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トピックス

「国際競争力の強化」のための三宮一極集中ではなく「住民福祉の向上」という自治体本来の仕事を(代表質疑:味口)

2016年10月09日

「国際競争力の強化」のための三宮一極集中ではなく「住民福祉の向上」という自治体本来の仕事を
味口としゆき議員が代表質疑

9月26日に開かれた市議会本会議で、日本共産党議員団から松本のり子、味口としゆき両議員が代表質疑に立ち、久元喜造市長らの政治姿勢をただしました。

味口としゆき議員は、三宮一極集中の再開発、ニュータウンの活性化、借上住宅の問題について取り上げました。

久元市長は、「神戸のまちの玄関である都心をどうするのかということは、神戸のまちの全体の成長にとって大変重要」と、中央区役所・三宮勤労会館などの用地での中・長距離バスターミナルを伴う高層ビル建設を強行しようとしています。
同時に、神戸市は、この地域を国際競争力の強化の名の下に、高層ビル建設予定地を含む約45haを、「都市再生緊急整備地域を上回る」税制支援などが受けられる特定都市再生緊急整備地域に指定する事を国に求めました。
味口議員は、三宮一極集中の再開発は、不要不急であり、新たな大型開発をすすめる高層ビル建設はやめるべきと指摘。「国際競争力の強化」は自治体の仕事ではないとして、「住民福祉の向上」という自治体本来の仕事に立ち返るべきだと求めました。

「従業員減らす大企業に億の補助金」
くらしと地域経済応援にこそ予算を

神戸市は、特定都市再生緊急整備地域に指定された三宮駅周辺に商業業務施設を誘致し、もって「国際競争力の強化」を図るとしています。また、国の優遇制度に加え、「日本屈指のビジネス環境をつくる」としてさまざまな補助制度をつくりました。
その一つが、都心オフィス立地促進助成金で、適応第一号が六甲アイランドの本社ビルを売却して三宮駅前ビルに入居したP&Gです。オフィスビル賃料補助額は最大で5年で4億5000万円に上ります。一方、六甲アイランド本社の時点で1500人いた従業員は、三宮移転にあわせ縮小され900人となっています。
味口議員は、「事業所を縮小される大企業に、補助金を助成する自治体が一体どこにあるのか」と厳しく批判。企業誘致頼みではなく、経済の足腰を強くする方策を打たなければ地域経済も雇用も、市民の暮らしも守れないと指摘しました。

答弁:三宮再開発の整備について、久元喜造市長は論拠を示さず「バスターミナルをやめる気はない」と一言しか答弁しませんでした。鳥居聡副市長は「特定地域に指定されることで、税制支援、規制緩和などが受けられ、国際競争拠点づくりがすすめられる」「都心・三宮の活性化に、商業業務機能集積が必要」と答弁しました。

ニュータウンの再興
住民ニーズに合致した対策に見直しを

三宮一極集中の再開発に市長が熱中する一方で、かつて神戸市が開発したニュータウンは、街全体の高齢化、いわゆるオールドタウン化が進行し、様々な問題が生まれています。
神戸市として、これらの問題に寄り添い、対策を講じることが切実に求められています。しかし、名谷南センターなどでは、会館は指定管理になり、さらに近隣センターの中心となっているコープの敷地面積は半減する計画。鶴甲や渦森会館は、会館の管理・運営を地元管理にすることで計画が進められようとしています。
味口議員は、「人口減少に伴う様々な問題に直面しているニュータウンを活性化させる方向ではなく、縮小する方向での対策は見直すべき」と求めました。

答弁:岡口憲義副市長は、「近隣センターは当時、相当規模な施設が必要であったが、高齢化、人口減少、団地周辺への商業施設の立地、購買スタイルの変化、店舗後継者が存在しないなどの状況を踏まえ、市のまとまった土地があれば大規模改修をすすめる」と答弁しました。

味口議員は「市長はしっかりと商店街・店舗対策に取組んでいると言うが、全く地域のニーズに合っていない再考してほしい」と求めました。

借上住宅問題 希望者の継続入居を

久元市長は、他の自治体に先駆けて、被災者である入居者を裁判に訴えました。原告は被災自治体、被告は被災者です。味口議員は、本末転倒した裁判は、ただちにやめ、話し合いでの解決を、改めて強く求めました。
この間、神戸市は、入居者の追い出しに固執していますが、借上住宅入居者をめぐる状況は、この間も大きく変化しています。
兵庫県は、二度「判定委員会」を開き、継続入居を希望する157世帯のうち154世帯の、継続入居を認め、また兵庫県弁護士会は、昨年に続いて、2度目の意見書を神戸市に出しています。
味口議員は、市長に対して、法曹界からの指摘を受け止め、希望者全員の継続入居を決断すべきと求めました。

答弁:鳥居副市長は「兵庫県との違いは、移転先の住宅のストックを確保できていることであり、現在の市の考え方は変えない」と答弁しました。

大型開発偏重の予算をあらため市民の願いにまっすぐこたえる市政に(代表質疑:松本)

2016年10月09日

大型開発偏重の予算をあらため市民の願いにまっすぐこたえる市政に
松本のり子議員が代表質疑

9月26日に開かれた市議会本会議で、日本共産党議員団から松本のり子、味口としゆき両議員が代表質疑に立ち、久元喜造市長らの政治姿勢をただしました。

松本議員は、2015年度決算と今後の市政方針、地域経済の振興、介護保険、保育所待機児童問題を取り上げました。
神戸市の前年度一般会計決算は実質収支12億5600万円の黒字を計上。5年連続の黒字です。この5年の間、保育所の民営化や統廃合がすすめられ、窓口業務や学校調理員などが非正規や民間人材におきかわりました。結果、1626人もの職員が削減され、「職員の年齢構成に歪みが生じ、経験・技術の継承が困難」と神戸市が認める事態となっています。
松本議員は、この5年間、国の悪政で社会保障が削られるなか、神戸市も国民健康保険料や介護保険料、保育所や幼稚園の保育料の値上げで追い打ちをかけたと批判しました。

 

大型開発で市民の暮らし向上せず
神戸空港と医療産業都市の失敗が証明

この5年間で神戸空港には459億円もの支援、医療産業都市には約588億円。あわせて1000億円以上の支援を行ってきました。一方、この5年間、実質賃金は下がり、ひと月では6000円も減少(兵庫県勤労統計より)。物価が3.5%増加するなか平均消費支出はマイナス4%と市民消費は冷え込んだままです。久元市長は大型プロジェクトに投資した「成長の果実」が実り「福祉の向上」につながるとしていますが、トリクルダウンを期待する政策の破たんは、過去の大型開発の失敗が証明しています。
松本議員は、三宮一極集中の再開発や戦略港湾などの大型開発偏重の市政運営を見直すように求めました。

 

市民負担路線を中止し所得と家計を応援する施策を

2016年度は「事務事業の見直し」で「敬老祝い金」が廃止されました。久元市長は、来年度はさらなる事務事業の見直しを積極的に行っていくと8月の記者会見で表明しています。
松本議員は、市民所得を減らすような施策はやめるべきと批判。中小企業や地域商店街への直接支援、高すぎる国保料や介護保険料の値下げ、子どもの医療費無料化、待機児童解消など、市民の願いにまっすぐ応える市政に転換すべきと求めました。

答弁:久元喜造市長は「神戸市は陸海空の交通体系の要所として発展してきた。神戸空港などの事業の効果で経済への変動を示すことは難しい」「実質賃金は上昇していない、消費支出は低下している。おっしゃる通り」としながら「原因は、若い世代の社会保障への不安があり、主として国の役割が大きい」と答弁。「開発すべてを否定して、個人消費に回すように見直すことは賛同できない」としました。

 

地域経済振興のために公契約条例の制定を

公契約条例の目的は自治体が発注する公共工事や委託業務などに従事する人の賃金の下限額を決めることです。松本議員は、下限額を決めることは、賃金の底上げを図ることで労働者の生活を守ることだけでなく地域の業者の育成にも広がるとして、条例制定を求めました。

答弁:玉田敏郎副市長は「労働条件は労働基準法、最賃法令で全国一律に規定すべきと考える」「公契約において適正な労働条件や賃金水準を確保する重要性は十分認識しているが、慎重な検討が必要」と答弁しました。

 

介護保険・総合事業「保険外し」「報酬単価の切り下げ」やめよ

国の社会保障改革の中で最も大幅な給付制限が断行されたのが介護保険法の改定です。要支援者へのホームヘルプサービスとデイサービスを保険給付から外し来年4月から自治体が地域支援事業としてサービスを行います。この総合事業においてホームヘルパーの生活援助の報酬やデイサービスの半日型の報酬が8割程度になります。
松本議員は、国のガイドライン案に無批判に追随するのでなく、現行サービスの利用や介護事業所への報酬単価の切り下げはせずに、現行どおり対応すべきと求めました。

答弁:玉田敏郎副市長は「国の法改正の趣旨は、団塊世代が高齢化で、介護保険増、人材不足などに対し、NPOや民間、ボランティアなど地域の多様な主体で提供して、地域全体で支えるためである」と答弁しました。

 

安心して子育てできる社会を
待機児童解消へ認可保育所増設を

今年の4月1日で保育所に入所できなかった人は745人でした。これまで、神戸市は需要があるのは0歳から2歳までだといい、3歳以上は入所できない小規模保育事業所を増やしてきました。しかし、その後の保育所入所を求める児童の推移は予想を上回り、3歳以上でも待機児童数は増加しています。
松本議員は、安心して保育園に預け働けるように保障する責任が自治体にあるとして、増設するのは小規模保育事業所ではなく認可保育園を増設すべきと求めました。

答弁:玉田副市長は「支援事業計画にもとずき平成29年度末の解消を目指す」と答弁しました。

 

区役所窓口サービス向上や待機児童解消は安定した専門的な対応ができる正規職員の増員が必要(議案質疑:赤田)

2016年10月02日

赤田かつのり議員が議案質疑

神戸市議会定例市会が、9月16日が始まりました。同日提案された神戸市一般会計補正予算及び関連議案について、日本共産党の赤田かつのり議員が質疑しました。議員提案の神戸市歯科口腔保健推進条例(案)については森本真議員が質疑しました。

赤田かつのり議員は、一般会計補正予算で提案された東灘区役所における総合窓口のモデル設置について質疑しました。
補正予算案では、東灘区役所の総合窓口を来年1月からスタートするためにレイアウト変更や体制の強化に4500万円が計上されています。「体制の強化」とされた中身は、窓口案内1名と入力業務2名ですが、いずれも正規職員の配置増ではなく、民間人材派遣会社からの派遣職員の受け入れです。
赤田議員は、膨大な個人情報をとりあつかう窓口業務において、正規の公務員で対応すべきと求めました。

 

 

「総合窓口」導入と「マイナンバー」「民間委託」は三位一体

「総合窓口」の導入は、安倍内閣が地方自治体に導入を強く求めているものです。昨年8月に総務省が各自治体に通知した「地方行政サービス改革の推進に関する留意事項について」では、「総合窓口」の積極的な検討をすること。その際、単に集約するのではなく、「受付・引き渡し・入力業務については、積極的に民間委託などを活用」することとされています。マイナンバーで一元化された情報を総合窓口で活用することも期待できるとしています。
「総合窓口」の導入で、膨大な情報がマイナンバーで一元化され、外部委託の社員があつかうことになります。赤田議員は、膨大な情報が一元化され、外部発注されたため「個人情報」の流出の懸念があると指摘しました。

 

実態は、住民を区役所窓口から遠ざけるもの

神戸市は総合窓口の導入で、印鑑登録や住民票交付、国保、乳幼児など別々の窓口ではなく、一か所の窓口で対応できるため、市民サービスが良くなるなどとして説明しています。
しかし、神戸市が内閣府に提案し選定された「業務改革モデルプロジェクト」の提案書では、マイナンバー制度などの活用とあわせ、郵送・電子申請を拡大し、問い合わせ業務を一本化した「郵送・電子申請事務センター」を設置して「外部委託」するため「実際、窓口に来なくてもいい、効率的な手続きを拡大する」と提案しています。
神戸市が一か所の窓口で対応すると説明する業務は、郵送や電子申請が優先され、「窓口」で職員が顔を合わせて対応する業務は著しく減少することになります。
赤田議員は、結局は、住民を区役所窓口から遠ざけるものだと批判しました。

答弁:玉田敏郎副市長は「(民間派遣の社員とは)契約書の中で個人情報保護条例等の遵守をうたっている」「入力業務は国が外部発注を認めている分野」「あたらしいITを活用したサービスを検討しており、区役所に来る必要がなくなるかもしれない。いろんな相談窓口対応はこれからも残っている、高齢化によって増えるかもしれない」などと答弁しました。

 

保育士不足解消は、規制緩和でなく思い切って処遇改善を

提案されている第59議案は、保育所等が朝・夕の時間帯に限り、幼稚園教諭や、子育て支援員研修を修了した場合など保育士資格を持っていない人を配置してもよいとしています。第60号議案は、認定こども園において、保育士資格のない人を同様に配置してもよいとしています。いずれも、保育士の配置基準を緩和するものです。
赤田議員は、今回の「保育士配置基準の緩和」は安倍内閣の省令改正にともなうもので、これまで歴代内閣が手を付けてこなかった最悪の規制緩和であると批判。規制緩和していない政令市もあることから、小手先の「規制緩和」ではなく、本当保護者の願いにこたえ、待機児童を解消するためには、保育士の処遇を大きく改善することと、認可保育所の思い切った増設が必要と指摘しました。

 

市民にまったく知らされずに大きな変化

今回の条例改正に対して、パブリックコメントを行っていますが、7通しか意見がでていません。多くの保育士や市民は知らないまま、かつてない変化をほとんど知らないと指摘。
また条例制定に対して、認定こども園に対して実態調査をおこないましたが、保育所賃金に関する設問はありませんでした。
赤田議員は、今回の規制緩和条例は、保育士不足の最大の原因である低賃金問題に直接答えることを避けるものであり、市民や現場に知らせないままの対応は、許されないとしました。

答弁:玉田副市長は「今回の条例改正は、国の省令改正に基づくもので、20政令市のうち、国の改定どおりは9市、一部の緩和は3市、実施しないのは4市。検討中が4市となっている」「朝夕の対応は保育士にとって大きな負担であり、保育士2人のうち、1人をこういった形でカバーできれば保育士の労働環境が良くなるので、保育士不足解消にも効果がある」などと答弁しました。

 

外郭団体特別委員会審査②

2016年09月25日

外郭団体特別委員会審査

神戸市議会外郭団体に関する特別委員会の審査が8月3日と9日に開催され、日本共産党神戸市会議員団の大かわら鈴子、林まさひと、朝倉えつ子議員が外郭団体の運営状況等について質問しました。

 

8月3日 産業振興局

神戸市産業振興財団
中小業者の実態に即して必要な支援策を
―― 林議員

神戸市産業振興財団の審査では、日本共産党の林まさひと議員が、中小企業や小規模事業者への支援策について質問しました。
財団の事業報告では「(政府の)経済政策の効果により、(市内)雇用・所得環境が改善した」とされていますが、市民や事業者の実感はありません。また、財団は、7月に新事業を生み出すことを目的とした交流型事業創造サロン「神戸起業操練所」を立ち上げましたが、塾長に竹中平蔵氏がえらばれています。
竹中氏は、小泉内閣の構造改革を主導し、直近も“日本は開業廃業率が低い、パフォーマンスが悪い企業は市場から退出し、良い企業だけが生き残ればよい”などと発言しており、林議員は「このような考え方で、頑張っている神戸の中小業者を切り捨てるような発言をする方は、中小企業支援としては適切ではない」と批判。中小業者の実態に即した支援を行うべきと求めました。

答弁:産業振興財団の小林隆一郎専務理事は「事業を委託している会社から、長期プログラムは竹中氏にとの話があった。竹中氏は他都市にないような企業創業の取り組みを神戸から発信したいとのことでお願いした」と答弁しました。

 

神戸国際観光コンベンション協会
既存の施設を活かしたコンベンション誘致を
―― 大かわら議員

神戸国際観光コンベンション協会の審査では、日本共産党の大かわら鈴子議員が、コンベンション施策について質問しました。
協会は2013年に、コンベンションセンターの再構築構想を策定。そこでは、3つある国際展示場のうち、一番新しい3号館まで取り壊し、一体型の巨大な展示場を建設する計画でした。しかし、東京オリンピックの開催が決まり、再検証の過程で「オリンピック開催中に神戸で開催できる可能性」「建設資材の高騰」などから、当面は必要な老朽改修にとどめています。
大かわら議員は「大きなコンベンションの誘致だけではなく、単館利用の誘致や、市営以外の他の施設や大学との連携など工夫次第でいろいろなことができる」と指摘し、ハード重視のコンベンション施策からの転換を求めました。

答弁:コンベンション協会の中西理香子常務理事は「大きな会議も小さな会議も神戸で開催してもらえるよう、施設もセンターに限らず様々な施設で開催できるように取り組んでいきたい」と答弁しました。
経済観光局の加藤久雄シティーセールス担当局長は「再整備は2020年以降の課題であり、過去の整備計画も見直すべき点は見直したい」と答弁しました。

 

みのりの公社
農業振興施策の地元還元を
―― 朝倉議員

みのりの公社の審査では、日本共産党の朝倉えつ子議員が、フルーツフラワーパークについて質問しました。
フルーツフラワーパークは、2013年の有識者会議を受け、農業振興の拠点施設として再編成されることになりました。
朝倉議員は、地域農業の支援という大目標にてらして、フルーツフラワーパークの取り組みが高齢化と後継者不足が深刻な地元農家にどのように還元されているのかと質問。市民体験型の取り組みなど支援を強化すべきと求めました。

答弁:経済観光局の長沢秀起農政部長は「JAと一緒になって、パーク内で大規模園芸施設をつくり、トマトとイチゴを栽培している。今後市内農家に技術の一部を使っていただけるようにしたい。新規就農者も生まれている」と答弁しました。

 

その他の質問
神戸市産業振興財団
●経営革新事業、総合支援事業について
●ひょうご産業活性化センター移転入居について

くつのまちながた㈱
●教育機能の付加について

 

8月9日 建設局

神戸市道路公社
六甲有料道路の早期無料化を
―― 大かわら議員

神戸市道路公社の審査では、日本共産党の大かわら議員が、有料道路事業について質問しました。
道路公社所有の有料道路のうち、北区と市街地をつなぐ六甲・六甲北・六甲北有料道路2期は、北区民にとって働き住み続けるために利用がかかせない生活道路となっています。
当初の計画では、六甲有料道路は29年3月に無料化する予定でしたが、14年6月に3路線を一体管理することになり、料金無料化は平成43年まで先送りされています。
大かわら議員は、「ETCの整備や一部四車線化など六甲3路線の新たな改築で、さらに無料化が延期になっているが住民はサービス向上感がない。六甲有料道路を切り離し先行的に無料化するなど、負担軽減を行うべき」と求めました。

答弁:道路公社の木村陽一郎常務理事は「四車線化で渋滞解消すると考えている」「3路線一体となって建設費の借金返済を進めているが、少子高齢化、人口減少によって収入減少傾向である。料金割引は市税投入することになる」と答弁しました。

 

8月9日 交通局

神戸交通振興㈱
山手線など
自主路線の充実を
―― 朝倉議員

神戸交通振興の審査では、日本共産党の朝倉議員が、神戸市が廃止した路線などを補完する山手線など同社の自主路線について質問しました。
山手線は、今年4月に路線の見直しと運行本数の減便をおこないました。朝倉議員は、同路線は、地域の路線存続の声を受けて、同社の自主路線としてできた路線であることを強調。地域の方や利用者のニーズをつかむなど地域連携で充実を目ざすよう求めました。

答弁:交通振興の土井佳典代表取締役常務は「利用状況が厳しい状況の中の見直しを行った。路線変更は神戸駅へ延伸したことで地域の方々に一部喜んでいただいている。利用者の多い下山手地区の方々を中心に、さらなる利用促進に努めていきたい」と答弁しました。

 

8月9日 水道局

水道サービス公社
高齢者の見守りなど
サービス充実を
―― 林議員

水道サービス公社の審査では、日本共産党の林議員が、同社が神戸市から受託している水道使用量メーター検診業務や、水道料金未納整理業務などについて質問しました。
昨年度停水執行件数は5632件にのぼりますが、その後の収納や訪問対応の中で福祉関係部署をどれくらい紹介したのかなど局として把握していません。林議員は、福祉的な対応として、相談にその場で乗っていくことを含めて対応すべきと求めました。

答弁:水道局の水口和彦水道局長は「水道局と保健福祉局の協定に基づき、公社も高齢者の見守り事業に参加している。事業者が現地に行った際に、そのような事例を発見すると、あんしんすこやかセンターに連絡することになっている」と答弁しました。

 

その他の質問
神戸市道路公社
●山麓バイパスへの大型車誘導について

神戸交通振興
●魚崎営業所の運転手の処遇改善について

水道サービス公社
●海外インフラ整備事業について

 

 

外郭団体特別委員会審査①

2016年09月18日

外郭団体特別委員会審査

神戸市議会外郭団体に関する特別委員会の審査が7月26日から始まり、日本共産党神戸市会議員団の大かわら鈴子、林まさひと、朝倉えつ子議員が外郭団体の運営状況等について質問しました。

 

7月26日 住宅都市局

神戸ハーバーランド㈱
地域の活性化へ積極的な関与を
――大かわら議員

神戸ハーバーランド株式会社の審査で、日本共産党の大かわら鈴子議員は、7月のハーバーランドのイズミヤが閉店した問題を取り上げました。イズミヤはumieを所有運営している三菱倉庫のテナント契約でしたが、神戸市は事前に撤退の情報を聞いていませんでした。報道では「将来的に収益性が見込めない」として撤退しています。
大かわら議員は、中央市場跡地へのイオンモール進出は影響が大きいため、近隣事業者との協議の場を活かし、兵庫地域全体の活性化の観点で取り組むようにもとめました。

答弁:住宅都市局の岩橋哲哉局長は「中央市場跡地のイオンモールは大きな施設でもあるし、ターゲットを考えると一定競合する部分もある」「競合と相乗効果、いろんな評価があろうかと思うが、全体として賑わいができるように相談していきたい」と答弁しました。

 

神戸新交通㈱
通学定期割引拡大が実現
通勤定期も充実を
――大かわら議員

神戸新交通株式会社の審査で、日本共産党の大かわら鈴子議員は、通勤定期通学定期割引拡大について質問しました。
神戸新交通が運営するポートライナー、六甲ライナーの通学定期が、来年4月から2割程度値下げされます。定期の割引率の向上は、住民の強い要望でもあり議員団でもたびたび取り上げてきました。
大かわら議員は、ポートアイランド、六甲アイランドの島内に住まれている方に、多く利用していただく乗客増対策計画をつくるとともに、そのために通勤定期の割引率も拡充するよう求めました。

答弁:神戸新交通㈱の中村聡常務取締役は「普通乗車券、通勤定期の運賃についてもお客様をトータルとして増やしていくためには当然必要な観点であるので、引き続き検証しながら進めてまいりたい」と答弁しました。

 

 

 

すまいまちづくり公社
住宅改修助成は介護保険並みに拡充を
――林議員

すまいまちづくり公社の審査では、日本共産党の林まさひと議員が、バリアフリーの改修補助制度の拡充、開発団地中心施設の料金引き下げについて質問しました。
補助制度は、介護保険の認定を受けていない高齢者に適用され、このたび、単身世帯だけでなく高齢者が同居する世帯も対象になり補助件数が大幅に増加しました。
林議員は、同制度の補助メニューは限定されており、トイレのドアを外開きに変更する簡易工事など介護保険制度と同程度に工事対象を拡充するように求めました。

答弁:住宅都市局の長谷川達也住宅担当局長は「昨年も工事対象を拡大している。補助対象でない工事の費用がどれぐらいなのか、ニーズがどの程度あるものなのか、利便性がどの程度向上するかを検証したい」と答弁しました。

 

月ヶ丘集会所利用料の引き下げを
――林議員

西区月ヶ丘集会所は、神戸市と住宅供給公社(すまいまちづくり公社の前身)が開発した団地の中心施設として、すまいまちづくり公社が運営しています。
林議員は、集会所の利用は高い料金がネックになり利用者がへっています。その原因として、安価な近隣の地域福祉センターへ利用が流れていることを指摘。集会所の料金設定を近隣並みに引き下げるよう求めました。

答弁:すまいまちづくり公社の中塚弘明専務理事は「公社としては収支をとっていかなければならないが、団地中心施設はコミュニティ形成や地域のにぎわい創出にもつながるので、料金設定も考えていきたい」と答弁しました。

 

借上復興住宅は公社から買い取り存続を
――朝倉議員

日本共産党の朝倉えつ子議員は、公社所有の借上住宅について、神戸市が買い取り、市営住宅として存続するよう求めました。
すまいまちづくり公社所有の借上公営住宅は、住宅供給公社が建設し4団地254戸で現在117世帯が入居しています。
朝倉議員は、住まいは人権、コミュニティもできているなかで、高齢者が多い借上住宅で入居者は終の棲家と考えていると指摘。公社が神戸市に住宅を売却すれば市営住宅として存続できると求めました。


答弁:中塚専務理事は「住宅供給公社から継承した時点の長期収支見込では、借上期間終了後は一般住宅として運営していくことになっている。現段階では買い取りという条件になっていない」と答弁しました。

 

その他の質問
すまいまちづくり公社
●住宅耐震診断の件数増のとりくみについて
●留学生会館の空きスペースの有効活用について
●三宮再整備及び新長田合同庁舎整備とサンパルについて
●公社桜の宮住宅の再整備について
神戸サンセンタープラザ㈱
●修繕積立金制度について

 

7月26日 教育委員会

神戸市スポーツ教育協会
目標持った地産地消の推進を
――朝倉議員

神戸市スポーツ教育協会の審査では、日本共産党の朝倉議員が、地産地消の推進について質問しました。
地産地消の推進について、国の計画で平成32年度までに地場野菜の活用を30%以上にしていこうという目標を掲げています。しかし、神戸市は統計を取り始めた平成13年度が6.7%だったものが、平成27年には17%と伸びていますが、数値目標を持っていません。
朝倉議員は、神戸市は数値的な目標を持って、給食の地産地消を推進すべきとし、そこでは消費者の顔が見えるような工夫など、食育にもなり農家を励まし頑張っていけるような手立てをとるよう求めました。

答弁:スポーツ教育協会の寺西秀泰常務理事は「神戸全体の生産者は、栽培面積も、出荷量も生産者数も減っている。敬愛観光局やJAとも連携し、一緒に議論を重ねていきたい」と答弁しました。

 

7月29日 みなと総局

阪神国際港湾㈱
過剰な港湾岸壁整備は抑制すべき
――大かわら議員

阪神国際港湾株式会社の審査では、日本共産党の大かわら鈴子議員が、国際コンテナ戦略港湾づくりについて質問しました。
神戸市は、国と一体に国際競争力に打ち勝つ港湾づくりとして、港湾岸壁の大水深化と高規格ガントリークレーン整備に毎年数百億円もの予算を投じています。
大かわら議員は、高規格岸壁の工事補償と称して、神戸港の岸壁国有化が進んでいる問題を指摘。港の管理者は地方自治体であり今後の買取計画を明らかにすべきと求めました。
また、高規格ガントリークレーンについて、従来のクレーンで対応できなかった船は「基幹航路に寄港している35隻のうち22隻は従来のクレーンで対応可能」で、残りの船も荷積みのオペレータの技術でもまだまだ対応できるとして、過大な投資は抑制すべきと求めました。


答弁:みなと総局の吉井真局長は「岸壁買取は今年度末で329億円、新年度は74億円となっている。残っているのは六甲アイランドのRC4と5」と答弁。阪神国際港湾の仲田文人常務は「ガントリークレーンの耐用年数は約25年、高規格化は更新時に船社の意向にあわせて実施している」と答弁しました。

 

㈱OMこうべ
海上アクセス事業は廃止を
――朝倉議員

株式会社OMこうべの審査では、朝倉えつ子議員が、海上アクセス事業について質問しました。
海上アクセス事業は、2013年に海上アクセス社を生産し、OMこうべが事業継承。以来一度も海運事業で黒字を出せず、駐車場事業などで赤字補てんをしています。
朝倉議員は、150億円の債務整理(借金を神戸市が肩代わり)をしても赤字体質はまったく変わっていないとして、廃止を含めて検討すべきと求めました。


答弁:吉井局長は「黒字をめざすが、それまでの間、安定経営のための駐車場付帯事業をおこなっている。大手の商船三井でさえ不動産事業を付けている」などと答弁しました。

 

近隣センターと近隣会館の存続に市が積極関与を
――朝倉議員、林議員

朝倉えつ子議員と林まさひと議員は、OMこうべが管理する近隣センターと地域会館の運営について質問しました。
須磨区菅の台にある近隣センター名谷南センターはリニューアルに併せ、店舗の移転・再編がすすめられています。
朝倉議員は、メイン店舗であるコープの敷地面積が現在の1,580㎡から780㎡になり、売り場面積では三分の一程度になることを指摘。リニューアルにあわせ店をたたむ店も多くあります。名谷駅前まで買いに行けないような地域の方にとって欠かせない店舗であり、利便が後退し、ニュータウンの再活性化の足を引っ張ることがないようにすべきと求めました。

答弁:吉井局長は「名谷南センターは、名谷駅前のパティオができた後は、オーバーストアになっている。今回修正するということでコープと話したのが現在の面積である」と答弁しました。
林議員は、地域の施設運営についての神戸市の見解を求め、吉井局長は「既成市街地の方々は、自分たちで会館を整備し運営管理している。農村地帯も同じ。ニュータウンはコミュニティの醸成を急ぐため神戸市が会館をつくった。既成市街地の方々とニュータウンの方々とでは、若干の不公平感もある。最終的には地域の方々が管理運営するのが一番いい」と答弁しました。

 

その他の質問
阪神国際港湾㈱
●内航コンテナ貨物助成について
神戸航空貨物ターミナル㈱
●減資による14億円もの損失について
神戸空港ターミナル㈱
●39億円の施設買取と会社精算について

 

原発再稼働反対が多数の声(一般質問:赤田)

2016年07月24日

赤田かつのり議員が一般質問

6月27日に開かれた神戸市議会の本会議で、日本共産党神戸市会議員団の赤田かつのり議員が一般質問に立ちました。

 

原発再稼働反対が多数の声
関西電力に「原発撤退と石炭火力縮小」を求めよ

赤田議員は、関西電力株主総会での神戸市の態度、中学校給食の再開、養護学校跡地利用、国民健康保険料、垂水区県道488号線の渋滞問題を取り上げました。

 

関西電力株主総会での市長発言

国と関西電力は40年が経過する高浜原発1・2号機を最長20年運転延長しようとしています。そうしたなか28日開催の関西電力株主総会で、株主でもある神戸市の久元喜造市長の発言を市民は注目しています。
赤田議員は「世論調査でも原発再稼働反対がいずれも高い数字となっている」「原発再稼動の中止と石炭火力の削減を要望すべき」と求めました。

答弁:答弁に立った久元市長は「仮に世論調査を国民投票に反映すると、再稼働するべきではないとの結果になるだろう。しかし、国民投票ですべての事柄を決めるべきではない。イギリスのEUからの離脱が一例だ。国民がどのように感じているかもあるが、原発の安全性は専門家の判断が尊重されるべきだ」などと答弁しました。
赤田議員は、原発により、どれだけの被害が出るかは明らかで、専門家の意見を聞くまでもないとして、市長は市民の代表として再稼働反対を表明すべきだと強く求めました。

 

高すぎる国保料の引き下げを

今年度の国民健康保険料率の改定で、どの所得階層も保険料が上がっています。6月から保険料の通知が各家庭に届き、コールセンターへの問い合わせは10日間で600件を超えています。赤田議員は、高すぎる保険料の引き下げのために、「一般会計からの繰り入れを増やすことと、国に対し、国庫負担を大幅に増やすよう要望すべき」と求めました。

答弁:質問に対し玉田副市長らは、「一般財源をさらに投入することは困難」「国庫負担増については、力を入れて要望を行っていきたい」と答弁しました。
赤田議員は、「保険料が払えないために病院にも行けない事例はたくさんあり、市も実態を承知しているはず」「市民の命や暮らしを守るという観点から、市の財政の在り方を検討すべき」と求めました。

 

中学校給食の再開 衛生管理に問題
市の定めた新基準すら例外に

事業者の衛生管理基準違反によって、東灘区と西区以外の7行政区の中学校給食が中断しています。「給食の再開」は多くの保護者と生徒の願いですが、「安全・衛生」の確保が絶対条件です。
赤田議員は、民間デリバリー方式で実施する中で、なぜ神戸市の指導で違反が改善できなかったのか解明されていないと指摘。「給食の再開は、安全・衛生が確保できる方式で実施するべき」と求めました。

答弁:質問に対し雪村教育長は「衛生管理については、新たな衛生管理基準の考え方として、信頼性の高いHACCP(ハサップ)方式を取り入れることにした」「教育委員会事務局に衛生監視の専門職員も配置する」と答弁しました。
赤田議員は、教育委員会はハサップ方式を取り入れると発表しながら、「例外を認めている」と指摘。衛生管理が問題で中断した給食に衛生面で最初から逃げ道を作るのは危険だと教育委員会の姿勢をただしました。
雪村教育長は「ハサップ方式を導入していない事業者は、遵守能力があるか市が見極めたうえで選定する」と募集時の資料(市民には非公開)に記載しており、「事業者選定の条件としない」が「例外を認めていない」などと答弁しました。

 

養護学校跡地に分校機能の存続を

垂水区の垂水養護学校と青陽西養護学校は移転統合され、来年4月から西区で「(仮称)神戸市立いぶき明生支援学校」が開校します。
赤田議員は、「特別支援学校への需要が増えており、生徒や家族の願いに応え跡地を分校として活用を検討すべきだ」と求めました。

答弁:雪村教育長は「垂水の両校機能をすべて引き継ぐのが西区の学校」「これまで同様の通学支援もおこなうことから、分校機能を残すことは考えていない」と答弁しました。
赤田議員は、西区の新学校は300人定員ですが、神戸市「特別支援学校整備の在り方懇話会」報告では“ソフト・ハード両面で良好な教育環境を整えるには、児童生徒数200人規模が望ましい”とされていることを指摘。跡地での分校機能については、引き続き検討すべきと求めました。

 

垂水区 県道488号線の渋滞解消を

県道長坂垂水(488号)線は、大型店舗の出店などによる慢性的な交通渋滞で、路線バスが到着までに10数分遅れることもおこっています。住民からも新店舗出店に際し「通学路とも重なり交通事故が増える」「店舗付近の道路の混雑」「車両の迂回」など交通安全や生活環境に及ぼす影響について、意見書が提出され、神戸市としても付帯事項を付けて要望した経緯があります。
赤田議員は、開催されている「小束山地区渋滞対策検討会」への住民参加を強め、行政・店舗事業者と住民とがいっしょに検討し合う場をつくることを求めました。

答弁:質問に対し鳥居副市長は「交差点改良の年度末完成をめざしており、まずはこの対策の効果を見極めたい」「今後、周りの交通状況を見ながら必要な対策を考えていきたい」と答弁しました。

 

 

氏名公表や罰金は、問題の解決につながらない(提案説明:金沢)

2016年07月12日

金沢はるみ議員が提案説明

神戸市定例市議会本会議が6月24日に開かれ、日本共産党議員団の金沢はるみ議員が条例修正案の提案説明を行いました。

 

福祉的な対応を貫いて「ごみ屋敷」解決を

ごみ屋敷条例と空家空地対策条例は、問題解決に有効ですが、市長提案の中には強制的な内容が含まれます。問題解決のためには福祉的な対応とていねいで粘り強い対応が何よりも求められることから、日本共産党は新社会党と無所属議員(一名)と共同で、修正案を提案しました。
金沢議員は、提案説明で不良な状態の発生をしてしまう方の根本的な要因を一緒に考え、解決に向けて行政がともに動くことが必要。認知症などの病気、障がい、貧困などが要因と考えられるため、制裁的なやり方は、当事者が地域から孤立する要因ともなると指摘しました。
金沢議員は「終始一貫して福祉的な対応を貫いていただきたい」と条例案から制裁条項を削除する修正を求めました。

 

パブリックコメントでも8割が廃止反対市民の声を受け止めて敬老祝い金の存続を(反対討論:今井)

2016年07月12日

今井まさこ議員が反対討論

神戸市定例市議会本会議が6月24日に開かれ、日本共産党議員団の今井まさこ議員が議案反対討論を行いました。

 

敬老祝い金廃止条例

敬老祝い金廃止についてのパブリックコメントの結果は、「廃止に反対」が80%を超えました。今井議員は、その中の「年金は減らされ、老後の生活が大変です。長生きすることが悲しい」とのコメントを紹介。高齢者自身が長寿を喜べない日本、高齢者の楽しみを一方的に打ち切っていくことを批判。敬老祝い金の存続とともに、いま政治に求められているのは「税金の使い方のチェンジ」だと訴えました。

大阪湾岸道路西伸部補正予算

大阪湾岸道路西伸部の事業に対し、今井議員は、総事業費5000億円、神戸市負担670億円と莫大な事業ですが、その事業効果はまったくあきらかにされていないと指摘。国の国土強靭化計画という掛け声のもとに、いくら高速道路整備など公共事業を強行しても、それが神戸の産業の活性化、神戸経済を好循環に結びつかないことは、これまでの神戸施策からも全国の例からも、あまりにも明瞭だとしました。また、議会に、地元地域から陳情がだされるなど、住民合意形成のプロセスにも問題があります。
今井議員は「久元市長は、5月に東京で開かれた国会議員連盟の総会に参加し、6月には、議会では補正予算を提案するなど、地元置き去り、きわめて強引なやり方」と批判しました。

 

空港整備事業費補正予算と神戸空港条例の一部改正

神戸市は、神戸空港ターミナル株式会社から旅客ターミナルビル、貨物ターミナルビル、駐車場を39億円で買い取るとし、その費用は、新都市整備事業会計から借り入れるとしています。
今井議員は「空港会計はすでに、新都市整備事業会計から建設費の穴埋めに59億円、ターミナルビルの土地代支援に141億円、スカイマーク社格納庫支援に14億円、運営費赤字補てんに25億円、合計239億円も支援されており、滑走路の借金も含めると、合計約500億円の負債となっている」と指摘。
今井議員は「このまま運営権売却をすると神戸空港の莫大な借金を市民が背負わされることになる」「いまこそ財政計画の破たんを認め空港の在り方を見直すべき」としました。

高速道路や空港優先ではなく敬老祝い金など市民福祉の向上に予算を使うべき(議案質疑:味口)

2016年07月12日

味口としゆき議員が議案質疑

神戸市定例市議会本会議が6月17日に開かれ、日本共産党議員団を代表して味口としゆき議員が議案質疑に立ち、敬老祝い金制度の廃止、阪神高速湾岸線の西伸、神戸空港条例の一部改正等、ごみ屋敷と空家空地条例案、市営住宅削減について、久元喜造市長らの見解をただしました。

 

高速道路や空港優先ではなく
敬老祝い金など市民福祉の向上に予算を使うべき

 神戸市は、これまでも財政難を口実に、敬老祝い金制度を改悪してきました。今回は、88歳・100歳に限って支給されているわずかな祝い金まで廃止しようとするもので、高齢者のみなさんからは「楽しみにしていたのに」「冷たい」という声があがっています。
味口議員は「国による年金や高齢者福祉の後退が相次でいる、神戸市が高齢者の福祉を守るために欠かせない制度で存続すべき」と求めました。

答弁:質問にたいして久元市長は「敬老祝い金制度は、昭和47年の老人手当の支給から始まった制度であり、平均寿命が延び高齢化が急速に進展するなか段階的に見直しを進めている」として「人口減少社会の克服、新たな行政需要や市民ニーズに的確に対応した政策の展開をするため、平成28年度予算案において敬老祝い金の予算を計上しないこととした」と答えました。
また老人クラブや民生委員の方々など、関係者への説明を行い、今年度に88歳・100歳を迎える7754名の方には直接手紙を郵送、敬老祝い金の廃止と高齢者施策についてのパブリックコメントも実施、十分な議論を経たなどと答えました。

味口議員は、市長からの手紙について、手紙を受け取った方から「失礼な手紙」との意見が寄せられており、パブリックコメントの最中に廃止を伝えることも問題と指摘。神戸市民の意見提出手続きに関する条例の「意見を考慮したうえで最終的な意思決定を行う」との趣旨からも逸脱していると批判しました。
久元市長は「予算額8571万円と少なくない額である、目的と効果を認識し、財源は効果がはっきり確認できる事業へ重点的に配分する必要がある」と答えました。
味口議員は「敬老祝い金は大きい額と言うが、他の答弁での湾岸道路で約670億円、空港で39億円、それらに比べると微々たる額であり、重箱の隅をつつくような廃止はやめるべき」と主張しました。

阪神高速湾岸線の西伸

阪神高速湾岸線(大阪湾岸道路)・西伸部について、国の事業化にあわせて補正予算案では、3333万円の費用が計上されています。味口議員は「総事業費と神戸市の負担はどれくらいになると想定しているのか」と質問しました。

答弁:質問にたいして鳥居副市長は、全体事業費は約5000億円と算定されているが、直轄道路事業の場合、地方公共団体は1/3の負担。兵庫県と半分で神戸市の負担額は約670億円と想定していると答えました。

神戸空港ビル買い取り

神戸市は3空港一体運営が必要なことから、運営権の売却(コンセッション)を行うとしています。今回空港条例の改正と同時にターミナル会社からターミナルビルと駐車場を神戸市が39億円で買い取るための債務負担行為を提案しています。
味口議員は「ターミナルビルなど施設の買い取りは、空港の当初計画にはなく、39億円もの新たな負担を、いったいだれがどのように解消するのか」とただしました。

答弁:質問にたいして岡口副市長は「買い取る財源は、新都市整備事業会計から空港会計が借入れを行い、その償還財源は運営権対価等からの収入を充当する」と答えました。
ごみ屋敷と空家空地条例案

ごみ屋敷問題と空家空地を解決するための条例案が提案されました。
味口議員は「助言または指導を行うにあたっては、どのように学識経験者に意見を求めるのか」と質問しました。
また条例案には、氏名や住所の公表や過料を科すことなどが盛り込まれていることが問題だと指摘。
福祉的対応が必要な方々に対してこのような対応は問題の解決にはつながらないとして、削除すべきとただしました。

答弁:質問にたいして玉田副市長は「法律・公衆衛生・社会福祉・医療、特に医療は精神科分野を考えている、これらの学識経験者で構成される会議を設置、意見を聞きながら検討していく」「福祉的・医療的支援を措置前の早い段階から積極的に実施することにより生活上の課題を解決したい」。公表や過料については「すぐにそういった対応をとるということではなく、できる限り早期の段階、助言・指導の段階で解決していくことに力を入れていきたい」と答えました。

市営住宅削減

第2次市営住宅マネジメント計画にもとづき、灘区の高羽住宅、中央区の二宮住宅、須磨区の古川住宅がそれぞれ廃止されます。
味口議員は「2月に行われた神戸市営住宅入居者選考で、市内の実質倍率は29.1倍となっており、何度応募しても当選されない人がいる」また「市長は2月の代表質疑で、地方自治法第244条だけでなく、地方自治体の本旨は住民福祉の向上が、その目的である」と明快に答弁されたことを指摘。市営住宅をさらに削減することで「住民福祉は向上するのか」とただしました。

答弁:質問にたいして鳥居副市長は、市街地では応募倍率が非常に高くなっているものもあるが、現在、進めている第2次マネジメント計画、借上市営住宅の返還などの受け皿となる住宅確保で、募集に出せる住宅が少なくなっていることが原因。当面は厳しい状況が続くが、募集に出せる戸数の確保に努めたいと答えました。

 

 

国保料の限度額引き上げ見直しを(反対討論:林)

2016年04月17日

国保料の限度額引き上げ見直しを
林まさひと議員が予算反対討論

国民健康保険料が高いのは、国庫負担率がかつての50%から、現在25%以下にまで引き下げられたことが最大の原因です。
林議員は、「神戸市が幾度も国民健康保険料の賦課限度額を引き上げてきたが、中間所得層の保険料負担もそれほど引き下げられていない」実態を紹介。さらに「平成30年度からの国民健康保険の都道府県化がはじまり、納付金という形で県が決めた金額を神戸市が納めることになると、保険料がさらに引き上げられる可能性もある」と指摘。国民皆保険制度を維持していくためにも、賦課限度額を引き上げて、加入者の負担増で中間所得層の保険料を調整するやり方は根本から見直すべきとしました。