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トピックス

津波避難施設などの周知を

2011年12月06日

金沢議員が議案外質問

金沢議員は、来年度予算編成について矢田市長が「行財政改革2015」に基づき、取り組みを着実に進める、としていることにたいして「さらなる職員の削減や民営化、福祉の切り捨て、市民サービスの低下につながる」と指摘。予算編成にあたっては「15%削減ありきではなく、市民のくらしと福祉を応援することを第一につくりあげていくことが必要」と指摘しました。

防災計画見直し
避難経路などは個人任せ

神戸市は、地域津波防災計画について、兵庫県が暫定津波高さを2倍としたことを受け、地域防災計画の見直しを進めています。
特に津波について、現在の神戸市地域防災計画地震対策編、東南海・南海地震防災対策推進計画では「津波時の避難先は、原則として、予想される津波高さに対する地盤高さが確保されている津波避難地とする。津波の到達時間までに津波避難地に避難できない等の緊急時には、近隣の堅牢な施設の2階以上あるいは津波緊急待避所に避難する。避難路は、地震時に沿道建物の倒壊による歩行者の通行支障の可能性の少ないとされる幅員8m以上の道路を目安として、地震後の状況を見ながら避難者自らが選択する」とされています。
今回の見直しで、津波避難対象地区は広がりましたが、現在指定されている避難所が津波時に安全なのか、危険なのかほとんど知らされていません。また、津波時の緊急退避所の指定も、様々な壁があり増えていません。
金沢議員は「津波時の避難について安全なところはどこか、周知が必要」「緊急退避所の指定を早急に行うため、地域住民とマンション管理組合などとの話し合いの場を設けること」などを求めました。

答弁:質問に対して矢田立郎市長は「緊急退避所の標識を設置や対象区域で防災マップを全戸配布したい。津波の緊急退避所の指定については、地域防災コミュニティが施設管理者と相談しながら設定することになっている。役所や消防署も協力して不安を取り除く」などと答えました。

粟生線存続問題
料金減額制度など支援を

神戸電鉄粟生線を存続させるため、三木市・小野市は、年間1億円を10年間助成する意向を表明しています。しかし、神戸市は「神戸電鉄の経営努力がいる。廃止になるとは聞いていない。粟生線を残すという立場でやる」(総務財政委員会での局長答弁)などとして、あらたな支援をするとはしていません。
金沢議員は、支援の方法は様々あるとして「敬老パス・福祉パスを神鉄に適用することも、工夫すればできる」と指摘。他都市で、電車でも利用できる福祉乗車券などの制度があることをあげて、制度を使えるよう神鉄と協議することを求めました。

答弁:質問に対し小柴善博副市長は「神戸市民は多くの人が利用している。三木市、小野市は少ない。神鉄は会社全体では黒字であり、経営改善策が示されていない。存続は実現していきたい。敬老パスは、鉄軌道への導入は慎重に対応すべきと考えている。厳しい財政状況では拡大は困難」などと答えました。
金沢議員は「神戸市域を離れたら鉄道を切るというのか。全体で粟生線だ」と厳しく批判。三木市が、今年から3年間、神戸電鉄福祉パスを試行的に進めていることを紹介。神戸市として、同様の制度を導入しようとすれば5000万円程度の予算ですむとして「北区婦人懇談会でも、敬老パス適用が最初に出された。神戸市として少しでも支援する制度を検討すべき」と求めました。

三菱重工商船撤退問題
市長が直接交渉を

三菱重工神戸造船所は、商船部門撤退との方針を変更していません。市長は一年前の市議会で「(三菱に)何回も繰り返して申し上げるつもりだ」と答弁しています。しかし、来年6月には最後の船の建造が終わります。三菱が関連企業に提示している仕事はわずかしかありません。下請け企業は大変な事態になっています。三菱は、商船建造をやめて、原子力に移行するとしていましたが、原子力部門の仕事も激減しています。
いま液化天然ガス船などの受注が増えていますが、三菱でも下関や長崎での商船建造が増えています。金沢議員は「改めて市長自ら三菱に商船建造からの撤退をやめ、地元の企業と雇用を守るよう直接声を届けるべきだ」と求めました。

答弁:質問に対し小柴副市長は「計画を発表したとき、市長名で継続を求めている。三菱は、説明会や相談会もしている」などと答弁。
金沢議員は「これまで聞いた答弁だ。東日本大震災で情勢は激変している。原発部門は仕事が激減している。市長が直接、三菱に発言することで、情勢を変えることは可能だ」と、改めて市長に答弁を求めました。
しかし、矢田市長は「現状で、生の声で言って問題が解決するのかというと、根が深いものが日本の国に存在している。そうした点を国としてどうしていくかまで含めて考えるべきだ」などとこたえました。

県立こども病院の移転
拠点病院集中はやめるべき

神戸市が、県立こども病院をポートアイランド二期に誘致を進めようとしていることにたいして、医師会や小児科医師からも反対の声が上がっています。元こども病院周産期医療センター長だった医師が「ポートアイランド二期への移転はメリットよりもデメリットが大きい」と指摘しています。
災害時に救急医療が受け入れられるのか、果たして病院まで行けるのかという問題があります。災害時に拠点となる病院は、分散して立地し、リスク分担するというのが鉄則。神戸市が、先端医療が受診できるとしている点についても、同医師は「必要な患者は先端医療センターや中央市民病院に搬送すればよいことで、わざわざ隣に病院を建てる必要性は少ない」などと、批判しています。
金沢議員は、救急、小児救急、周産期医療などを一極集中することは、防災上もアクセスの問題からも危険だと指摘し、誘致をやめるよう求めました。

答弁:質問に対し中村三郎副市長は「ポートアイランドに移転することで、高度専門病院との連携など、市が進めている医療産業都市構想にも寄与すると考えられるので、県に移転を要望している。中央市民病院との一体利用ができるので隣接する意向と聞いている。想定しうる津波などについては、ポートアイランドは浸水被害は生じにくい。アクセスの危険性も低い」などと答えました。
金沢議員は、東日本大震災で、石巻市民病院が被災し、機能が果たせなかったこと、赤十字病院が内陸部にあったので対応できた例を示し、医師会などが「二つの病院が隣接することで、同時に機能できなくなることの危険性」を指摘しているとして、こうした声に真摯に耳を傾けるべきだと批判しました。