議会報告
-
3月14日に神戸市予算特別委員会がひらかれ、日本共産党神戸市会議員団を代表して朝倉えつ子議員が総括質疑をおこないました。
質疑項目
1.王子公園再整備について
2.行財政改革に伴う職員削減について
3.学校施設の統廃合について
神戸市が昨年公表した王子公園の再整備計画について、久元市長は本会議で「去年1月に記者会見を開き、詳しくこの再整備について説明をしている。選挙の公約にも、一番最初に掲げている」などと述べ「これを実現させるのは私の責務」と、あくまでも大学誘致の方針は変えない姿勢を示しました。しかしパブリックコメントでは5632件もの意見が寄せられ、その大半が不安や疑問の声でした。朝倉議員は「これだけ多くの市民が異論の声をあげているのだから大学誘致は白紙撤回するべきだ」と厳しく追及しました。答弁ダイジェスト
朝倉議員:関西学院大学で「王子キャンパス構想特別検討委員会」が正式にできたと聞いた。市民には丁寧に説明すると言いながら、公募も始まっていないのに、すでに大学と話し合いを進めているのか。これが本当なら出来レースだ。
今西副市長:個人的に関心があるとの報道があったが、基本的には公募で決定する。
朝倉議員:動物に全く関心がないからと、市長の独断で動物園の縮小や大学誘致を決めるのは、市民を欺いているのと同じだ。
久元市長:動物園に立ち寄った時に、目的が再整備であったということで、動物に関心がないということは事実に反する。
朝倉議員:多くの皆さんが「施設をなくさないで」「なぜ大学誘致なのか」と声をあげているのに、強行すれば市民理解は得られない。大学誘致は白紙撤回するべきだ。
SDGs ジェンダー平等 掲げるなら
男女の格差と女性の貧困うみだす官製ワーキングプアの是正を神戸市は、2020年4月から会計年度任用職員の雇用を始め、現在5880人となっています。市は「多様な働き方、ニーズに合わせて働いていただく」「期末手当など、一定の改善をしている」としていますが、2197人以上の方は、週30時間以上、フルタイムと同じように働いています。また、市の募集要項を見ると、週5日で30時間勤務の事務職の年収は約180万円とあり、正規職員の3分の1ほどです。朝倉議員は「コロナ禍で市民を支援する職員が、こんな低賃金ではだめだ。公務労働の現場から非正規のワーキングプアをうみだすのはやめるべき」と質しました。
答弁ダイジェスト
今西副市長:適切に給与改善等もおこなっている。
朝倉議員:今保育の現場では、フルタイムの職員が見つからず欠員も出ている。処遇を少し改善しても見つからないのが実態だ。(会計年度職員の)女性職員の比率は、教育委員会64.8%、こども家庭局では98.2%が女性となっている。安上がりの不安定な会計年度職員の多くが女性に頼っているではないか。
今西副市長:それぞれの希望に応じた働き方を選択していただく過程で、正規職員に結び付けていくことも必要だ。できるだけ正規を希望される方が就職できる対応をおこなっていきたい。
朝倉議員:「到底暮らしていけない」「先が見通せない」という声が大半だ。市役所が大量のワーキングプアを作り出し、そのしわ寄せを女性に押しつけている。これでどうやって、持続可能な神戸をつくるのか。
小原副市長:今後神戸の人口流出を抑え、人々を引き付けていく街にしていくためにも女性が活躍できる施策を取り入れながら魅力的な行政サービスに努めたい。
朝倉議員:人口減少社会に歯止めをかけていくためにも、やはり安定・安心の雇用が必要だ。労働法制の改悪により、非正規雇用の人が増え、格差と貧困が広がった。その結果、神戸でも成長が止まっているのが実態だ。この是正なしに、持続的な神戸の発展などありえない。正規職員があたりまえの職場にすべきだ。
新しい学校ができるのにプールも給食室もないの?!
「経費がかかるから」という理由で大事な学校施設なくすな神戸市は、港島学園の建て替えに伴い、中学校のプールと小学校の給食室を廃止しようとしています。長谷川教育委員会事務局長は「多額の経費がかかる」と理由を述べましたが、お金がかかるからという理由だけで廃止を決めてしまうのは、本末転倒です。老朽化による校舎の建て替えを計画する垂水小学校と春日野小学校についても給食室を廃止する計画です。朝倉議員は、新しくする学校に対して教育に必要なプールや給食室を無くすべきではないと質しました。
答弁ダイジェスト
長田教育長:プールはポートアイランドスポーツセンターの利用を予定している。給食室は市内に2か所の共同調理場の能力に一定の余力が生じている状況で、適切な給食の提供方法の検討をおこなっている。
朝倉議員:昨年12月の委員会で、垂水小学校の建替えについての与党議員の質問で、初めて小学校給食提供方式の変更を検討していると言われた。しかし、その後の委員会でも何ら報告などされないまま、本会議場で「具体的には港島学園、垂水小学校、春日野小学校で給食提供方法の変更を検討している」と答弁した。あまりにも唐突だ。(垂水小学校は)保護者宛にプリントが1枚配布されただけと聞いている。まったく説明にもなっていない。
長田教育長:特に問い合わせはなかったので、保護者の皆さんには概ね理解いただいていると思っている。
朝倉議員:長谷川局長は、「お金がないからできない」と言った。子どもたちの環境を良くしていくための予算だから市長の判断ですべきだ。
久元市長:教育委員会から必要な予算を要求していただき計上しているつもりだ。
朝倉議員:コスト削減を優先するあまり、市民や保護者の合意、説明もないまま、子どもたちの教育に必要な施設まで廃止させ、さらなる民間任せを進めようとするやり方は認められない。