命にかかわる借上転居強要
2013年09月10日
中学校給食は自校方式で
大かわら鈴子議員が代表質疑
大かわら議員は、子どもの医療費、中学校給食、借上災害公営住宅問題を取り上げました。
子どもの医療費無料化は、子育て世代にとっては切実な課題となっています。兵庫県下では、41市中19市町が中学校卒業まで無料となっています。しかし、神戸市の外来無料は2歳児まで。少子化対策として、いかに子育てしやすい環境をつくるかが問われています。
大かわら議員はこうした点を指摘するとともに、日本共産党市会議員団がおこなった市民アンケ-トでも無料化を望む多くの声が寄せられているとして、子どもの医療費無料化を、中学校卒業まで拡充するべきだと求めました。
◇ 答弁:中村副市長は「市独自の上乗せもやっている。政令市の中では決して遜色ない」と答弁。大かわら議員が、共産党議員団のアンケートに寄せられた声を紹介し「神戸が頑張っているとは思われていない」として、中学卒業まで無料を拡大していくことで、早期発見、早期治療につながり、医療費削減にもつながると指摘しました。
◇ 中学校給食を求める市民の声はますます大きくなっています。粘り強い市民の運動に押され、神戸市もようやく実施の方向を打ち出しましたが、給食といいながら、弁当持参も可能としたデリバリ-方式。市民からは「小学校と同じような給食ではないのですか」「冷たいお弁当か」との失望の声が広がっています。
大かわら議員は「懇談会で示された、教育、健康増進、経済的困窮対策、子育て・子育ち支援、男女共同参画という5つの側面からも、最も望ましいのは『自校方式』ということは明白だ」と指摘。デリバリー方式を実施している他都市も、喫食率が低いなどの問題が発生して見直しを始めています。県下では姫路市が見直しを決めています。政令市では、2年前に実施したばかりの相模原市も見直しのための検討委員会を立ち上げ、議論が進められています。
大かわら議員は「デリバリ-方式は、市民の思いともかけ離れている。見切り発車的に実施するのではなく、全ての問題が解決できる自校方式をめざすべきだ」と求めました。
◇ 答弁:雪村教育長は「民間事業者への指示で、季節料理、行事食など工夫を凝らす。給食の早期実施、学校生活の影響、財政面からデリバリーとした。自校方式は困難。十分検討した結果だ」などと答弁。大かわら議員は、デリバリー方式を採用している他都市で喫食率が低下し、見直しがすすめられていることなどを改めて指摘しました。雪村教育長が、管理栄養士がメニューをつくるから問題ないなどと答弁したことについても「食育の問題だ。新潟市では(デリバリーでは)食育は無理ですと言われている」と批判し、単なる昼食にならないよう自校方式で実施するよう求めました。
◇ 借上災害公営住宅入居者に対して神戸市は当初「20年の期限が来れば、何が何でも転居してもらう」との態度でしたが、一定の条件付きで一部の入居継続を認めると方針を変えました。さらに、一部の住宅については買い取りも表明しています。
ところが神戸市が示した「入居継続条件」は、同じように入居し、一緒に頑張ってきた被災者の間に線引きをすることで新たな不公平を生んでおり、さらなる不安と混乱を広げる結果となっています。7月から、各住宅ごとに開かれている説明会では、転居を前提としたものになっています。
大かわら議員は「今するべきことは、悲痛な高齢者の声を聴き、その実態をつかむことだ。入居者の命とくらしを守る唯一の方法である、希望者全員の継続入居を認めるべき」と求めました。
◇ 答弁:中村副市長が「意向調査、説明会等を通じて、入居者から意見を聞いた。強制でやっているということはない」などと答えたのに対し、大かわら議員は、75歳で脊柱管狭窄症のため、救急車で何度も運ばれている女性について「重度障害者ではない。この人は住宅に残れるのか」と質しました。中村副市長は「継続入居にはならない」と答弁。大かわら議員は、命にかかわる状況でも転居を迫るやり方を厳しく批判。さらに、一人ぐらしの女性を男性の市職員2人が訪問し「早く転居しないと、不便なところになる」と転居を迫り、「かわりたくない」という女性に「裁判になる。お宅、負けますよ」とまで発言している例を示し「これが、丁寧な対応か」と追及。矢田市長は「期間があるのは当然のこと。個々の問題を一つ一つ取り上げて(対応するのは)大変困難だ」などと答えました。
希望者の継続入居認めよ 借上げ問題で市に申し入れ
2013年04月02日
日本共産党神戸市会議員団は4月2日、矢田立郎神戸市長にたいし「神戸市借上市営住宅入居者への対応について」申し入れを行いました。申し入れには、森本真、山本じゅんじ、味口としゆき各議員が参加、鳥居聡都市計画総局長らが応対しました。
申し入れは、神戸市が3月25日に発表した「借上神戸市営住宅についての神戸市の考え方」について、問題点を指摘すると共に、希望者全員の入居継続などを改めて求めるために行ったもの。
神戸市の方針は、85歳以上、要介護度3以上、重度障がい者がいる家族については入居継続を認めるとしています。他の世帯については、完全予約制の導入・移転期限の猶予などをおこなうとしています。
しかし、これでは、日本共産党議員団が指摘したように、介護や支援の必要な人たちだけが残されることになります。このことがどのような事態を招くか、阪神・淡路大震災の教訓からも明らかです。申入書では「いのちに線引きはすべきではありません。いまのコミュニティは、入居者や地域住民が一体となって築きあげたものです。機械的な線引きで退去を迫ったり、入居者を苦しめるようなことは絶対に避けるべきです」と指摘。神戸市として、被災者が「ついの棲家」として安心して暮らせる対策をとることが求められているとして①希望する入居者全員に継続入居を認めること②民間オーナーに対して、契約の延長、もしくは買い取りの協議を求めています。
市長が継続入居決断をー借上住宅 孤独死出さぬため (総括質疑)
2013年03月13日
森本 真議員が総括質疑
神戸市議会予算特別委員会の総括質疑が3月13日に行われ、日本共産党の森本真議員が、借上住宅、神戸空港、福祉パス問題を取り上げました。
借上災害公営住宅について市長は、1月15日の記者会見で「借上住宅の費用について、34億円の内、入居者の家賃で10億円。24億円は、市民の税金です。それを20年間、ずっと持ち続けていくということと同時に、さらに空き家になった場合でも、その空いた分の家賃の保証は借りた側にあるわけです。これ全部払っているわけです」と発言しています。しかし、24億円には国庫負担分も含まれています。森本議員は、神戸市負担は10億円に満たないとして、入居者のくらしをまもるということからも、市長が言うような「びっくりする額」ではないと批判しました。
入居者に対して神戸市は追い出し一辺倒で対応しています。兵庫区のキャナルタウンに住む80歳の女性は、市職員から「兵庫区にも長田区にも転居できる市営住宅はありません。20年の期限を過ぎると、家賃は4倍になります」「要介護1では今回の(住み続けられる)対象になりません」などと迫られています。
森本議員は、入居者が「人と人とのつながりが断ち切られるのではないか」「近くの病院にかかれなくなる」など不安を抱えながら生活していると指摘。「命を守るのか、バラバラにして孤独死を増やすのか、市長の決断だ」と迫りました。
神戸空港は、市民の反対を押し切って開港してから7年が経過しました。しかし、管理収支は大赤字、利用者も増えません。今後、よくなる見込みもありません。借金の未償還は2300億円にものぼります。新都市整備事業会計が肩代わりして、借り換えを繰り返しています。
神戸市は「市税はいっさい使わない」と言い続けていますが、医療産業都市(神戸クラスター)だけで、土地購入という名目で150億円もの一般会計が、新都市整備事業会計に流れています。神戸空港建設が始まってからは、それまで一般会計に繰り入れていた新都市整備事業会計の剰余金の繰り入れもなくなっています。
森本議員はこうした点を指摘し、市民の福祉のために使う一般会計を、神戸空港の借金返し、赤字補填という形で投入していることになると批判しました。
福祉パスを改悪するという神戸市の方針に、障がい者や被保護世帯から不安と怒りが巻き起こっています。森本議員は、生活保護費が切り下げられようとしている時に、福祉パスを取り上げるのは2重の苦しみを与えることになり、人権にかかわる問題だと批判。障がい者や母子世帯も含めて、福祉パスの改悪は中止するよう求めました。
◇ 答弁:矢田立郎市長らは「(借上)災害の中の一つの取り組みとして、こういった選択をする事情があった。一定のルールに基づいた形で替わってもらうということについて、有識者らから意見をもらう」「いろんな団体の声も聞いた。福祉パス制度と生保世帯との整合性の問題も説明した。この方針ですすめたい」「新都市整備事業会計は、独立採算である本来の趣旨に添って安定的に運営している。市民の福祉のために使うお金が、借金返し、赤字補填に投入されていることにはならない」などと答えました。
◇ 森本議員は、借上住宅問題が東日本の被災地からも注目されていると指摘。伊丹市や宝塚市のように、希望者が住み続けられるよう、市長が決断すべきだと強く求めました。 神戸空港について森本議員は、企画調整局、建設局、みなと総局も含めて土地を買って、新都市整備事業会計を支援しているのが実態だと批判。公的施設をつくるにあたっては、新都市整備事業会計やみなと総局が無償で土地を貸している例があると指摘。一般会計投入というやり方はきっぱりやめるよう求めました。
基本水量の低減を (水道局)
2013年03月07日
水道局審査で松本議員
神戸市議会予算特別委員会水道局審査が3月7日に行われ、日本共産党の松本のり子議員が、基本水量・基本料金、地下水利用業者対策、自己水源の活用、水道公社のあり方などについて質問しました。
高齢化や単身世帯の増加等によって、水道使用量が基本水量(2か月で20m3)に満たない世帯が4割を占めています。基本料金は2835円。節水して基本水量以下で生活してもこの料金は変わりません。市民からは「生活を切り詰めているのに納得できない」などの声も出ています。
松本議員はこうした点を指摘し、利用実態に合わせて、基本水量・基本料金の見直しを行うべきだと求めました。
水道水の補給水として地下水を利用している業者に対して、負担を求める条例が制定されていますが、条例制定前からの利用者については「当分の間」対象外となっています。松本議員は、利用業者について、一定規模以上の業者、官公庁などについては適用時期を明確にするよう求めました。
神戸市の水源の8割は、阪神水道企業団と県営水道となっており、自己水源の活用は進んでいません。今後は阪神水道企業団との契約水量だけで、全市の水量が賄える状況になるとみられます。
松本議員は、災害時などに備えるためにも自己水源を活用することを要求。合わせて、北区の千狩貯水池の水質が悪化していることについての対応策を求めました。
◇ 答弁:横山公一水道局長らは「(基本水量問題)少量利用者に配慮して、基本料金は原価の6割程度で設定している。基本料金を一部引き下げると、他への負担転嫁になる。多量使用者からは、逓増制の緩和を求める声もある」「(自己水源)複数の水源をもっていることで、渇水、事故対応ができる。水質対策では、周辺の環境美化、生活排水対策、藻類の繁殖を抑制する対策などを実施している」「(地下水利用)アンケート調査も実施し、返事が返ってきている。もう少し丁寧な説明と時間がいる。早急に時期を確定して進めたい」などと答えました。
◇ 松本議員は、今後大容量送水管が供用開始されると減価償却費が上がるとして、市民負担は増やすべきではないと指摘。地下水利用に関しては、大衆浴場や豆腐屋など、小規模業者に対しては適切な助成制度などを検討するべきだと求めました。
借上入居者の継続入居を(都市計画総局)
2013年03月05日
大かわら議員「命にかかわること」
神戸市議会予算特別委員会の都市計画総局審査が3月5日におこなわれ、日本共産党の大かわら鈴子議員が借上住宅、指定管理者制度、新長田駅南再開発事業について質問しました。
借上災害公営住宅では、神戸市の強引な追い出しに、多くの入居者が「夜も眠れない」「考えただけで胸がドキドキする」など不安を訴え、体調を崩す人も出ています。神戸市は「個別に丁寧な対応をしていく」と言いながら、実際に進めているのは転居を迫る対応のみ。
大かわら議員は「入居者の身体の状況等は聞かず、どう出て行かせるかの対応しかしていない」と厳しく批判。そうした対応が、高齢者の健康を害している原因だと指摘しました。
また、神戸市は、専門家による懇談会を設置して、一定の移転困難者にたいする対応を検討するとしています。しかしこのことは機械的な線引きにつながり、高齢者や身動きが取れない人ばかりが住宅に残ることになります。大かわら議員は「1人で暮らせない人も、地域のコミュニティのささえで、今までの生活が成り立っていた。入居者が17年かけてやっと築いてきた地域のコミュニティをバラバラにしてしまうのか」と迫りました。
神戸市の市営住宅の維持管理は長年、住宅供給公社が担ってきました。ところが10年度から「効率的な管理運営と市民サービスの向上をはかる」などとして、指定管理者に任せています。大かわら議員は「(指定管理者となっている会社に)問い合せをしても、まともな回答が返ってこない」など、多くの苦情が出ていることを指摘。「実際にはサービス向上ではなく、低下としか言いようがない。民間ではなく、元の神戸市直営に戻すべきだ」と質しました。
◇ 答弁:遠藤都市計画総局住宅部長らは「(借上)職員が個別に対応している。基本方針としては期限通り順次、返還していく。住み替えをすすめる中で無理がないようにしていく」「公平性の観点から、どこかで線を引くのはやむを得ない。グループ申し込み制も活用していただく。移転先では高齢者が新たなコミュニティに参加できるようなサービスを展開している」「(指定管理者)苦情が届いた時は速やかに指導している。当初は戸惑うこともあったが、おおむね評価いただいている」などと答えました。
◇ 大かわら議員は、借上住宅について「命がかかっている。ルールと命、どちらが大事なのか」と批判、希望者全員の継続入居を認めるよう迫りました。
ポーアイ2期全体の防災計画を(危機管理室)
2013年03月01日
危機管理室審査で金沢議員
神戸市議会予算特別委員会の危機管理室審査が3月1日におこなわれ、日本共産党の金沢はるみ議員が質問にたちました。
ポートアイランド2期は、企業が多数集積しており、病院も増えています。東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法では、事業所は各々で津波からの円滑な避難や訓練などの対策計画を定めて消防署に提出することになっています。しかし、地域全体の防災計画はつくられていません。金沢議員は「病院などは患者さんを受け入れるところでもある。あらゆる危機に対応できるエリアとして、企業や病院と一緒に防災計画をつくるべき」とただしました。また、ハーバーランドや地下街など、津波被害が想定される地域でも、企業や外郭団体等が地域と連携して避難計画や訓練などができる体制をつくるよう要望しました。
長田区の住宅街では2008年11月、山口組系暴力団が幼稚園の向かいの建物を買い取ったため、住民が立ち退きを求めて決起集会やデモ行進などの運動を続けています。現在、訴訟に向けて準備が進められています。しかし、訴訟費用の補助については、暴力団追放センターによる貸し付けやわずかな活動費補助しかありません。金沢議員は、「訴訟ができるよう、費用面も含めて全面的にバックアップすべきだ」と求めました。
◇ 答弁:見通孝危機管理監らは「ポーアイ2期は、協議会の立ち上げとか動きがあり、地域情報、防災対策などに取り組みつつある」「ハーバーランド、地下鉄、デュオ神戸などに入ってもらい、その中でもやっていきたい」「(暴力団対策について)暴力団追放センター、県警、兵庫県も含めて、現在話をしている。積極的に支援していく」などと答えました。
◇ 金沢議員はその他に、貴重な液状化マップの情報を市民に分かりやすく提供することと、三宮やハーバーランドで買い物をする人たちや観光客に、日時を決めて一斉にエリアメールを送って避難訓練も実施するよう求めました。
借上住宅連絡会総決起集会ー希望者全員の入居継続を
2013年02月28日
阪神・淡路大震災の被災者が入居する借上復興住宅から20年の契約期限を理由に転居を迫られている問題で2月28日、借上住宅協議会は神戸市勤労会館で総決起集会を開きました(写真)。
希望者全員の継続入居を求め入居者と支援者ら150人が集まり、代表の安田秋成氏は「絶対に負けられない。仲間と手を取り合って歩もう」と呼びかけました。
吉田維一弁護士は、運動の成果や自由法曹団の意見書の内容、募集・入居時に神戸市が借上住宅の説明をしていないことなどを示し、「例外を認めないといけない状況になった。突破口ができた」と強調しました。
入居者が現状と決意を表明。視力障害がある東灘区の車谷美枝子さん(61)は、政府要請の内容も紹介し「これから知らないところに行くのは不安でならない」と訴えました。長田区の表玲子さん(82)は病気やけがが重なり、「力強い助けをもらうのは隣人の絆。皆出て行けと言う神戸市は情けない」と語りました。西宮UR借り上げ市営住宅連絡会の松田康雄代表は、要介護者と障がい者などの入居を5年延長する西宮市の案を紹介し、「結局出ていかなければいけない。がっかりした内容」とのべました。
「借上市営住宅懇談会」について市長に申し入れ
2013年01月15日
日本共産党神戸市会議員団は15日、矢田立郎市長に「神戸市借上市営住宅懇談会」についての申し入れを行いました。
申し入れでは①希望する入居者を市営住宅として継続入居を認めること②懇談会は公開すること③同委員の名簿も公開すること③議事録もその都度公開すること④委員に入居者、オーナーを加えること⑤懇談会として、入居者、オーナーの意見を聞く場を設けること、を求めています。
借上災害公営住宅について、神戸市は、「入居期限は20年」だとして、住み替えを迫っています。日本共産党議員団、入居者、住宅オーナーなどが「市営住宅として継続を」と、一貫して要求し続けています。
神戸市はこうした運動に押され、転居困難者の継続入居を検討するために、懇談会を開くことにしたもの。一歩前進ですが、「住み替えが基本」との姿勢は変えていません。
申し入れでは、「要援護者を支える人が回りにいることが大事。そのためにも、希望する人を市営住宅として継続入居を認めるべき」と求めました。
応対した都市計画総局住宅部の三木太志部長らは「返還という大前提は変えていない」などとこたえました。
(申し入れ全文)
神戸市長 矢田 立郎 様
神戸市借上市営住宅懇談会についての申し入れ
2013年1月15日
日本共産党神戸市会議員団
団長 松本のり子
借上市営住宅の「20年経過後」の対応について日本共産党議員団は、市営住宅として継続するよう、一貫して求めてきました。
このたび、移転困難者への対応策として「入居延長を協議」などと報道されました。その対応策を具体化するため、「神戸市借上市営住宅懇談会」を開催するとの方針も示されました。
神戸市が入居者に「期限後の退去」を求めたのが2010年8月。その直後から、私たちは入居者のいのちと健康にかかわることだとして、借上期間の延長を求め続けてきました。入居者も住宅オーナーも、それぞれの立場で「市営住宅として継続を」と求めてきました。市議会にも請願、陳情が繰り返し提出されました。市長への手紙も多くの方が出されています。神戸市の退去方針は、一片の道理もないことが、すでに議会論戦でも明白であり、宝塚市のように、ただちに継続入居の方針を示すべきであり、あらためて、そのことを要求します。
今回の神戸市の対応は、市民や入居者の世論と運動に押されてのものとは思います。しかし、「住み替えを基本」という姿勢は変わっていません。また、今回の対応が、あたかも市会の与党4会派からの要望を受けてのものであるかのようにされていることも、市議会での議論の経過からは、唐突との感は否めません。また、現在、神戸市の審議会等は公開を原則としており、非公開とすることは問題です。
これまでの経過もふまえて、「懇談会」開催にあたって、下記の点を要望しますので誠実に対応されることを求めます。
記
1 希望する入居者には、市営住宅として継続入居を認めること。
2 懇談会は公開とすること。
3 懇談会委員の名簿も公表すること。
4 議事録もその都度公開すること。
5 懇談会委員に、入居者、民間オーナーなど、当事者も加えること。
6 懇談会として、入居者、民間オーナーの意見を聞く場を持つこと。
借上継続で入居者の不安解消を
2012年12月05日
西ただす議員が議案外質問
西議員は、借上住宅、中学校給食、子どもの医療費助成、携帯基地局問題を取り上げました。
神戸市は、災害借上公営住宅入居者に対する強制退去という方針を変えようとしていません。日本共産党議員団はこれまでも、入居者が震災後ようやく落ち着いて生活できるようになり、入居者同士、また近くの人たちとのコミュニティもできあがっていることなどを指摘し、市営住宅として継続するよう、繰り返し求めてきました。ところが、市長らは口では「丁寧に対応する」とはいうものの、転居以外の選択肢を示していません。
西議員は改めて、神戸市のやり方に、入居者が耐え難い苦痛を味わっていることを指摘。宝塚市や伊丹市が市営住宅として住み続けられるよう、対応していることと比べても、神戸市の姿勢は異様だと批判。弁護士団体からも法的に問題があると指摘されていることも示し、入居者に政府が認めている3つの選択肢を示し、市営住宅として住み続けられるようにすべきだと求めました。
中学校給食・検討会での公平な議論保障を
中学校給食を求める声はどんどんひろがっています。署名は、須磨区や東灘区で1万筆を超え、全体で6万筆を超しています。運動会や音楽会にあわせて小学校前でおこなわれた署名活動では、列ができるほどです。県下でも中学校給食を実施する自治体が増えています。10月には、芦屋市でも自校方式で実施することが決まりました。
ところが教育長は「自校方式は財政的に論外」など、コスト優先の発言を繰り返し、検討会での議論を誘導しています。
西議員はこうした態度を批判するとともに、あり方検討会に、全国で取り組まれている自校方式のすばらしさをきちんと説明し、公平な議論を保障すべきだと求めました。
中学校卒業まで医療費無料に
神戸市の子どもの医療費は、この12月から通院は2歳児まで無料になりましたが、県下ではなお最低水準にとどまっています。西議員は、安心して子育てできる神戸市にするためにも、医療費無料の対象を広げるべきだとして、中学校卒業まで無料にすべきだと求めました。
携帯基地局・健康守る立場で対応を
携帯基地局からの電磁波による健康被害が各地で問題になっています。東灘区住吉山手地域でも、携帯基地局撤去を求める運動が起こっています。地域住民がおこなった健康調査アンケートでは、めまい、吐き気、鼻血、目の渇きなどの意見が10数件出ています。基地局の近くには、住吉中学校や子どもホームなどもあります。ところが、建設前、地域にたいする説明は行われていません。隣のマンション住民にだけの説明にとどまっています。
西議員は、住民の生活と健康を守る視点から、住民への説明等の義務づけなど、対策をとるよう求めました。
◇ 答弁:質問に対し矢田市長らは「(子どもの医療費)助成制度は県市協調だ。それに市独自の上乗せで中学3年生までの入院費を無料としてきた。本来、国が取り組むべき施策だ。中学卒業まで無料にするには22億という市の独自財源が必要で現状では難しい」「(借上)自治体それぞれの状況に応じて検討されているのは承知している。オーナーの意向も様々で、公平性の観点から20年の期限をもって返還する。希望する地域に住み替えてもらうよう早い段階から斡旋している。今後も安心感を持ってもらえるように無理のない住み替えで居住の安定を図っていく」「(携帯電話基地局)電磁波と健康被害の因果関係については、宮崎地裁で判決がでている。症状は認められたが、直ちに電磁波によるものではないというのが実情だ。設置については、電波法を所管している総務省が許可している。低いレベルで、一般の住民に健康被害を及ぼさないとされている。自宅などで電磁波を測定したい方には簡易型の測定器を貸し出している」「(給食)検討会で議論いただいている。10月に他都市を視察した。自校調理方式、親子方式、センター方式、あらゆる方式を見ていただいた。視察の結果をふまえて、実施する方法、それぞれのメリット、デメリット、経費面を含めて議論いただく。実施については白紙の状態だ。自校調理方式になると、敷地内で給食室を建設できるというのは82校中10校しかない。自校調理方式については具体的に検討する場合、やらないといけない課題が山積しており、現実的ではない」などと答えました。
多数の借上オーナーは継続を希望
西議員は再質問で、借上住宅について、圧倒的多数の民間オーナーは、継続を求めていること、神戸市の財政負担も増えないことも明らかにしてきたと指摘。高齢者にとって、転居がどれほど大変か分かっているはずだとして「高齢者や障害者の状態が悪化して、生命にかかわる問題だ」と批判しました。
中学校給食については、経費問題最優先という立場に立っていると批判。食育の観点から、全員喫食を念頭に置いて進めるべきだと求めました。電磁波については、鎌倉市などでは条例もできているとして「住民合意をどう担保するのか」とただしました。同時に、予防原則という立場で対応する必要性を強調しました。
◇ 答弁:これに対し中村副市長は「借上住宅は臨時的に供給した。公平性の確保、財政の観点から適切に返還していく必要がある。オーナーに円滑に返還することと、居住の安定とがある。出来るだけ早い時点から話をしてスムーズに別の市営に移っていただく。いろんな人がいることは知っている。福祉とも連携しながら対応していきたい」などと答えました。
◇ 西議員は、借上住宅について、つい最近まで内部でも延長を検討していたこと、オーナー対象に延長を含めたアンケートをしていることなどをあげ「180度態度を変えて追い出そうとしている。安心して生活できる手だてを取ることが神戸市としてとるべき態度だ」と批判しました。
借上入居者の兵庫区連絡会を結成
2012年10月21日
借り上げ公営住宅兵庫区連絡会結成総会が10月21日に開かれ、入居者ら90人が参加しました。参加者からは「市職員に相談しても一人では思っていることが言えない」「終の棲家として住み続けたいという思いでがんばろう」などの意見が出されました。日本共産党の大かわら鈴子議員が参加し、神戸市の対応や議会での取り組みを報告しました(写真)。