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期間は条例案通り4年間にー指定管理 社協運営の児童館(議案質疑:金沢)

2015年02月17日

金沢はるみ議員が議案質疑

神戸市の2015年度予算案などを審議する定例市議会が2月17日に開会、3月25日まで論議されます。

2月17日の本会議で日本共産党議員団の金沢はるみ議員が議案質疑に立ち、児童館の指定管理、借上災害公営住宅の買い取り、小学校の空調設備設置問題などについて、久元喜造市長らの政治姿勢をただしました。

66カ所の児童館の運営を社会福祉協議会などに4年間指定するという議案について、同議員は「条例案通り4年間の指定期間とすべき」と求めました。これまで、社会福祉協議会などが指定管理者として運営する児童館については「地域人材の活用ができるまでの暫定期間」ということを口実に、1年間の指定期間とされてきました。日本共産党議員団が2013年11月の本会議で、指定管理者制度が非正規雇用を増やしていることなどの問題とともに、1年の指定期間では働く人の不安など、より問題が大きいと指摘。久元市長も「1年の指定期間ということについて今後検討すべき点がある」などと答弁。2014年4月に運用指針が改訂され、この度すべての児童館について指定管理期間は4年間とする議案が提案されました。

しかし、社会福祉協議会が運営する児童館については、地域団体が運営できるとなった場合、期間途中で地域団体に変更される可能性があります。金沢議員は「これでは、せっかく4年間の契約でも、これまでと同じことになる」として、提出議案通り、社会福祉協議会が指定管理者になる児童館も含めて、4年間の安定的な運営を確保すべきだと求めました。

借上住宅 揺らぐ「全員追い出し」方針

金沢議員は、都市再生機構(UR)から借り上げている兵庫区の神戸市営ルゼフィ-ル中道住宅と、長田区の神戸市営フレ-ル長田室内(むろうち)住宅を、市営住宅として買い取るという議案について質問。神戸市が出している借上住宅入居者に対して「20年で退去」という追い出し方針が、入居者に大きな不安と混乱を引き起こしていると批判。この間の、日本共産党議員団や入居者らの運動で、一部住宅の買い取り、一定条件の入居者の継続入居などが実現しています。神戸市の「全員追い出し」方針は大きく揺らいでいます。

今回、提案されているのは、神戸市が買い取り方針を打ち出している12団地の内の2団地。買い取り価格は12億6360万円です。金沢議員は、この価格となった経過と根拠を示すよう求めました。

小学校への空調設置 地元業者の活用を

小中学校へのエアコン設置は、日本共産党議員団が強く求め続けていたもの。中学校には2014年度に全校設置されました。今回、小学校にも設置する議案が提案されています。しかし、市が直接発注する分とともに、PFIによる設置・管理も提案されています。PFIでは、地元業者に仕事が回らないという問題点が指摘されています。PFIで設置するのは71校。関西日立グループが受注しています。

金沢議員は、直接発注となる66校については、地元の業者が受注できるよう分離分割発注で行うこと、PFIによる71校についても、地元業者への発注保証などを求めるとともに、その後の管理についても、地元業者を活用するための対策をただしました。

空調・管理面でも地元業者活用

質問に対し、指定管理者制度について玉田敏郎副市長が「行財懇報告で、地域人材の活用をはかるとされている。社協については暫定運営との位置づけだ。指定は4年とするが、(地域団体などが決まった段階で)変更していく。変更作業は十分時間をかける。保護者や子どもに不安は与えない。職員の処遇は十分配慮する」などと答弁。借上住宅については鳥居聡副市長が「URと大枠の合意を得たので、返還期間が早い団地から買い取る。不動産審議会などでの評価を踏まえて交渉し、今回の価格となった」などと答弁。小学校のエアコン設置については雪村新之助教育長が「故障や不具合が生じた場合の対応が考えられるが、PFI事業でも市内の事業者をサービス窓口として地元活用できる」などと答えました。

 

▲答弁とその後の質疑から▲

児童館「期間途中でも移行する」

児童館の指定管理については、市長が2013年の本会議で「安定的な運営を進めるためにも1年は検討すべきだ」と答弁しています。金沢議員が昨年12月議会で、この答弁を引いて「途中で指定管理者をかえてしまうことと矛盾するのではないか」とただしたのに対し、市長は「矛盾しない」などと答えています。金沢議員は「議会に提案されている条例案では、指定期間は4年となっている。それを誠実に守ることこそ、安定運用にもつながる」と指摘。4年間の期間を守るよう迫りました。

玉田副市長は「4年ということで議案を提案している」としながら「地域団体が受けていくということで整ったならば移行していく。(その時には議会に)改めて提案する」などと答弁。職員の処遇については「十分配慮する」というだけでした。

金沢議員は、指定管理者制度で多くの官製ワーキングプアが生み出されているとして、安定的な雇用を維持するためにも、4年間という指定期間は守るべきだと求めました。

矛盾解消へ買取住宅増やせ

借上住宅買取について同議員は、残り10団地についても具体的な買い取り時期などを示し、入居者の不安を解消するよう求めました。鳥居副市長は「平成31年に集中するので、ある程度平準化して取得していく。今後の予算状況やURとの協議状況を踏まえながらやる」などと答弁。金沢議員は、この間の神戸市の、入居者に思いを寄せないやり方が様々な矛盾を作り出していると批判。3棟ある灘区のウエルブ六甲道団地は、神戸市の再開発に協力した人たちが入居する住宅。3棟のうち1棟は一般の市営住宅となっているため転居は迫られていません。ところが、隣の2棟は借上住宅となっているため転居を迫られています。兵庫区のフレ-ル浜山では、2棟建てられた住宅の一方は、特養と合築のため買い取りが決まっていますが、残りの一棟は同じ敷地内にあるにもかかわらず、退去を迫られるなど、矛盾が広がっています。

金沢議員は「原則転居のやり方は、コミュニティを壊し、長年にわたって築き上げてきた生活を破壊する」と批判。さらに、民間借上住宅について「神戸市に代わって震災直後に住宅を建ててくれたのが民間オーナー」だとして、神戸市にとっては恩人ともいえる民間オーナーの事情を考慮して買い取りを検討するよう求めました。

空調故障など小修繕事業として対応

小学校への空調整備について金沢議員は、直接発注分の維持管理でどのように地域の業者に発注するのかとただしました。雪村教育長は「小修繕は維持管理の中心。直接発注したところは、所定業者に発注している」などとして、小修繕として地域の小規模事業者にも門戸を開いているとしました。