神戸市予算 わずかの組替で福祉も充実できる
2012年03月29日
大かわら鈴子議員が提案説明
3月29日に開かれた最終本会議で、大かわら鈴子議員が予算の組み替え動議の提案説明を行いました。
市長提案の予算案は、「市民のくらしを守り、安心して生活できる社会を実現する」としながら、行財政改革を口実に、人員削減、市民サ-ビス低下、民営化などをおし進め、市民の暮らしの基盤を脅かすものとなっています。
大かわら議員は、組み替え案について「福祉施策や子育て施策等を充実させることで、市民の将来にわたる不安を解消し、中小企業を支援することで、神戸経済を内需主導型・地域循環型へ転換させるという立場で編成した」と強調しました。
組み替えの内容について、大かわら議員は①これまでに削られた福祉施策を復活し、福祉・子育て・医療の充実をはかること②雇用・所得を増やし、内需主導で地域循環型の経済に切り替えていくこと③それらの財源対策などについて説明。組み替えによって実現できる具体的な施策を提案しました。
「安心子育ての神戸」をめざす取り組みとして、子ども条例の制定、子どもの医療費無料化を中学校卒業まで拡大。35人学級を小学校全学年で実施するとともに、中学校給食は、先行的に、現在、建設中の中学校2校から実施するとしています。また、就学援助の増額、神戸市奨学金の対象者拡大、学校空調設備の整備を進めるとともに、保育所待機児童解消のために公立保育所の建設などを実施するとしています。
また、国民健康保険料、介護保険料の引き下げ、障害者福祉利用助成制度創設、自立支援医療の無料化、重度障害者福祉年金復活を提案しています。敬老パスを無料に戻すとともに、神鉄などへの拡充をはかるとしています。
中小企業振興条例、公契約条例を制定し、中小企業を神戸経済振興の中心として支援するとしています。中小企業の悉皆調査の実施、住宅リフォ-ム助成制度創設、再生可能エネルギ-への転換で地域経済活性化、小規模事業所登録制度を確立し、小修繕など地元発注を優先する仕組みの創設などで直接支援を行い、使い勝手の良い商店街活性化助成制度の新設で市場・商店街の振興策を講じるとしています。
雇用施策について、雇用対策支援や企業啓発等の予算増額、三菱造船・商船建造の撤退や富士通テンの神戸工場閉鎖については、大企業の社会的責任を明らかにし、事業継続を求めます。中小企業対象の継続雇用奨励金の創設、若年者対策として、就業相談支援員を各区・支所に配置し、継続的に支援できる対策を講じるとしています。
脱原発・低エネルギーへの転換策として、本格的な再生可能エネルギ-の導入に向けて取り組みをすすめるとしています。
財源対策について大かわら議員は、むだな大型事業、不要不急の事業の削減、市民サ-ビスの低下につながるものや住民合意のないまま進められているものを見直して財源を捻出したと説明。医療産業都市に関わる予算や神戸空港・関空支援の予算の削減、文明博物館群構想の用地買い戻しの中止、エンタ-プライズゾ-ン等における税優遇策見直しと、新都市整備事業会計の利益剰余金を約11億円繰り入れることで対応するとしています。
大かわら議員は、これらの見直しで、市債発行額が20億7800万円圧縮されるとしました。また、議会改革という意味で費用弁償の廃止も提案しました。