代表質問:住宅追い出しは人道上も問題
2012年09月25日
「市長が入居者と会うべき」
大かわら鈴子議員が代表質疑
大かわら鈴子議員は、災害公営借上住宅、中学校給食、ポートアイランドなどの防災対策などについて、矢田市長の姿勢を追及しました。 被災から17年、借上住宅入居者は高齢化しています。大かわら議員は「高齢者などに一方的に退去を求めるやり方は人道上も大問題」だと厳しく批判しました。3年後に「入居期限」を迎える住宅では「夜も眠れない」「体調を崩した」という人が続出しています。 入居期限については、多くの人が説明を受けていません。さらに「期限が来ても延長されます」と、職員から聞いた入居者も多数います。入居許可書に期限が明記されていないものも多数存在します。 震災後、ようやく築き上げたコミュニティは、地域を含めた生活全般に関わるもので、神戸市が示している「知り合い数人で別の場所に移り住むグル-プ入居」で守れるようなものではありません。大かわら議員は「2年前、この問題が突然提起されるまで神戸市は、転居が必要との説明は一切していない。説明が不十分だということは、当局も認めている」と指摘。転居を強行すれば、悲劇を繰り返すとして「国会で防災担当大臣が答弁しているように、買い上げ、契約の継続などもふくめて、希望する全ての人が市営住宅として住み続けられるようにするべきと求めました。
自校方式の中学校給食を
中学校給食を願う市民の声は6万筆を超える署名にあらわれています。神戸市は「中学校の昼食あり方検討委員会」を設置し、2月から3回にわたって検討会をひらいています。中学校指導要領では給食の時間を食育の指導の中心の場と位置付けており、ただの昼食ではなく、教育だという事を明確にしています。また、食材を地産地消とすることで、安全な食品の確保、地域農業や、中小業者の活性化にもつながります。これらを実現し、指導要領の理念を実践できるのが自校方式といえます。ところが、神戸市は、財政難を理由に初めから、自校方式を排除する発言をしています。また検討会に出された当局作成資料は、明らかに選択方式に誘導する内容です。同議員は「これでは、公正で客観的な議論ができない」と批判、市民意見を反映させる対策が必要だと指摘しました。 また、教育長が「公聴の場」と位置づけるとしていた教育フォ-ラムは、発言できたのはわずか3人。同議員は「再度市民の意見を聞く場を作るべきだ」「未来への投資として、理想的な自校方式を選択するべき」と求めました。
ポートアイランドの防災対策を
同議員は最後に、ポ-トアイランドの防災対策について質問。南海トラフの巨大地震は、阪神淡路大震災よりも長時間、地震の揺れが続くとされています。ポ-トアイランド2期には、災害拠点病院である新中央市民病院をはじめとして、医療関連施設が立地。新たに子ども病院まで誘致しようとしています。同議員は、巨大地震が発生した場合、これらの医療機関が役割を果たせなくなる、と指摘。 ポ-トアイランドは超軟弱地盤のため、阪神淡路大震災以上の大きな液状化被害が想定されます。また、津波や液状化で護岸の沈下なども非常に高い確率で起こると予想されます。護岸が損傷すれば、南側からだけでなく、ポ-トアイランド1期からも2期に向けて津波が押し寄せることになります。液状化対策を講じているとされるポートアイランド2期も、長時間の振動により、再び液状化する危険性も否定できません。 同議員は「市民の命を守るためにも、想定されるあらゆる被害のシュミレ-ションを行い、ポ-トアイランドの防災・避難対策をつくるべきだ」と求めました。
答弁:借上住宅について中村副市長は「目的と現状のかい離や財政負担、公平性の観点から契約に従って返還いただく」などと答弁。中学校給食については永井教育長が「フォーラム終了後のアンケートが109件ある。幅広く意見は聞けた」などとこたえました。
大かわら議員は、兵庫区や長田区には、グループ移転の対象となる住宅がないことを指摘。市長に「入居者と直接会うべきだ」と求めました。しかし矢田市長は答弁に立ちませんでした。 中学校給食について、教育長が、検討会の結論を尊重すると答えている。市長も検討会で、自校方式となれば予算について考えるとこたえているとして、実施方式についても、自校方式真剣に検討するべきだと求めました。
子育て応援都市宣言 相生のとりくみに学ぶ
2012年08月10日
行政の姿勢で、暮らしは変わる―相生市の子育て支援
市政連続講座で金沢はるみ議員が、予算組み替えれば神戸市でも実現可能と報告
神戸・市民要求を実現する会は8月10日、市政連続講座を開催し約40人が参加しました。
第5回目となる今講座では「行政の姿勢が変われば、住民のくらしは変わる」をテーマに、「子育て応援都市」宣言をし、子育てしやすい環境を整え人口減少対策や定住促進をすすめている相生市のとりくみを、同市の岩崎修市会議員が報告しました。
岩崎議員は、同市が15歳までの医療費無料や、5万円の出産祝金、幼・小・中学校給食の無料化などの子育て支援や、若年世帯家賃補助や住宅取得奨励金での定住促進策で、「子育てに余裕ができ、子どもにしっかり向き合えるようになった」「もう1人子どもを出産してもいいと考えられるようになった」などと喜ばれていることを紹介しました。
同議員は、相生市は、投資的経費を削減し、子育て支援に恒常的に力を入れていることから「行政の姿勢いかんでここまでできることを証明したもので、1自治体のとりくみにとどまらず、全国へ広がっていくことが求められている」と述べました。
つづいて、金沢はるみ神戸市会議員が、日本共産党神戸市議団の予算組み替え提案を説明。神戸市の予算は7,344億円。1人当たりの市税収入や予算額は相生市よりも多い(表)。神戸空港などのムダづかいをけずれば、こども医療費の無料化や、国保料1万円の引き下げ、中学校給食を実現することができると訴えました。
参加者からは、中学校給食をはじめた効果などの質問が寄せられ、岩崎議員は「食材の3割が相生産で、地元の安全な食品が使われている。無料化したことで経済的な心配なく食事ができ、児童の情緒の安定につながっている」と報告しました。
学校への空調設備設置で「前向きに検討」と答弁
2012年08月03日
8月3日にひらかれた文教こども委員会で、大かわら鈴子議員が、学校園の空調設備の設置について質問しました。
神戸市では、中学校への空調の設置について、設備費用が高いことなどを理由に、先送りしています。
大かわら議員は「学校園への空調設置は以前から要望しているが、答弁は、検討にとどまっている」として、現在、どのように検討しているのか、ただしました。
教育委員会の森岡真一郎学校計画担当部長は「財源的にどういう工夫の仕方があるのか等を検討しており、できるかぎり前向きに検討していきたい」などと答えました。
文教こども委員会 第三者委員会設置し「いじめ」の事実関係調査を
2012年08月03日
文教こども委員会が8月3日にひらかれ、大かわら鈴子議員と、味口としゆき議員が、いじめ問題について教育委員会に質問しました。
大津市のいじめ自殺事件を契機に、いま、いじめ問題があらためて社会的な問題となっています。神戸市でも2005年2月、垂水区の小学校で、判明しているだけで、一人の生徒から22万円もの金銭を恐喝する事件が発生しています。しかし、学校でアンケート調査や関係児童の聞き取りをおこなったあと、教育委員会は「いじめ・恐喝の事実があったかなかったかは断定できない」と裁判所に文書を提出。これに対して、市民から「神戸市は虚偽文書を裁判所に提出したことを認めて、再発防止をしてほしい」旨の陳情が議会に提出されました。
味口議員は、アンケートの中身や校長から教育委員会に出された報告書では、恐喝された金額など具体的な数字が上がっているにもかかわらず、なぜいじめの事実を断定できないのかと指摘。陳情者がもとめる「公正な専門家の第三者による判断」の実施のために、第三者委員会を立ち上げることを求めました。
教育委員会の林弘伸指導部長は「事実確認が完全でなかったため、判断ができなかったという結論に至っている」と答弁。井川博総務担当局長は「事実関係をもう一度、一から調べるのは無理がある」などと答えました。
また今年7月には、北区の市立中学3年の男子生徒3人が同級生を暴行し、重傷を負わせたとして逮捕された件で、教育委員会も「いじめがあった」と認めていますが、生徒や保護者、地域関係者に対する説明はまだ実施していません。
大かわら議員は「子どもたちにも事実を伝え、これからどうしていくべきか、子どもたちと一緒に話し合う場を持つべき」と求めました。
林弘伸指導部長は「ご指摘の通り、そういうことも含め検討していく」などと答えました。
空港島の防災見直し、中学校給食実現、請願採択を
2012年06月22日
西議員が請願採択求めて討論
6月22日に開かれた最終本会議で、請願討論に立った西ただす議員は、請願第25号と請願第26号について、採択を求めました。
請願第25号は、「神戸空港の地震・津波被害想定の根本的見直しを求める」請願。
神戸市は、神戸空港計画当時から「十分な耐震設計による安全な空港」「防災拠点となる空港」と説明してきました。しかし、最近の研究等から、再検証が必要となっています。
当時、神戸市も、空港予定地の海底に活断層があることは認めていましたが、「断層のズレが比較的小さいB級の活断層」だとし、「耐震設計を十分に行なうことによって対応できる」「液状化への心配もなく、連絡橋も大丈夫」と結論づけていました。
以前から、この活断層の危険性を過小評価しているという指摘もあり、最近では、阪神・淡路大震災級の地震に結びつくという指摘もあります。東海・東南海・南海地震では、防潮堤の門扉がすべて閉められたとしても、約20平方キロメートルが浸水し、ポートアイランドは孤立状態になる可能性も指摘されています。
市みなと総局も「地震でポートライナーが運行できず、道路が途絶されれば、数日間は行き来が難しくなる」と説明しています。
西議員は、以前の調査でわからなかった危険があきらかになっていることを指摘。請願の採択を求めました。
◇
「神戸市の中学校で完全給食の実施を求める請願」について、市民のよりよい給食を求める思い、そして神戸市が進める食育の流れを進めるためにも採択すべきと求めました。
全国では8割を超える公立中学校で、中学校給食が実施されており、さらに広がっています。
中学校給食の実現を求める声は、5万筆を超える請願署名に示されています。
西議員は、署名した市民の多くは「小学校の様な給食を中学校でも」と期待しているとして、その思いにこたえるべきだと指摘。
自校方式は、多くの自治体が採用していますが、授業や部活動に支障は出ていません。
現在、神戸市は、食育基本法を受けて、第二次の神戸市食育推進計画を実施しています。そのなかで「学校園への生きた教材としての給食」を位置付け、「地産地消」の促進もうたっています。
西議員はこうしたこともあげて、同請願を採択すべきだとしました。
中学校給食 自校調理方式で実施を
2012年06月19日
中学校給食実現する会が請願
市議会文教経済常任委員会が6月19日に開かれ、「神戸の中学校給食を実現する会」が提出した「中学校給食実現と自校調理方式実施を求める」請願が審査されました。
意見陳述した東灘区の前原操さんは、市民から5万を超える署名が寄せられ、サンテレビでも放映されたこと、弁当をつくる家庭の厳しい実情を紹介し、「未来を背負う子どもたちのためにお金をかけてください」と採択を訴えました。
日本共産党の金沢はるみ議員は、給食実施も含め「昼食のあり方検討会」の結論を踏まえ、決定するとの教育委員会の姿勢を批判し、「中学校給食への市のスタンスが見えない。食育の観点からも実施する方向を示すべきだ」と求めました。
質問に対し井川博総務担当局長は「自校方式は財政問題があり、配膳などに時間がかかり、午後の授業に支障が出るなど困難」と答弁。
金沢議員は「自校方式を実施している西宮市などで授業に支障が出ているのか」とただすと「他都市の時間割は承知していない」と答えるなど、まともに検討していないことが明らかになりました。
請願は、日本共産党と新社会党が採択を主張しましたが、自民党、民主党、公明党、みんなの党、自民党神戸が反対し、不採択になりました。
中学校給食実施へ予算措置を
2012年03月15日
総括質疑で市長を追及する金沢はるみ議員
予算特別委員会の総括質疑は3月15日におこなわれ、金沢はるみ議員が中学校給食、外郭団体、神戸経済のあり方について、森本真議員が借上災害公営住宅問題をとりあげました。
中学校給食について、自校方式で進めてほしいとの声が強く出ています。ところが、永井教育長は本会議答弁で「お金がないんです」とか「空調など環境整備にもお金がかかる」などと発言しています。
金沢議員は、予算編成をするのは市長だとして「子どものための予算は未来への投資であり、優先的にお金を回すこと、とりわけ要望の強い中学校給食の実施のために予算をつけるべきだ」と求めました。
経営状況が厳しい外郭団体について、外郭団体あり方検討委員会から、海上アクセス、舞子ビラ、住宅供給公社など、各団体について最終まとめが出されています。神戸市はその内容に従って、事業の再編や団体の統合、民事再生の手続きをとるなどとしています。
金沢議員は、市民や議会への説明責任が果たされておらず、事業が経営破たんした原因、誰の責任なのかも明確にされていないと指摘。「はっきりしていることは、神戸市が総額600億円近くもの負担をすることになるということだ」として、市民に謝罪し、市長自らの責任を明確にすべきだと求めました。
神戸経済のあり方について金沢議員は、三菱神戸造船所の商船建造撤退や富士通テンの工場撤退など、神戸経済を支えてきたものづくり産業の衰退が広がっていると指摘。金沢議員は、神戸市が、ものづくりの産業、特にその技術を支えてきた中小企業への支援をしていないと批判。ポートアイランド2期には資金を投入しながら、産業の空洞化対策に支援しない態度はあまりにも対照的であり、支援のあり方が間違っているとして「神戸経済を支えてきた既存産業・中小企業に、仕事づくりなどを中心にきちんと支援を行うべきだ」と求めました。
◇
答弁:質問に対し矢田市長らは「(外郭団体)これまで市の財政状況が厳しかった。それが、政令市の中位くらいにきたこと、国で3セク債の制度が創設されたことなど、タイムリミットの次期に来た」「(海上アクセスは)リーマンショックや新型インフルエンザの発生、東日本大震災などで利用者が上下する状況が続いた。アクセスは必要な公共交通」「(経済問題)現状からさらに一歩踏み出すための挑戦を支援していく」「(給食)あり方検討委員会で検討して、方式について教育委員会で方向を定めたらいい。財源はついてまわるので、工夫しながら考えていったらいい」などと答えました。
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金沢議員は「市民が望んでもいないのに、市長が海上アクセスの再開を進めた。累積損失を増やした責任を認めるべきだ」と批判しました。
自校方式否定の答弁を批判
2012年03月13日
教育委員会審査で味口議員
予算特別委員会・教育委員会審査は3月13日におこなわれ味口としゆき議員が、中学校給食と高校学区問題について質問しました。
中学校給食をめぐっては「神戸市立中学校の昼食のあり方検討委員会」が2月に開かれ、検討が始まっています。3月2日の本会議で、中学校給食を自校方式でやるべきだという日本共産党議員団の代表質疑に対し、永井秀憲教育長は「お金がない」「自校調理方式は論外」などと、財源がないことだけで「自校調理方式」について検討すらしないかのような答弁をおこないました。味口議員は「教育長の態度は、あり方検討委員会の、専門的な見地および市民の立場から幅広く意見を求める」という開催目的の主旨を踏みにじるものだとして、市民から、『教育長が勝手に決めるのなら、何のための検討会だ』と批判の声があがっている」「教育長の独断で結論を押し付けることは絶対に許されない」と厳しく批判しました。
永井教育長は「あり方検討委員会や議会で、自校方式が最もふさわしいと結論が出たら、その時は市長にお願いする。耐震化や空調など課題がたくさんある。財源がベースの問題としてある」などと答弁。
味口議員は「空調に予算はついていない。教育を、財政とか効率からだけ考えると間違いを犯す。教育、食育という観点から中学校給食について考え、中学生にとって最善であることを基準に、予算が足らなければ市長に求めるぐらいの決意が必要だ」と追及しました。
普通科高校の学区拡大問題では「遠距離通学が増え、交通費などの負担増を招くのでは」「子どもたちの受験競争がはげしくなり、しわよせが学力の低い生徒に集中する」など、保護者らからだされている不安や疑問の声を紹介。また、兵庫県下41市町のうち、24の議会で再編に反対する「意見書」が決議されたことなどを示し、「競争教育にさらに拍車がかかり、子どものストレス、差別・選別による自己肯定感の喪失を強めるような学区再編はやめるべきだ」と質しました。
永井教育長らは「選択の幅が広がる」「行きたい学校に行けないのはおかしい」「本人が競争ととらえるかどうかだ」などと答えました。
中学卒業まで医療費無料に
2012年03月12日
保健福祉局審査で森本議員
保健福祉局審査は3月12日におこなわれ、森本真議員は、子どもの医療費助成、国民健康保険、介護保険、借上災害公営住宅問題などを取り上げました。
神戸市は新年度予算案で、子どもの医療費助成について、外来無料化を2歳児まで拡充しました。しかし、政令市でも県下自治体でも中学卒業まで無料化という流れがひろがっています。
森本議員は、市長が本会議で「政令市の中で神戸市より低いところがある」などと答弁したことを批判。「国や県まかせにせず、こどもの命を守る施策として、中学校卒業まで無料化を進めるべきだ」と求めました。
介護保険料は、今年度から5,200円(基準額)となります。介護保険発足当初(2000年)の3137円と比べると、1.7倍にもなっています。今回、介護保険財政安定化基金の活用などで、上昇額を抑えたにもかかわらず、560円の値上げとなりました。森本議員は、兵庫県が拠出している基金も保険料引き下げのために活用するよう、県に求めるべきだとただしました。
借上災害公営住宅問題に関連して森本議員は、保健福祉局の対応が「住宅から退去させたあと」に限定されていると批判。高齢者らの病院、買い物など、日常的なつながりがどのようになっているのかを調査するよう求めました。
質問に対し、雪村新之助保健福祉局長らは「こども初期急病センター利用者の一割が他都市の利用者だ。指定都市の責任でもある。今年度で3歳未満児まで踏み込んだ」「地域見守りシステムを展開してきた。公営住宅から転居された人には全市的な対応で対処したい。都市計画総局が意向調査しているので、独自調査はしない」などと答えました。
森本議員は「震災後、孤独死も出た。二度とこうしたことを繰り返さないことが求められている。神戸市の取り組みは東日本の試金石になる。保健福祉局としてきちんと調査すべきだ」と批判しました。
子育て支援策強め、若者が定着する神戸市に
2012年03月02日
赤田かつのり議員の代表質疑
中小企業支援対策
中小企業の仕事づくりの対策強化を
神戸市の統計資料では、9人以下の事業所が1994年から2009年までに12743も減っています。阪神・淡路大震災後、大部分の市民の暮らしと中小業者の営業が苦境に立たされていることがわかります。
市長は「神戸経済の原動力である中小企業」「雇用を守るため、切れ目なく『中小企業の元気の確保と雇用機会の創出』に最優先に取り組む」などと言うものの、目新しい施策はありません。逆に、水ビジネスを目的に海外進出する地元の大手企業を支援することには積極的に力を入れようとしています。
赤田議員は、公契約条例の制定、住宅リフォーム助成の実施など、中小業者の仕事づくりのための施策を実施するよう求めました。
◇
答弁:小柴副市長は「24年度は地元企業の雇用確保と市営住宅の修繕・改修、歩道の段差解消など生活密着型の工事を増やした。金融面の支援で中小企業の経営安定化につなげる。商店街、市場支援では『買っとく事業』を継続する。住宅リフォーム助成は、耐震化やバリアフリーなど、特化した助成を優先すべきだ。公契約条例は全国でするもの」などと答えました。
こどもの医療費
中学卒業までの通院無料化を
新年度予算案で、子どもの医療費は通院が3歳未満児まで無料に拡充されました。これは市民の願いと運動の反映といえます。しかし、全国や兵庫県下各自治体では、さらに上の年齢まで通院の一部負担金の免除を実施している自治体が多くあります。相生市・赤穂市・小野市・宍粟市・たつの市・西宮市・市川町・佐用町・福崎町で中学校3年生まで無料となっています。神戸市は依然として、県下では遅れた自治体となっています。赤田議員は、神戸市独自に助成制度を拡充し、通院でも中学校卒業まで無料とするよう求めました。
◇
答弁:矢田市長は「中学3年生まで外来無料化をというが、多額の財源がいるので難しい。入院は中学3年まで無料なので政令市ではトップクラスだ。外来でゼロ歳児ですら(無料化を)していない政令市もある。県内の市町でもばらつきがある」などと答えました。
◇
赤田議員は「さらに遅れている自治体と比べるのはおかしい」と批判。若い世代を定着させ、街を活性化させるよう迫りました。
中学校給食
自校方式の中学校給食を
中学校給食の実現を求める運動が広がっています。「神戸の中学校給食を実現する会」には、2月10日現在で42589筆の署名が集まっています。2月21日には、第1回目の「中学校昼食のあり方検討会」が開かれました。委員からは小学校での自校給食を通じて食育の大切さが実感されている、とする意見や、家庭における食生活の崩れを指摘する意見などが出されました。
赤田議員は、同議員団が行った他都市調査にふれながら、とくに群馬県・高崎市で行われている自校方式の取り組みを紹介、同方式のすばらしさを強調しました。一方、給食と弁当との選択制をとっている自治体では、利用率が極端に低下していることなどを指摘しました。自校方式の優れている点として赤田議員は、①各学校(地域)の特色を生かした給食の実施が可能となる②きめ細やかな食の指導が可能となる③調理後喫食までの時間を短くすることができることをあげ、「未来を担う子どもたちへの責任として、自校方式で給食を実施するべき」だと求めました。
◇
答弁:永井教育長は「検討会で意見を聞いている。いろんな意見が出たが、今後、給食実施でも効果的・効率的な点から、財政的な問題、優先順位も考慮に入れて検討してもらう。自校調理方式だが、確かにメリットもある。費用、スペースも考えないといけない。土地への投資をできるのか。財政的な専門家からも見てもらうべきだ」などと、自校方式を否定するような答弁を繰り返しました。
◇
赤田議員は「昨日の答弁で、教育長は、自校方式は論外などと発言した。今の答弁でメリットがあることは認められた。さいたま市は、センター方式のところも自校方式に切り替えていこうとしている。神戸市でぜひ実現してほしいというのが多くの市民の願いだ。論議が始まった段階で、責任者が自校方式は論外と決めつけること自体が論外。発言の撤回を」と追及。永井教育長は「お金がない」などと答弁。赤田議員は「教育長がそう言うこと自体が問題で、検討会の議論を狭めるものだ。海上アクセスなどに使う金があるなら、市民のために使える」と厳しく批判しました。
海上アクセス問題
市長は責任認め謝罪を
海上アクセス社について神戸市は、民事再生手続きを通じて、同社へ出資した資本金を100%減資させ、債権136億円を株式として取得するとしています。しかし、この株式は、現物出資法(DES)における時価で勘算され、2億円、最終的には1億円になるとされています。結局は、同社の債務はなくなってしまうという手法です。これによって、港湾事業会計は142億円、新都市整備事業会計は3000万円の特別損失をうけることになります。赤田議員は「借金を棒引きすること自体、常識的判断では受け入れられない」と批判。市民が生活苦で借金をすれば、厳しい取り立てを受けます。神戸市が海上アクセス社への債権放棄を断行すれば、神戸市自身が158億円の負債をかかえることになります。赤田議員は「運行再開に踏み切った市長自身の責任であり、市民に謝罪すべきだ」と迫るとともに、海上アクセスの運行は中止するように求めました。
◇
答弁:小柴副市長は「あり方検討会では、公益性の有無などあらゆるところがから分析された。公益性があるとして、維持すべきとされている。債務についても、長期に債務超過で放置すべきではなく、現時点での債務整理が必要との提言を受けた。神戸市の発展に必要な公益性の高い都市機能だ」などと、多額の債務が市民負担となることにはふれませんでした。
◇
赤田議員は「市長に質問した。アクセスの公益性を市民が感じるのか疑問だ。借金は、再開当初より増やしている。市長の判断の誤りだと認めるのか。市民に謝罪すべきだ」と追及。市長は「企業として取り組んできた。環境そのものが変化する中でこういった状況が積み重なった。今後とも公益性、公共性を考えながら、企業としての立場で存続していく」などと無責任な答弁に終始しました。