもあるが、その場合、新しい団体に雇用を引き継ぐケースもある」などと無責任な答弁に終始しました。
◇
赤田議員は、子どもたちへの影響、指導員の雇用問題についての答えになっていないと厳しく批判。指定管理者の評価基準に、働く人の労働状況なども加えるよう求めました。 赤田議員は、このほか、民間委託された現場で、低賃金化や非正規化が進んでいることを指摘し、直接契約や処遇改善を進めるためにも公契約条例を制定することなどを求めました。
三宮周辺の全業者調査を(代表質問:金沢)
2014年09月26日
財界主導の開発を批判
金沢はるみ議員が代表質疑
2013年度神戸市各会計決算等を審議する神戸市定例市議会の本会議が9月26日に開かれ、日本共産党議員団から、金沢はるみ、西ただす両議員が代表質疑を行いました。
金沢議員は、神戸市が財界主導で進めようとしている三宮開発問題と、8月に起きた台風・豪雨災害への対応策などを取り上げました。
13年度の神戸市一般会計決算は26億2400万円の黒字となっています。黒字となった要因について金沢議員は「行財政改革による職員の削減、福祉の切り捨て、市民負担増によるものだ」と指摘。久元市長が職員削減、事業などの民営化・民間委託などを進めている元での黒字だと批判しました。
久元市長は、三宮開発を進める理由として「都市間競争に打ち勝つ」ことをあげています。国の都市再生特別措置法に基づく「緊急整備地域」に指定されている開発計画は、三宮駅周辺だけではなく、南は沿岸部まで、西は元町駅までの97ヘクタールもの広大な地域が対象とされています。
神戸市のホームページでは「神戸進出をお考えの皆様へ」として、市長が「日本屈指のビジネス環境が神戸にあります」「国内外の元気な企業の集積と成長のサポートに積極的に取り組んでいきます」と書かれ、企業を呼び込むという姿勢です。
あらたな開発を行う地域では、開発事業者や外部からの企業に対して、税金面での優遇措置や減免制度・賃料補助などが適用されます。すでに、六甲アイランドから移転するP&Gジャパン1社に対して4億5000万円もの賃料補助を行うことが決まっています。これは、規模的にも金額的にもこれまでの企業誘致や支援と比べても格段に大きいものです。
すでに「都心の未来の姿検討委員会」と「三宮構想会議」という二つの審議会が設置されています。財界がつくった「神戸海港都市づくり研究会」が今年3月、「神戸都心エリアの進化を促すJR三宮駅周辺整備・活性化に向けた提言」を発表。三宮駅前の駅前デッキ・空中回廊や交通ターミナルの整備、JRの改札口の整備にあわせた駅前整備など壮大なもので、提言通りに進められれば莫大な経費が必要となります。審議会には、この「研究会」から3人が加わっており、財界主導で進められていることがわかります。
また、JRや阪急の駅ビル再整備も企業まかせというのが実態です。金沢議員はこうした点を指摘し「財界や企業中心で進められれば、周辺のテナントや商店街が大打撃を受けかねない。眺望・景観などへの影響も懸念される」と批判。「都市間競争」を口実に、大企業さえ誘致すれば神戸経済や三宮は元気になるのか、との疑問も出ていると提起。 三宮周辺の商店街や市場の人たちからは「消費税が上がって値上げせざるを得ず、売り上げは落ちている。三宮を再開発すれば、ますますチェーン店などが多くなり、地元がうるおうとは考えられない」「駅前だけきれいになっても、我々はどうなるかわからない。再開発の情報はほとんどない」との声が上がっています。
金沢議員は「厳しい状況の下でも頑張っている地元の商店街などが生き生きと蘇り、商売が続けられるような計画にするべきだ」と対応を求めるとともに、そのためにもエリア内の全事業者を対象にした悉皆調査の実施を求めました。
被災者への支援強化を
金沢議員は台風と豪雨で、広島市、丹波市・福知山市などで被害を受けた多くの住民にたいし「お見舞い申し上げます」と述べ、一日も早い復旧、復興を願いました。 今回の台風、豪雨では、神戸市北区などでも大きな被害が出ました。堤防の決壊や逸水、土砂災害、土砂崩れによる道路の通行止め、土石流など、あちこちで被害が出ました。
北区山田町上谷上字古々山では、谷筋から土石流が発生し、家の敷地まで土砂が流れ込み、自家用車や門、塀などに被害が出ています。道路が完全に塞がれ、一時住民が通行できない状況になりました。
金沢議員は「同様の災害は今後も起こる危険性があり、住民は不安な毎日を送っておられる」と指摘。被害を受けた地域では、今後、対策が取られる見通しがあるところ、支援策が見つからなくて困っているところなど、状況は様々だとして「神戸市として住民の相談にのり、兵庫県や国とも連携して、今回の災害に対する支援策を打ち出すべき」とただしました。また、今回の被害について兵庫県が打ち出した支援策の拡充を求めるとともに、神戸市としての支援策を打ち出すよう求めました。さらに、土砂災害危険区域の総点検と対策を求めました。
▲答弁とその後の質疑から▲
質問に対し、久元喜造市長らは「(三宮開発)都心再生は重要な課題だ。地元の代表もはいっている。代表者を通じて地元意見の集約を図っている」「(災害)広島の災害は他人ごとではない。有識者の意見を聞きながら対策を強化する」「(支援)支援金制度は県で可決次第、早く届けられるよう、最大限努力する」「民有地は土地所有者が行うのが基本だ」などと答えました。
三宮開発問題では、審議会には地元の組織から7人の代表が参加していますが、商店街など、多数の店の意見が反映できるのか疑問も出ています。金沢議員は「個々にどのような問題を抱えているのかを把握するためにも悉皆調査が必要だ」と重ねて要求しました。
災害対策では、全く対策が取られていないところもあります。民有地とはいえ、事実上個人の力ではどうにもならないのが現状です。金沢議員は「神戸市として土地所有者すら把握できていないところがある」と指摘、調査を求めました。また、土砂災害警戒区域については、災害対策基本法で警戒避難体制の整備が規定されていますが、未整備のままとなっています。今回の災害では、避難所までの道路が崩れて避難所に行けない人も出ています。金沢議員は「早急に計画を立てるとともに、避難場所についても検討すべきだ」と迫りました。
多額の助成金出すが 誘致企業「雇用増」の確約なし(総括質疑:味口)
2014年03月13日
神戸市議会予算特別委員会の総括質疑が3月13日に行われ、日本共産党の味口としゆき議員が、大企業誘致に偏重している経済対策の是正、賃上げ対策、子どもの医療費助成問題などを取り上げました。
久元市長は企業誘致について本会議で「有効に雇用拡大効果が見込まれる」「雇用拡大効果の大きな大企業を誘致することは大切」などと答えています。神戸市の誘致大企業への支援策は、固定資産税などを大幅に減免しながら、どれだけの雇用を拡大するのかについては、企業の努力義務にとどめています。
味口議員は「固定資産税などを9割も免除するというなら、少なくとも、どれだけの雇用確保につなげるのか、明確に義務付けるべきだ」と追及。玉田敏郎副市長は「3年間で70社の立地と、雇用は3000人を見込んでいる。大きな経済効果がある」「用地面積によって設備投資補助もつけているので、かなり大きな企業になる。当然、雇用が出てくる。あえて人数は(条件として)つけていない」など、経済効果や雇用は、あくまで希望的見込みに過ぎないことを認めました。また、進出する企業に対し最高では、固定資産税、事業所税で8億7300万円、設備投資補助で5億円、合計13億円以上を助成することも明らかになりました。久元市長は「都市間競争になっている時に、外から企業や優れた人材を呼び込むためには必要だ。必要な税の優遇とか、県と連携しながら、補助金を組み合わせていく」などとあくまで、優遇措置は必要だと答えました。
味口議員は「失敗例は身近にある」と指摘。尼崎に進出したパナソニックが8年で工場閉鎖したことをあげ、そこで働いていた241人のうち、再就職先が決まったのは49人にすぎないこと、兵庫県が出した助成金の大半が戻ってこないという現状をあげ「同じ轍を踏まないようにすべきだ」と迫りました。
▲答弁とその後の質疑から▲
指定管理者下で最賃以下の時給 副市長「早急に調査する」と約束
久元市長は、市の非正規職員の賃金を引き上げるとの方針を出しています。このことによって、民間企業の賃金引上げにつながれば、ということも言っています。味口議員はそうした市長の意見には賛同するとしたうえで「それならば、神戸市の指定管理者制度のもとで働いている労働者の給与も引き上げるよう対応すべきだ」と求めました。
玉田副市長は「市が雇用する臨時職員、パート職員の賃金引上げは、経済の活性化に重要であるというメッセージを市内の企業に示すため」と答えながら、指定管理者については「事業者が判断するもので、市として指定管理料の上乗せは困難」という態度に終始しました。
味口議員は 市の非正規職員の賃上げが民間へのメッセージだというなら、その立場で対応すべきだと批判。指定管理料が低く抑えられている元で、給料をあげたくてもあげられないという現状があること、同時に、駐輪場で働いている人の時給が、最低賃金が761円に引き上げられているにもかかわらず、749円のままとなっている実態を告発、是正すべきではないかと、市長の見解をただしました。
質問に対し玉田副市長は、協定で労働関係法令を遵守することが義務付けられているとして「指摘された件は早急に調査する」と答えました。味口議員は、他の指定管理者制度が導入されているところでも、改正前の最低賃金のままにされているところがあることを指摘し、調査を求めました。
中学校卒業まで医療費無料化を
子どもの医療費助成について、保健福祉局審査で三木孝局長は「助成の拡充は、医療機関の混雑、安易な受診につながる」などと答えています。味口議員はこの答弁について、久元市長の見解をただしました。
久元市長は「そうした意見があることは承知している」などとはぐらかす答弁をおこないながら「新年度で拡充した施策を検証しながら、次の段階に進めたい」などと答えました。味口議員は「市長の公約は無料化だ」として、公約を実現するよう求めました。
この他、味口議員は、一般不妊治療費助成など、トータルとしての子育て支援策を強化するよう迫りました。
地域業者に仕事が回る対策を(建設局:大かわら)
2014年03月03日
神戸市議会予算特別委員会の建設局審査が3月3日に行われ、日本共産党の大かわら鈴子議員が、市の公共事業の地元発注や中部下水処理場跡地問題、市道山麓線の大型車交通騒音対策問題などを取り上げました。
神戸市は、緊急経済対策として「市民のくらしに身近な投資」を増やすとして、平成25年度で813億円、建設局で110億円の発注額を確保しています。その地元への発注率は87%、国直轄事業をのぞくと97%となっています。
大かわら議員は、金額での地元発注率の割には、地元業者からの「効果が実感されていない」という声を紹介。どういう層に発注されているかなど、実態調査をおこなうとともに、小規模修繕への新規参入を増やす手立てや入札要件のない小規模事業者を対象とした登録制度を実施するよう求めました。
また、夢野白川線(旧西神戸有料道路)の無料化に伴い、同路線とそれに連結する市道山麓線にコンテナ車などの大型車が流入し、沿線住宅に騒音振動被害が多く出ています。一方、神戸市は神戸港の活性化のために、西区の複合産業団地などに企業誘致をすすめています。市の思惑通りに誘致が進めば、さらに大型車の通行が増えることになります。
大かわら議員は、神戸市が減税や補助金を出して誘致するなら、生活道路への通行を規制し、有料道路への誘導を義務付けるなどの対策をすべきだと求めました。
◇ 答弁:原田博英総務部長は「(小規模修繕工事は)各建設事務所が協議して選定するので、新規の希望があれば対応させてほしい」「(登録制度は)他の局にもまたがるので、行財政局と議論していきたい」などと答弁。末永清冬道路部長は「(山麓線の対策は)これ以上の山麓バイパスの値下げは道路側では難しい。市全体の土地利用にかんがみて、対策が必要というなら理解できる」などと答えました。