市民アンケートを実施
2016年02月28日
市民アンケートを実施
7000人から回答をいただきました
日本共産党神戸市会議員団は昨年9月から「市民アンケート」に取り組みました。これまでに7000人の方から回答が寄せられています。昨年中に集計した6850件の段階で中間結果をまとめました。
●回答者の性別、年代別、職業など
回答者の性別は、男性が47.61%、女性が48.76%、不明が3.64%となっています。
男性 47.61%
女性 48.76%
不明 3.64%
年代構成は、59歳以下が31.36%で60歳以上が62.25%となっています。また20~30代の若い世代の方からは700人以上から回答をいただきました。
職業については、高齢者からの返信が多いことを反映して「年金生活」が38.15%となっています。また現役で働いておられる方(自営業含む)から34.99%回答をいただきました。
「20年前の阪神・淡路大震災の時、神戸に居住していたか」の問いでは「していた」が78.86%で、震災を神戸で経験しておられる人が多数となっています。
震災当時神戸市内に
居住していた 78.86%
居住していない 16.25%
●国の政策について
Q 消費税10%への引き上げについて
反対が賛成を大きく上まわり、69.47%の方々が反対しています。2014年4月に政府は「消費税増税の影響は限られている」といい、消費税増税を行いました。しかし、消費の低迷はいまだにつづいています。GDPの6割を占める個人消費が停滞していては、経済がよくなりません。10%への引き上げは中止すべきです。
賛成 19.07%
反対 69.47%
わからない 8.16%
Q 憲法9条の改定について
反対が賛成を大きく上まわり、67.94%の方々が反対しています。全国で安保法制(戦争法)廃止を求める運動が盛んに行われています。神戸でも「誰の子どもも殺させない」という思いがつよいことのあらわれではないでしょうか。政府は過去の侵略戦争への反省を投げ捨て、日本を全面的に「海外で戦争する国」に変えようとしています。安倍政治の暴走にストップをかけるとりくみが、いっそう求められています。
賛成 15.68%
反対 67.94%
わからない 13.14%
Q 原発再稼働について
反対が賛成を大きく上まわり、66.44%の方々が反対しています。政府は原子力規制委員会が規制基準に「適合する」と認めた原発は「再稼働を進める」とし、関西電力は1月29日に高浜原発を再稼働させました。原発事故がどのような事態をひきおこすか、東日本の災害が示しています。取り返しがつかない原発事故を繰り返さないためにも、原発の再稼働はやめるべきです。
賛成 16.29%
反対 66.44%
わからない 14.28%
Q 沖縄辺野古の新基地建設について
反対が賛成を大きく上まわり、52.55%の方々が反対しています。沖縄県民が一丸となって、名護市辺野古への米軍新基地建設に反対しているのに、政府は無法なやり方で新基地建設を進めようとしています。これは沖縄への暴圧で立憲主義・民主主義の破壊です。
賛成 19.27%
反対 52.55%
わからない 24.72%
Q 派遣労働の無制限の拡大について
反対が賛成を大きく上まわり、60.38%の方々が反対しています。通常国会で与党が強行可決して改悪労働者派遣法は施行されました。成立から施行までわずか20日です。派遣先の代表者などの意見を聞き部署を変えれば、何年でも派遣期間の延長が可能です。「生涯ハケン」「正社員ゼロ」に道を開く大改悪です。
賛成 9.05%
反対 60.38%
わからない 26.66%
Q TPPへの参加(批准)について
わからないとの意見が一番多く(38.53%)、国民・市民に知らせないまま、政府が強引に推し進めている実態がうきぼりになりました。日本の食と農業、経済主権をアメリカに売り渡すのが環太平洋連携協定(TPP)です。「大筋合意」から2カ月余、政府は国会にも報告せず、協定内容の全文さえ公表していません。
賛成 24.96%
反対 32.22%
わからない 38.53%
Q 年金支給額の引き下げについて
反対が賛成を大きく上まわり、79.99%の方々が反対しています。政府は社会保障のためと「消費税の引き上げ」を進めようとしています。しかし、政府はこの間、年金、医療、介護など、社会保障のあらゆる分野で予算削減を強行してきたことに加えて、昨年6月の「骨太の方針」では、社会保障の自然増を年間3000億~5000億円削減する、途方もない切り捨て計画を決めています。
賛成 7.94%
反対 79.99%
わからない 9.09%
●神戸市の政策について
Q 医療・介護・福祉で力を入れてほしい施策について
「国民健康保険や後期高齢者医療保険の軽減」が60.45%と一番多く、次に「介護保険料・利用料の軽減」の52.25%と続きます。年代構成で60歳以上の人の回答が一番多く、年金で生活をしている人が多いためと思われます。現状の年金では、医療費や介護保険料などに関する負担が大きく生活を圧迫していることを示しています。
①国民健康保険や後期高齢者医療保険の軽減 60.45%
②病院の医療費窓口負担の軽減 46.47%
③介護保険料・利用料の軽減 52.25%
④特別養護老人ホーム等の増設 45.81%
⑤障がい者(児)の福祉を拡充する 31.46%
⑥敬老パスや福祉パスを元の無料に戻す 34.03%
⑦市営住宅を増やす 14.98%
⑧文化・スポーツ施設の充実 20.67%
意見欄から
「国保料が高すぎます。よそへ引っ越そうかと思います(灘区・30歳男性)」
「子どもの医療費無料化の年齢を引き上げてほしい(須磨区・27歳女性)」
「年寄りは外に出なさいというけれど、体育館や地域福祉施設がない。行くところがない(垂水区・70歳女性)」
「年金生活をしてみてわかりました。こんなにも苦しい生活とは。障がい者がいるので福祉を拡大してほしい(東灘区・67歳女性)」
Q 被災者支援と防災対策で力を入れてほしい施策について
「土砂災害対策」が45.47%と一番多く、次に「震災前の生活や営業を再建できていない市民への援助」の36.19%と続きます。2014年に広島市で発生した土砂災害地と神戸市の六甲山の地質や地形が似ていることもあり「土砂災害」を心配する声が多い。次に多かったのが「震災前の生活や営業を再建できていない市民への援助」です。まだ生活・営業再建ができていないと感じている市民が多くいることを示しています。
①土砂災害対策 45.47%
②住民参加による地域の安全対策や訓練 32.82%
③防潮堤など津波対策 29.72%
④災害援護資金等の返済免除 22.99%
⑤借上住宅の入居継続 22.92%
⑥震災前の生活や営業を再建できていない市民への援助 36.19%
⑦神戸空港や医療産業都市などの推進による復興のアピール 18.18%
意見欄から
「神戸はすぐそこに六甲山系と海の控える地形であるがゆえ、安心して住める防災対策、教育が必要(灘区・59歳男性)」
「(借上復興住宅)もうお年だし、最後までぜひ追い出さないで住まわせてあげて欲しい!これ以上お年寄りを苦しめないで!(北区・53歳女性)」
「被災者の方々は以前の生活に戻りたい、平凡な願いです。それに近づけるための施策にはほど遠いように思います(垂水区・74歳女性)」
Q まちづくりで力を入れてほしい施策について
「道路のバリアフリーや安全対策」が47.71%と一番多く、次に「バス・鉄道の充実や値下げ」の45.40%と続きます。この2項目は、年齢に関係なく望む声が強いのが特徴です。また「徒歩圏内に商店や病院などの整備」も多いことからも、日々の生活の身近な分野に力を入れることを望んでいることがわかります。
①道路のバリアフリーや安全対策 47.71%
②地域の会館を改修したり、使いやすくする 18.83%
③徒歩圏内に商店や病院などの整備 32.88%
④バス・鉄道の充実や値下げ 45.40%
⑤地域活動と若い住民との橋渡し 27.78%
⑥三宮や駅前など中心市街地の再整備・活性化 15.08%
意見欄から
「バスや電車の運賃をあげられると出かける回数が減っていくと思います(長田区・24歳女性)」
「三宮再整備が必要だとは思いません。その費用は別の方に向けてほしいと思います。神戸らしさを失わないようにしてほしいです。商店街の活性化、個人商店の特色を活かす。特に古い商店(中央区・51歳女性)」
Q 子育て・教育で力を入れてほしい施策について
「いじめや体罰の根絶」が53.04%と一番多く、次に「教育費や保育料の負担をへらす」の46.72%と続きます。この結果を年代別に見ると30~39歳の層は子育てをしている人が多いと思われることから「教育費や保育料の負担をへらす」や「子ども医療費を無料にする」が多く、年齢層が高くなると「いじめや体罰の根絶」が多くなっています。
①子どもの医療費を無料にする 42.23%
②保育所や幼稚園を増やす 35.78%
③教育費や保育料の負担をへらす 46.72%
④賃上げや、労働時間をへらす 27.40%
⑤育休を男女ともとりやすくする 31.21%
⑥少人数学級など行き届く授業 28.12%
⑦学校給食の充実 35.18%
⑧いじめや体罰の根絶 53.04%
意見欄から
「三田市では中学生まで医療費無料。なぜ神戸では実現できないのでしょうか。西宮では完全給食(垂水区・36歳男性)」
「仕事に復帰したいのに保育園に入れない。入れないから仕事をやめたらもっと入れない。無認可は保育料がとても高すぎて、パートだとマイナスになり、とても悪循環で悩みます。駅近に保育園をもっと増やしてほしいです(灘区・31歳女性)」
Q 神戸経済の活性化で力を入れてほしい施策について
「農産物の地産地消」が50.60%と一番多く、次に「地元の中小業者への直接支援」の41.55%と続きます。高速道路や大企業への誘致、大店舗の出店などよりも地元に密着した方法での活性化を望む声が多いことがわかります。また「自然エネルギーで仕事おこし」「神戸港の活性化」を望む声が多いのも、地元神戸の良さと歴史を生かした活性化を求めているからだと思われます。
①地元の中小業者への直接支援 41.55%
②自然エネルギーで仕事おこし 34.58%
③農産物の地産地消 50.60%
④大店舗・チェーン店の出店規制 18.92%
⑤神戸港の活性化 31.55%
⑥高速道路の新設で渋滞緩和 10.18%
⑦大企業の誘致、補助金の増額 12.92%
意見欄から
「地産の物を購入したいです。中央市場の活用を真剣に考えて欲しいです。また、長田の復興ビルの失敗のようなことを繰り返してはなりません(兵庫区・60歳男性)」
「時給や給料が少なすぎ。40代50代でもしっかり働かせてもらえる会社、社会を作ってもらいたい。その為の企業支援ならばしていただきたい(灘区・44歳女性)」
Q 神戸空港は今後どうあるべきか
「今後どうするか市民の意見を聞く」が30.76%と一番多く、次に「利用促進策を強化する」の28.98%と続きます。意見欄では、市民の反対を無視してつくったことへの批判が多く寄せられており、「市民の意見」をよく聞き、今後の方針を決めるべきです。
①ただちに廃港する 15.05%
②今後どうするか市民の意見を聞く 30.76%
③民間に運営権を売却する 27.96%
④利用促進策を強化する 28.98%
意見欄から
「たまに利用させてもらっているが、利用人数が減っているのなら廃港にすればいいと思います(長田区・24歳女性)」
「自然エネルギー(風力、太陽光)の場所として使ってほしい(西区・69歳女性)」
「市民の30万人を無視してすすめた当初のずさんな計画の反省を(西区・71歳男性)」
●中間集計結果から
今回のアンケートでは、市民生活に直結する国の政策についても質問させていただき、年金の引き下げなどの社会保障の改悪などに対する意見が多く寄せられました。特に、生活の厳しい中で再び消費税を引き上げようとする、安倍政権の暴走を止めてほしいという意見が多く寄せられました。また、安保法制(戦争法)廃止のために、党派を超え協力して取り組んでほしいとの声をいただいています。
神戸市政の問題では、若い世代の人からは、教育費や保育料の負担軽減、子ども医療費の無料化、待機児童解消と中学校給食問題など子育て支援の充実。高齢者の人からは、年金・介護・医療費などの福祉の充実や、これからの暮らしへの不安を訴える声が多く寄せられています。
また神戸市政への批判に加え、「自民党神戸」議員団による政務活動費の不正流用問題に対する怒りの声が多く届いています。不正流用した旧「自民党神戸」の議員は全額を返還。神戸市議会は、関係者を詐欺罪等で刑事告発しました。アンケートでは「関係した議員は全員辞めるべき(西区・75歳男性)」「問題をきちんと説明してほしい(灘区・32歳女性)」など、不正に関わった議員が説明責任と政治責任を求める意見が多く寄せられています。
◇
また「アンケートの結果をぜひ市政に生かしてほしい(須磨区・40歳女性)」「日本共産党員の皆様の日々の活動は評価しますが、少数のためその声が政策に届かないのが残念な気がします。めげずに頑張ってください(須磨区・52歳女性)」など、私たち日本共産党議員団への叱咤激励もいただいています。
アンケートの最終結果については、冊子(「政調資料」)にまとめる予定にしており、そこでは、さらに多くの声を紹介するとともに、今後の神戸市政の改善に生かしていきたいと考えています。
自由意見欄には、道路や信号機の改善など身近な要望も寄せられています。必要なものは、市当局に対応を求めています。時間がかかるものなどは、地域の方と協力して運動も進めたいと考えています。議員も訪問させていただきます。ご協力いただきますよう、お願い申し上げます。
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日本共産党議員団は、こうした意見について議会の質問でも紹介しながら、皆さんの生活が少しでも良くなるように、全力で頑張る決意です。今後ともご協力いただきますよう、お願い申し上げます。