議会報告

  • 2019年10月31日
    その他

    学校教育の立て直しを―教員間いじめ暴行問題

     東須磨小学校の教員間いじめ暴力問題について、日本共産党神戸市議団は緊急の対応策実施や学校と教育の立て直しへ、市議会で全力を挙げています。

     党市議団は須磨区選出の山本じゅんじ市議を先頭に同校の保護者から直接、悲痛な思いや要望をていねいに聞き取るなど独自調査を重ねててきました。
     
     10月11日の市議会本会議場で総括質疑に立った大かわら鈴子市議は、同校と市教育委員会による3日の保護者説明会で、「真実を知りたい」という保護者の切実な声に対し市教委の担当者が「詳しいことを知りたければ情報開示請求を」と言い放って詳しく伝えなかったことを明らかにし、「垂水いじめ自死事案(注)の教訓を全く踏まえていない」と厳しく批判。「何よりも子どもたちと保護者に寄り添い、丁寧な説明と徹底した真相解明を」と求めました。長田淳教育長はこれまでの対応の間違いを認め「16日の説明会では丁寧に説明させていただく」と回答しました。

    心のケアを―何よりも子ども達と保護者に寄りそった対応を
      17日と21日の文教こども委員会では、朝倉えつ子市議と同校に通っていた味口としゆき市議が問題を掘り下げました。
     朝倉市議は現校長から報告があったにもかかわらず、市教委が校長任せにしてきた問題を告発しました。
     味口市議は「今回のいじめ、暴力、人権侵害は絶対に許されない」とした上で、かつて加害教員が担任だった児童が布団の中で泣いていたことなど深刻な影響を紹介。「拭えないくらいの傷を子どもたちは抱えている」「いま何よりも大切なことは、児童と保護者の心のケア、被害教員の二次被害防止だ」と訴えました。市教委は「十分やっていきたい」と答弁しました。
     また、加害教員の1人が教科書を忘れた3人の児童の足を踏んだり、椅子を引いて児童が転んで頭を打ったなど同校で体罰があったことを提示。前校長が被害教員からの聞き取りの際、前校長「お前、○(加害教員)のこと好きなんやな」、被害教員「はい」、前校長「じゃあお前はいじめられてないんやな」-というやりとりがあったことも明らかにしました。
     子どもの人権が尊重されない環境が教員の人権侵害も一体に生み出していることを指摘し「人権感覚の問題にメスを入れないと、この問題は絶対に直らない」と強調しました。

    教訓活かせ―子どもの「命・権利・利益」を守る、子どもの権利条約の理念を

     さらに垂水いじめ自死事案の教訓に、神戸の教育再生の手がかりがあると指摘。4月発表の神戸市いじめ問題再調査委員会調査報告書の「教師がSOSを出せる『チーム学校』のために」の章で、子どもの「命、権利、利益」を守るという理念や目的の共有が必要で、それは子どもの権利条約を教育現場に活かすことだ- と述べていることを紹介。今回の問題で「娘の死が無駄にならないためにも、今後の学校運営に提言を活かしてもらいたい」と述べた遺族のコメントを読み上げ、教訓を全面的に活かすよう求めました。
     長田教育長は「子どもの権利条約を教育現場に活かすことが大事だということも十分念頭に置いて、今後の対策に活かしたい」と答えました。

    息の長い支援を―教育、医学、心理学など専門家の力をかりた学校再生を

     また、前々校長が、大阪のように「これからは子どもが教師を選ぶ時代だ」「そのために、クラスも学校も競い合わせねばならない」と競争教育を激化させることを当然視した発言を行うとともに、保護者に対しても暴言を述べていたことも明らかになりました。子どもの人権を尊重しない管理主義教育の歪みも指摘されています。
     10月29日の市議会本会議で一般質問に立った今井まさこ市議は、何よりも子どもと保護者に寄りそい、保護者や児童が何を求めているかを聞くとともに、東須磨小学校の再生のために1年生の児童が卒業するまでや、中学校に進学した生徒もふくめ息の長い支援を求めました。今後の調査では、教育、医学、心理などの専門家の力の結集が必要です。

     日本共産党はなぜ教師間のいじめや暴行、人権侵害が異常な形で横行したのか、徹底した真相解明へ全力をあげています。

    【注】神戸市垂水区の市立中学校で、中3の女子生徒がいじめのため2016年10月に自死に追い込まれた事件。市教委幹部が、いじめを証言した生徒らの聞き取りメモを隠蔽(いんぺい)するよう前校長に指示していました。

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