市民のくらし市民サービスの充実を(一般質問:大前)
2015年12月20日
市民の声を聞く市政に
大前まさひろ議員が一般質問
大前議員は、ブラック企業対策、保育所、三宮再整備、元町有楽名店街移転、駅のバリアフリー化問題を取り上げました。
ブラック企業・ブラックバイト対策を
長時間・過密労働、パワハラなどの「ブラック企業やブラックバイト」が大きな問題となっており、日本共産党は対策を求めてきました。
11月9日に厚生労働省がブラックバイトの調査結果を発表し、約6割もの学生が何らかのトラブルを経験しているとされています。大前議員は「市内の飲食店で雇われ、その日から急に店長にされ、社会保険にいれてもらえず、朝は10時から働き、夜は終電にも乗れず、休んだのは2ヶ月間で2日だけ」という過密労働で体をこわし退職した方の話を紹介。大前議員は「市内の若者たちがおかれている状況を放置することはできない」としました。
また久元市長が本会議で「悩んでいる若者がたくさんいるという実態が市民生活にある」「市政は一切関係ないという姿勢を持つべきではない」「神戸市としてもできることがある」と答えているとして「神戸市はブラック企業やブラックバイト対策をとるよう」に強く迫りました。
全区に認可保育所を
神戸市は子ども・子育て新制度で「小規模保育施設」を中心とした地域型保育事業をすすめてきました。しかし小規模保育施設の子どもたちは、3歳になれば卒園しなければなりません。小規模保育施設に預けられている2歳児は、現在273人で希望通りに預けられる保証はありません。大前議員は「認可保育所に入所できず、やむなく小規模保育施設に入所しただけ。3歳になったら認可保育所に入所できるかが心配」との子育て中の方々の声を紹介。神戸市が小規模保育施設を中心にすすめてきたことの結果がこのような問題を起こしているとして「小規模保育施設よりも、全区に認可保育所を増やすべき」と求めました。
市民不在の移転計画は撤回を
神戸都心の未来の姿「将来ビジョン」、三宮周辺地区の「再整備基本構想」がまとめられました。そのなかにバスターミナルの整備で、種地をつくるために中央区役所、三宮図書館、勤労会館、サンパルが移転されようとしています。先日の議案質疑で副市長は「これから地権者の方々と市役所も入って議論していく」と答えました。大前議員は「今後の議論には区役所や勤労会館の利用者などの市民の声は入っていない」と指摘。「市民不在の移転計画は撤回するべきだ」とただしました。
元町有楽名店街の閉鎖中止を
元町有楽名店街は阪神元町駅の東口と西口をつなぐ通路にあり、長年にわたり親しまれてきました。阪神電鉄は元町有楽名店街を閉鎖し、来年3月までの立ち退きを迫っています。大前議員は名店街の方々からは「出て行けといわれたら、どうやって生活するのか」「何十年も営業してきてなぜいまなのか」と不安と怒りの声が上がっていると訴えました。今年の3月には陳情も出され、署名は1万6000筆に達しています。神戸市も「産業振興局としても何ができ得るのかということを改めて考えたい」と答えましたが、状況は改善されていないことを指摘。神戸市として「阪神電鉄に有楽名店街を残すよう強く要望すべきだ」と求めました。
阪急春日野道駅、阪急花隈駅、阪神西元町駅にエレベータを
平成18年に「高齢者・障害者等の移動の円滑化の促進に関する法律」が制定され、全国で駅のバリアフリー化が進んでいます。しかし、平成32年度までにバリアフリー化することとなっているものの、未だに9駅のバリアフリー化ができていません。
大前議員は「中央区では阪急春日野道駅、花隈駅、阪神西元町駅にエレベータがなく、利用者から不便だとの声が上がっている」としました。保健福祉局長は日本共産党の福祉環境委員会での質問に「阪急春日野道駅については、住宅都市局や建設局を巻き込んで、プロジェクトチームの方式で対応を検討していく用意はある」と答えていました。この3つの駅に早く整備するように神戸市が阪急、阪神に要請するべきだと求めました。
▲答弁とその後の質疑から▲
質問に対し久元市長らは、「(ブラック企業対策)問題がある働き方が社会問題になっていることは認識している」「事業者への立入り、是正勧告などの労働関係法令の遵守に関しては監督、指導権限は国の管轄」などと答えました。大前議員は「神戸市は国と県の管轄として、何もしていない」と厳しく批判しました。久元市長は「改善すべき点があれば、他都市の事例も参考に、必要な対策を今後、考えていけばよい」などとしました。
「(保育所)仕事と育児の両立、待機児童の解消が求められていることから最重要課題」「さまざまな施設や事業を活用して待機児童の解消を目指している」などとしながら、小規模保育施設卒園後の受け皿については「国の新制度導入では、5年間の経過措置が設けられており、その間で卒園後の受け皿は考えていきたい」などと答えました。
「(三宮再整備)神戸の活性化に不可欠」「中央区役所とミント神戸を一体的に利用したバスターミナルを新たに整備する」「区役所や図書館は市民サービスの拠点であり、いろいろな点に配慮し総合的に検討していく」などと答えました。サンパルには、移転など再整備の内容を知らないで商売をしている方々がいます。大前議員は「地権者と話もせずに計画を進めるのは乱暴すぎる」と批判しました。これに対して鳥居副市長は「まだ計画中でサンパルが全てバスターミナルになるかは検討しないと分からない」「地権者の方々には、これから話をする」としました。
「(元町有楽名店街)産業振興局から既存の補助制度の活用方法や情報提供をおこない、具体的な支援をおこなっている」などとしました。鉄道業者には「元町有楽名店街に対して丁寧な協議を進めるよう何度も要請した」「必要に応じて両者のパイプ役としての役割をはたす」などと答えました。
「(駅のバリアフリー化)住民にとって最寄り駅のバリアフリー化は、切実な要望だと認識しており、毎年、鉄道事業者を訪問して要望している」「阪急春日野、花隈、阪神西元町駅は重点要望駅として繰り返し強く要望しているが、最終的には鉄道事業者の経営判断となる」などと答えました。