公社職員の雇用安定化を
2012年10月01日
水道局審査で山本議員
決算特別委員会の水道局審査は10月1日に行われ、日本共産党の山本じゅんじ議員が、直結給水化、地下水利用事業所への対策、自己水源の活用策、水道公社職員の雇用確保対策などを取り上げました。
水道の直結給水化については、04年9月に助成制度が廃止されました。直結給水への助成制度の有無による伸び率を比較すると、助成制度があるときの方が直結化の伸びが大きく、その効果は明瞭となっています。 山本議員は、直結給水を推進するためにも助成制度が必要だと指摘し、創設を求めました。同時に、公共施設の直結化も計画的に進めていくよう求めました。
ホテルなど地下水を利用している事業者にたいして神戸市は、11年10月1日に水道施設にかかわる負担などについてルール化しました。しかし、それ以前から利用している事業者に対しては「当面対象外」とされています。山本議員は「そもそもルール化する原因をつくったにもかかわらず、対象外としているのは問題」だと指摘。今後、どう負担を求めていくのかとただしました。
神戸市の水道水は、阪神水道企業団や県営水道、自己水源から受水しています。11年度の有収水量は、対前年比1.7%マイナスで、減少傾向は今後も続くとみられています。一方、神戸市が活用している自己水源の活用は、11年度で約10%にとどまっています。山本議員は「自己水源を市民の利益につながる形で有効活用をはかられるべき」と求めました。
神戸市は、水道サービス公社に委託していた検針業務を、07年度に北センターを民間委託したのを皮切りに、西部センターなど順次民間委託へと切り替えています。それにともない、公社の嘱託社員として働いてきた検針員の働く場がどんどん奪われてきました。山本議員は「競争性の導入」という口実で、あらたな雇用問題を引き起こしていると厳しく批判。市民の命に直結する水道事業の一翼を担い、市内全域の家庭を訪問して水道料金請求の基礎データを作成するという、公共性の高い仕事をしてきたのが水道サービス公社だと指摘。この様な業務を支えていくためにも、安定した継続雇用が必要だとして、検針業務については、水道サービス公社に委託すべきだと求めました。
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答弁:横山公一水道局長らは「直結給水化は、23年度末には68%になっている。他都市で助成制度をしている事例はない。融資制度を利用いただく」「(公共施設)3分2の学校、市営住宅では約半分、区役所では2割が直結給水化している。市立保育所ではすべてで終わっている」「(地下水利用)事業所の判断があるので時間がいると思っている。実際の水量を比較したり、現地確認を行うなどしている。固定費の負担時期については説明中だ」「(水道公社)検針員のしごとは、非常に重要な仕事だ。直営でやっていた経緯もあるが、民間でやってきた履行状況を聞くと良好だ。今回の西部センターは取れなかったが、今後も入札に参加すると聞いている」などと答えました。
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答弁に対し山本議員は「委託費のほとんどが人件費だ。際限のない引き下げ競争となれば、人件費が削減される。公社職員には、雨の日も雪の日も歩いて積み上げた経験がある。こういう積み重ねの上に成り立っている。低賃金のため、次から次に担当者が変わることで守られるのか。雇用の面から問題がある」と批判しました。