新神戸トンネルの移管で 雇用の継続求めよ
2012年07月27日
新神戸トンネルは10月に道路公社から阪神高速道路公団に移管されますが、それにともない道路公社が発注していた料金収受員の雇用継承がされず、多くの収受員が職を失う危険性が出てきています。
大かわら議員は、これまで働いてきた収受員の人たちの不安を解消するために、雇用継続を強く要望するよう求めました。
道路公社の國山芳弘常務理事は「移管後の料金徴収業務は阪神高速道路の判断となるが、阪神高速道路系列の料金徴収業務会社と、公社が委託している会社と直接協議も行っており、めどが見えるのではないか」などと答弁しました。
2011年度末 | 新神戸トンネル | 西神戸有料道路 (山麓バイパス) |
---|---|---|
建設費未償還額 | 682億9506万円 | 179億1445万円 |
損失補てん準備引当金 | 99億8474万円 | 127億0381万円 |
料金徴収期限 | 平成43年11月21日 | 平成43年11月28日 |
※新神戸トンネルの料金徴収期限は、移管を予定した条例改正前時点
山麓バイパスのさらなる値下げを
2012年07月27日
大かわら議員が要求
大かわら鈴子議員は、山麓バイパスの値下げ後の状況について質問しました。
西神戸有料道路が無料化されて以降、コンテナ車など大型車両の一般道への流入によって、兵庫区夢野地域などで振動・騒音の被害が多く出ています。地域などの要望にこたえ、神戸市は5月28日から並行する有料道路・山麓バイパスの大型車両の通行料を値下げし、山麓バイパスへの誘導策をおこなっています。
大かわら議員は、値下げのPRを運送業者だけでなく、産業振興局やみなと総局とも連携し、神戸市が誘致した荷主の企業にも案内して、大型車を山麓バイパスに誘導することを求めました。また、道路公社が積み立てている「道路事業損失補てん引当金」が、新神戸トンネルの阪神高速道路公団への移管の際に活用されたことを指摘。西神戸有料道路の残債179億円に、引当金127億円をあてて、山麓バイパスのさらなる値下げや無料開放を前倒し実施することについて、国も明確に禁止していないとして、実施をもとめました。
道路公社の國山芳弘常務理事は「今後も機会があれば、PR啓発に努めたい」「引当金は事業の途中で取り崩すことはできないと承知しているが、再度、国に確認する」などと答えました。
関西広域連合加入 ムダな大型公共事業進めるもの
2012年06月22日
関西広域連合加入問題
金沢はるみ議員が反対討論
6月22日に開かれた最終本会議で、関西広域連合に加入する手続きを進めようとする議案に対する反対討論に立った金沢はるみ議員は、①関西広域連合が、財界が進めている道州制につながるものだということ②広域連合で決められることについて、市民の意見は反映されず、自治体の自治権が後退するということ③国の出先機関が広域連合に移管することにより、大災害時の対応などで十分な機能が果たせなくなること、の3点を挙げました。
市長が答弁で「直接、道州制につながるものではない」としていることについても、関西経済連合会が明確に「道州制へのステップと位置づけ、指定都市市長会も道州制を視野に入れている」と指摘しました。
また、関経連が、広域連合が行う7つの事業に関経連の委員を配置していくとしていることからも、経済界が考える大型公共事業を推進しながら、道州制につなげていこうとしていることは明白だとしました。
広域連合は、原発の再稼働を容認しましたが、神戸市の意見も聞いていません。震災瓦礫の受け入れでも、広域連合は受け入れを決めています。
さらに大災害について、これまで国の機関として機能維持、経験の蓄積、技術の継承がなされています。これが、国とは別組織となれば、連携体制に支障がでて、市民の安全が脅かされることにもつながります。
金沢議員は、こうした点を指摘し、関西広域連合には加入すべきでないと、強調しました。
空港島の防災見直し、中学校給食実現、請願採択を
2012年06月22日
西議員が請願採択求めて討論
6月22日に開かれた最終本会議で、請願討論に立った西ただす議員は、請願第25号と請願第26号について、採択を求めました。
請願第25号は、「神戸空港の地震・津波被害想定の根本的見直しを求める」請願。
神戸市は、神戸空港計画当時から「十分な耐震設計による安全な空港」「防災拠点となる空港」と説明してきました。しかし、最近の研究等から、再検証が必要となっています。
当時、神戸市も、空港予定地の海底に活断層があることは認めていましたが、「断層のズレが比較的小さいB級の活断層」だとし、「耐震設計を十分に行なうことによって対応できる」「液状化への心配もなく、連絡橋も大丈夫」と結論づけていました。
以前から、この活断層の危険性を過小評価しているという指摘もあり、最近では、阪神・淡路大震災級の地震に結びつくという指摘もあります。東海・東南海・南海地震では、防潮堤の門扉がすべて閉められたとしても、約20平方キロメートルが浸水し、ポートアイランドは孤立状態になる可能性も指摘されています。
市みなと総局も「地震でポートライナーが運行できず、道路が途絶されれば、数日間は行き来が難しくなる」と説明しています。
西議員は、以前の調査でわからなかった危険があきらかになっていることを指摘。請願の採択を求めました。
◇
「神戸市の中学校で完全給食の実施を求める請願」について、市民のよりよい給食を求める思い、そして神戸市が進める食育の流れを進めるためにも採択すべきと求めました。
全国では8割を超える公立中学校で、中学校給食が実施されており、さらに広がっています。
中学校給食の実現を求める声は、5万筆を超える請願署名に示されています。
西議員は、署名した市民の多くは「小学校の様な給食を中学校でも」と期待しているとして、その思いにこたえるべきだと指摘。
自校方式は、多くの自治体が採用していますが、授業や部活動に支障は出ていません。
現在、神戸市は、食育基本法を受けて、第二次の神戸市食育推進計画を実施しています。そのなかで「学校園への生きた教材としての給食」を位置付け、「地産地消」の促進もうたっています。
西議員はこうしたこともあげて、同請願を採択すべきだとしました。
関西広域連合 市民生活圧迫する道州制につながるもの
2012年06月11日
関西広域連合加入問題で松本議員が指摘
神戸市定例市議会は11日に開会、議長、副議長など議会の諸役員を選出しました。15日の本会議では、日本共産党議員団を代表して松本のり子議員が、関西広域連合加入問題について質問しました。
関西広域連合は、広域で処理することが適当と認められる政策・事務の一体化を図るということを目的に、2010年12月に設立されました。今回の議案は、神戸市が同連合に加入するための手続きを進めようというものです。
広域連合の規約では、当面、広域防災、広域観光、広域産業振興、広域医療、広域環境保全、資格試験、免許、職員研修、その他事務の実施となっています。しかし、広域連合は、関西経済連合会などが主張している道州制を見据えて設立されたことは明白。関経連は「広域連合は、道州制への最も有効なステップ。道州制への一里塚として財界の経済戦略に位置づけている」としています。指定都市市長会も「道州制を視野に入れている」との認識です。
松本議員はこうした点を指摘し、関西広域連合と道州制の関係について、市長の見解をただしました。
市民の声が届かない
また、広域連合議会で決めたことを、加盟自治体に押しつけるのではないかという懸念も強く出ています。
5月18日に開かれた神戸市議会の総務財政常任委員会と大都市税財政問題特別委員会の連合審査では、「広域連合で決められたことと、神戸市で決めたことが食い違い、広域連合の方針に従わない場合、自治法では自治体に勧告ができるとなっているがどう考えているのか」との質問に、川野理企画調整局長は「各自治体の基本構想の範囲内で計画がつくられることになっている。基本構想に合わないものは、広域計画に盛り込まれないようになっており、問題はない」とこたえています。しかし、震災がれきの広域処理について、広域連合は「放射線基準」を決め、市町村に徹底したいとしています。一方、神戸市は、国が基準を決めない限り、受け入れることはできないとの立場です。明らかに広域連合の考え方とはくいちがっています。
また、大飯原発3、4号機についても、広域連合は再稼働を決めました。住民の意見も、連携団体である神戸市の意見も聞かず決めています。
松本議員は「住民の声が全く反映されないところで決定されることについて、どう考えるのか。自治体の自治権が後退するのではないか」とただしました。
大災害に対応困難
国の出先機関の移管
国の出先機関は全部で8省府13機関ありますが、広域連合は当面、国交省、経産省、環境省の三つの出先機関の移管を国に求めています。しかし、こうした機関の移管がすすめば、大災害時の対応などで、十分な機能がはたせなくなる危険性があります。
松本議員は「機能の維持、経験の蓄積、技術の継承が低下するのではないか」とただしました。
◇
答弁:質問に対し矢田市長は「直接、道州制の導入につながるものでないと認識している」「委員は府県、市を代表して発言・活動している。市民の声は届く」「(大災害発生時の対応)現在の出先機関の機能がそのまま連合に移るので、今までの対応が可能になる」などと答えました。
◇
松本議員は「関経連は、7つの事業に関経連の委員を配置していくとしている。市長が言うような甘いものではない。道州制を進めていく組織だ」「大型公共事業を進めるもので、市民サービス低下につながる」などと厳しく批判。広域連合への加入はすべきではないと迫りました。
海上アクセス即時中止 請願採択を
2012年03月29日
請願討論で花房議員
請願討論に立った花房ふみこ議員は、現行の保育所最低基準を守り向上させる条例の制定を求める請願、神戸空港の開港が、震災からの復興にどのような役割を果たしてきたのか、具体的な数字を挙げて示すことを求める請願、港湾事業会計に特別損失を生じさせた責任の所在を明らかにし、市民に謝罪するとともに、海上アクセスの運航を直ちに中止し、清算することを求める請願について、それぞれ採択すべきだと求めました。
保育所の最低基準については、自治体が条例で定めることになりました。花房議員は「現行の最低基準の水準を向上させる中身で条例制定すべき」として、採択を求めました。
神戸空港は震災直後、まだ被災者が避難所で苦しい生活を送っているときに、建設が打ち出されました。神戸市は「神戸空港ニュース」などで「市民所得・雇用」「福祉・教育・文化」「観光産業・地場産業」が向上するかのように宣伝。しかし、「空港による経済効果について積算するのは難しい」などとしか答えていません。
市民の反対を押し切って再開した海上アクセスは、累積赤字を増加させ、今回、158億円もの債権を放棄し、市民に負担を押しつけようとしています。さらに、「必要な都市装置」であるとして運航を継続するとしています。
花房議員は、本体の海運事業で黒字になる見込みのない海上アクセスは、即時中止すべきとして、採択を求めました。
アクセスは即時中止を
2012年03月09日
みなと総局審査で松本議員が追及
予算特別委員会・みなと総局審査は3月9日におこなわれ松本のり子議員は、海上アクセスの債権放棄問題、神戸空港の、別会計の資金流用問題、神戸港の集荷施策、客船の母港化問題を取り上げました。
海上アクセス再開時、市長をはじめ市幹部が「国際線の旅客は増加していく」「関空も着実に回復」「海上アクセスの需要も増加する」と、バラ色発言を議会で繰り返し、民主・自民・公明党の議員ら49人も議会決議をあげて推進し、再開されました。
しかし、今日にいたるまで乗客数は一度も採算ラインに届かず、これまでにつぎ込んだ補助金合計は11億円にも上っています。再開時、159億円だった累積赤字は、6年間で166億円にもふくれあがっています。にもかかわらず海上アクセスを中止せず、現物出資による資本化などを内容とする民事再生計画に同意し、神戸市や外郭団体の出資金や貸付金158億円を事実上放棄して、海上アクセスの累積債務解消を図ろうとしています。
松本のり子議員は「事業再開で赤字を増やした責任について、神戸市は、まず市民に謝罪すべき」と批判。また与党会派の「累積債務解消のための付帯事業をおこなう」ことを求めた決議をうけて、神戸市が海上アクセスに土地の無償提供、駐車場事業の独占受託などの優遇策で、毎年3億円以上も収益をあげさせていることについて「累積債務の解消を提案するなら、これら優遇策は直ちに廃止するべき」と求めました。
岡口憲義みなと総局長は「検討委員会で『経営基盤の強化・安定化のためには、債務整理だけでは十分ではない』との指摘を受けており、そこからも付帯事業をしてはいけないということは導きだされない」などと答弁。
松本議員は「付帯事業を手放さないということは、海上アクセスの赤字解消に自信がないことの表れ」だとして、海上アクセス事業は即時中止をもとめました。
生活道路の改修を
2012年03月05日
建設局審査で花房議員が要求
予算特別委員会・建設局審査は5日におこなわれ、花房ふみ子議員は、生活道路の補修、夢野白川線、山麓線、しあわせの森用地購入問題などを取り上げました。
矢田市長は、予算案の提案説明で、生活関連の公共事業予算を増やしたといっていますが、建設局関連の生活道路関連予算は増えていません。市民が日常的に利用する道路には、狭い歩道、波打ち歩道など歩きにくいところがたくさん残されています。歩道の真ん中に電柱が立っているところもあります。花房議員は「こうしたところは、車いす、ベビーカーなどの通行が困難になっている」と指摘、早期の改修を求めました。
西神戸有料道路の無料化に伴い、山麓線の大型車両などの通行量が急増。交通事故が増え、騒音・振動被害なども出ています。
花房議員は、一定の対策はとられているものの抜本策とは言えないとして「山麓バイパスを無料にするなど、市街地への車両の流入を防ぐ対策をとるべきだ」と求めました。同時に、山麓線の歩道が、部分的に狭かったり、勾配がついていることなどを指摘し、早急に改修するよう求めました。
神戸市は、しあわせの森用地として、神戸空港を建設した新都市整備事業会計が所有している土地を購入し続けています。新年度予算で7億円を計上。総額68億円にも上ります。花房議員は「空港の借金の穴埋めのためとしか言えない」と批判。これだけのお金があれば、山麓バイパス無料化に道が開けると指摘しました。
質問に対し中島信建設局長らは「大型車Ⅱの料金引き下げの速やかな実施、普通車も値下げした。これ以上の値下げは償還計画上、非常に困難」「(しあわせの森は)重要な自然林。国費を導入しながら購入している」などと答えました。
生活道路の改修については「(山麓線・熊野町周辺の歩道について)現地を把握していないので確認して、現場事務所にも話をしたい」「(歩道の電柱は)どれくらいあるかわからない。どういう経緯でそうなっているのか調査したい」などと答えました。
「絆」強調するなら、借上入居者追い出すな
2012年03月02日
森本真議員の代表質疑
矢田市政の特徴
大型開発はすべて破綻状態
森本議員は、阪神・淡路大震災後、市民不在、ムダづかいの市政が進められてきたことなどを指摘、新年度予算案でもその流れが続いていると批判。震災後の市政の特徴として①創造的復興という名で湯水のように大金を支出した神戸空港建設や海上アクセスの再開、医療産業都市構想、国際コンテナ戦略港湾、新長田駅南再開発事業など大型開発を進め、それらが破綻状態になっている②大型開発・ムダづかいに多額の資金を投入する一方、市民のくらし・向上の施策は、財政難を理由にそっちのけにされてきた③海上アクセス、舞子ビラ、住宅供給公社などの負債を将来の市民に押しつけようとしていること、などをあげました。
借上災害公営住宅
命を守るのが市政の役割
借上災害公営住宅について神戸市は、2010年3月、世界に発信した文書(英文)で、被災者に対して、借り上げも含む住宅を提供したことを評価する内容を記載しています。森本議員は、自ら評価しながら、その借上住宅から高齢者・障害者を追い出そうとしていることを厳しく批判。市長が予算案の提案説明で「絆」について強調しながら、なぜ「絆」「コミュニティ」を壊すのか、として「追い出し計画はきっぱりやめるべきだ」とただしました。
◇
答弁:中村副市長は「強制的な追い出しではない。できるだけ希望に沿うところをあっせんしている。絆が重要なことは認識している。希望地域の事前予約制、グループ申し込み制度も夏以降に実施する」などと、従来通りの答弁に終始しました。
◇
森本議員は「絆、命を大切にするなら方針を転換すべきだ」と迫りました。また、「仮設住宅などで起きた孤独死という悲しい事態をなぜ、繰り返そうとするのか。命を救うのが市の役割ではないのか」と、あくまで答弁に立とうとしない矢田市長を厳しく批判しました。
新長田駅南再開発事業
業者への直接助成などの実施を
阪神・淡路大震災による火災で消滅した地域に神戸市は、震災からわずか2ヵ月後に再開発と区画整理事業の網をかけました。その結果、元住んでいた借家人などの被災者が戻ることができなかったり、いまなお多くの更地が広がるということになっています。
森本議員は、震災復興再開発事業という名目で、30数棟のビルを建て、震災前以上の商業床をつくった結果、多くのシャッター街をつくり、従前商店主の持ち床の資産価値を下げ、苦しめてきたのは神戸市だと批判。
何とか元気な地域を取り戻したいとがんばる事業者にたいして、事業継続支援助成など直接支援をおこなうべきだと求めました。
◇
答弁:中村副市長は「管理費軽減については、新長田まちづくり会社が、24年度から検討している。直接支援ではなく、地区全体の商業活性化と資産価値上昇を図ることが重要」などと答弁しました。
◇
森本議員は、すべてが後手後手に回っていると批判。「震災で何もかも失った市民の復興、というのは東日本でも大きな問題になっている。神戸がどう被災商店街を助けるのか注目されている。空港や医療産業都市に沢山のお金を使うより、被災者のために使うことが、今必要だ」と予算の使い方が間違っていると批判しました。
神戸空港問題
新都市の支援なしに成り立たない
神戸市は、神戸空港建設当時、神戸空港ニュースなどで、所得増や市税の増収、福祉・教育・文化なども充実すると、バラ色の宣伝をおこないました。
しかし、6年経った実態は誰の目にも明らかです。利用者は需要予測に一度も到達せず、新年度予算では新都市整備事業会計から9億円も補てんしないと運営できない状態になっています。これまでに新都市整備事業会計から、神戸空港の借金や赤字の穴埋めなどに流用された現金は、1100億円にのぼります。一般会計に繰り入れられていた新都市整備事業会計剰余金も、空港建設が始まった年度から、繰り入れはなくなりました。新都市事業会計の土地を、文明博物館群構想用地や、クリーンセンターの建て替え用地として必要面積の二倍もの土地を一般会計で購入したり、住宅供給公社にも土地を買わせ、同公社の経営破綻の要因を作り出しています。
さらに、過去の開発利益を積み立ててきた市民の財産ともいえる「新都市整備事業会計基金」を廃止するとしています。これは、今まで以上に、空港に新都市整備事業のお金をつぎ込もうとするものです。
森本議員は、神戸空港にたいする新都市整備事業会計からの支援1100億円が返還されないことになる、と批判、同会計からの空港支援は中止するよう求めました。
◇
答弁:小柴副市長は「世界的な不況で、全国的にも企業誘致は進んでいない」「23年度は内陸部で明るい兆しも出ている」「空港島の企業債返還は土地を売却して返還する」などと答えました。
医療産業都市構想
医療機関集積は危険
ポートアイランド2期で進められている医療産業都市構想には、国費も含めて1500億円以上の費用が投資されています。しかし、経済効果など、成果は市民には見えません。
東南海・南海地震の津波の危険性が指摘されているにもかかわらず、中央市民病院と県立こども病院をはじめ、様々な高度病院を集積させることは、きわめて危険です。
森本議員は、東日本大震災の教訓からも病院群の集積は中止すべきだと迫りました。
◇
答弁:矢田市長は「中央市民病院周辺に高度の専門病院群の集積を進める。県が子ども病院のポートアイランド二期への移転を公表した。液状化や津波に関しての危険性は低い土地だ。引き続いてメディカルクラスター形成に努める」などと、危険性を無視した答弁をおこないました。
子育て支援策強め、若者が定着する神戸市に
2012年03月02日
赤田かつのり議員の代表質疑
中小企業支援対策
中小企業の仕事づくりの対策強化を
神戸市の統計資料では、9人以下の事業所が1994年から2009年までに12743も減っています。阪神・淡路大震災後、大部分の市民の暮らしと中小業者の営業が苦境に立たされていることがわかります。
市長は「神戸経済の原動力である中小企業」「雇用を守るため、切れ目なく『中小企業の元気の確保と雇用機会の創出』に最優先に取り組む」などと言うものの、目新しい施策はありません。逆に、水ビジネスを目的に海外進出する地元の大手企業を支援することには積極的に力を入れようとしています。
赤田議員は、公契約条例の制定、住宅リフォーム助成の実施など、中小業者の仕事づくりのための施策を実施するよう求めました。
◇
答弁:小柴副市長は「24年度は地元企業の雇用確保と市営住宅の修繕・改修、歩道の段差解消など生活密着型の工事を増やした。金融面の支援で中小企業の経営安定化につなげる。商店街、市場支援では『買っとく事業』を継続する。住宅リフォーム助成は、耐震化やバリアフリーなど、特化した助成を優先すべきだ。公契約条例は全国でするもの」などと答えました。
こどもの医療費
中学卒業までの通院無料化を
新年度予算案で、子どもの医療費は通院が3歳未満児まで無料に拡充されました。これは市民の願いと運動の反映といえます。しかし、全国や兵庫県下各自治体では、さらに上の年齢まで通院の一部負担金の免除を実施している自治体が多くあります。相生市・赤穂市・小野市・宍粟市・たつの市・西宮市・市川町・佐用町・福崎町で中学校3年生まで無料となっています。神戸市は依然として、県下では遅れた自治体となっています。赤田議員は、神戸市独自に助成制度を拡充し、通院でも中学校卒業まで無料とするよう求めました。
◇
答弁:矢田市長は「中学3年生まで外来無料化をというが、多額の財源がいるので難しい。入院は中学3年まで無料なので政令市ではトップクラスだ。外来でゼロ歳児ですら(無料化を)していない政令市もある。県内の市町でもばらつきがある」などと答えました。
◇
赤田議員は「さらに遅れている自治体と比べるのはおかしい」と批判。若い世代を定着させ、街を活性化させるよう迫りました。
中学校給食
自校方式の中学校給食を
中学校給食の実現を求める運動が広がっています。「神戸の中学校給食を実現する会」には、2月10日現在で42589筆の署名が集まっています。2月21日には、第1回目の「中学校昼食のあり方検討会」が開かれました。委員からは小学校での自校給食を通じて食育の大切さが実感されている、とする意見や、家庭における食生活の崩れを指摘する意見などが出されました。
赤田議員は、同議員団が行った他都市調査にふれながら、とくに群馬県・高崎市で行われている自校方式の取り組みを紹介、同方式のすばらしさを強調しました。一方、給食と弁当との選択制をとっている自治体では、利用率が極端に低下していることなどを指摘しました。自校方式の優れている点として赤田議員は、①各学校(地域)の特色を生かした給食の実施が可能となる②きめ細やかな食の指導が可能となる③調理後喫食までの時間を短くすることができることをあげ、「未来を担う子どもたちへの責任として、自校方式で給食を実施するべき」だと求めました。
◇
答弁:永井教育長は「検討会で意見を聞いている。いろんな意見が出たが、今後、給食実施でも効果的・効率的な点から、財政的な問題、優先順位も考慮に入れて検討してもらう。自校調理方式だが、確かにメリットもある。費用、スペースも考えないといけない。土地への投資をできるのか。財政的な専門家からも見てもらうべきだ」などと、自校方式を否定するような答弁を繰り返しました。
◇
赤田議員は「昨日の答弁で、教育長は、自校方式は論外などと発言した。今の答弁でメリットがあることは認められた。さいたま市は、センター方式のところも自校方式に切り替えていこうとしている。神戸市でぜひ実現してほしいというのが多くの市民の願いだ。論議が始まった段階で、責任者が自校方式は論外と決めつけること自体が論外。発言の撤回を」と追及。永井教育長は「お金がない」などと答弁。赤田議員は「教育長がそう言うこと自体が問題で、検討会の議論を狭めるものだ。海上アクセスなどに使う金があるなら、市民のために使える」と厳しく批判しました。
海上アクセス問題
市長は責任認め謝罪を
海上アクセス社について神戸市は、民事再生手続きを通じて、同社へ出資した資本金を100%減資させ、債権136億円を株式として取得するとしています。しかし、この株式は、現物出資法(DES)における時価で勘算され、2億円、最終的には1億円になるとされています。結局は、同社の債務はなくなってしまうという手法です。これによって、港湾事業会計は142億円、新都市整備事業会計は3000万円の特別損失をうけることになります。赤田議員は「借金を棒引きすること自体、常識的判断では受け入れられない」と批判。市民が生活苦で借金をすれば、厳しい取り立てを受けます。神戸市が海上アクセス社への債権放棄を断行すれば、神戸市自身が158億円の負債をかかえることになります。赤田議員は「運行再開に踏み切った市長自身の責任であり、市民に謝罪すべきだ」と迫るとともに、海上アクセスの運行は中止するように求めました。
◇
答弁:小柴副市長は「あり方検討会では、公益性の有無などあらゆるところがから分析された。公益性があるとして、維持すべきとされている。債務についても、長期に債務超過で放置すべきではなく、現時点での債務整理が必要との提言を受けた。神戸市の発展に必要な公益性の高い都市機能だ」などと、多額の債務が市民負担となることにはふれませんでした。
◇
赤田議員は「市長に質問した。アクセスの公益性を市民が感じるのか疑問だ。借金は、再開当初より増やしている。市長の判断の誤りだと認めるのか。市民に謝罪すべきだ」と追及。市長は「企業として取り組んできた。環境そのものが変化する中でこういった状況が積み重なった。今後とも公益性、公共性を考えながら、企業としての立場で存続していく」などと無責任な答弁に終始しました。