市議団の活動

  • 2019年12月27日
    申し入れ

    久元市長に申し入れ~被災者に寄りそった対応を~

     

     12月27日、日本共産党神戸市会議員団の森本真議員と朝倉えつ子議員、林まさひと議員が「災害援護資金対応にあたり被災者の生活実態に寄り添った柔軟な対応を求める緊急要望書」を神戸市に提出しました。

     神戸市は、保健福祉局生活福祉部くらし支援課が対応しました。

     要望書の内容は以下の通りです。


    神戸市長 久元喜造 様

     

    災害援護資金対応にあたり被災者の生活実態に寄り添った柔軟な対応を求める緊急要望書

                                                                   2019年12月27日

    日本共産党神戸市会議員団

    団長 森本 真

     阪神・淡路大震災から、来年17日には25年を迎えようとしています。この間、被災した市民はもとより、各自治体や議会・政党や、党派を超えた方々の粘り強い運動がみのり、返済が困難になっている災害援護資金の返済について、低所得者の返済免除を可能とする災害弔慰金法改正が、議員立法によって成立し、今年8月施行されました。この法改正によって、阪神・淡路大震災における少額返済者のうち、約9割のものぼる方が返済免除となる見込みですが、所得・資産要件をわずかでも上回る少額返済の被災者が残りました。

     市長はこれまで「少額償還者が据置期間の5年間を含め、20年もの長期にわたり継続して返済を続けてきているという生活実態を踏まえて、可能な限り、無資力者として取り扱ってほしい」(14年12月5日本会議答弁)との立場で国に求めてこられました。

     今回の法改正にあたっても「無資力免除の具体的な認定方法は、自治体の判断にゆだねてほしい」「行方不明者などは免除の対象とするよう求めてきたが、今回は対象にはなっていない」「今回の法律改正で免除できない債権は10億円残る」(19年5月30日市長会見)とされており、引き続き、被災者の生活実態を踏まえた対応が求められています。

     しかし神戸市は、丁寧な対応が求められる債権対応について「債権の免除及び回収を促進し、限られた期間で解決を図る」とし、債権回収と免除申請業務とを一体に東京の弁護士事務所に委託しました。これを受託した東京の弁護士事務所は12月、今回の法改正で免除対象になる被災者を含め約2000人に「受任通知書」を送達しました。「通知書」は、10人もの弁護士が連名によるもので、「あなたの未払い金の管理・回収業務を受任した」「支払先は、当事務所となったことを通知する」などと記載され、債券残高ともに支払先口座を指定しています。

     これまで資産調査のため少額返済が2年近く留保されていた被災者に対し、神戸市から何の対応がないもとで、突然弁護士からの通知がなされたことで、不安と混乱が生じ、当議員団や神戸市の窓口に相談が殺到しています。また弁護士事務所に電話した被災者に対し「神戸市がこれまで少額返済で対応してきたことは関係ない」「免除要件があたらないなら全額返済していただく」などと対応しています。また、同時に送られた償還免除制度についての文書も、年の瀬がせまった案内にもかかわらず、12月27日までに必要書類を添えて回答せよなどとしています。

     これらはいずれも、被災者生活再建支援法制定以前の未曾有の大震災であり、当時に同貸付金制度しかないもとで、生活再建支援金の役割という、やむを得ない借入であった独自の事情への勘案や、被災者の生活実態に寄り添った柔軟な対応とは、とても言えない対応です。

     

     市長におかれましては、残された債権対応にあたっては、借受人の生活を破壊することがないいよう丁寧な対応をおこなうとともに、少額返済者の全額免除を求めてきた立場を堅持し、以下の対応とることを早急に求めます。

     

    一、災害援護資金の免除申請及び残された債権の対応にあたって、借受人の生活を破壊する急激な返済強要とならないよう、少なくとも神戸市がこれまでとってきた少額返済と同程度の対応にとどめるなど、被災者の生活実態に寄り添った柔軟な対応をおこなうこと。

     

    一、被災借受人の生活実態に寄り添って、これまで少額返済として対応してきた神戸市の姿勢や借受人との関係などを継続させるために、債権回収等業務の弁護士事務所への委託を解除(又は再委託を停止)し、市保健福祉局による債権対応にもどすこと。

     

    一、震災当時に同貸付金制度しかないもとでやむを得ない借入であったことや、被災借受人の生活実態を考慮し、無資力免除の具体的な認定方法は自治体にゆだねるべきとする立場を堅持し、引き続き国に対して免除対象の拡大や柔軟な対応を求めること。

     

    以上

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