不要不急の市役所建て替えが なぜ神戸の活性化につながるのか?(予算・総括質疑)
2019年03月06日
大かわら議員が総括質疑
神戸市議会予算特別委員会の総括質疑が3月6日に開かれ、日本共産党の大かわら鈴子議員が質疑しました。
1000億円以上の三宮再開発
久元喜造神戸市長は、三宮再開発計画のなかで、1000億円以上かけて、市役所・区役所などを建て替える計画を発表しました。耐震基準を満たしている中央区役所や三宮図書館や勤労会館を、バスターミナル整備に置き換えるため破棄・移転。市役所2号館を集客施設がテナントに入るデラックスな庁舎に、まだまだ使える市役所も、莫大な費用をかけ、建て替えようとされています。
市長は、これまでも神戸の活性化のために、神戸の玄関口である三宮の再開発をすすめるといってきました。まだまだ使える市役所をデラックスにすることが、なぜ、神戸の活性化につながるのでしょうか?
―教育・文化・健康など―置き去りにされる地域の公共施設
大かわら議員は、三宮に湯水のごとく予算を投入する一方、地域に身近な公共施設は、予算がないと廃止や極端な延命化が押し付けられていると指摘。
教育施設で、小学校や中学校の校舎は、これまで60年が耐用年数と言われてきましたが、校舎の長寿命化ということで、90年使うことが計画されています。そのもとで、老朽したトイレや配管などの維持のため教員が苦労する事例が増えています。
健康施設では、兵庫区の健康ライフプラザのトレーニングジムが、年間13万人の方が利用されているにもかかわらず廃止。市民から「何とか存続してほしい」と2000筆近い署名が寄せられても、神戸市は「限られた財源」との理由で、昨年9月に廃止されました。
文化施設では、中央区の生田文化会館や葺合文化センターの廃止が計画されるとともに、大倉山の神戸文化ホールについても三宮に、大ホールと中ホールがバラバラに移転されようとしています。
大かわら議員は、莫大な予算をかけた市民不在の三宮再整備を中止し、市民の教育や文化、健康づくりのための公共施設の維持充実を優先すべきであり、市民の命を守る防災・減災対策こそ予算を投入すべきと求めました。
答弁ダイジェスト
岡口副市長:本庁舎は2号館が築61年、3号館は築52年を迎え老朽化している。(バスターミナルビルの計画地で移転が計画される)中央区役所は築38年である。市役所2号館再整備は、三宮の活性化に重要であり、限られた財源の中で優先順位を見定め、着実に進めたい。
大かわら議員:本庁舎2号館整備に360億円、中央区総合庁舎に95億円など、公共施設だけで1000億円の再開発だ。一方、教育委員会は、本来60年としてきた学校の校舎を、90年まで延命化する努力をされている。誰が聞いても優先順位が逆立ちしている。
駅前再開発で過密の押しつけやめマンション規制で教育環境を守れ
神戸市は、垂水、名谷、西神中央など各拠点駅周辺の再開発を計画しています。再開発で高層マンションの誘致がすすめられれば、学校過密対策や待機児童解消がますます困難になることは明らかです。
大かわら議員は、学校過密問題は、神戸市の市有地の売却方針に問題があると指摘。4校合併した兵庫区の神戸祇園小学校は、過密のため新設当初から、運動場が狭く、このたび、近隣の公園を利用して運動場を拡張する方針が出されていますが、それでも国の面積基準をクリアできません。
にもかかわらず神戸市は、この4校合併で廃止された3校の跡地の一部を売却しマンションを誘致する可能性が出ています。
大かわら議員は、市有地は、子育てや教育、住民のために活用すべきで、安易にマンションを誘致して、小手先の人口対策をすべきでないとしました。
答弁ダイジェスト
大かわら議員:神戸市のネットモニターアンケート調査では、「新規の住宅開発はやめて、すでにある住宅の建て替えや空き家を活用するべき」という方が、75%。「新規の住宅開発を積極的に進めるべき」はわずか2%。市民の思いに応えるなら、駅前へのマンション誘致は規制すべきだ。
岡口副市長:人口減少のとらえ方や深刻性を、市民は認識していない。駅前再整備は必要な取り組みだ。過密は学校であり、人口は過密ではない。都心・三宮は(商業店舗誘致の障害となるため)マンション規制するが、都心以外の駅前などの規制は適当ではない。
大型開発よりも防災や地域課題解決優先に―予算組み替えを動議―
日本共産党は、民有地のがけの防災対策に公的補助をくりかえし求めてきました。大かわら議員は、神戸市が新年度予算で、応急対策に助成する制度をはじめてつくったことに触れ、完全な防災工事が行えるよう金額も対象もふやすこと求めました。また、神戸市が三宮再開発などムダな大型開発をやめ、暮らしや防災最優先にした予算案とするよう「予算組み替え」の動議をおこないました。