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トピックス

「絆」強調するなら、借上入居者追い出すな

2012年03月02日

森本真議員の代表質疑

矢田市政の特徴
大型開発はすべて破綻状態
森本議員は、阪神・淡路大震災後、市民不在、ムダづかいの市政が進められてきたことなどを指摘、新年度予算案でもその流れが続いていると批判。震災後の市政の特徴として①創造的復興という名で湯水のように大金を支出した神戸空港建設や海上アクセスの再開、医療産業都市構想、国際コンテナ戦略港湾、新長田駅南再開発事業など大型開発を進め、それらが破綻状態になっている②大型開発・ムダづかいに多額の資金を投入する一方、市民のくらし・向上の施策は、財政難を理由にそっちのけにされてきた③海上アクセス、舞子ビラ、住宅供給公社などの負債を将来の市民に押しつけようとしていること、などをあげました。

借上災害公営住宅
命を守るのが市政の役割
借上災害公営住宅について神戸市は、2010年3月、世界に発信した文書(英文)で、被災者に対して、借り上げも含む住宅を提供したことを評価する内容を記載しています。森本議員は、自ら評価しながら、その借上住宅から高齢者・障害者を追い出そうとしていることを厳しく批判。市長が予算案の提案説明で「絆」について強調しながら、なぜ「絆」「コミュニティ」を壊すのか、として「追い出し計画はきっぱりやめるべきだ」とただしました。

答弁:中村副市長は「強制的な追い出しではない。できるだけ希望に沿うところをあっせんしている。絆が重要なことは認識している。希望地域の事前予約制、グループ申し込み制度も夏以降に実施する」などと、従来通りの答弁に終始しました。

森本議員は「絆、命を大切にするなら方針を転換すべきだ」と迫りました。また、「仮設住宅などで起きた孤独死という悲しい事態をなぜ、繰り返そうとするのか。命を救うのが市の役割ではないのか」と、あくまで答弁に立とうとしない矢田市長を厳しく批判しました。

新長田駅南再開発事業
業者への直接助成などの実施を
阪神・淡路大震災による火災で消滅した地域に神戸市は、震災からわずか2ヵ月後に再開発と区画整理事業の網をかけました。その結果、元住んでいた借家人などの被災者が戻ることができなかったり、いまなお多くの更地が広がるということになっています。
森本議員は、震災復興再開発事業という名目で、30数棟のビルを建て、震災前以上の商業床をつくった結果、多くのシャッター街をつくり、従前商店主の持ち床の資産価値を下げ、苦しめてきたのは神戸市だと批判。
何とか元気な地域を取り戻したいとがんばる事業者にたいして、事業継続支援助成など直接支援をおこなうべきだと求めました。

答弁:中村副市長は「管理費軽減については、新長田まちづくり会社が、24年度から検討している。直接支援ではなく、地区全体の商業活性化と資産価値上昇を図ることが重要」などと答弁しました。

森本議員は、すべてが後手後手に回っていると批判。「震災で何もかも失った市民の復興、というのは東日本でも大きな問題になっている。神戸がどう被災商店街を助けるのか注目されている。空港や医療産業都市に沢山のお金を使うより、被災者のために使うことが、今必要だ」と予算の使い方が間違っていると批判しました。

神戸空港問題
新都市の支援なしに成り立たない
神戸市は、神戸空港建設当時、神戸空港ニュースなどで、所得増や市税の増収、福祉・教育・文化なども充実すると、バラ色の宣伝をおこないました。
しかし、6年経った実態は誰の目にも明らかです。利用者は需要予測に一度も到達せず、新年度予算では新都市整備事業会計から9億円も補てんしないと運営できない状態になっています。これまでに新都市整備事業会計から、神戸空港の借金や赤字の穴埋めなどに流用された現金は、1100億円にのぼります。一般会計に繰り入れられていた新都市整備事業会計剰余金も、空港建設が始まった年度から、繰り入れはなくなりました。新都市事業会計の土地を、文明博物館群構想用地や、クリーンセンターの建て替え用地として必要面積の二倍もの土地を一般会計で購入したり、住宅供給公社にも土地を買わせ、同公社の経営破綻の要因を作り出しています。
さらに、過去の開発利益を積み立ててきた市民の財産ともいえる「新都市整備事業会計基金」を廃止するとしています。これは、今まで以上に、空港に新都市整備事業のお金をつぎ込もうとするものです。
森本議員は、神戸空港にたいする新都市整備事業会計からの支援1100億円が返還されないことになる、と批判、同会計からの空港支援は中止するよう求めました。

答弁:小柴副市長は「世界的な不況で、全国的にも企業誘致は進んでいない」「23年度は内陸部で明るい兆しも出ている」「空港島の企業債返還は土地を売却して返還する」などと答えました。

医療産業都市構想
医療機関集積は危険
ポートアイランド2期で進められている医療産業都市構想には、国費も含めて1500億円以上の費用が投資されています。しかし、経済効果など、成果は市民には見えません。
東南海・南海地震の津波の危険性が指摘されているにもかかわらず、中央市民病院と県立こども病院をはじめ、様々な高度病院を集積させることは、きわめて危険です。
森本議員は、東日本大震災の教訓からも病院群の集積は中止すべきだと迫りました。

答弁:矢田市長は「中央市民病院周辺に高度の専門病院群の集積を進める。県が子ども病院のポートアイランド二期への移転を公表した。液状化や津波に関しての危険性は低い土地だ。引き続いてメディカルクラスター形成に努める」などと、危険性を無視した答弁をおこないました。

「このまま住み続けたい」

2012年02月02日

兵庫区の借上げ入居者が交渉

兵庫区の借上げ災害公営住宅・ルゼフィールの住民が2日、神戸市都市計画総局と「市営住宅として継続を」と求めて交渉しました。交渉には大かわら鈴子議員も同席。入居者の黄氏が、入居のほぼ全員から寄せられた署名を提出。三木太志参事らが対応しました。
入居者からは「説明は一度もない。文書には書いてあったが民間と同じように更新されると思っていた」「車いすの人や寝たきりの人、病人が多い。引っ越しはとても無理」などの意見が次々出されました。同時に退去しか選択肢を示さない神戸市への怒りも強く出されました。
三木参事らは「20年の期限がある。グループの申し込みや予約制などできる限り対応する」などと答えるにとどまりました。
参加者は「やっとの思いで入れた家。住み続けたい。最後まで頑張る」と、引き続き運動を広げていこうと話しています。

生きる希望を奪うもの

2011年12月06日

西議員が議案外質問

借り上げ住宅からの転居強要

神戸市は、民間借り上げ災害公営住宅の入居者にたいし、強引に住み替えを迫っています。神戸市は「丁寧に対応する」と言いますが、入居者の「住み続けたい」という願いには耳を貸そうとしていません。説明会では、退去以外の選択肢はありません。全盲で、近くにすむ人に食事を届けてもらって生活している人もあります。こういう人が、見知らぬ地域に転居してくらしていけるでしょうか。入居者には高齢者が多く、重い障害や病気をかかえている人も多く生活しています。近くに安心して、買い物にいける店がある。病院に通える。借り上げ住宅の外にも助け合える友人・知人がいる。こうした生活基盤があって、安心して生活できます。見知らぬ地域に住み替えさせるということは、生活基盤を根底から崩して、生きる希望を奪うことです。震災から17年を経ようとする今、新たな復興災害をひき起こすことにつながります。「住み続けたい」という意向を無視する以上、神戸市が言う「丁寧できめ細かな対応」は不可能です。
神戸市が主張してきた「移転を求める根拠」は、いずれも破綻しています。延長すれば、市の財政負担が年間15億円かかるといいますが、国からの補助が若干減るものの、ほとんど変わりません。そもそも、財政負担を理由に、命と生活の基盤の住まいを奪うことなどゆるされません。「20年という期限」に関しても、入居時に「市職員から『延長されるでしょう』と説明を受けた」という入居者が多数います。期限の明記がない契約書や、「20年後も市営住宅として継続する」と書かれた協定書も存在します。入居した住宅が、借り上げだったというだけで、移転を強要すること自体、借り上げでない市営住宅入居者との公平性を欠いています。
西議員は、こうした点を指摘し「市長の決断一つでこの人たちは救われる。入居者の生活と健康を守るためにも、市営住宅として継続すべきだ」と市長に明確な答弁を求めました。

答弁:質問に対し、今回も矢田市長は答弁に立ちませんでした。代わりに答弁に立った中村三郎副市長は「20年の期限で借り上げて臨時的に供給したもの。財政を考えると契約に基づいて返すことが必要。可能な限りあっせんをといっているので、強制に申し上げているのではない」などと、従来と変わらぬ答弁に終始。西議員は「入居者の多くは高齢者だ。新しいところで暮らすなど、死ねといわれることと同じだ、と言われている。市長が、直接入居者の声を聞きに行くべきだ」と厳しく批判しました。

中学校給食
検討会に「完全給食を」と提起を

中学校給食問題で、教育長は「中学生の食生活と昼食に関するアンケート」の結果を受け、「おおむね1年かけて、結論がでるようにしたい」「食育の観点を念頭に置いて検討するのは当然のこと」「何よりも生徒にとって最良の昼食は何かと考えながら検討していきたい」としています。
中学校給食を求める運動は、今も広がっています。署名に応じる市民からは「来年には実現できますか?」「神戸市って遅れてますよね」「お弁当はつくっているが、栄養が偏ってしまう」「お弁当は、夏には悪くなることが心配」など、切実な声が寄せられています。
西議員は、検討委員会まかせにせず、保護者や市民の要望に添い、地産地消を進めるためにも「小学校給食のような完全給食を、と提案して議論を進めてもらうべきだ」と求めました。

答弁:質問に対し永井秀憲教育長は「保護者の7割、生徒の2割が給食を望んでいる。また、仮に給食が実施されても、家庭弁当を残してほしいとの意見もある。さまざまな観点から検討委員会で方向性を考えていきたい。財政状況もある」などと答えました。西議員は「財政と言うが、空港ができてから新都市から一般会計にお金を入れなくなった。市民が、こうしたお金を使ってほしいというのは当然だ。子どもに栄養のあるもの、同じものを食べてほしい、という声こそ聞くべきだ。全国で8割が実施している」と指摘しました。

海上アクセス問題
136億もの債権を放棄とは

海上アクセスは、神戸空港とともにムダづかいの象徴として、市民から強い批判が寄せられています。利用者は少なく、累積赤字は166億円にも上っています。
しかし、みなと総局外郭団体のあり方検討委員会からだされた中間意見書は、こうした赤字体質にメスを入れず、経営責任も問わないまま、これまでつみかさねた166億円もの累積赤字の大半を、神戸市に負担させるという方向をうちだしました。神戸市も、その方向で進めるとしています。
神戸市と外郭団体がもっている海上アクセスの株26億円についても、紙くず同然に処理するとともに、136億円もの貸付金の債権も放棄するというものです。
多くの市民の声に耳をかさず、神戸空港の開港にあわせて再開させ、赤字を増やしたのは矢田市長です。神戸市は、市税や国保料を滞納している市民に対して、生命保険や学資保険の差し押さえなど、情け容赦ないとりたてをすすめています。しかし、海上アクセスには、貸付136億円の借金返済を免除するとしています。
西議員は「この対応の違いのどこに公平さがあるのか」と厳しく批判しました。

答弁:質問に対し小柴善博副市長は「問題を先送りしないことを前提に、新たな負担が生じないやり方で進めたい」などと答えました。
西議員は「再開は、当時局長だった小柴氏が言った。再開後も赤字は増えている。市民が乗らないのは、必要性がないからだ。次世代に負担を残すべきではない。アクセスは解散すべきだ」と批判しました。

健全な地域環境をまもるための対策について西議員は、西宮市のように「教育環境保全のための住宅開発抑制に関する指導要綱」を制定し、学校施設が不足するおそれのある地区の住宅開発を一定期間抑制するよう求めました。

高齢者に退去迫るなー借り上げ災害公営住宅

2011年10月12日

松本のり子議員が総括質疑

神戸市議会決算特別委員会が10月12日にひらかれ、総括質疑が行われました。日本共産党の松本のり子議員が、借り上げ災害公営住宅、保育所待機児童、ポートアイランド2期のバイオハザード対策について、矢田立郎市長の姿勢を追及しました。
借り上げ災害公営住宅入居者に対して神戸市は、「期間は20年間」だとして退去を求めています。しかし、入居者の多くが、入居する時「20年後には延長されるでしょう」と聞いています。また、ある借り上げ住宅では、入居者の半数以上が「引き続き住み続けさせて下さい」などと「市長への手紙」で訴えています。ところが、神戸市は「市長への手紙」をだした住宅に住んでいる生活保護世帯に「市営住宅の定時募集申込書」を送り、転居を促しています。その中には、末期ガンで「余命一年」と宣告されている高齢者もいます。
松本議員は「市長のいう丁寧できめ細やかな対応とはこういうことか」と批判。「病気や高齢で、ここで最期を迎えたいという願いにこたえるべきではないのか」とただしました。

答弁:中村副市長は「生保世帯には、高齢などで説明会に行けない人も多いので、個別に様々な情報提供をしている。指摘のケースは、ケースワーカーが入居者の選択の幅が広がるとして提供したもの。高齢者、障害者で配慮が必要な人に不安がないよう、意向を聞きながら適切な情報を提供し、きめ細かな対応をする」などと答弁。
松本議員は、入居期限を書いていない住宅があることや、契約を継続すると書かれている住宅もあることなどを指摘。震災当時、住宅課の庶務課長だった小柴副市長も、住宅供給公社の専務理事だった中村副市長も知らないはずがないと批判。オーナー対象に、契約継続を前提としたアンケートも実施していることなどをあげ、借り上げ住宅からの退去を求めるのは「市営住宅を7000戸減らすことが目的だ」「高齢者の生きる希望を奪うべきではない」と、市営住宅として継続するよう強く求めました。

待機児童解消問題ー市所有土地に保育所を

保育所の待機児童解消策について、松本議員は市が所有しながら未活用となっている土地を具体的に指摘、保育所増設などを求めました。
保育所待機児童対策について市長は、「最重点課題」だとしながら「土地がない」などと答弁しています。しかし、共産党議員団の調査で、待機児童の多い灘区や垂水区、須磨区で未利用のままとなっている土地があることを指摘。保健福祉局審査で、保育所建設を求めたにもかかわらず「近隣に保育所がある」などを口実に新たな整備を拒否しています。たとえば、須磨区の名谷駅前に未利用の保育所用地があるのに、「近隣に4つの保育所がある」ことを理由に新設しないと答弁しています。
しかし、この地域に住む、間もなく育児休暇が切れる人が申込に行っても「あいている保育所がない」「いまは入れません。無認可保育園か、育児休暇を延ばせないか」「このくらいの待機児童では保育所はつくれません」などの答えが返ってきています。
東灘区では、区役所南に28階建てのマンションと、その東側にも29階建てのマンションが建設中です。この二つのマンションが完成すると、たちまち、待機児童が増えます。
松本議員は「全市でも増え続けている待機児童を解消するには、保育所を増やすしかない」と指摘。待機児童解消は最重点課題だというなら、神戸市の持っている未利用地を活用して早急につくるよう求めました。

答弁:矢田市長は「公有地についても考えている。民有地は、物件と保育所運営事業者とをマッチングするシステムができないか考えている。保育事情が不足している地域での整備をはかりながら、目標の早期解決をはかりたい」などと答えました。
松本議員は、須磨区に塩漬け土地が3か所あると具体的に指摘。東灘では、廃止されたまま遊休施設となっている求女保育所の整備を求めました。
矢田市長は「求女保育所は、今後の住宅のマネジメント計画でどうするかという中で、保育所機能をどうするか、需要があれば考えることはありうる」などとこたえました。
松本議員は、環境未来都市構想で、待機児童ゼロは2050年ごろと書かれていることをあげ「これでは、まだ生まれていない子が、子育てをする時代となる。最重要課題との位置付けにはならない」と厳しく批判しました。

医療産業都市のバイオハザード問題ー条例つくり独自の規制を

神戸市は、ポートアイランド2期で医療産業都市構想を推進しています。医療関連企業による研究も行われていることから、バイオハザードの危険性も指摘されています。共産党議員団はこれまでも、こうした危険性を指摘し、対策を求めてきました。今回の決算特別委員会でも、市民の安全を確保するため、民間企業もふくめ、すべての研究室で取り扱っている微生物等について把握するよう求めました。
神戸市は「民間とは契約を交わすときにヒアリングをしている」「細菌類はバイオセーフティーレベル2しか扱っていない」などと、危険がないかのような答弁を繰り返しています。しかし、レベル2の中にはボツリヌス菌などの特定病原菌も含まれています。
大阪府茨木市や、茨城県のつくば市、千葉市などでは条例で、進出している施設がどのようなウィルスを使っているのか、把握しています。
神戸市は「(神戸でも)住宅地ならば条例をつくる必然性はある」としながら、ポートアイランド2期が住宅地からはなれていることを理由に、条例制定を否定しています。
しかし、ポートアイランド2期には、24時間365日稼働している中央市民病院があります。入院患者やその家族、外来患者がいます。また、ポーアイ2期で働いている人たちもたくさんいます。
松本議員は「これらの人は、住宅地ではないから、何ら考慮しなくてもいいということにはならない」と批判。条例で企業に対する規制を強めることを求めました。

答弁:中村副市長は「感染症の研究の病原菌の所持、使用は、医療に関する法律で、国への所持許可届け出が定められている。吹田市、茨木、千葉市はいずれも、住宅地に隣接地しているので制定されている。神戸市とは事情が違う。感染症防止や対策は国が特定病原体の情報をつかむことで対策が取られる」などと答えました。
松本議員は、厚労省の結核感染症の担当者が「個々の企業、施設が内部規定を設けることになっているものの、3年に一度、調査にはいるが、ほとんどが指導がいる」と答えていることを指摘。副市長のいう「安全神話」は崩れていると批判。「国まかせではなく、安全を確保すべきだ。住宅ではないからいい、ということにはならない」と厳しく批判しました。
中村副市長は「条例を持って規制することも一つの判断だが、法体系で進んでいる状況で、条例制定してまで規制する必要はない」とあくまで、条例制定を拒む姿勢を示しました。
松本議員は「もっと真摯に考えるべきだ。きちんと他都市を調べるべきだ。市民の安全を確保するためにも条例を」と重ねて要求しました。

病気の人まで追い出すのか

2011年10月06日

保健福祉局審査で森本議員が追及

神戸市議会決算特別委員会が10月6日に開かれ、保健福祉局審査が行われました。日本共産党の森本真議員は、借り上げ公営住宅、子育て支援策などをとりあげました。
森本議員は、神戸市子育て支援について、兵庫県下でも大きく遅れている子どもの医療費助成の拡充を要求。外来無料について、現行0歳児のみとなっているのを、段階的に引き上げるよう求めました。神戸市が「最重点課題」としている保育所の待機児童問題では、灘区や垂水区の市営住宅跡地、須磨区で25年間も未利用のまま放置されている保育所用地などをあげ、神戸市がその気になればすぐにでも保育所用地を確保できると指摘。局として、国・県・市の未利用地を調べ、計画的に保育所整備をすすめ、待機児童解消をはかるよう求めました。
同議員は、民間借り上げ災害公営住宅問題で、転居をせまられている高齢や、病気で転居困難な入居者の声を紹介。追い出しの中止を求めました。
神戸市は、丁寧できめ細かい対応を行う、としています。しかし、病気で余命1年と宣告され、市長に「病気と年齢のため、このまま住み続けさせてください」と手紙を出している80代の男性に、福祉事務所から市営住宅の申込書を送りつけ、転居をせまっています。
森本議員は「丁寧できめ細かい対応というなら、あと数年間、住み続けさせてほしい」という願いにこたえて、借り上げの延長をするべきだ」と批判。借り上げに入居する一部の生活保護世帯にしか送付されていないことをあげて、「いったいどこが送付の指示を出したのか明らかにせよ」と強く求めました。
雪村新之助保健福祉局長らは「待機児童が多いのは指摘のとおり。駅前のマンション一室を借りた保育ママ制度など、あらゆる手法を使って整備したい」「(借り上げ関係の)資料の送付は、都市計画総局が基本だが、伝わりにくい世帯に、ケースワーカーから案内を丁寧にしたものではないか」と答弁し、どの部局の責任による対応かはこたえませんでした。

借上住宅からの追い出しやめよ

2011年10月03日

都計総局審査で西議員が追及

神戸市議会決算特別委員会が10月3日に開かれ、都市計画総局審査が行われました。日本共産党の西ただす議員は、借上げ災害公営住宅について質問しました。
神戸市は借上げ住宅からの退去を迫る理由として「借上げを続けることで年間15億円の負担がかかる」「20年を超えると国の補助が減る」などをあげています。西議員は、この15億円のうち、5億円は国の交付税措置、空き家の借上料2億円は入居者を募集することで解決する、URの家賃上昇分1.5億円は交渉して引き下げればいい、従前居住者住宅への一般入居者家賃差額1億円と減免部分2.5億円は借上げをやめたからといって負担が減るものではないこと、などを指摘。「神戸市の財政負担といえるのは、借上げ料と近傍家賃の差額分2.5億円くらいだ」と批判しました。
また、国土交通省が継続を認めていることも指摘。入居者の生の声を紹介しながら「神戸市の判断ひとつだ。助かる人が助からないということをやってはいけない。借上げ住宅は市営住宅として継続すべきだ」と求めました。
質問に対し、井澤元博都市計画総局長らは「切実な声は聞かせていただいたが、20年の約束なので、それぞれ個々の事情に丁寧に対応していく」「たしかに減免部分は負担が減るものではないが、一般財源が多額なのは事実だ」などと答えました。
西議員は、借上げ住宅問題以外に、住宅リフォーム助成制度の実現、すまいの耐震化の促進、暮らしやすい街をつくる条例の制定などを求めました。

福祉、市民生活切り捨ての行政改革を批判

2011年09月28日

山本議員が代表質疑

9月28日に開かれた定例市議会で、日本共産党議員団を代表して山本じゅんじ議員が代表質疑に立ち、矢田立郎市長らの政治姿勢をただしました。

神戸市は、これまで取り組んだ行財政改革の実績として、「5年間で約730億円の財政効果を生み出しながら市民サービスの維持向上に取り組んできた」などとしています。しかし、乳幼児医療費助成では、対象年齢を拡大した一方、所得制限を強化したことなどで、神戸市負担は5年間で2億5000万円も減っています。特別養護老人ホームの待機者は、2010年3月末までに約900人増加。生活保護受給者も増える一方です。市内の9人以下の事業所は、15年間で3200も減少しています。他方、神戸空港や医療産業都市構想をはじめ大規模投資が「選択と集中」の名のもとに行われてきました。
山本議員は「市民の暮らしや神戸経済を支えてきた中小企業は置き去りにされている。住民のいのちとくらしを最優先の姿勢に改めるべきだ」と指摘し、具体的な質問を行いました。

こども病院の移転について…海岸近くへの病院集中は危険

兵庫県は、県立こども病院の移転について、現地立て替えなどを含めて検討しています。ところが、神戸市が、ポートアイランド2期の新中央市民病院の隣への移転を働きかけています。ポートアイランド2期への移転については、医療関係者からも疑問の声や反対の声が上がっています。
新中央市民病院がポートアイランド2期に移転開業した他、HAT神戸には、日赤の災害医療センターが立地しています。今後、南海・東南海地震による津波被害も予想されます。
山本議員は「重要な拠点となるべき病院を海岸近くに集中させるべきではない」として、県立こども病院のポートアイランド2期への誘致をやめるよう求めました。

答弁:中村三郎副市長は「ポーアイ2期に移転することで、病院群との連携で、専門的な医療が可能となるよう、昨年から来られたらどうですかと言っている。震災対策では南海、東南海地震などによる震災被害は小規模で、液状化しにくい土壌だ」などと答えました。

山本議員は「医療関係者も今の場所での建て替えを望んでいる」「地震も津波も大丈夫だというが、津波がきたら、被災者を津波に向かって運ぶのか。一極集中すれば、医療機能の全部が損なわれる」と厳しく批判しました。

借り上げ住宅問題…入居高齢者の声を聞け

借り上げ災害公営住宅について神戸市は、高齢被災者を追い出すとの態度を変えていません。「借り上げ期間は20年」などを理由にしていますが、市営住宅第二次マネジメント計画で、市営住宅の戸数を減らすことが目的です。
明泉寺住宅(80世帯)の47世帯から入居継続を求めて「市長への手紙」が出されています。手紙では「身障者1級です。糖尿病性精神神経障害の病もきつく、リウマチの病にもかかった。身体が自由に動きません。なにとぞ住み続けさせて頂く事をこころからお願いします」「毎日がつらい。家は変わりたくありません。ここに置いてください」など、切実な声がつづられています。
山本議員は「市長は、この手紙を読んでどう感じたか」とただしました。

答弁:中村三郎副市長は「借り上げ入居者への説明や個別相談で、生の声は聞いている。入居者の事情があることは十分理解しているつもりだ。20年という期間で臨時的につくったもの。契約に従って適切に返還することが必要」などと答弁しました。

山本議員は「コミュニティが壊される。高齢者が、知らない地域で生活するということへの不安がどういうことか。市長への手紙にはそうした不安が、震える字で書かれている。短い文章だが、どういう気持ちで書いたか考えるべきだ。市長が直接、入居者に会って声を聞くべきだ」と、市長に答弁を求めましたが、市長は一切答弁を行いませんでした。

中学校給食…早急な実施こそ必要
教育委員会が、7月に実施した「中学生の食生活と昼食に関するアンケート」の速報を発表しました。保護者のうち75.4%が「給食がよい」と回答しています。20代から40代の市民では特に強くなっています。さらに小学校のようなバランスのとれた学校給食への要望が高いことも示されています。中学校給食に対する期待の強さを反映した結果といえます。
中学校給食は、全国の8割以上の公立中学校で給食が実施されており、実施していない神戸市は少数派です。
山本議員はこうした点を指摘し「中学校給食の実施を決断するときだ」と、早期実施を求めました。

答弁:永井秀憲教育長は「アンケートは中学生の昼食について、生活習慣など総合的に把握したいと実施した。必ずしも中学校給食実施を前提にしたものではない。給食に対しては、生徒と保護者の要望が反している。昼食を食べるのは生徒なので、望ましい昼食とは何かを最優先して、有識者、教員、中学生らの意見を聞いて検討していきたい」などと答えました。

山本議員は「いったい何のためにアンケートをしたのか。どの自治体でも同じような結果が出ている。神戸だけが特別な数字ではない」「朝食を食べず、昼食も食べない生徒もあるなか、他の市では、栄養面からも大変なことだと給食を選択している」と指摘しました。

保育所待機児童解消…予算増やし保育所建設を

保育所に入所できない子どもは一向に減りません。待機児童解消は喫緊の課題です。
神戸市内の待機児童数は2378人(11年9月1日現在)。最も多いのは西区の409人、垂水区401人、東灘区336人などとなっています。神戸市がすすめている「弾力的な入所」や「新設は民間まかせ」という方法では、待機児童解消の抜本対策にはなりません。
最近離婚したある母子家庭の母親は、必死で仕事を探していますが、仕事が決まっていないため、保育所に入所できません。保育所に子どもを預けられないため、仕事も決まりません。両親ともに正社員で働いていても、保育所の定員が足らず、入所できない例もあります。
山本議員は「予算措置をして、計画的に保育所の増設をすすめ、待機児童をゼロにする対策を目標年次を定めて推進すべきだ」と求めました。

答弁:矢田市長らは「待機児童解消は最重要課題だが、11年から22年度まで2200人分整備した。さまざまな手法を駆使していきたい。地域、年齢などでアンバランスがある」などと答えました。

山本議員は「いまも、申し込んだにもかかわらず入れない人が2400人近くいる」として、東灘区の求女保育所跡地も含め、あいている市有地を活用することを求めました。

こどもの医療費の問題…通院も中学卒業まで拡充を
中学校給食とともに、いま子育て世代のなかで特に強く求められている施策が、こどもの医療費の無料化です。神戸市では入院は中学校3年まで無料ですが、通院が無料なのはゼロ歳児だけです。
入院・外来とも、中学校3年まで無料という自治体が、県内でも、西宮市をはじめ6市にまで広がっています。県内41自治体のうち28の自治体で、少なくとも就学前までは医療費の無料化が実現しています。
山本議員は、県下でも広がっている子どもの医療費無料化の流れに触れながら「神戸市でも、外来も中学卒業まで無料化を決断すべきときだ」と迫りました。

答弁:中村三郎副市長は「県との協調事業だ。市として上乗せもしている。これ以上、市の単独で拡充することは難しい」「子ども対策は医療費だけではない。他の施策とのバランスの中で対応する必要がある」などと答えました。

山本議員は「財政が厳しいのはどの自治体も同じだ。医療費無料制度を拡充している自治体が、他の子どもへの施策を後退させているのか、そうではない。要は、市の姿勢だ」と厳しく批判しました。

高校学区再編問題…さらに競争激化させる

兵庫県は、県内の公立高校の学区を、現在の16学区から5学区に再編・統合する案をまとめようとしています。検討されている案では、現在神戸市と芦屋市は同じ学区ですが、計画では、淡路島を加えて1つの学区に統合するとしています。
神戸第3学区は、県内の学区の中でも高校の序列化も激しく、偏差値による「差別」「選別」がすすめられています。今回の学区再編が実施されれば、高校の序列化がさらに進むことは必至です。
だからこそ、県下の自治体の首長や議会を含め、学区再編に批判の声が上がっているのです。マスコミのアンケートでも、県内の教育長の「反対」「どちらかといえば反対」という意見が合わせて32%、「賛成」「どちらかといえば賛成」を大きく上回っています。「賛成」と答えているのは、神戸市と加古川市だけです。
山本議員は「県内でも激しい受験競争のなかにある第3学区を持つ神戸市が、賛成の姿勢を示すというのはまったく理解できない」として、明確に反対すべきだと求めました。

答弁:永井秀憲教育長は「現在は、近くに行きたい学校があっても選択できない場合があるが、できることになる。進路選択への不公平感の混乱が起きないなどのメリットが大きい。生徒の利益を大前提に考えられた案であり、市の要望にも沿った内容だ」などと答えました。

山本議員は「通学距離が遠くなる。いまでも通えなくなる生徒もある。アルバイトしている人もある。そうした人への配慮が欠けている。神戸と同じ学区の芦屋市は、問題だと意見書をだしている。明石も市の広報で、反対していると市民に知らせている」と、市長らの姿勢を厳しく批判しました。

自然・再生エネルギー活用…推進計画を策定すべき
福島第1原発の事故は、いまなお深刻な事態はが続いています。
いま、各地で、地域独自に再生可能エネルギーの利用と、その促進を図る取り組みが進みつつあります。原発に依存せず、再生可能エネルギーの利用を促進していくためには、地球温暖化防止という枠にとどまらない、戦略的な取り組みが必要となっています。
山本議員は「5年、10年など期限を区切った再生可能なエネルギーの利用に対する推進計画を策定すべきではないか」と、市長の見解を求めました。

答弁:矢田市長は「今年2月に地球温暖化防止の実行計画を策定した。この中で、再生可能エネルギー導入目標も掲げている。今後、さらに多岐にわたる方向を検討する。原発事故以後、エネルギー需給問題や電源問題が議論されている。今後の方向性、国の動向を見ながら対応をはかりたい」などと答えました。

山本議員は、神戸市域でどの程度、活用できる自然エネルギーがあるのか調査することなどを求めました。

「このまま死ぬまで住み続けたい」

2011年08月30日

借り上げ住宅入居者40人が「市長への手紙」で
 
長田区の民間借り上げ災害公営明泉住宅(80世帯)の入居者40人が8月30日、「死ぬまでここで住まわせてほしい」などと訴える「市長への手紙」を提出しました。住民代表が預かってきた「手紙」を、都市計画総局の遠藤卓男住宅部長に手渡しました。森本真議員が同席しました。
神戸市が震災後、被災者に市営住宅として提供した民間借り上げ災害公営住宅。入居者の多くは高齢者です。ところが、神戸市は「借り上げ期間は20年間」だとして、一方的に転居を求めるという姿勢を変えていません。
こうした神戸市に対し、入居者、借り上げ住宅所有者などが「市営住宅として継続して」との声を上げています。

原発やめ自然エネルギー活用を

2011年07月05日

味口議員が議案外質問

借上住宅からの追い出しやめよ
神戸市定例市議会最終本会議が7月5日に開かれ、日本共産党議員団を代表して味口としゆき議員が議案外質問に立ち、矢田立郎市長らの政治姿勢をただしました。
東日本大震災から4か月近くたちますが、被災者は今も厳しい生活を強いられています。また、原発事故もいつ収束するか、めどもたっていないのが現状です。
味口議員は、福島県いわき市で聞いた被災者の声を紹介しながら、日常から福祉や医療を大切にした市政を進めることこそが、災害につよい自治体、地域をつくると指摘。中央市民病院が阪神淡路大震災の時、機能が発揮できなかったにもかかわらず、さらに海に近い地域に移転したことも含め、災害時の拠点となる医療機関が、海岸近くに集中していると指摘。海岸から離れている西市民病院や西神戸医療センターなどの機能強化を求めました。
阪神淡路大震災の被災者が生活している民間借上災害公営住宅入居者に対して、神戸市は今も「20年の期間」を口実に、退去を求める姿勢を変えていません。味口議員は、灘区内にあるすべての借上住宅を訪問して入居者から聞いた声を紹介しながら、「市長として第一にすべきことは、住み慣れた住宅でのコミュニティを壊さないことではないのか」と批判、住宅から退去させるという方針の撤回を求めました。
自然エネルギーの活用策が、日本各地でも広がっています。味口議員は、原発事故の現実を直視し、関電の株主として関電に原発からの脱退を求めるよう迫るとともに、太陽光、小水力、地熱、波力など、自然エネルギーの普及・促進、低エネルギー社会への移行を総合的に検討するため、市民を加えた検討委員会を設置すべきだと求めました。
質問に対して矢田市長らは「(原発について)中長期的には、原発に依存しない電力供給が必要だと認識している」などとしながら、「すみやかに撤退というのは現実性はない」「(借上住宅)20年の期間がある。期間中に対応する」などと答弁。
再質問で味口議員は「『震災後、5ヵ所も転々としました。年金生活で精一杯です。ここから出て行くのはイヤです』というのが入居者の声です。借上住宅の問題は、オーナーも住んでいる人も継続を要望しており、国もURも継続を了承しています。また、財源的にも神戸市は全く困らないものです。借上住宅の延長は、市長の決断だけで実施できる」などと批判、借上公営住宅入居者の生活を守るよう強く求めました。