自由法曹団兵庫県支部が借上住宅問題で意見書
2012年10月11日
一方的退去要求は違法・・・ 自由法曹団兵庫県支部
継続入居措置を要求
阪神・淡路大震災の借上公営住宅から20年の期限を理由に退去を迫られている問題で自由法曹団兵庫県支部が10月11日、「借上公営住宅の入居者の入居継続措置を求める意見書」を発表し、兵庫県知事、神戸市長、県議会と神戸市議会各会派に送付しました。佐伯雄三支部長と松山秀樹事務局長が神戸市役所で記者会見し、発表しました。
同意見書では、入居者に借上住宅であることや契約満了後は契約更新されず退去しなければならないことなど入居前に説明しなければならないのに、借上住宅の表記がないものや入居期限を明記していないもの、継続を予定した入居許可書があるなど、事前通知をおこなっていないと指摘。神戸市は公営住宅法に基づく明け渡し請求ができないとしています。
さらに借地借家法で定める正当事由にもあたらないことを示しています。住宅所有者の多数が継続を希望していることや入居者への説明が不十分であったことを認める市議会での答弁などから、入居時には継続的入居を予定していたことを指摘し、神戸市が「退去を迫る」政策に転換したことを批判。強制退去の方針と政策を撤回し、契約期間満了後も継続して入居できる措置を求めています。
佐伯氏は、入居者の多数が高齢や通院など転居が困難で、コミュニティを破壊することを強調し、「形式的な神戸市の論理で退去を求めることは許されない」と批判しました。