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外郭団体の整理等で市民負担600億超(議案質疑:金沢)

2014年06月17日

神戸ワイン貸付金の権利放棄を 金沢議員追及

 6月17日に開かれた神戸市議会定例本会議で日本共産党の金沢はるみ議員が、神戸ワイン株式会社への貸付金等34億円の権利を放棄するという議案について久元喜造市長らの姿勢をただしました。

株式会社神戸ワインは、フルーツフラワーパークが開園するまでは黒字経営でした。しかし、平成5年にフルーツフラワーパークが開園してからは赤字に転落。その後も累積赤字が膨らんでいきました。神戸市は、経営を支援するため平成12年度から、25億円の短期貸し付けを開始。出資金も2年間で12億円増資しています。さらに、平成14年度にはホテル棟などを79億円で買い取り、貸付金も33億円に増やしました。

神戸市からこのような手厚い支援をうけたにもかかわらず、その後も赤字は膨らみつづけ、平成25年度の累積赤字は47億6千万円にも膨らんでいます。昨年、ようやくフルーツフラワーパーク活性化検討委員会で検討され、今後の方向性が示されましたが、日本共産党議員団が指摘してきたように、もっと早い段階で改善策を取ることは可能でした。

この間、神戸市は次々と外郭団体にたいして債権放棄などを実施。海上アクセス、住宅供給公社、神戸マリンホテルズ、神戸航空交通ターミナルなど、主なものだけでも市民負担は合計574億円にも上っています。金沢議員はこうした経緯とともに「神戸ワインも同じようなやり方ですすめている」として、今回のような事態に陥った原因をどう考えているのかただしました。

答弁:質問に対し岡口憲義副市長は「事業費、収支計画が過大なものだった。阪神・淡路大震災、リーマンショックなどの影響もある。早期に抜本措置を講じるためには、財政問題など神戸市に難しい面があった」などとするとともに、貸付や施設の買い取りなどをしてきた経過説明に終始しました。

◇  金沢議員は「赤字の根本を改善しないまま先送りした結果だ」と指摘。フルーツフラワーパークの施設を神戸市が買い取った時、共産党議員団が「経営難に陥った原因や責任を明確にすべきと指摘していたが、そのとき、フルーツフラワーパークのあり方を議論し、農業振興にシフトしていたならば、これだけの債権放棄は必要なかった」と対応を批判しました。バブル期に立派なホテルを立てた結果、破たんしているとして「だれも責任を取らないというのでは市民の理解は得られない」と厳しく批判。久元市長に対し、今回の分も含め、外郭団体の負債で600億円以上が市民負担となる点を指摘し「前市長の負債とはいえ、市民の納得が得られると思うのか」と、市長の姿勢をただしました。

答弁:久元市長は「市役所の中でも検討を行った。フルーツフラワーパークは農業振興で大きな役割を果たしてきた。新しい観点から再生をする。ホテルは民間に売却したので、固定資産税でも返ってくる。農業面、観光面でも幅広く市民に還元する」などと答えました。

金沢議員は最後に「今の施設の状況では、岡口副市長が言うような夢は描けない。地元の農業振興に資するようにすべきだ。観光重視の方向にいくような運営でいいのか疑問がある。債権放棄は認められない」と厳しく指摘しました。