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港まち神戸を生かした街づくりを(みなと総局:松本)

2016年03月20日

港まち神戸を生かした街づくりを
みなと総局審査で松本議員

質疑項目
1.これ以上の大水深バース建設は中止を
2.過大なウォーターフロント整備はすべきでない
3.クルーズ客船の誘致について
4.神戸空港に新しく建設するバース

3月2日に神戸市議会予算特別委員会が開かれ、日本共産党の松本のり子議員が、みなと総局の予算について質疑しました。
国際コンテナ戦略港湾の推進として集荷支援制度などに5億5000万円以上、高規格コンテナターミナル整備に98億8700万円計上されています。神戸港を利用するためのインセンテイブ、高規格ガントリークレーンの整備などが主な内容です。
世界産業地図は、かつて欧州、北米、そして日本でしたが、この30年間で世界の産業構造も変化います。輸出先は中国、アジア向けが7割を占め、基幹航路と言われている北米、欧州航路は停滞したままです。
松本議員は「産業構造が変化してアジアにシフトしている中で神戸が持っている『ものづくり』の力を活かすことが必要。戦略港湾というならこういう戦略を持つべき」と求めました。
ウォーターフロント整備としてポートターミナル整備、メリケンパーク再整備費用や元川西倉庫の空き地、みなとクリニックの跡地などの買い取りで71億円の予算をつけています。
松本議員は「新たな土地を取得してそこに住宅や商業施設を作る必要はない」と指摘。ウォーターフロントの整備は「莫大な予算をつけるのでなく旧居留地にある国登録有形文化財の建築物や町並みを活かした取り組みに変えるべきだ」と求めました。
クルーズ客船の誘致については国内で誘致競争が激しくなっていることで2014年度までは100隻以上神戸港に寄港していましたが、昨年は97隻となりました。経済効果を考えると、神戸港への寄港でなく、発着クルーズを増やすこと。発着港になれば飲料水、食料をつみ、乗組員が街にでて買い物などで発着港における経済効果は大きいです。
松本議員は「減少の主な原因は、中国のショートクルーズが好まれ博多、長崎、沖縄に入港している」として「神戸港発着を増やすために船社訪問、旅行会社などとの更なる取り組みが必要」と求めました。
神戸空港開港10年を向かえますが、利用者数は当初の需要予測を大きく下回り予想の半分で貨物輸送は廃止となっています。空港の収入源である着陸料収入も当初見込みの48%しかなく、10年間の管理収支は16億円の赤字となっています。
川崎重工がすすめている「液化水素の荷役技術開発実証事業」のために、神戸市は空港島の北東に5億円かけて護岸整備をしようとしています。この技術開発実証事業とは、オーストラリアの質の悪い石炭から水素を製造、水素のみを神戸空港まで船で輸送しようという試みです。川崎重工は「あくまでも実験であり、今後どうなるかわからない」というものです。松本議員は「今回の実験が終わるとバースを使用しないということも考えられ、整備が無駄になる可能性がある」と指摘。「土地売却がすすまない空港に対して、これ以上の新たな建設はすべきでない」「まだ研究段階で安全性が確認できていない」として、中止を求めました。

答弁:吉井真局長らは「(戦略港湾)世界的なアライアンスのメンバーからのいろんな要請などを考慮した結果、コンテナターミナルの整備は必要と考えすすめている」「アジアの貨物量は増えているがユーザーの要望で大水深バースを建設している」と答えました。「(ウォーターフロント整備)どこの港湾も同じだが、旧港は再整備して都市の活力を高めるよう努めている」「神戸2020ビジョンに基づき着実にすすめて行きたい」「港湾は物流機能だけではない、観光や都市的な再整備もある」「街の賑わいと夜間人口を考えると住宅地にしたい」「(クルーズ客船誘致)昨年の寄港数が少し減ったのは、一時的な現象と考えている」「神戸港は発着港としての優位性があることを欧米の船社にアピールする」「一隻でも多くの船が神戸港に来てもらえるように取り組みたい」「(神戸空港の新建設バース)エネルギー分野の事業は、すそのが広い事業である」「都市間競争が厳しいなか頑張って誘致してきた」「たまたま空港島の岸壁を整備して貸すだけのもの」「川崎重工のために何かをするものではない」「水素エネルギーの先進都市になることは神戸市にとってメリットがある」などと答えました。