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トピックス

大企業・誘致企業支援偏重 大企業・誘致企業支援偏重(反対討論:金沢)

2015年11月08日

金沢はるみ議員が反対討論

10月26日に開かれた市議会本会議で、日本共産党議員団の金沢はるみ議員が14年度神戸市一般会計等の決算認定に反対する討論、林まさひと議員が請願採択を求める討論、森本真議員が「安全保障関連法の見直しを求める意見書」の提案説明を行いました。

金沢議員は、2014年度神戸市一般会計決算などを認定できない理由として、①市民生活を脅かし福祉を切り捨てる施策となっている②大企業支援・企業誘致偏重の経済政策となっている③市民に負担を強いる一方で、港湾・空港・医療産業都市構想など無駄な大規模投資を続けている④市民不在の市政運営となっていることの4点をあげました。

2014年度の一般会計決算では、黒字決算になっているにもかかわらず、神戸市は「行財政改革2020素案」で、今後さらなる行財政改革を進めようとしています。
その中で、学校の統廃合、墓園や斎場、高齢者施設・障がい者施設、更生施設、中央卸売市場本場・東部・西部の管理運営の業務、小学校の給食調理の民営化など、「施設のあり方」や「民間活力の導入」が計画されており、行政サ-ビスの後退・福祉の切り捨てが懸念されます。
借上住宅の入居者に対して神戸市が、執拗な移転強要を行っており、金沢議員は「兵庫県弁護士会からも指摘を受けており、震災復興施策の在り方からも大きな問題だ」と指摘しました。
消費税の増税に伴い値上げされた公共料金等も、厳しい市民生活にさらに拍車をかけるものとなっています。
マイナンバ-制度の導入については、専門家も100%安全な運用は無理と指摘し、副市長も危険性を認めているにもかかわらず、事務事業効率化の中心的手段として位置づけられています。今後、マイナンバー制度の開始により、個人情報の流出や悪用などに繋がる重大な危険性があります。
中学校給食の委託事業者の衛生管理基準違反問題では、東灘区・西区以外の区では全中学校で今年度中の給食実施が不可能となりました。安全・安心よりコスト優先の神戸市の姿勢が、今回のような事態をまねいたのです。金沢議員は「教育委員会は真摯に反省し、自校調理方式などを中心とした実施方式の変更を再検討するべきだ」と指摘しました。
9月に公表された「都心の将来ビジョン」「三宮周辺の再整備基本構想」は、国際競争力の強化、都市間競争にうちかつことを目的としています。市長は、企業誘致を進めることで、市民の雇用機会の拡大や税収の増加、地元中小企業への商取引の拡大などバラ色の絵を描いています。しかし、その中味は大企業・外資系企業の呼び込みを進め、「特定都市緊急再整備地域」の指定により、大企業が活動しやすい環境整備を整えるのみで中小企業・業者のことは全く考慮されていません。
金沢議員は「大企業が潤えば市民生活も中小企業も潤うとのトリクルダウン政策は幻想であることはもはや証明済みであり、市民や地元業者への支援に政策転換すべき」だとしました。
中小企業振興基本条例の制定や住宅リフォーム助成制度の創設を行い、市内中小業者に直接支援すべきと指摘。
市民に負担を強いる一方で、港湾・空港・医療産業都市構想など無駄な大規模投資を続けており、国際コンテナ戦略港湾は、これまでに約4000億円以上もの投資が行われています。
しかし、基幹航路は減少し取扱貨物の80%以上はアジア貨物です。
こういう状況の下で、さらに港を深くしていくことは中止すべきだと指摘。
神戸空港の運営権を売却しようとしていますが、関空・伊丹のコンセッションでは三空港一体という文言すらなく、経済界も神戸空港との一体の議論は拙速と言っており、神戸市のいうことは現実的ではなく、やめるべきだとしました。
市立幼稚園の閉園問題では、保護者だけでなく地域にも存続を求める声が広がり、署名は2万筆を超えていますが、神戸市は声を聴こうとしていません。
その上、2園の閉園が計画されている区では、激変緩和ということで1園だけ閉園を1年遅らせる妥協案を出しています。金沢議員は「何を根拠に1園を決めたのか理由があいまいであり、地域・保護者からは反発の声が広がっている。公立幼稚園が地域の中で果たしてきた役割を再認識して、閉園計画は撤回すべき」だと主張しました。
また、神戸市は様々な施策に対しパブリックコメントを実施していますが、市民の声を政策に反映させるという条例の目的は達成されず、「市民参画」といえるものになっていません。
三宮駅周辺の再整備に関して、久元喜造市長は中央区役所・三宮図書館・勤労会館・サンパルビルの移転を明言しました。金沢議員は「移転は、市民の声や市民の利便性向上をもとに検討されているのではない」と指摘。JRや阪急の駅ビルの建て替えに必要なタネ地創出のため、市民や地元事業者の説明や同意もないまま、市長のトップダウンで進めようとしていることは大きな問題だと批判しました。巨大な駅ビルができることによる周辺事業者への影響調査・波及調査なども行われておらず、このまま再開発を進めれば市内事業者は大きな打撃を受けることは必至だとしました。

自校方式含め検討を(総括質疑:西)

2015年11月01日

中学校給食への異物混入で
西ただす議員が総括質疑

 10月13日に開かれた神戸市議会決算特別委員会で日本共産党の西ただす議員が総括質疑に立ち、中学校給食への異物混入、行財政改革2020、三宮巨大開発、公立幼稚園閉園、神戸空港コンセッション問題を取り上げました。

神戸市は、給食を提供する調理業者として2社を選定し、昨年11月から中学校給食を33校でスタートさせました。しかし、この7月までに86件の異物混入があったとして、教育委員会は2社のうち1社との契約を停止しました。子どもたちに給食が届けられない事態になっています。日本共産党は、これまで2社だけで神戸市全体の給食に対応するような方式は危険だと繰返し指摘していました。しかし神戸市は、仮に問題が発生しても給食は供給できるという姿勢を崩しませんでした。西議員は「市民からは怒りと心配の声が数多く教育委員会、学校に寄せられている」と指摘。教育委員会は2社だけでの対応は無理だったこと、調理業者を指導しきれていなかったこと認め、自校方式も含めてより安全な方法を検討するよう求めました。
行財政局の審査で局長は、これまでの行財政改革の結果として「4年連続の黒字を確保し、財政健全化指数において20政令市の中で、中の上といえる財政の健全性を確保することができた」としています。しかし、実際に行革で行われたことは、敬老パスの有料化、重度障害者福祉年金の廃止、保育所の民営化、借上住宅からの追い出し、市営住宅の減免基準の改悪など、市民サービスの切捨てや負担増です。他方で、神戸市が誘致する外資系企業、大企業には家賃補助や固定資産税の減免などをすすめようとしています。西議員は「行財政改革2020では、さらに公立幼稚園、公立保育園の廃止、小中学校の統廃合などを推し進め、市民サービスをさらに低下させようとしている」と批判。市民には、サービス低下を押し付け、誘致企業への支援策ばかりに力を入れる行財政改革の姿勢は間違っているとただしました。
三宮の開発計画について市長は「市全体への波及効果が大きく、神戸市が安定して成長していくために不可欠なプロジェクトである」としています。総事業費は官民あわせ数千億円ともいわれ、期間も30年という長期にわたります。過去に三宮では影響調査もせずにミント神戸を建設したことで、その地域の商店、業者の衰退がすすんでいます。西議員は「住宅都市局の審査で局長が、三宮の開発計画で経済的な波及効果は検証していない」と答えていることを指摘。「そのような中で、JRや阪急の巨大ビルが建設されれば、既存の中小業者がさらに追いつめられる」として、まずは市の職員が直接足を運び地域の商店、業者の調査をすすめるべきだとただしました。
神戸市は児童数に対して幼稚園の数が多くなりすぎているとして、9つの公立幼稚園を閉園させるという方針を出しました。これに対して、2万筆にせまる反対署名が集められたことで教育委員会は「同一区の中で2園の閉園が計画されている場合、1園だけ閉園を1年延期させる」という妥協案をだしました。しかし、保護者からは「2つの園がいがみ合うだけで、私たちの望む幼稚園の存続を認めない姿勢」と厳しい意見が出ています。西議員は「延期する園としない園を決めた判断基準がわからない」「9つの公立幼稚園を閉園する必要はない」と閉園中止を求めました。
神戸市は関西3空港の一体運営を早期実現するとして、神戸空港の運営権を売却するコンセッションを推し進めてきました。西議員は「いま進められている関西空港と伊丹空港のコンセッションの実施方針に、神戸空港を含む3空港の一体運営とする明確な記述はなく、神戸空港は念頭にない」と指摘。実施方針に対する企業からの質問と回答に対しても「関西空港と伊丹空港にとってマイナスになることはしない」ともあり、このまま神戸空港のコンセッションをすすめるのは危険として、コンセッションをやめるよう求めました。

答弁:質問に対し久元喜造市長らは「(学校給食の異物混入)中学校給食の実施方式は在り方検討会、教育委員会でも議論しデリバリー方式を採用した」「事業者の衛生管理問題と神戸市の業者指導に問題があった」「中学校給食に対する信頼が揺らいでいる。保護者や生徒に大変迷惑をかけたことを心よりお詫びする」「問題点と今後の対応は検証委員会を立上げ、その中で検討する」「供給業者数の妥当性については、検証委員会などで検証しなければ分からない」「(行財政改革2020)阪神大震災の危機的状況から20年間の行財政改革2015を行った結果、財政状況を回復することができた」「景気の先行きが不透明で人口減少など市税などへの影響が考えられ、予断は許されない」「神戸の魅力と活力をさらに高める施策が展開できるように聖域なき行財政改革は今後も必要」「(三宮巨大開発)市民の意見を聞きながら再整備の基本構想をまとめた」「構想の具体化によって、都心・三宮に多くの人や企業が集まり活力が生まれ、市民の雇用機会の拡大や税収の増加など神戸経済の成長をもたらす」「基本構想なので波及効果などは試算していない」「JR西日本と阪急のビルの建替えは、これから協議するなかで神戸市の意見を述べていく」「周辺の商業などの業務機能に好ましい影響がもたらせるようにすすめられることを期待したい」「(公立幼稚園閉園)十分な期間をもって案を示した」「私立幼稚園の受け入れがスムーズにいくように1年の経過措置を取った」「私立幼稚園と一緒になって、神戸の幼児教育の充実を図る」「(神戸空港)関西3空港の一体運営は国、地方自治体、経済界が一体となって開かれた関西3空港懇談会で、一元管理することが取りまとめられた」「関西空港と伊丹空港の2空港でコンセッションはすすめられているが、このコンセッションが終わりしだいに、速やかに3空港の一体に向けて着実にすすめたい」などと答えました。

消防力の整備を(消防局:松本)

2015年11月01日

消防局審査で松本議員

 神戸市議会決算特別委員会の消防局審査が10月7日におこなわれ、日本共産党の松本のり子議員が質問に立ち、消防力の整備指針、ケアライン119、消防団の定数拡大問題などを取り上げました。
神戸市の消防力の整備指針をみると、消防署所、消防ポンプ自動車、救急自動車が未達成となっています。救急自動車は市の基準33隊に対して32隊。来年、灘区に1隊配置されることで、充足率は100%になります。しかし、高齢化がすすむなか、救急車で病院に運ばれる人の57%が65歳以上となっています。松本議員は、今後の超高齢化社会に備えて市の基準の33隊を見直し、増やす方向で検討するよう求めました。消防署所が不足している地域として、松本議員は、特に人口が増加している西神南地域で増やすように求めました。
緊急通報システム・ケアライン119ペンダント型専用端末の配布は、平成07年度に廃止になり、固定電話での緊急通報システムに切り替えられました。しかし、ひとり暮らしの高齢者が家で倒れて身動きがとれず、固定電話までいけないことがあり、長時間してから近所の人やヘルパーに見つけられ救急車で病院へという事例が毎年多くなっています。松本議員は「今の固定電話式の緊急通報システムでは、こういう時に役に立たない。倒れたときにすぐに対応ができる方法で他局とも連携して対応する必要がある」として、身に着けるペンダント型ケアライン119の復活を求めました。
近年、集中豪雨による崖崩れや、河川の氾濫などが全国で大きな災害が多発しています。神戸においても台風、集中豪雨による土砂災害などの災害が市内各地でおこっています。今年8月の台風11号では避難勧告発令状況が各地に出ました。広範な地域に出されたものの対応する消防団員の数は限られています。神戸市の条例では消防団の定数は4000人となっています。松本議員は「この定数は昭和61年に改定されたもので、改定から長い歳月がたち、地域の状況は変わっている」と指摘。消防団の人員数など条例を含めて内容を見直するよう求めました。
昨年、火災予防条例が改正され、特に重大な消防用設備などが未設置の違反建物は、ホームページで公表されるようになりました。松本議員は、公表されても未設置のまま営業を続けるようなことがないよう、違反については厳しく対応するよう求めました。
一般住宅などを改修して、デイサービスや宿泊サービス、5人以下の無認可保育所などをおこなっている事業所があります。このような事業所に対しても必要な防火指導をおこなうよう求めました。

答弁:質問に対して岡田勇消防局長らは「東日本大震災を受け、大規模災害にも対応できるように消防力基準の改正がおこなわれた」「国の指針を受け、神戸市も配置基準を見直す」「多聞に新しい署所をつくったので垂水北部、西神南への駆けつけ時間は緩和されている」「(ペンダント型ケアライン119)ペンダント型は個数に制限があり、全員にあたらないという問題があった」「一般電話機の技術革新でワンタッチボタンを押すことによって、ペンダント型と同様の効果が得られるため切り替えた」「今後も固定電話式で続ける」「(消防団)平成18年度に消防団長を構成員とする神戸市消防団新体制検討委員会で団員数などを検討した」「大規模な災害などが発生したときには、区域外の消防団からも応援出動するなど、柔軟な体制をとることになっている」「定数については消防署所の整備状況、街の形態、人口の定着状況、社会情勢など地域防災力を総合的に考え、必要に応じて見直しをしていく」「(防火対象物違反)消防局のホームページで13対象の違反を公表した」「違反のうち6対象は是正され、残り7対象についても関係者に対して必要性を説明し是正に向けてすすんでいる」「ホームページの閲覧数も増えており、違反対象施設の是正への対応時間が早くなっている」「警告に対して是正されない場合は、法的拘束力のある措置命令を発動する」「(一般住宅でのデイサービス)消防では、いろいろな対象物に査察に行っている。車両で地域を回っているときに新しい施設などを把握するように努めている」などと答えました。

災害危険箇所の総点検を(建設局:山本)

2015年11月01日

建設局審査で山本議員

 神戸市議会決算特別委員会の建設局審査が10月6日におこなわれ、日本共産党の山本じゅんじ議員が質問にたちました。
昨年から今年にかけても台風や集中豪雨などに起因する大規模な災害が続いています。神戸市でも災害復旧や防災・減災の対応がもとめられています。なかでも、擁壁やがけの崩落など、民有地被害は所有者の経済的事情からなかなか復旧が進まない状況も生じています。
山本議員は「擁壁やがけの復旧や、2次災害を防止するために、横浜市などのように民有地に対しても独自の支援策を講じるべき」「民有地を含め災害危険個所の総点検をすべき」と求めました。
神戸市は須磨多聞線に来年度以降、本格的に着工しようとしていますが、住民合意にはまったくなっていません。山本議員は「住民不在の道路建設は中止すべき」と求めました。

答弁:末長清冬建設局長らは「(民有地被害や防災)助成制度は他都市の事例を調査し、20都市が運用しているのは承知している」「心情的には経済的余裕がないのは理解しているが、私有財産に公的資金を現時点で導入する必然的理由がない」「(須磨多聞線)道路建設に反対する人がいて、自治会も反対しているのは承知しているが、機会を通じて説明しなくてはいけないと思っている」「交通混雑の緩和や、多くの地権者の協力で買収を終えているので、早期に整備を進めたい」などと答えました。

水道料金は引下げで議論を(水道局:金沢)

2015年10月25日

水道局審査で金沢議員

神戸市議会決算特別委員会の水道局審査が10月5日に開かれ、日本共産党の金沢はるみ議員が質問に立ちました。
現在、神戸市の上下水道審議会とその専門分科会で水道料金の見直しも含め、次期水道ビジョン(2020年度までの計画)が検討されています。そこでは、基本水量の見直しで少量利用者へ配慮するとともに、水道施設の固定費を基本料金へ負担させることが議論されています。
金沢議員は「専門部会のなかで、神戸市は京都市と松江市の例を出して検討しているが、いずれの自治体も料金値上げで市民負担が増えている」として、市民の暮らしが一層厳しくなっている状況を踏まえ、水道料金は引き下げる方向で議論すべきと求めました。
金沢議員は、千刈ダムの治水活用と、ダムの上の斜面が崩落し閉鎖されている太陽と緑の道の復旧について、兵庫県や地元と協議をすすめ早急に行うよう求めました。

答弁:質問に対し見通孝水道局長らは「(水道料金)固定費の回収は、従量料金(使用料に見合って加算される額)でおこなっているが、この収入が減っている。政府が示したビジョンで、固定費を基本料金の中でまかなうことが打ち出されている。京都の例で説明したが、十分議論して決定したわけではない」「(千刈ダムの治水活用)建設費と維持管理費、放水ゲートの操作は、兵庫県が負担するとの回答を得たが、水質上の問題がクリアされていないので引き続き県に求めていきたい」「(太陽と緑の道)地元との約束で設置したものだが、通行止めのあと専門家による調査をしたが、安全性を確約できない。落石のある区間の代替ルートの検討を地権者を交えてすすめている」などと答弁しました。

中央区役所などの移転計画中止を(市民参画局:大かわら)

2015年10月25日

市民参画局審査で大かわら議員

 

神戸市議会決算特別委員会の市民参画局審査が10月2日に開かれ、日本共産党の大かわら鈴子議員が質問に立ちました。
9月に三宮周辺地区の「再整備基本構想」が示され、中長距離のバスターミナルの整備に神戸市として取り組むことが明らかにされています。集約されるバスターミナルの適地として三宮勤労会館やサンパル、中央区役所などが上がっていますが、この施設は年間60万人以上の人が利用しており、多大な影響が予測されます。大かわら議員は「議会にも市民にも全く内容が示されていない。サンパルの入居者の方にも聞いたが、知らされていない。営業が継続できなくなれば、暮らしにかかわる大問題だ」「JRや阪急の駅ビルの建て替えの種地をどうつくるかから出発している。市民サービスの低下にもつながり、本末転倒だ」と追及、移転計画の中止を求めました。
子どもの貧困は年々深刻化しており、社会的な問題となっています。特にひとり親家庭の貧困率は高く、中でも母子家庭の置かれている状況は厳しくなっており、早急な対策が求められています。大かわら議員は「ある女性からの相談で子どもが言うことを聞かないとき感情の抑えが利かなくなり、子どもに手をだしてしまう。自分も子どもの頃に虐待を受けていた。このままではダメなのは分かっているが、どこに相談すればいいのか分からない」など、深刻な実態を紹介。各区役所に相談窓口を設けるとともに、実態を把握して情報を統合し、必要な支援を行っていくという仕組みを作るよう求めました。

答弁:質問に対し岸田泰幸市民参画推進局長らは「(三宮再整備)まちや経済を活性化するうえで不可欠」「(子どもの貧困)区役所のこども福祉係が所管しており、自立支援員が相談の窓口となっている。具体的にどう活用し、充実させていくかは全庁の動きも踏まえながら進めていく」などと答えました。

借上住宅入居者の継続入居を(住宅都市局:味口)

2015年10月25日

住宅都市局審査で味口議員

神戸市議会決算特別委員会の住宅都市局審査が10月2日に開かれ、日本共産党の味口としゆき議員が質問に立ち、借上住宅問題、三宮周辺の再整備基本構想問題などを取り上げました。
9月15日の本会議で市長は、借上住宅問題にたいする兵庫県弁護士会の意見について「法律解釈において我々と異なるところがあった」と答え「国土交通省などの見解を踏まえ、しっかりとした法律解釈に基づいて行政を執行しているつもりである」などと答えています。神戸市は、借上住宅からの退去について、事前通知に問題があったとしても、6カ月前に退去を求めることができる、という法解釈です。しかし、国土交通省の見解は、20年前に事前通知していなくても6カ月前の通知で明け渡し請求はできるとしているものの、それが適法なのかどうかの判断はしていません。味口議員は「どんな文献にも、事前通知は明け渡し請求を担保するもので、居住の安定、入居者の安定を担保するために事前通知しなければならないと書かれている。このまま神戸市が明け渡し請求をすすめれば、司法が合理性がないと判断した場合にいろいろな問題が発生する」と指摘。「明確な事前通知が行われていて初めて6カ月前に明け渡し請求ができるという、当り前のところに神戸市が立たないと、西宮市と同じことになる」として、検討するよう強く求めました。
三宮周辺地区の「再整備基本構想」のなかでは、三宮周辺の再整備は神戸全体の街や経済を活性化し国際競争力を高めるうえで不可欠としています。三宮の再開発がすすめば神戸全体が良くなるとの考えです。具体的には外資系企業の呼び込み、企業誘致のための優遇措置、都心での家賃補助と税制優遇制度の導入としています。大型工場の海外移転や撤退が相次ぎ、県内のGDPは3年連続でマイナス成長が続いています。味口議員は、三宮一極集中の開発に対して市民や中小業者から様々な懸念の声が出ていると指摘。市長は「企業誘致をすすめなければ、もっと落ち込んだと言うが、別の道を模索するべきだ」と求めました。

答弁:質問に対し長谷川担当局長らは「借上住宅以外の一般の公営住宅の方には期限が切られておらず住み続けることができ、入居者から見ても明らかに同じとはいえないので、法解釈の違いがあるのではないかという答えを市長はした」「市担当者として弁護士会を訪問した際、弁護士会として法的な解釈を述べているのではなく、一般の入居者から見たら、同じように感じているという意味で書かれたということを確認している」「借上住宅居住者に公営住宅に移ってもらう場合は、いろいろな優遇措置をしている」「保護規定が借上住宅居住者にはあるからこそ、入居期限が切られ住み替えてもらう必要がある」「事前通知に記載もれがあったことは真摯に受けとめ、入居者とは話し合いを続けていきたい」「(三宮整備)IT関連の産業などの成長型の産業をできるだけ誘致していく」「既存の中小企業にもうまくリンクするように考えている」「神戸の全国的な地位を高めることで、企業に立地してもらい、沢山の人に仕事をしてもらうことで市全体の所得アップにつながる」などと答えました。

委託先の労働条件改善を(交通局:朝倉)

2015年10月18日

交通局審査で朝倉議員

神戸市議会決算特別委員会の交通局審査が10月1日におこなわれ、日本共産党の朝倉えつ子議員が、市営バス及び地下鉄事業などをとりあげました。
全国的に、鉄道駅にホームドアの設置が進み、公営鉄道では駅の四割に設置されています。神戸市営地下鉄は、2017年度に山手線三宮駅に設置する計画です。しかし、それ以外の駅については車両更新の時期に合わせて設置を検討するとしています。また、車両更新と合わせ、西神・山手路線のワンマン化も検討しています。
朝倉議員は「安全確保のため転落防止のホームドアを設置する一方、ホームの安全確認のための人員を削減することは本末転倒であり、ワンマン化はやめるべき」と求めました。
神戸市は、交通事業の財政改善を目的に、市営バスの運転手や鉄道駅掌の業務を民間委託しています。このため、低賃金や過密シフトの押し付けなどが横行し、離職する人が後を絶たないのが現状です。
朝倉議員はそのなかで、市バスの松原営業所を受託している阪急バスの労働環境を取り上げました。国の改善基準告示では、運転と運転の間の休息時間は8時間以上必要とされています。さらに、休息時間の半分を運転手の居住地で休息できるようにすることを求めています。朝倉議員は、実際の松原営業所で働く運転手のシフトを例示し、通勤時間が1時間かかるなどの事情から、帰宅すると就寝時間がとれないことから、営業所の休憩室での休憩を余儀なくされている実態を告発。市として改善を求めるとともに、元凶になっている低い委託費を引上げ、労働者の賃金と待遇改善を行うことを求めました。

答弁:質問に対し佐藤一郎交通局長らは「公営で、地下鉄にホームドアを設置していないのは神戸市だけであり、設置は必要と考えている。車両の停止精度を高めないと全駅で実施できないことから、車両更新と合わせて他の駅についても前向きに設置を検討したい。財政的にきびしいことから、ワンマン化も当然検討している」「(委託先のバス運転手や駅掌の待遇)受託した企業の経営判断でやっており、安全・安定性は市としてチェックしている」「問題があれば対応する所管は労働基準監督署だが、基準告示をクリアしているという認識と聞いている」などと答えました。

個人情報漏えいは防げない「マイナンバー」の矛盾を指摘(反対討論:味口)

2015年09月24日

味口としゆき議員が反対討論

9月24日に開かれた神戸市議会本会議で日本共産党議員団の味口としゆき議員が反対討論に立ちました。
味口議員は反対理由として①マイナンバー制度導入は個人情報流出など、個人情報の防護に問題がある②六甲有料道路の無料化が神戸市の都合で、14年間も料金徴収期限が延長される③借上住宅入居者の実態を見ない「追い出し」を条例化しようとしていることなどを上げました。

マイナンバー制度導入は中止を

マイナンバーについて味口議員は、副市長も「(個人情報については)100%完全に防護しきれないことは認識している」と答弁せざるえなかったとして「公的機関・国のセキュリティだから安心だ、とはとても言えないのが現実」だと批判。いったん情報漏えいなどの問題が起これば、これまでの個人情報流出事件と比較にならない甚大な影響が出ると指摘。国に対して導入中止を求めるよう強く訴えました。

六甲有料道路は無料化を

次いで六甲有料道路は通勤、暮らしに欠かせない生活道路としての役割を果たしている路線であり、2017年には無料になる予定だったことを指摘。事実上の生活道路となっている現状にたって、市民の願いである無料化を目指すべきだとしました。

借上住宅の入居者追い出しは中止を

市住条例改正案について味口議員は、市がすすめる「完全予約制」に申し込めない借上住宅入居者の「追い出し」を条例化しようとするものだと批判。8月に行われたパブリックコメントでも、その全てが継続入居を望む声となっており、市の「追い出し」方針に同意できない市民が多数いることを指摘。「追い出し」方針に同意せざるを得なかった人たちも、市当局の執拗な働きかけによって、泣く泣く転居せざる得なかったのが実態であると指摘。久元市長が「大半の入居者には神戸市の立場を理解してもらっており、ごく少数の方が理解してもらえてない」などと実態を顧みず、事実を歪曲する答弁をしたことを批判。さらに市長は、兵庫県弁護士会からの意見書に対しても「法解釈の違い」と答弁しています。味口議員は、県弁護士会が意見書で示したのは「復興施策」のあり方であり、「法解釈の違い」などで済まそうとする市長の答弁は、被災者の苦しみ、事情を知らない答弁だと厳しく批判しました。この議案は撤回し希望者全員の継続入居を市は決断するよう強く求めました。

小規模業者の実態調査を

2015年07月02日

住宅リフォーム助成実施求める

 林議員は、中小企業支援策、学童保育、西神中央出張所の機能拡充、ニュータウン対策などを取り上げました。

神戸市の中小企業支援対策はこれまで、ベンチャー企業などへの支援が中心で進められています。林議員は、昨年6月20日に成立した小規模企業振興基本法が、小規模企業への支援にも焦点を当てたものになっていると指摘。今年度までとなっている神戸市中小企業活性化プログラムにかわる新しい5カ年計画は、この小規模基本法をいかした内容にするよう求めました。

中小企業支援策の二つ目として、住宅・店舗リフォーム助成制度創設を求めました。  住宅リフォーム助成制度は、採用した自治体で経済効果が大きいことがわかっています。林議員は「住民に喜ばれ、地元業者に喜ばれ、自治体の財政力も増やすという『三方よし』で、地域循環型のすぐれた制度だ」として、神戸市でも実施するよう求めました。

高津橋小校区に児童館新設を

西区の高津橋小学校から、学童保育を実施している玉津児童館まで直線距離で約1.2キロ。帰宅時には路線バスを利用する児童もあります。児童が通る「はせたに線」は交通量も多く、交通事故も多発しています。

林議員はこうした状況を示し、高津橋小学校近くに児童館を新設するよう求めました。

西神中央でワンストップに

西神中央出張所は、この間、住民の強い要望に押され、部分的に機能は拡充されてきました。

しかし、出張所だけで間にあわない業務も残されています。林議員は、ワンストップで対応できるよう拡充を求めました。

テナント料引き下げを

神戸市が開発したニュータウンの改善が各地で問題になっています。西区春日台地域も、地下鉄西神中央駅から離れているため、買い物をするところはかすがプラザしかありません。ところが、空き店舗が増加しています。喫茶店、パン屋、書店なども閉店しています。閉店の原因の一つにテナント料が高いことが指摘されています。林議員は、神戸市が開発、外郭団体が運営していることからもテナント料引き下げなどを検討すべきだとただしました。

▲答弁とその後の質疑から▲

質問に対し久元市長らは「(小規模事業者)2020ビジョンで持続的に検討するが、中小企業支援を念頭に進めたい」「(学童保育)高津橋小学校には、民設の学童保育も含め2カ所ある。今後、ニーズや児童数、施設状況を踏まえて検討するが、児童館の新設は考えていない」「(西神中央)順次拡充してきている。区役所、出張所、連絡所を合わせて検討しており、この中で議論していく」「(経済波及効果があることは認めるが)バリアフリーで対応している。住宅リフォーム助成制度の創設は考えていない」「(近隣センター)OM神戸が新規テナントの負担軽減なども導入している」等と答えました。

◇  小規模事業所対策について林議員は、市場商店街で頑張っているところだけでなく、個別店舗で頑張っているところなどへの対策も必要だとして、悉皆調査の実施を求めました。

久元市長は「個別店舗、小売り、オーナーひとりで頑張っているところなどの実態把握は必要な課題で、どう接触するか問題意識を持って進めたい」等と答えました。

学童保育で林議員は、今後も人口増が予想されることなどからも建設すべきだと求めました。

また、住宅リフォームについて、神戸市が導入しているバリアフリー対応については、利用が少ないことをあげ、明石市や三木市では大きな経済効果を発揮しているとして神戸市でも実施に踏み切るべきだと求めました。