ムダづかい継続など批判 一般会計予算案(反対討論)
2013年03月27日
大かわら鈴子議員が反対討論
3月27日に開かれた神戸市議会本会議で日本共産党市会議員団を代表して大かわら鈴子議員が、一般会計予算案などに対する反対討論を行いました。
大かわら議員は反対理由として①市民の生活実態に見合った暮らし応援・福祉充実の予算案となっていない②ムダな大規模投資が続いている③中小企業への支援策、雇用対策が不十分④自治体としての責任が大きく後退していることの4点を上げました。
借上追い出しは いのち脅かす
神戸市は、借上災害公営住宅入居者に対する原則退去の方針は変えていません。丁寧に個別に話を聞くといいながら、実際に行われているのは転居の強要です。ある兵庫区の80代の女性は、職員に「あなたは介護度1だから絶対に残れません。兵庫区や長田区には市営住宅がないので無理です。今かわらないともっと不便な所になりますよ」と何度も迫られ、体重が8キロも減り、椅子に座るのも辛い状態になっています。大かわら議員は、神戸市が発表した一部の人のみ継続入居を認めるという方針についても「命に線引きするやり方はやめるべきだ」として、これ以上、孤独死を生まないためにも、希望者全員の継続入居を決断すべきだとしました。
福祉パスの対象者から生活保護者をはずそうとしていることについて大かわら議員は、8月からは、保護費の削減がおこなわれようとしていることと合わせると、社会参加が大きく制限されることは火を見るよりも明らかだと指摘。障がい者、母子世帯等への負担導入なども含めて、改悪はやめるべきだと批判しました。同時に、議会で議論されているさなかに、生活保護世帯に、福祉パス廃止のお知らせを送りつけたことについても、議会軽視そのもので断じて許すわけにはいかない、と指摘しました。
空港などへの財源投入中止を
次いで大かわら議員は、神戸空港の搭乗者数が増えないこと、空港島の土地の売却率も4.5%で、借金返済のめども立っていないことなどを指摘。神戸市が、医療産業都市の中核施設の土地を一般会計で買い取り、無償貸与、もしくは低額で賃貸するなどしていることを指摘。経済効果も実感できない事業に糸目もつけずに市税を投入し続けるやり方は改めるべきだとしました。新長田駅南地区復興市街地再開発事業、国際コンテナ戦略港湾関連など、批判の強い事業の継続、更なる大規模投資が計画されていると批判。そのうえ、採算の取れない海上アクセスの運行を、OM神戸に継承させてまで延命を図ろうとしていることについても「無意味でありやめるべき」としました。
中小企業への支援策、雇用対策について、大かわら議員は、神戸市事業所統計では震災後、従業員4人以下の事業所が1万2000件以上減っていることを指摘。予算案では中小企業への支援は、融資がほとんどとなっており、地域中小企業への仕事づくりを積極的に行うとともに、市場商店街への支援を強めるべきだとしました。また、市民サ-ビスを低下させないためにも神戸市自らが正規職員を増やすべきだと指摘。また、神戸市の業務委託や指定管理者制度のもとで働く人は、最低賃金ぎりぎりで長時間労働という劣悪な状況が続いているとして、賃金を適正なレベルに引き上げ、労働環境を改善するためにも公契約条例の制定を目指すべきだとしました。
自治体責任も後退させる
自治体としての責任が大きく後退しているという点について大かわら議員は、特に公的責任が求められている福祉施設等を民間任せにしている姿勢を厳しく批判しました。保育所待機児童解消へ公立保育所は削減ではなく、増設こそおこなうべきだとしました。また、市バス路線の民間移譲、水道サ-ビス公社のメ-タ-検針業務も民間委託されました。「民間活力の導入という名のもとに、自治体の責任を放棄するやり方は重大な問題」だと批判しました。
最後に大かわら議員は、日本共産党神戸市会議員団が提出した予算の編成替えを求める動議について、市長提案予算から、市民生活と中小企業の営業を守るため、福祉やくらし、教育を充実させる施策の拡充と雇用対策、中小企業振興策などを内容とするものであり、賛同を呼びかけました。