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トピックス

外郭団体の整理等で市民負担600億超(議案質疑:金沢)

2014年06月17日

神戸ワイン貸付金の権利放棄を 金沢議員追及

 6月17日に開かれた神戸市議会定例本会議で日本共産党の金沢はるみ議員が、神戸ワイン株式会社への貸付金等34億円の権利を放棄するという議案について久元喜造市長らの姿勢をただしました。

株式会社神戸ワインは、フルーツフラワーパークが開園するまでは黒字経営でした。しかし、平成5年にフルーツフラワーパークが開園してからは赤字に転落。その後も累積赤字が膨らんでいきました。神戸市は、経営を支援するため平成12年度から、25億円の短期貸し付けを開始。出資金も2年間で12億円増資しています。さらに、平成14年度にはホテル棟などを79億円で買い取り、貸付金も33億円に増やしました。

神戸市からこのような手厚い支援をうけたにもかかわらず、その後も赤字は膨らみつづけ、平成25年度の累積赤字は47億6千万円にも膨らんでいます。昨年、ようやくフルーツフラワーパーク活性化検討委員会で検討され、今後の方向性が示されましたが、日本共産党議員団が指摘してきたように、もっと早い段階で改善策を取ることは可能でした。

この間、神戸市は次々と外郭団体にたいして債権放棄などを実施。海上アクセス、住宅供給公社、神戸マリンホテルズ、神戸航空交通ターミナルなど、主なものだけでも市民負担は合計574億円にも上っています。金沢議員はこうした経緯とともに「神戸ワインも同じようなやり方ですすめている」として、今回のような事態に陥った原因をどう考えているのかただしました。

答弁:質問に対し岡口憲義副市長は「事業費、収支計画が過大なものだった。阪神・淡路大震災、リーマンショックなどの影響もある。早期に抜本措置を講じるためには、財政問題など神戸市に難しい面があった」などとするとともに、貸付や施設の買い取りなどをしてきた経過説明に終始しました。

◇  金沢議員は「赤字の根本を改善しないまま先送りした結果だ」と指摘。フルーツフラワーパークの施設を神戸市が買い取った時、共産党議員団が「経営難に陥った原因や責任を明確にすべきと指摘していたが、そのとき、フルーツフラワーパークのあり方を議論し、農業振興にシフトしていたならば、これだけの債権放棄は必要なかった」と対応を批判しました。バブル期に立派なホテルを立てた結果、破たんしているとして「だれも責任を取らないというのでは市民の理解は得られない」と厳しく批判。久元市長に対し、今回の分も含め、外郭団体の負債で600億円以上が市民負担となる点を指摘し「前市長の負債とはいえ、市民の納得が得られると思うのか」と、市長の姿勢をただしました。

答弁:久元市長は「市役所の中でも検討を行った。フルーツフラワーパークは農業振興で大きな役割を果たしてきた。新しい観点から再生をする。ホテルは民間に売却したので、固定資産税でも返ってくる。農業面、観光面でも幅広く市民に還元する」などと答えました。

金沢議員は最後に「今の施設の状況では、岡口副市長が言うような夢は描けない。地元の農業振興に資するようにすべきだ。観光重視の方向にいくような運営でいいのか疑問がある。債権放棄は認められない」と厳しく指摘しました。

 

企業誘致偏重の経済政策等を批判(予算反対討論:金沢)

2014年03月27日

 予算案の討論に立った金沢はるみ議員は、予算案に反対する理由として①大企業支援、企業誘致偏重の経済政策となっている②「市民が安心してくらせる」予算となっていない③無駄な大規模投資が続いている④市民不在の市政を継続している、という4点をあげました。

神戸市予算案では、企業誘致を進めるため、神戸エンタ-プライズゾ-ン条例を改正し、対象企業にたいしては固定資産税・都市計画税を90%も軽減し、設備投資に対して上限5億円助成するなど、いたれりつくせりの優遇措置を行うこととなっています。

一方、神戸経済を長年支えてきた中小企業・業者や商店街等への支援は少なすぎます。今回の予算案では、これまで中小企業・業者に対して行われていた信用保証料の補助を引き下げ、融資枠も縮小される方向です。その上、4月から予定されている消費税増税は、神戸の中小企業・業者に多大な悪影響を及ぼすことは明らかです。金沢議員は、中小企業振興条例をつくり、地元の中小企業・業者への直接支援を実施し、一緒になって振興策を考えることが求められている、と指摘しました。

神戸市は、災害公営借上住宅入居者に転居を強要しています。金沢議員は「住みなれたところで暮らしたい」という、当たり前の入居者の思いすらかなえられない冷たいやり方は許せないと批判。消費税増税により、市バス・地下鉄・有料道路・水道料金などの値上げが提案されており、市民のくらしを一層厳しくすることになると指摘。

保育所待機児童について神戸市は、小規模保育や認定こども園などを活用して解消するとしています。金沢議員は、子どもたちの良好な保育環境を保障するためには、公立保育所や民間保育所など認可園をつくって解消すべきとしました。

反対の第3の理由としては、無駄な大規模投資が続いていることをあげました。神戸空港事業には31億円、医療産業都市の推進に51億円、国際コンテナ戦略港湾関連に109億円もの予算が計上されるなど、これらの事業は聖域として多額の予算がつぎ込まれています。

また、三宮巨大開発については、新神戸からハーバーランドまでの広大な地域を新年度内に将来ビジョンを策定するため、官民共同で検討していくとされていますが、一極集中になるとの懸念の声が上がっており、見直すことを求めました。

市民不在の市政として、総合交通体系の整備が位置付けられながら、今回のバス路線の再編で、高齢者や障がい者の負担が増えるのは明らかで、地域からは「バス路線の廃止・短絡はあまりに唐突で困る」という声が上がっています。金沢議員は、市民への説明もほとんど行われておらず、一方的な押し付けとなっている、と厳しく批判しました。

また、資源ごみ持ち去り禁止条例(「廃棄物の適正処理、再利用及び環境美化に関する条例の一部を改正する条例」)については、市民に罰金刑を科す条例となっています。金沢議員は、自治会、婦人会、ボランティア団体なども罰則の対象にするなど、もってのほかだと批判。

また、中学校給食についても、全員喫食ができるのか、食育はどうするのか、給食費の前納制で食べられない生徒を生み出すのではないかなど、様々な問題は解決できていないとしました。

暮らし、営業守る予算に(予算組み換え案提案説明:赤田)

2014年03月27日

 3月27日に開かれた市議会本会議で日本共産党議員団の赤田かつのり議員が、議員団が提案した「平成26年度神戸市一般会計予算」等の編成替えを求める動議の提案説明を行いました。

赤田議員は、4月からの消費税大増税、社会保障制度、労働法制の大改悪などで、市民のくらしにいっそう厳しさが増すとして「かつてない悪政から、市民の暮らしと福祉を守る役割が神戸市には求められてくる」と、組み替え案を提案した理由を述べました。

提案内容について赤田議員は、①子育て、教育などの福祉施策の充実を図る②すべての市民が安心して暮らせる施策に転換する③中小企業・業者の営業と雇用を守る経済政策に転換する、という3点を示しました。

具体的な内容について、こどもの医療費の中学卒業までの無料化、保育所待機児は公立も含めた認可保育所の増設による解消、特別支援学校の整備計画策定、中学校給食は計画的に自校方式の実施、未婚一人親世帯へのみなし控除の適用などをあげました。

すべての市民が安心して暮らせる施策への転換では、借上住宅について、入居者の追い出しを中止し、希望者全員の継続入居の保障、敬老パスの無料化、福祉パスの生活保護世帯への適用復活、国民健康保険料の被保険者一人当たり1万円引き下げ、市民意見を反映した公共交通のあり方を検討調査することなどを提案しました。

経済政策について、中小企業・業者への直接支援と正規雇用を増やすための予算の増額、中小企業・業者への直接支援で、地域循環型の経済政策の推進、中小企業振興基本条例制定、市内すべての企業を対象にした悉皆調査の実施、商店街・小売市場振興策については、個々の店舗も含めた直接支援などを提案。公契約条例の制定、ブラック企業対策について独自に企業調査を実施することも提起しました。

最後に赤田議員は財源対策についても提起。むだな大型事業、不要不急の事業について見直すことで財源を捻出したとしました。具体的には、医療産業都市や神戸空港、三宮の巨大再開発である「神戸未来都市創造プロジェクト」、大手進出企業に対する固定資産税や都市計画税等の大幅軽減の中止、大水深バースの建設中止。神戸空港、新長田再開発の見直しや、第11次クリーンセンター整備も削減しています。なお、財源不足分について、新都市整備事業会計から繰り入れ、市民の暮らし応援に充当します。

消防職員 指針の9割(消防局:赤田)

2014年03月10日

神戸市議会予算特別委員会の消防局審査が3月10日に行われ、赤田かつのり議員が消防力の整備指針、ケアライン119、自主防災促進地域の解消、コミュニティ安全マップの改訂について、音楽隊きらめきコンサートなどについて質問しました。

平成25年度の救急出動件数は約78000件(1日あたり約214件)で、前年度と比べると2216件増加しており、過去最高となっています。その中で消防職員の充足率は90%程度にとどまっており、国の定める基準よりも146人不足しています。赤田議員は、「阪神・淡路大震災の時にも人手が足らなかった。市民の命を守り、まちの被害を最小限に食い止めるためにも一層充実した態勢が必要だ。整備指針の基準を早期に達成するため、予算の増額を求めるべきだ」と迫りました。

ケアライン119は、社会的自立が困難な高齢者、障がい者には大切なものとなっています。しかし制度そのものを知らなかったり、固定電話を所有していないと設置できない、利用する場合も近隣協力者の確保が必要など、利用しにくい制度になっています。赤田議員は、地域住民や自治会などに理解と協力を得るため、周知徹底を強めるよう求めました。また、固定電話を所有していない人が増えていることを指摘し、設置の助成制度を設けたり、ペンダント型端末の募集を再開するよう要求しました。

赤田議員はその他に、消防車が入りにくい「自主防災促進地域」として残っている7ヵ所について、その地域の課題を明らかにし、計画的に解消していくよう求めました。

答弁:質問に対し嶋秀穂消防局長らは「(消防力について)地域の道路事情や街区等の整備状況を見極めながら、最適なポンプ車、あるいは救急車の配置に努めていきたい」「(ケアライン119)民生委員に協力いただいたり、広報にも努めているが、今後は防災福祉コミュニティで行う要援護者支援にかかる地域の会合や、訓練の際に制度を紹介して、より多くの近隣協力者の確保に努めたい」「(ペンダント型の復活)設置するまでに非常に時間がかかる。近隣の見守り制度がある」などと答えました。

中学卒業まで医療費は無料に(一般質問)

2013年12月10日

市長の公約 直ちに実施すべきと要求

味口としゆき議員が一般質問

味口議員は、子どもの医療費助成の拡充、ブラック企業対策、借上公営住宅問題、崖崩れの早期復旧策などを取り上げました。

子どもの医療費については市長選挙でも大きな争点になりました。久元市長は「子どもの医療費はゼロにすることをお約束します」と公約。

味口議員は、子育て世代・市民の願いでもあり、他の自治体での広がり、市長自らが公約したという点からも「ただちに子どもの医療費を中学卒業まで無料にすることが求められる」と、市長の見解をただしました。

真剣にブラック企業対策を 従来答弁の修正求める

ブラック企業対策についても久元市長は、選挙中「現実にブラック企業が存在し、苦しんでいる若者がたくさんいる。…個々の企業がブラック企業かどうか関係なく、不正義が存在しているということに、市長は見過ごさない姿勢が当然である」などと発言していました。

ところが、12月3日の産業港湾委員会で産業振興局は、従来と同じ国任せの答弁に終始しています。味口議員はこうした経過を示し「市長の発言とも矛盾している」と指摘、見解をただしました。

直接、入居者の声を聞くべき 借上住宅転居だけの方針転換を

借上住宅問題について味口議員は、本会議で久元市長が「この問題については非常に長い経緯を勘案しながら決断された」などと答弁したことに関連し、子どもの医療費なども議会でたびたび論議されてきたと指摘。まず当事者の声を聞いてから決断すべきではないかとただしました。

ある女性入居者が「個別相談会」や「戸別訪問」で、市職員から「退去」を迫られるなかで「やっぱり追い出されるんですか?考えると眠れません」などと窮状を訴えていることをあげ、市の対策はすべて住み替えを迫るものだと批判。市の方針に従って転居した人からも「市にすすめられたが、そんな安易な問題ではなかった」との声が出ています。

味口議員はこうした事例をあげ「市長は変えるべきことは変える、と言ってきた。借上住宅の問題だけを聖域にせず、入居者の生の声を聞き、決断すべきだ」と、市長の見解をただしました。

早急に応急対策工事を 崖崩れ現場放置を批判

最後に味口議員は、台風18号による集中豪雨で、灘区で発生したがけ崩れ問題を取り上げました。何の対策もとられていないことから、住民からは不安の声があがっています。杣谷川周辺で、川の法面には神戸市の土地も含まれています。ところが神戸市は、緊急対策もとらずブルーシートがかけられただけで放置されています。味口議員は、安全面からも早急に応急対策工事を実施すべきだと、対応を求めました。

▲答弁とその後の質疑から▲

「段階的、速やかにやりたい」 子ども医療費26年度予算でも検討

質問に対し久元市長らは「(子どもの医療費)段階的かつ速やかに実施と考えている。26年度にどこまで手をつけるかは、予算編成過程で検討する」「(ブラック企業対策)各企業が労働基準関係法を遵守するのは当然。長時間労働、ハラスメントなどが社会問題になっている。市として、困っている若者に対して、就職の時の知識、困ったときにどこに相談すればいいかなど、国と連携しながら情報提供できるようにしたい」「(借上住宅)20年を持って返還する。十分に事情を把握して、これまでの議論もふまえて決められたと認識している。変更は考えていない」「(崖崩れ対策)民家の庭が崩れた。基本的には個人でということになる。緊急対策工事については相談にのる」などと答えました。

子どもの医療費について味口議員は、市長が公約で「子どもの医療費を速やかにゼロにしていく」としていると指摘。速やかな実施を求めました。市長は「気持ちはできるだけ早くやりたいと思っているが、財源が必要だ。任期中には必ず実現したい。財源の見通しを立てながらしていく」などと答えました。

「若い人の労働環境は厳しい」

ブラック企業対策について味口議員はこれまでの当局答弁を引きながら、具体的な対応策を求めました。市長は「若い人の労働環境は大変厳しいものがある。悩んでいる若者の実態がたくさんある」「市民相談など解決方法もある。厚生労働省も取り組んでいる。神戸市も広報するとか対応する」などと答えました。

味口議員は、神戸市が誘致した企業などについて調査するよう求めるとともに、区役所や市役所に誰でも相談できる窓口を設置することなどを求めました。

借上住宅被災者追い出し方針に固執

借上住宅問題について味口議員は、住み替えありきの神戸市の方針は懇談会で示されたと指摘。しかし、この懇談会には入居者は入っていません。味口議員は「市長自身が足を運び、入居者らの今の切実な思いを聞く必要がある」として、重ねて被災者追い出し方針の変更を求めました。市長は「すでに結論が出されている問題だ。個々の入居者にはきちんと対応していくというのが最も誠実な対応だ」などと、あくまで被災者を追い出すという姿勢に固執しました。

指定管理者制度 福祉、教育関連施設は直営に(議案質疑)

2013年11月29日

非正規や低賃金職員増

森本真議員が議案質疑

神戸市定例市議会本会議が11月29日に開かれ、日本共産党議員団を代表して森本真議員が議案質疑に立ち、指定管理者制度、小規模保育事業、市バス・地下鉄料金への消費税転嫁、民間借上住宅戸別返還事業について、久元喜造市長らの見解をただしました。

今議会には、指定管理者の管理者選定に関する議案が49件も提案されています。指定管理者制度は、03年9月に公の施設の管理運営について「民間団体の努力や創意工夫を通じて、自治体の財政負担の軽減やサービス向上をはかる」という口実で実施されました。しかし、制度導入後、指定管理者の撤退によるサービスの停止、極端なコスト縮減等によるサービスの低下、適切な人材の確保が困難になるなど、十分なサービス提供ができなくなり、直営に戻すケースも全国で出ています。久元市長は、総務省時代にこの制度の発足を担当していました。

森本議員は、価格競争を助長し非正規雇用や低賃金化を招き、数年で事業者が交代するなど、制度そのものに問題があると指摘。福祉や教育、子育てにかかわる施設については直営に戻すことを要求、労働法制の遵守が強調されていることに関連して、市としてどのようにチェックしているのか、とただしました。

子どもに最良の保育環境の保障を

一般会計補正予算案で提案されている小規模保育事業など「保育所待機児童解消策」について同議員は「これまですすめてきた保育ママ制度に0歳児や人数を少し増やしてすすめようとするもので、園庭がないなど、子どもたちに最良の保育環境を保障するという点では問題がある」と指摘。市民が願っているのは、神戸市が率先して、公立保育所を建設することと併せて社会福祉法人による認可保育園を、ニーズに見合う形で整備していくことだと、見解をただしました。

バス、地下鉄への消費税転嫁中止を

神戸市は、消費税が8%に増税されることにあわせて、バス、地下鉄運賃に消費税を転嫁するとしています。ところが、バスは200円を210円に値上げする一方、定期料金は据え置くとしています。さらに、地下鉄は、10円単位で引き上げる区間と据え置く区間など、取扱がバラバラ。利用者や市民に混乱をもたらすことにもつながる内容です。市バスや地下鉄料金は、89年に消費税が導入された時や97年に増税された時には、「消費税増税」による運賃値上げは実施されていません。

同議員は「消費税増税そのものが市民や神戸経済に与える影響は非常に大きい」として、税率が上がったことを理由にバスや地下鉄の運賃に転嫁すること自体、拙速だと批判、値上げの撤回を求めました。

直接、借上住宅入居者らの声を聞くべき

民間借上住宅について神戸市は、「入居者を退去させた部屋」を戸別に返還するとしています。借上市営住宅は3800戸。その約40%にあたる1500戸の民間借上住宅のうち、空き部屋になっている部屋を、神戸市が家賃補助を打ち切るかわりに、オーナーに一定期間、家賃補助をおこなうとしています。

森本議員は、建設から20年ということを理由に、被災者・高齢者などに転居を迫るという神戸市のやり方を批判。圧倒的多数の民間オーナーや入居者の思いは、制度継続と入居継続だと指摘。新市長として、民間オーナーや入居者に直接会って、今の状況や思いについて意見を聞く機会を持つべきだと求めました。

▲答弁とその後の質疑から▲

市長「指定期間1年」見直し言及

質問に対し久元市長は、指定管理者制度について、総務省時代に担当課長として立案に係わったとして「指定管理者を導入するかしないか、自治体にゆだねる制度となっている。児童施設、児童支援施設、施設の特性や利用者の環境から望ましいと判断した施設については直営でしている」「労働法令の遵守については、労働関係法令の遵守を義務づけている。苦情や通報、何らかの違法がある場合は審議して指導を行うなどしている」などと答えました。

答弁に対して森本議員は、指定管理者制度導入で非正規労働者が増えたこと、さらに指定期間が1年しかない施設が多いことを指摘。これらの施設で働く人たちが、常に不安を抱きながら働いている現状をあげ、是正すべきだと求めました。

久元市長は「(1年単位の指定について)施設の本来のあり方から考えると安定的な運営をしていくべきだと思う」と見直す考えを示しました。

公的責任明確にして待機児解消を

小規模保育事業について久元市長は「職員の配置基準は認可保育所並みだ。待機児童解消に向け、将来、変動する保育ニーズなども考え、様々な手法を活用して全力で取り組む」などと答えました。

森本議員は、同事業への株式会社の参入も考えられるとして、企業の参入には歯止めをかけるべきだとただしました。

久元市長らは「認可保育所の整備が基本としながら、小規模保育事業なども積極的に活用して、待機児童の解消にあたっていきたい。時代、時代に応じて変化する」などと答えました。

神戸市は、今回の小規模保育事業について、待機児童数が337人という数字に基づいてすすめようとしています。しかし、11月1日時点で認可保育所に入れない児童は2700人にも上っています。その中には、劣悪な無認可施設に入っている児童もいます。森本議員はこうした点を指摘し、保育に対する公的責任を明確にして、市立保育所を民営化などで減らすのではなく、公立保育所や社会福祉法人の保育園をつくるということを明言すべきだ」と迫りました。

久元市長は「実施主体については自治体だけでなく、社会福祉法人、株式会社も認められている。様々な事業、手法が多様化している。いろんな手法をつかいながら待機児童を解消するのが重要だ」などと答えました。

料金値上げは市民生活に悪影響

バス、地下鉄料金について河井正和交通局長は「消費税は、消費一般に負担を求める税金」「消費税法の趣旨や国の方針に従い、転嫁させていただきたい」などと答えました。

森本議員は、神戸市が「10円刻みで転嫁する」としている点について、関東などではICカードを使う場合、端数も考えられていると指摘。「民間は、神戸市の動向を見ているとのことだ。神戸市があげると民間も値上げする。市民に大きな負担となる」として、値上げしないよう求めました。

市長「入居者追い出し」に固執

民間借上住宅について、鳥居聡都市計画総局長は「20年たったら必ず返還やと言われているオーナーもいる。入居者にも市の考え方を説明して、直接、職員が生の声を聞いている」などと答えました。

森本議員は、これまでの質疑で矢田市長らも「大震災からの復興の問題で残っているふたつの問題のうちの一つだとしている」と指摘。久元市長が「未来に夢を持って」としていることをあげ「借上住宅入居者や民間オーナーは夢を持てる状況ではない。被災者の皆さん、オーナーも困っている。被災者のためにと協力したのに返済が残っている中で打ち切られることへの不安がある。新しく市長になられたので、直接会って話を聞くべきだ」と迫りました。

しかし、久元市長は「長い経緯で決断された。市会での議論もふまえて決めたものだ。方針は揺るがない」などと、入居者追い出しという姿勢に固執する態度を変えませんでした。

森本議員は「矢田市長も一度も入居者とは会っていない。久元市長が決断すればできる。この問題は東日本にも通じる。百聞は一見にしかずだ」として、入居者らから直接話を聞くよう、強く求めました。

雑居ビルの安全対策を(消防局)

2013年09月24日

消防局審査で山本議員要求

神戸市議会決算特別委員会の消防局審査が9月24日に開かれ、日本共産党の山本じゅんじ議員が、雑居ビルの安全対策、消防力の整備、消防庁舎の耐震性向上問題などをを取り上げました。

雑居ビルの火災等による死亡事故が全国的に発生していますが、神戸でも三宮や元町を中心に、多数の雑居ビルがあります。これらの多くは老朽化しており、防災対策上、様々な問題を抱えています。

山本議員は、飲食店など不特定多数の人が利用するビルなどの緊急避難対策などの必要性を強調。毎年の査察で「不備」と指摘される件数は6000件あまりにものぼっていることなどを指摘し、査察や指導の強化を求めました。

日本共産党議員団は、消防力の拡充について一貫して要求し続けています。消防力整備指針に対する充足率は、救急車は97%と改善されていますが、ポンプ車は89.5%、人員は91%にとどまっています。山本議員は、人員を増やすことでポンプ車への5人乗車が可能になることなどを指摘、災害時や救急需要の増に対応するためにも、増員を図るべきだと求めました。

質問に対し、嶋秀穂消防局長らは「(雑居ビル対策)テナントの入れ替わりが頻繁で、継続的に指導することが難しい。オーナーも近隣に住んでいないことが多いなど、指導上の問題がある」「(消防力)指針の数値を元に、地域自らが決定しすすめていくことになっている。今年10月から旧市街地にも対応できるポンプ隊1隊を配置する」「市全体で職員削減に取り組んでいるなから、(消防職員は)増員してもらっている」などと答えました。

神戸市 2012年度会計決算― 福祉削減、市民サービス切り捨てで黒字実現

2013年09月03日

外郭団体の経営悪化で442億円もの負担

神戸市2012年度会計決算等を審査する議会が9月3日から開かれています。9日、10日には各会派の代表質疑が行われます。日本共産党議員団から、松本のり子、大かわら鈴子議員が質問に立ち、「12年間の矢田市政」が福祉や市民サービスを削減し続けながら、空港や医療産業都市構想など大型開発に多額の財源をつぎ込んできたことなどを指摘し、市民にあたたかい市政への転換などを求めます。

決算の概要を見ると、一般会計は19億円の黒字となっています。矢田市政12年間で福祉や市民サービスの削減、職員を減らし非正規雇用を増やしてきたことなどで黒字にしているということです。

「さらなる行革推進断行」と

税収は個人市民税が、税制改正(年少扶養控除の廃止)の影響などで31億円の増となっていますが、この影響を除けばマイナスとなっています。固定資産税、都市計画税の評価替えが行われたため、それぞれ3億円、11億円のマイナスとなっています。市債発行総額は176億円も増加しています。これは、住宅供給公社の民事再生手続きにともなう損失補償などで183億円も発行したことが原因です。この183億円は、確実に市民負担に跳ね返ります。

黒字になったといいながら、今後の見通しとして「海外景気の下ぶれリスクや電気料金値上げが市民生活や地元企業に与える影響」などが不透明で、生産人口も減少するため、「(市税収入の)大幅な回復は見込めない」「(消費税増税効果についても)自治体への配分が不明」で、「引き続き厳しい財政状況が予想されるので『神戸市行財政改革2015』を断行する」として、さらなる福祉・市民サービス削減などをすすめるとしています。

「生保増で財政難」はまやかし

歳出では義務的経費が、生活保護や障害者自立支援給付費の増などで前年度よりも7億円増加しています。大きく増えているのが物件費。新神戸トンネルの移管で205億円、住宅供給公社の民事再生で183億円、舞子ビラ事業の見直しで101億円も増えたことが原因です。神戸市は、生活保護が増えることなどが、財政が苦しくなる原因のようにも言いますが、生活保護費で神戸市負担とされている分も、交付税措置されているため、生保が増えることで地方財政が圧迫されることはありません。

空港会計は赤字続き

空港特別会計は、着陸料は収入の31%にとどまっています。実質、赤字経営が続いています。新都市整備事業会計からの繰り入れや県からの補助、一般会計からの繰り入れなどでつじつまを合わせているのが実態です。国保会計への一般会計繰入額は132億円にとどまっています。高すぎる国保料を引き下げるには、もちろん国の負担金を増やすことが必要ですが、同時に市の一般会計からの繰り入れを増やすことが欠かせません。

まさに自転車操業 新都市整備事業会計

企業会計では、港湾事業会計が156億円の赤字となっています。その原因は、海上アクセスやCATへの貸付金などを棒引きしたことに伴い、158億円もの特別損失を計上したことが原因です。本来は、返済されるはずのものです。港湾事業会計の経営悪化につながります。ところが、「海上アクセスはこれからも営業を続ける」というのが神戸市の態度。そうなれば、これからも赤字がふくらむのは確実で、新たな市民負担につながる危険性はきわめて大きいといえます。

空港島や複合産業団地などを建設した新都市整備事業会計は、15億円の黒字となっています。11年度から造成地の管理運営費用や支払利息に充当する経費として「その他営業収益」が繰入金として計上されています。これを除けば赤字となっています。医療産業都市構想で「医療関連産業が集積している」とされるポートアイランド2期の土地の売却率は28%にとどまっています。複合産業団地の土地の売却率は31%です。空港建設費も含めた借金返済は01年度以降は借り換えでしのいでいます。今後も、13年度の514億円はじめ、毎年度、多額の返済が続きます。まさに自転車操業に陥っています。

要求前進させる市政に―市民要求実現する会が交流集会

2013年08月23日

「神戸市民要求を実現する会」は8月23日、神戸市勤労会館大ホールで「要求実現市民大集会」を開催。350人が参加しました。医師の武村義人氏が主催者を代表して開会挨拶した後、前狛江市長の矢野裕氏が記念講演を行いました。

矢野氏は、1996年に狛江市で日本共産党員である自身を市長とする「市民派市政」が誕生した背景として、党市委員会が2000年までに市政革新をと①大きな党づくり②市民とのつながり強化③与党を担える市議団づくり、の三つの意思統一をしてとりくんだと説明。特に③について、小田急線の立体交差、狛江駅北口整備、リサイクルセンター建設などで「住民自身が決めよう」とアンケートなどに取り組み、「なんでも反対の共産党」というレッテルをはがし、建設的に解決したことを紹介しました。

こうしたとりくみの中で「住みよい狛江をつくる」という一致点で共同を推進。「反共は、市民ぐるみの狛江づくりを、共産党が好きか嫌いかで分断するもの」と、保守層も含めた多数派形成を追求したことを強調しました。また、矢野市政では、小泉構造改革に対して、国の悪政が根源にあることを市民に知らせ、自立した魅力ある都市として存続するたたかいとして「行革」を位置づけ、市民と職員の協力で成功させたこと、政策の正しさだけではなく、その背景に市民の運動があることを重視したことなどを紹介しました。

神戸市政については、これまでの市民の運動・努力の積み重ねが生きてくる時代であり、ぬきなさんを中心に共同を広げ、あたたかい神戸市政の実現をと励ましました。

講演の後、北村隆事務局長が、これまでの運動の経過を報告。「市民要求を抜本的に前進させるために市長を替え、市政を変える大きなチャンスをいかそう」と提起。神戸の中学校給食を実現する会は各区の会代表らがそれぞれの横断幕やポスターを掲げて勢揃いし、「未来を担う子どもたちにふさわしい中学校給食を」とアピール。パパママアピールプロジェクトは、子ども医療費助成の拡充を訴えるとりくみを紹介。年金者組合神戸市協議会からは高すぎる国保料、介護保険料などに苦しむ高齢者の怒りの声を紹介しました。

また、現矢田市長の後継・久元喜造元副市長が総務省官僚時代につくった指定管理者制度が公共事業の民間委託を推進し、公共事業での労働条件を著しくて低下させていますが、その神戸市での実態を建交労全国環境部会の役員が報告しました。

この集会には、「市民にあたたかい神戸市政をつくる会」の、ぬきなゆうな共同代表が参加し、連帯挨拶であたたかい市政をめざす決意を表明し、大きな拍手に包まれました。  同集会には、日本共産党議員団も参加しました。

 

2013年度予算議会を終えて

2013年04月01日

神戸市の2013年度予算案が3月28日、民主、公明、自民、みんなの党などの賛成多数で可決しました。日本共産党議員団は、13年連続となる「予算の組み替え動議」を提出、ムダ遣いを削り、市民の暮らしを守るための提案を行いましたが、他の会派の反対で否決されました。

成立した新年度の神戸市予算の特徴は、神戸空港、神戸クラスター(医療産業都市)など、従来の無駄遣いを継続しながら、福祉パス制度の改悪など市民サービス削減、市立保育所の民営化、市バス路線の民間移譲など公的責任を後退させる「官から民」路線の拡大などが盛り込まれています。同時に、市民の運動の成果も反映した部分もあります。中学校給食実施への調査費、小中学校と市立高校普通教室への空調設備の設置もすすめられます。

日本共産党議員団は、本会議、予算特別委員会で、市長提案の予算案が、ムダ遣いの継続、市民サービスの低下につながる内容であることを批判、市民要求の実現を目指して論戦しました。同時に、12年度補正予算も含めて、生活密着型の公共事業予算が組まれたことについて、市内の中小零細業者に直接発注する手立てをとるよう求めました。

議会論戦では、福祉パス制度からの生活保護受給者を排除する問題、借り上げ公営住宅入居者追い出し問題、中学校給食、中小企業の経営安定と仕事確保のために公契約条例の制定を求めました。また、赤字続き、借金返済も進まない神戸空港の在り方を追及。空港の借金返済のために一般会計から新都市整備事業会計に資金が投入されている実態も明らかにしました。中小企業の仕事づくりでは、生活関連事業を各建設事務所などで直接発注する小規模事業もふくめて、市内業者への発注を増やす方向で対応することも示されました。

借上げ住宅では、入居者や市民の声に押され「神戸市営住宅についての神戸市の考え方」を発表。これまでの退去一辺倒の姿勢に根拠がなかったことが明らかになりました。しかし、この方針では、重度障害者や介護の必要な人だけが残されることになり、一層矛盾が拡大することにもつながります。中学校給食についても神戸市は、市民の運動に押され中学校給食の実施を表明しました。しかし、全員喫食を基本としながら、弁当持参も認めるなど極めてあいまいな表現となっています。実施方式も検討会の方針では、「センター方式」「デリバリー(食缶)方式」「デリバリー(弁当箱)方式」が併記されています。どの方式を採用するかについては、熟議、つまり時間をかけて議論をと要請されていたにもかかわらず、教育委員会は早々に、デリバリー(ランチボックス)方式との結論を出しています。まさに、教育委員会が「結論ありき」で進めてきたことを示しています。急速に広がった中学校給食を求める市民の声をさらに広げ、全員喫食、自校方式での実施を求める声をより大きくしていきましょう。

議員団は、予算議会終了後、借上げ問題と中学校給食について当局に是正を求める申し入れを行いました。  なお、今年から、神戸市議会は2会期制となり、今議会は6月26日までとなっています。その間、常任委員会等は開かれます。請願、陳情等の扱いについては議員団までお問い合わせください。