商店街が継続できるよう神戸市はJRへ働きかけを(建設局:山本)
2016年03月27日
商店街が継続できるよう神戸市はJRへ働きかけを
建設局審査で山本議員
質疑項目
1.東遊園地の芝生化について
2.元町高架道商店街存続について
3.須磨多聞線について
4.宅地防災助成の創設について
3月7日に神戸市議会予算特別委員会が開かれ、日本共産党の山本じゅんじ議員が、建設局の予算について質疑しました。
JR西日本が神戸駅から元町駅までの高架の補修や耐震化などを理由に、高架下にある元町高架通商店街の店舗の立ち退きをすすめています。商店街の土地の所有者はJR西日本ですが、浜側の店舗については、神戸市建設局が借主として、商店街振興組合に転貸するなど、JR、神戸市、振興組合の3者契約となっています。
山本議員は、現在3者契約となっている理由は、神戸市がこの場所で営業を続けられるように配慮してきた歴史の結果だとして、山側店舗もふくめ商店街として継続できるようJRに働きかけるよう求めました。
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答弁:油井洋明道路部長らは「いろいろな方に親しまれ、現に商業をされているので、実際に工事後の再入居についてJR西日本において調整されるものと思っている。産業振興局と連携してJR西日本に丁寧に対応するよう強く要望しているし、今後もしていきたい」と答弁しました。
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神戸市は、須磨多聞線の建設を進めようとしていますが、地元の理解が進んでいるとは言えない状況です。その原因は、道路公害調停委員会の調停案を神戸市が受け入れを拒否して、調停を一方的にうちきるなどのかたくなな神戸市の姿勢に問題があります。
山本議員は「建設ありきのかたくなな姿勢はあらためるべき」「住民合意のない建設計画はやめるべき」と求めました。
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答弁:油井部長らは「住民理解が得らえるよう説明会やワークショップをおこなっている。しかし渋滞緩和や沿道環境の改善にとって道路建設が必要というのは変わらない」などと答弁しました。
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このほか、山本議員は、利用者の意見を聞かない東遊園地の芝生化の見直し、宅地の傾斜地改修への助成制度を求めました。
中小企業振興条例制定を(産業振興局:林)
2016年03月27日
中小企業振興条例制定を
産業振興局審査で林議員
質疑項目
1.中小企業の支援
2.中小企業の振興基本条例
3.商店街対策について
3月4日に神戸市議会予算特別委員会が開かれ、日本共産党の林まさひと議員が、産業振興局の予算について質疑しました。
中小零細企業の経営状況は、消費税増税による税負担と消費の冷え込み、輸入原材料の高騰などで依然として厳しいものがあります。この10年間を見ても神戸市内の製造業、建設業の事業所数、従業者数が2割から3割も減っています。商業分野の卸売・小売業、飲食・サービス業でも2割近く減っています。
林議員は「職員で地区担当を決め、商店街対策・支援に取組んでいるが、まだ十分な成果はみえない」「卸・小売業と飲食・サービス業の事業所数は、市内全事業所の44%を占め、まちの賑わいをつくり、地域経済に無くてはならない産業分野」「地域経済を支えているのは中小業者」として製造業、建設業、小売りや飲食・サービス業など、全ての業種の中小業者をもっと支援するよう求めました。
神戸市はこれまで「中小企業活性化プログラム」があるから「中小企業振興基本条例」はいらないとしてきました。2020ビジョンで幅広い支援策を展開するといわれたが、起業・創業支援の強化、ITの活用や航空・宇宙分野の産業化などの内容です。今年度予算のなかに「活性化プログラム」は見当たりません。
林議員は「日々がんばっている中小業者の皆さんにとどく内容になっていない」「資金が市内で循環するような経済対策が必要」としました。兵庫県でも「中小企業の振興に関する条例」が全会一致で採択されています。中小企業を応援するため、神戸も振興条例制定が必要だと求めました。
阪神電鉄は、阪神元町駅にある元町有楽名店街(約30店舗)に対し、賃貸契約を解除するので退去するよう迫っています。
またJR西日本が今年になって元町高架通商店街(通称モトコー)に対し、立ち退きを迫っています。1番街から7番街まで約300店もの商店がつながる歴史ある商店街です。これらは商店街に降りかかった重大な問題です。
林議員は「元町高架通商店街と元町有楽名店街は、古くから神戸市民に親しまれた商店街」「元町高架通商店街はJRと神戸市と商店組合が3者契約を結んでおり、当事者としてJRに対し、地元商店街を守る立場に立ち、営業を続けたいという業者の人たちに寄りそって乗りだすべきだ」と求めました。
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答弁:山本猛産業振興局長らは、「(中小企業支援)成長分野、新分野への参入促進や設備投資、資金調達、販路開拓、技術職強化など多様なニーズに対応している支援策を展開している」「小規模事業者でも利用しやすい仕組みになっている」「商店街や小売市場は公共的な役割を果していると認識しており適切な支援をしている」「(振興基本条例) 中小企業活性化策は、経済情勢の変化にあわせ、毎年度の予算編成で常に見直ししている」「幅広い中小企業振興施策を盛り込んでいる」「神戸市では『中小企業振興基本条例』は考えていない」「(商店街対策)補助制度の活用方法、地域活性化事業で夏祭り、公式ホームページ作成費の一部支援などのできる限りの支援をしている」「両者の契約関係に関する内容なので協議が円滑にすすむように必要に応じて対応したい」「モトコーについては、JR西日本が各店舗と借地契約をしている」「JR西日本からは、高架が老朽化しており安全性からも補修が必要と聞いている」「JR西日本には契約者と丁寧な協議を十分に行われるように要請したい」と答えました。
港まち神戸を生かした街づくりを(みなと総局:松本)
2016年03月20日
港まち神戸を生かした街づくりを
みなと総局審査で松本議員
質疑項目
1.これ以上の大水深バース建設は中止を
2.過大なウォーターフロント整備はすべきでない
3.クルーズ客船の誘致について
4.神戸空港に新しく建設するバース
3月2日に神戸市議会予算特別委員会が開かれ、日本共産党の松本のり子議員が、みなと総局の予算について質疑しました。
国際コンテナ戦略港湾の推進として集荷支援制度などに5億5000万円以上、高規格コンテナターミナル整備に98億8700万円計上されています。神戸港を利用するためのインセンテイブ、高規格ガントリークレーンの整備などが主な内容です。
世界産業地図は、かつて欧州、北米、そして日本でしたが、この30年間で世界の産業構造も変化います。輸出先は中国、アジア向けが7割を占め、基幹航路と言われている北米、欧州航路は停滞したままです。
松本議員は「産業構造が変化してアジアにシフトしている中で神戸が持っている『ものづくり』の力を活かすことが必要。戦略港湾というならこういう戦略を持つべき」と求めました。
ウォーターフロント整備としてポートターミナル整備、メリケンパーク再整備費用や元川西倉庫の空き地、みなとクリニックの跡地などの買い取りで71億円の予算をつけています。
松本議員は「新たな土地を取得してそこに住宅や商業施設を作る必要はない」と指摘。ウォーターフロントの整備は「莫大な予算をつけるのでなく旧居留地にある国登録有形文化財の建築物や町並みを活かした取り組みに変えるべきだ」と求めました。
クルーズ客船の誘致については国内で誘致競争が激しくなっていることで2014年度までは100隻以上神戸港に寄港していましたが、昨年は97隻となりました。経済効果を考えると、神戸港への寄港でなく、発着クルーズを増やすこと。発着港になれば飲料水、食料をつみ、乗組員が街にでて買い物などで発着港における経済効果は大きいです。
松本議員は「減少の主な原因は、中国のショートクルーズが好まれ博多、長崎、沖縄に入港している」として「神戸港発着を増やすために船社訪問、旅行会社などとの更なる取り組みが必要」と求めました。
神戸空港開港10年を向かえますが、利用者数は当初の需要予測を大きく下回り予想の半分で貨物輸送は廃止となっています。空港の収入源である着陸料収入も当初見込みの48%しかなく、10年間の管理収支は16億円の赤字となっています。
川崎重工がすすめている「液化水素の荷役技術開発実証事業」のために、神戸市は空港島の北東に5億円かけて護岸整備をしようとしています。この技術開発実証事業とは、オーストラリアの質の悪い石炭から水素を製造、水素のみを神戸空港まで船で輸送しようという試みです。川崎重工は「あくまでも実験であり、今後どうなるかわからない」というものです。松本議員は「今回の実験が終わるとバースを使用しないということも考えられ、整備が無駄になる可能性がある」と指摘。「土地売却がすすまない空港に対して、これ以上の新たな建設はすべきでない」「まだ研究段階で安全性が確認できていない」として、中止を求めました。
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答弁:吉井真局長らは「(戦略港湾)世界的なアライアンスのメンバーからのいろんな要請などを考慮した結果、コンテナターミナルの整備は必要と考えすすめている」「アジアの貨物量は増えているがユーザーの要望で大水深バースを建設している」と答えました。「(ウォーターフロント整備)どこの港湾も同じだが、旧港は再整備して都市の活力を高めるよう努めている」「神戸2020ビジョンに基づき着実にすすめて行きたい」「港湾は物流機能だけではない、観光や都市的な再整備もある」「街の賑わいと夜間人口を考えると住宅地にしたい」「(クルーズ客船誘致)昨年の寄港数が少し減ったのは、一時的な現象と考えている」「神戸港は発着港としての優位性があることを欧米の船社にアピールする」「一隻でも多くの船が神戸港に来てもらえるように取り組みたい」「(神戸空港の新建設バース)エネルギー分野の事業は、すそのが広い事業である」「都市間競争が厳しいなか頑張って誘致してきた」「たまたま空港島の岸壁を整備して貸すだけのもの」「川崎重工のために何かをするものではない」「水素エネルギーの先進都市になることは神戸市にとってメリットがある」などと答えました。
軍事転用の危険がある航空・宇宙産業への偏重やめよ(企画調整局:味口)
2016年03月14日
軍事転用の危険がある
航空・宇宙産業への偏重やめよ
企画調整局審査で味口議員
質疑項目
1.神戸2020ビジョン・神戸創成戦略の推進について
2.成長産業の企業誘致等の促進について
3.神戸の中小企業・商業事業者等の競争力強化について
4.都心・三宮の再整備について
3月1日に神戸市議会予算特別委員会が開かれ、日本共産党の味口としゆき議員が、企画調整局の予算について質疑しました。
「神戸2020ビジョン」「神戸創生戦略」は、地域と財源の新たな選択と集中をすすめるもので、公共施設削減などであり、この方向では神戸市がバランスよく発展できなくなります。一方「神戸創生戦略」では、人口減少社会の対応として雇用や都心再生、若い世代の対応などの積極的戦略が示されています。味口議員は、北区緑町では公立保育所がなくなり、幼稚園がなくなり、大規模団地の再編計画がされていることなどを取り上げ、「地域の公共施設を削減することは地域壊しになる」として、都心一極集中でなく、9つの行政区がバランスよく発展できる方向への転換を求めました。
また、三宮のバスターミナルの整備のため、中央区役所、勤労会館、図書館を移転させようとしている問題で、先の本会議で久元市長が「バスターミナルが最優先」と答弁したことを、「住民自治の要である区役所や、勤労者の福祉向上に建てられた勤労会館より、企業が儲かるバスターミナルの方を優先させる考え方はおかしい」と厳しく追及、市民不在の計画を正していくよう求めました。
また「神戸2020ビジョン」のなかで、「航空・宇宙産業」を基幹産業の1つと位置づけられていることに対し「国の成長戦略である『防衛・軍事』に追随しており、非核『神戸方式』をもつ平和のまち神戸にふさわしくない」「国と地方は違う」として、住民福祉の向上を第一の仕事とするよう求めました。
◇
答弁:大谷幸正企画調整局長らは、「(公共施設の削減について)短期間でなくある程度のスパンで総合的に考えていくべきもの。老朽化の問題もあるので、大規模修繕や建て替えの時期、財源もいるので、総合的に考えて1つの施設に集約する考え方も出てくる」「(バスターミナル優先の考え方)これから検討されていくべきもの」「(航空・宇宙産業)世界的に民間航空機の需要が20年間で倍増すると見込まれており、裾野が広い」と答弁しました。
地方自治の観点で地域と経済を守る施策を(代表質疑:味口)
2016年03月06日
地方自治の観点で地域と経済を守る施策を
上からの「地方創生」では、市民福祉の向上につながらない
2月25日に開かれた神戸市議会本会議で日本共産党議員団を代表して大かわら鈴子、味口としゆき両議員が代表質疑に立ち、久元喜造市長らの政治姿勢をただしました。大かわら鈴子議員は、大型プロジェクト・「成長産業」優先のやり方の見直し、行財政改革2020、借上住宅問題を取り上げました。味口としゆき議員は、三宮一極集中の再開発にともなう公共施設移転の問題、公共施設の削減と縮小、中小企業支援のあり方、中学校給食の問題を取り上げました。
平成28年度予算編成にあたって、久元市長は「必要な施策を厳選のうえ大胆に計上する」としています。三宮一極集中の「都心の再生」を筆頭に大型プロジェクトを展開する一方で「やめる勇気を持って事務事業の見直しを積極的に行いました」と、市民サービスや公共施設の削減を打ち出しています。
味口議員は「国の『地方創生』戦略に追随した、市民不在の予算編成だ」と批判しました。
味口としゆき議員が代表質疑
三宮一極集中の再開発と移転される公共施設について
三宮一極集中の再開発でバスターミナル整備のために、中央区役所や三宮勤労会館・図書館などの移転が決まったものとして強行しようとしています。また、市役所「2号館をはじめとした市役所本庁舎のあり方」の議論もはじめるとしています。
味口議員は「中央区役所や三宮勤労会館・図書館が、今後どうなるのか、市民や中央区民がまったく分からないまま、移転計画だけが先行している」として「市民からは懸念の声があがっている」としました。公共施設は市民のもの、市民の共有財産で市民や区民の納得も合意もないまま、移転をすすめる手法は問題だと指摘しました。
公共施設の削減・縮小について
予算案では、三宮一極集中に市長が熱中する一方で、都心以外の公共施設の削減も計画されています。
味口議員は「『神戸市公共施設等総合管理計画』(素案)では、すべての公共施設等を現在の規模のままでは、機能維持や改善を図っていくことは困難」としており、市民利用施設・学校・市営住宅などの削減・縮小を当然視しているとしました。
予算案では、「小中学校の統廃合」をすすめることが明記され、「第2次市営住宅マネジメント計画 実施計画(第2期)」で市営住宅の総戸数をさらに削減する計画も出ています。計画的開発団地のリノベーションでは「鶴甲・渦森会館の再整備」が掲げられ、管理・運営を地元に移し、市の責任を弱めようとしていると指摘。
味口議員は、人口減少を口実に、市内の公共施設を削減・縮小はやめるべきだと求めました。
中小企業支援の在り方について
予算編成では「ITを活用した新たな起業・創業支援事業などを企画調整局に移管」するとともに、産業振興局を「経済観光局」とするとしています。その内容は「成長産業」とされている航空機・IT・水素・ロボット産業への手厚い支援と、起業・創業支援に特化したものとなっています。
味口議員は「決定的に欠落しているのは、神戸市で長年にわたって商いを行い、現在苦しんでいる既存中小業者の支援である」として「市内企業の企業数で98.7%、雇用者数で76.4%をしめる中小業者の実態は引き続き深刻」と指摘。工業統計では、市内の製造業の事業所数は90年4552から2013年1699へと1/3に激減しています。
味口議員は「この実態を直視するならば、予算の主役を既存の中小業者の直接的な支援に転換すべき」と求めました。
中学校給食の問題について
中学校給食については、本来なら昨年11月から市内82校全校で本格実施となる予定だったものが、東灘区・西区をのぞく中学校で全面停止となっています。安上がりのコストを最優先にした「デリバリー方式」の破たんが、これだけ明瞭になっています。
日本共産党議員団は、各区の中学校を訪問し、先行実施されていた中学校では、「心配していたが、スムーズに開始できた」という声とともに、「喫食率が下がったのは、おかずが冷たいから」「生徒たちには温かいものを食べさせてやりたい」「今の給食では食育は難しい」という声や「小学校のような自校方式が理想的」との声が出されことを紹介。
味口議員は「教育実践、給食の実施を通して、現場の認識とデリバリー方式に固執する教育長の認識に乖離が生まれている」として「現場の声、保護者と生徒の願いにこたえ、デリバリー方式から転換すべき」と求めました。
▲答弁とその後の質疑から▲
質問に対し久元市長らは、バスターミナル整備の予定地に中央区役所があるが、公共施設の老朽化対策は全国的な課題。今後、具体的に各施設の整備、再配置、統廃合についても市民の意見を聞きプロジェクトチームを設置し進めるとしました。
味口議員は「区役所は、区民にとってどういうものかという基本的な認識が、市長に少しでもあったら、バスターミナルが先に来ないはずだ」「市民からは市長は三宮ばっかりやっていると言われている」「市長が進めているのは上からのマネジメント、上からの地方創生で、住民自治の観点が市長の中では希薄だ」と批判しました。
久元市長は「三宮のことばっかりやっていると言われているのは事実だ。各地域でバランスの良くまちづくりをしていかないといけない」としながら「だからといって三宮や都心の再生は神戸の街全体の成長に重要だ」と答弁しました。
中小企業への支援について岡口副市長は、市内中小企業をとりまく経営環境については、難しい状況があることは認識している。成長分野、新分野への参入の促進。設備投資、資金調達、販路拡大など中小企業の多様なニーズに対応した支援策を総合的に展開しようとしていると答えました。
味口議員は、JR西日本が高架下の「元町高架道商店街(通称モトコー)」の約300店舗を追い出ししようとしている問題を指摘。神戸市はJRの三宮駅の建て替えを「機運」として再整備を支援しようとしているが、まずやらなければならないのはモトコー存続の立場でJRに働きかけることだと求めました。
久元市長は、「(モトコーはJRと契約の話し合いを基本)に対応していきたい。JR三宮駅の建て替えとは関係ない」と答弁しました。
雪村教育長は中学校給食について、安全あんしんの確保が大前提だが、保護者や学校現場から早期再開を望む声が上がっている。早期に給食再開を図るためには、現行方式について課題を検証し改善策を検討したうえで、確実に実践していく必要があると答えました。
大型開発優先では神戸市の活性化は望めない(代表質疑:大かわら)
2016年03月06日
大型開発優先では神戸市の活性化は望めない
家計を温め消費と需要を活発にする市民生活応援の予算へ
2月25日に開かれた神戸市議会本会議で日本共産党議員団を代表して大かわら鈴子、味口としゆき両議員が代表質疑に立ち、久元喜造市長らの政治姿勢をただしました。大かわら鈴子議員は、大型プロジェクト・「成長産業」優先のやり方の見直し、行財政改革2020、借上住宅問題を取り上げました。味口としゆき議員は、三宮一極集中の再開発にともなう公共施設移転の問題、公共施設の削減と縮小、中小企業支援のあり方、中学校給食の問題を取り上げました。
大かわら鈴子議員が代表質疑
大型開発・大型プロジェクト予算について
神戸市の新年度予算案について久元市長は「本格的な人口減少社会が到来する中で、神戸市も激しさを増す都市間競争に直面している」「まちの安定的な発展を維持するには、震災からの復興とは違う難しい課題に挑戦する必要がある」「新たに取り組む事業や見直す事業がある」として、市税を投入すべき事業なのかを検証し、「やめる勇気」を持って事務事業の見直しをすすめるとしています。
重点施策と位置付けられている大型開発・大型プロジェクト予算では、巨大港湾づくりに104億円、神戸空港の推進に32億円、医療産業都市の推進に42億円、三宮周辺の再整備に23億円。さらに今回具体化されたウォーターフロント再整備には72億円もの予算が計上されています。
大かわら議員は「得られた税収を市民福祉や街の成長に投資する好循環を生み出すという政策では神戸経済の活性化は望めない、なぜならこのような巨大プロジェクト優先のやり方は、神戸で繰り返し行われてきた手法だから」と指摘。「市民の反対を押し切って復興のシンボル事業として建設した神戸空港は、3140億円もの巨費を投じながら、利用者は、需要予測の半分、管理収支も着陸料収入で賄えず運営権を売却」という事態を指摘。神戸市が言い続けてきた所得と雇用の増加や福祉、教育、文化の充実は全く実現されておらず、創造的復興の名のもとに住民不在で上からおしつけられた新長田南地区の大規模再開発でも、たくさんのビルが建ち、町並みはきれいになったが商店街は活力を取り戻せず、今でも賑わいづくりが大きな課題となっているとしました。
大かわら議員は「このような手法では、活性化が望めない。大型開発優先のやり方を見直すべき」と予算の転換を求めました。
行財政改革2020について
2016年度の事務事業の見直しでは様々な暮らしにかかわる施策が対象となっています。
多くの高齢者が楽しみにされている敬老祝い金の廃止や暮らしを支える配食サ-ビスの段階的廃止、本来行政が担うべき高齢者・障がい者福祉施設の民営化、磯上荘の廃止など市民サ-ビスの後退につながるものが多数含まれています。
また、人口減少に対応するため、子育て・教育環境の充実を重点化するとしながら、公立幼稚園の13園廃止や公立保育所の再編、神戸市奨学金の見直し、さらなる小中学校の統廃合が検討されています。
大かわら議員は「自治体の本来の役割は、住民の福祉の増進」と指摘。
「市長が公約した、子どもの医療費の無料化も、3度見送られている」とし「重点とされている大型プロジェクトへの予算配分との差を見れば、市長の決断ですぐにでも無料化は可能である」としました。
これらの市民負担の増大は、さらに消費を冷え込ませることになります。
大かわら議員は「いま求められているのは、神戸経済を支える中小企業支援を中心に据え、福祉施策・市民サ-ビスの充実拡充で市民生活を応援し、家計を温め、消費と需要を活発にする予算への転換だ」と迫りました。
借上住宅について
阪神・淡路大震災から21年。久元市長は、20年の期限を最初に迎えた兵庫区のキャナルタウン1~3号棟の入居者3人に対し、建物の明け渡しと損害賠償を求めて神戸地裁に提訴しました。
大かわら議員は「借上住宅を終の棲家と信じ、寄り添いながらやっと生きてきた被災者を不法占拠と断定し、法廷に立たせようとしている」として、この暴挙に対し提訴の取り下げを強く求めました。
大かわら議員は「久元市長は、予算編成の中で、ポスト阪神・淡路大震災20年を迎えて、神戸は新たなステ-ジに立った」と述べており、震災は終わったとの態度です。
避難所から仮設へ、そして現在の住宅へと転居するたびにコミュニティが破壊され、多くの孤独死が生まれました。「この重い現実がなかったかのように、神戸市の言い分だけを押し通すという一方的なやり方、強行なやり方はやめ、市民の命とくらしを守るべき行政として、入居者の苦しみに寄り添った対応をするべき」と借上住宅の希望者全員の継続入居を強く求めました。
▲答弁とその後の質疑から▲
質問に対し久元市長は、今後の少子超高齢化に経費が増加することは確実。安定した財政基盤の構築が必要として、波及効果の高い民間投資の誘導、積極的な企業誘致推進により税源の寛容を図る。神戸港の構成拡大や医療産業都市の取り組みの推進など市の経済の活性化が大変重要と答えました。
大かわら議員は「大型開発では、市民のくらしはよくならない」として「新長田」再開発や「神戸空港」の失敗は全く総括されていない。三宮の巨大開発も住民不在で上からのおしつけであり、また同じようなことが繰り返されると指摘しました。
玉田副市長は、事務事業の見直しについて、一般財源の増加が見込めない一方で、新しい行政課題や市民ニーズに対応する新規拡充施策を大胆に計上するには、やめる勇気をもって事務事業の見直しが必要と答えました。
大かわら議員は、「自治体として住民自治の観点で福祉を守っていくのが本来の仕事だ、大型開発ではなく、市民に寄り添った予算に転換すべき」と求めました。
鳥居副市長は、借上住宅について、説明会、個別相談会を実施して、ほとんどの入居者の方は期限までに住替えなどをしてもらった。残念ながら3世帯には応じてもらえなかった。早期に解決するために司法の場に判断を委ねることにした。今後は司法の場で主張すると答えました。
大かわら議員は「兵庫県の借上は、75歳でも判定委員会が入居者の実態から、入居継続が認められている。同じ条件で県営は残れて市が残れない」「市長の決断で救える。救ってもらえないか」と求めました。
久元市長は「県営住宅と市営住宅ではストックが違う。(提訴については)司法の判断にゆだね、勝訴を勝ち取りたい」と答弁しました。
大かわら議員は「提訴するのは、神戸市の冷たい対応を全国に伝えるようなもの」もっと被災者に寄り添う対応を求めました。
市民のくらし市民サービスの充実を(一般質問:大前)
2015年12月20日
市民の声を聞く市政に
大前まさひろ議員が一般質問
大前議員は、ブラック企業対策、保育所、三宮再整備、元町有楽名店街移転、駅のバリアフリー化問題を取り上げました。
ブラック企業・ブラックバイト対策を
長時間・過密労働、パワハラなどの「ブラック企業やブラックバイト」が大きな問題となっており、日本共産党は対策を求めてきました。
11月9日に厚生労働省がブラックバイトの調査結果を発表し、約6割もの学生が何らかのトラブルを経験しているとされています。大前議員は「市内の飲食店で雇われ、その日から急に店長にされ、社会保険にいれてもらえず、朝は10時から働き、夜は終電にも乗れず、休んだのは2ヶ月間で2日だけ」という過密労働で体をこわし退職した方の話を紹介。大前議員は「市内の若者たちがおかれている状況を放置することはできない」としました。
また久元市長が本会議で「悩んでいる若者がたくさんいるという実態が市民生活にある」「市政は一切関係ないという姿勢を持つべきではない」「神戸市としてもできることがある」と答えているとして「神戸市はブラック企業やブラックバイト対策をとるよう」に強く迫りました。
全区に認可保育所を
神戸市は子ども・子育て新制度で「小規模保育施設」を中心とした地域型保育事業をすすめてきました。しかし小規模保育施設の子どもたちは、3歳になれば卒園しなければなりません。小規模保育施設に預けられている2歳児は、現在273人で希望通りに預けられる保証はありません。大前議員は「認可保育所に入所できず、やむなく小規模保育施設に入所しただけ。3歳になったら認可保育所に入所できるかが心配」との子育て中の方々の声を紹介。神戸市が小規模保育施設を中心にすすめてきたことの結果がこのような問題を起こしているとして「小規模保育施設よりも、全区に認可保育所を増やすべき」と求めました。
市民不在の移転計画は撤回を
神戸都心の未来の姿「将来ビジョン」、三宮周辺地区の「再整備基本構想」がまとめられました。そのなかにバスターミナルの整備で、種地をつくるために中央区役所、三宮図書館、勤労会館、サンパルが移転されようとしています。先日の議案質疑で副市長は「これから地権者の方々と市役所も入って議論していく」と答えました。大前議員は「今後の議論には区役所や勤労会館の利用者などの市民の声は入っていない」と指摘。「市民不在の移転計画は撤回するべきだ」とただしました。
元町有楽名店街の閉鎖中止を
元町有楽名店街は阪神元町駅の東口と西口をつなぐ通路にあり、長年にわたり親しまれてきました。阪神電鉄は元町有楽名店街を閉鎖し、来年3月までの立ち退きを迫っています。大前議員は名店街の方々からは「出て行けといわれたら、どうやって生活するのか」「何十年も営業してきてなぜいまなのか」と不安と怒りの声が上がっていると訴えました。今年の3月には陳情も出され、署名は1万6000筆に達しています。神戸市も「産業振興局としても何ができ得るのかということを改めて考えたい」と答えましたが、状況は改善されていないことを指摘。神戸市として「阪神電鉄に有楽名店街を残すよう強く要望すべきだ」と求めました。
阪急春日野道駅、阪急花隈駅、阪神西元町駅にエレベータを
平成18年に「高齢者・障害者等の移動の円滑化の促進に関する法律」が制定され、全国で駅のバリアフリー化が進んでいます。しかし、平成32年度までにバリアフリー化することとなっているものの、未だに9駅のバリアフリー化ができていません。
大前議員は「中央区では阪急春日野道駅、花隈駅、阪神西元町駅にエレベータがなく、利用者から不便だとの声が上がっている」としました。保健福祉局長は日本共産党の福祉環境委員会での質問に「阪急春日野道駅については、住宅都市局や建設局を巻き込んで、プロジェクトチームの方式で対応を検討していく用意はある」と答えていました。この3つの駅に早く整備するように神戸市が阪急、阪神に要請するべきだと求めました。
▲答弁とその後の質疑から▲
質問に対し久元市長らは、「(ブラック企業対策)問題がある働き方が社会問題になっていることは認識している」「事業者への立入り、是正勧告などの労働関係法令の遵守に関しては監督、指導権限は国の管轄」などと答えました。大前議員は「神戸市は国と県の管轄として、何もしていない」と厳しく批判しました。久元市長は「改善すべき点があれば、他都市の事例も参考に、必要な対策を今後、考えていけばよい」などとしました。
「(保育所)仕事と育児の両立、待機児童の解消が求められていることから最重要課題」「さまざまな施設や事業を活用して待機児童の解消を目指している」などとしながら、小規模保育施設卒園後の受け皿については「国の新制度導入では、5年間の経過措置が設けられており、その間で卒園後の受け皿は考えていきたい」などと答えました。
「(三宮再整備)神戸の活性化に不可欠」「中央区役所とミント神戸を一体的に利用したバスターミナルを新たに整備する」「区役所や図書館は市民サービスの拠点であり、いろいろな点に配慮し総合的に検討していく」などと答えました。サンパルには、移転など再整備の内容を知らないで商売をしている方々がいます。大前議員は「地権者と話もせずに計画を進めるのは乱暴すぎる」と批判しました。これに対して鳥居副市長は「まだ計画中でサンパルが全てバスターミナルになるかは検討しないと分からない」「地権者の方々には、これから話をする」としました。
「(元町有楽名店街)産業振興局から既存の補助制度の活用方法や情報提供をおこない、具体的な支援をおこなっている」などとしました。鉄道業者には「元町有楽名店街に対して丁寧な協議を進めるよう何度も要請した」「必要に応じて両者のパイプ役としての役割をはたす」などと答えました。
「(駅のバリアフリー化)住民にとって最寄り駅のバリアフリー化は、切実な要望だと認識しており、毎年、鉄道事業者を訪問して要望している」「阪急春日野、花隈、阪神西元町駅は重点要望駅として繰り返し強く要望しているが、最終的には鉄道事業者の経営判断となる」などと答えました。
市民のくらし守る政策を(一般質問:松本)
2015年12月20日
生活を直接応援する事業が求められている
松本のり子議員が一般質問
神戸市定例市議会の本会議が12月7日にひらかれ、日本共産党議員団から松本のり子、大前まさひろ両議員が一般質問に立ち、久元喜造市長らの政治姿勢をただしました。
松本議員は、予算編成方針、先端医療振興財団、こどもの医療費無料化、中学校給食、政務活動費の不正問題を取り上げました。
市民生活の直接応援を
8月に兵庫労働局が発表した兵庫県内の有効求人倍率は1倍となりましたが、正社員に限った有効求人倍率は0.57倍にとどまっています。県内の9月末の高校生就職内定率は63%で市内中小企業の倒産は増加傾向です。国の社会保障制度が改悪されています。松本議員は「自治体として市民生活を直接応援する事業が強く求められている」と訴えました。
11月に発表された予算編成方針では、財政の見通しが引き続き厳しい状況にあるとして各部局の行っている継続事業については5%削減するか、削減出来ない事業については他の事業の廃止や見直しなどで財源を工面することを求めています。
松本議員は「市民の暮らしが、ますます大変になっている時に市民生活にかかる部分の5%削減はするべきではない」と求めました。
医療産業都市構想への市税投入は中止を
神戸市は医療産業都市構想にこれまで2052億円もつぎ込んでいます。「京」コンピューターをふくめると3600億円という莫大な金額です。神戸市は、同構想の中核拠点である「先端医療振興財団」に毎年15億円の市税を出えん金として出しています。松本議員は、出えん金の大半は、人件費と機器のリース代で赤字の穴埋めにあてられていることを指摘。平成12年度からこれまで15年間にわたり毎年多額の金額を財団につぎ込んできたとして「出えん金は中止すべき」と求めました。
早急にこどもの医療費無料化を
こども医療費の無料化は、国の制度化を待っていたら、いつになるかわからないと全国の多くの自治体が独自に行っています。
神戸市は、中学校卒業までの子どもの医療費助成については、久元市政1年目に1医療機関500円、2年目が2歳までの乳幼児の所得制限を撤廃しました。
松本議員は「急な発熱で我が子を病院に連れて行く時、お財布の中身が気になる」「ぜひ無料にしてほしい」と子育て中の方からの声を紹介。先日の常任委員会で局長が「市長も必要性は認識しておられる」「我々としては制度を拡充するにあたっては受診動向の状況を含めた材料を市長が判断できるようにお示しする」と答弁したことを指摘。松本議員は「市長公約」だとして「受診動向の判断は関係ない」としました。子どもの医療費の無料化を早急に行うように求めました。
安全・安心な中学校給食を
昨年11月から実施された給食は、衛生管理基準違反で1社が契約解除となり、東灘区、西区以外の7行政区の中学校で給食がストップしたままです。今回の問題で明らかになった事は、民間業者によるデリバリー方式では、学校給食における「食品衛生管理基準」である健康に関する責任が守られる保証がないということです。
教育委員会は11月30日に検証のための第1回目の有識者会議を開きました。その会議のなかで「衛生管理基準違反で契約解除」したことの説明が一切なかったため、松本議員が委員会でそのことを指摘すると「申し訳なかった」との答弁だったことを指摘。2回目の検証委員会では「衛生管理基準違反の説明をするべき」とただしました。
また松本議員は、文科省は給食について「食育基本法・学校給食法の中で、また新たに設けられた栄養教諭制度をきちんとリンクさせるのが本来の給食のあり方」だと明確にしているとし「食育基本法の理念で検証委員会を開き、デリバリー方式そのものを考え直すべき」と求めました。
政務活動費市長は告訴を
旧「自民党神戸」市会議員団による政務活動費の不正使用が発覚して半年がたち、不正額は3447万円にのぼっています。議会は10月に旧自民党神戸の会派に返済を求め、兵庫県警に刑事告発も行っています。しかし、県警は不正が明らかになっているにもかかわらず、いまだ受理していません。
政務活動費については、収支報告書や領収書の提出、経理帳簿の会派保管、領収書等の整理保管が会派に義務付けられています。松本議員は、政務活動費としての支出で不正が起きた場合は「市長が適正か否かを調査することは議会の自立性を侵害するものではない」としました。
市長は不正使用された金額の返還請求ならびに刑事告訴をすべきと求めました。
▲答弁とその後の質疑から▲
質問に対し久元市長らは「(予算編成方針)4年連続で財源対策に依存することなく実質収支の黒字を確保した」としながら、個人市民税、法人市民税の伸び率が政令指定都市の中では最低で「神戸市の税収構造は脆弱である」として「予算編成にあたり、新たな財源の確保など歳入確保に積極的に取組む」「各局が自由で大胆な発想で神戸2020ビジョン、神戸創生戦略を推進する」などと答え、市政運営では常に市民福祉の向上を最優先に取組んでおり「予算編成方針で市民生活に関わるサービスが5%削減されることはない」と答えました。
「(先端医療振興財団)24年度に医療産業都市における経済効果を推計すると年間1251億、税収が45億、雇用者数7100人となっている」「神戸市の活性化に貢献しており、新しい医療に対しての成果をあげている」「収益性の低い先端医療や研究開発事業を実施しているため収支均衡をはかるのは難しい」として、先端医療振興財団に引き続き一定額の支援は必要と答えました。
「(こどもの医療費無料化)中学3年生まで500円で、3歳未満児は全て無料化を実施している」「今後の拡充は、制度改正にともなう受診動向の変化などを検証し、財政状況も考え毎年度の予算編成のなかで検討していきたい」と答えました。
「(中学校給食)民間業者の施設で調理などを行うことから、安全安心の給食を提供するためには、衛生管理が非常に大切なことは十分認識している」「現在、第三者を含めた有識者会議を設置し、これまでの事業者への衛生管理指導などについても検証・検討を行う予定」「今回の問題は、事業者の衛生管理の問題と市の業者指導の徹底に課題があったと考えており、実施方式とは分けて検討するものと考えている」などと答えました。
政務活動費について久元市長は「政務活動費の問題が、神戸市会に対する市民の信頼を揺るがす事態となったことは誠に遺憾」「会派として年内に全額返還すると議長より報告を受けている」とし、告訴については「既に検討会の委員全員を告発人として刑事告発がされている」「市長として告訴する必要はないと考えている」などと答えました。
市民生活と地元中小企業支援を最優先に(議案質疑:森本)
2015年12月13日
市民の意見が届く市政を
森本真議員が議案質疑
神戸市定例市議会本会議が11月27日に開かれ、日本共産党議員団を代表して森本真議員が議案質疑に立ち、地方創生、指定管理者制度、借上住宅、神戸市産業振興センターの展示場について、久元喜造市長らの見解をただしました。
地方創生について
11月の補正予算では、国からの「地方創生」の交付金を活用し、地域主体の生活交通への支援として2000万円、海外の富裕層向けのメディアコンテンツを活用した食のインバウンドPR事業に700万円、新産業創発プログラム300万円の合計3000万円が計上されています。
森本議員は国からの交付金は「市長公約でもある子どもの医療費無料化などの少子化・子育て支援や地域の活性化という観点から正規雇用増、中小企業・商店街対策などの政策を優先的におこなうべき」と指摘。なぜ海外の富裕層へのPRなどを選んだのか見解を求めました。
指定管者理制度について
日本共産党は2年前の11月議会で児童館など福祉や教育に関わる施設の1年間の単年度の指定管理制度をただしました。このとき久元市長は「長期間で指定し安定的な運営をしていくという方向に持っていくべき」と答弁。2014年4月に指定期間を基本4年以内にするよう指定管理者制度の運用指針を改定しました。
しかし今回、地域人材への移行のためという理由で、たちばな児童館、菅の台児童館を、4年の指定期間途中で打ち切る変更や老人保健施設を含む高齢者総合ケアセンターは「施設のあり方検討」という名目で2年間の指定期間が提案されています。
森本議員は「神戸市の都合で4年と決めた指定期間を突然1年で打ち切り、安定的運営を妨げるようなことをするのはあってはならない」と指摘。
さらに葺合文化センターが大ホールの耐震工事等の関係で、会議室などを神戸芸術センターに暫定移転する計画について質問。森本議員は「工事終了後は新しく元のような音楽、美術・工芸、料理、衣服、視聴覚室等の多機能なセンターに生まれ変わるのか」と見解を求めました。
借上住宅の買い取りについて
森本議員は、一部の借上住宅の買い取りは評価するも、借上住宅を含む7000戸の市営住宅の削減を決めた第2次市営住宅マネージメント計画以降、民間を含め借上住宅の被災者・入居者はこの5年間ずっと追い出し・転居の不安を抱えて過ごしていることを指摘。「この不安を解消するために民間も含めて、もっと借上住宅を買い取るべき」とただしました。
神戸市産業振興センターの展示場について
第94号議案「神戸市産業振興センター条例の一部を改正する条例」は、サンパルにある兵庫県の外郭団体「(公財)ひょうご産業活性化センター」が産業振興センターに移転してくることに合せ、産業振興センターの2階にある展示場をなくす内容です。
展示場は、展示会、講演会、レセプションなどに活用され、産振センターを利用する中小企業には、半額の中小企業割引があります。
森本議員は「中小企業を活性化させようという施策を推進しているのに、県市で大事な展示場をなくすのか」と見解を求めました。
▲答弁とその後の質疑から▲
地方創生について
質問に対し久元喜造市長らは「地方自治体が進める地方版総合戦略の策定や、先駆性のある優良施策の実施を支援することを目的に、平成26年度補正予算で措置された交付金であり、平成27年度中に執行することが交付要件となっている」と答えました。
また提案事業を含む神戸創生戦略の事業をスピーディかつ着実に推進することで、課題ともいえる人口減少にかかる政策課題に的確に対応したいとしました。
富裕層向けの食を活用したインバウンドPR事業については「西区や北区に生産農家がいて大変いいものがつくられている」これらのものを使って神戸の食を楽しんでもらいたい「そういう取り組みを海外に発信することで神戸に多くの観光客に来てもらう」これは地方創生にふさわしいと答えました。
答弁に対して、森本議員は「食のPRはこれまでやってきたことで継続に過ぎない」「外から人を呼び込むのではなく、神戸市内の福祉施策や産業施策で内需を温めて暮らしやすいまちを作っていくべきこと」と指摘しました。
神戸市のかかげる「神戸創生戦略」でも、子育て支援や若い世代の雇用環境の改善が目標とされています。外国人観光客や外国人富裕層の「爆買い」など外需頼みではなく、神戸市民の所得を増やし、地元中小企業を直接応援することを最優先に取り組んで、神戸らしさを発揮し、まちを元気にすることが重要としました。
指定管者理制度について
質問に対し久元喜造市長らは「神戸市の指定管者理制度運用指針での指定管理期間は、より適切で安定した管理運営を図ること」を目的としており、「平成26年4月に改定し、4年を標準に8年以下の期間で施設特性に応じた適切な機関を施設ごとに適用することにしている」「例外として、児童館などの施設については、将来的に地域人材の活用を予定している場合には、公募によらず現在の運営団体を指定管理者として指定できる」として「従来これを単年度ごとに指定していたものを4年以下の年数で指定できるようにした」本来、指定管理者選定は公募を原則としているが、施設のあり方について検証・検討する場合や施設の大規模改修を予定する場合には、2年を上限として現在の指定管理者を継続して指定するとしました。
◇
児童館については「平成27年度から52館について、従来単年度の指定としていたものを4年間の指定とした」とし、この2館については「地域団体による受入体制が整ったため、市社会福祉協議会に対する指定期間を短縮し、新たな団体に対して指定期間を4年として指定をしたい」という議案を上程したとし、高齢者総合ケアセンターについては「施設のあり方検討や大規模改修により、例外的に公募外で再選定を行ったもの」「例外的に理由がある場合は、1年、2年というような指定をしている」施設運営が安定的になるようには配慮していると答えました。
答弁に対して森本議員は「指定期間を4年にしたにもかかわらず、1年間に期間を変更したものがある。運用指針のなかに指定取消しはあるが、指定期間の変更という項目はない」ことを指摘。
4年間の指定をしておきながら1年間で終わるのはおかしいとして、市長にさらに見解を求めました。
久元喜造市長は「原則4年にしたが、絶対4年というわけではない」「施設の内容も異なり、指定したあとに出てきた事情の変更もある」として、個別の事情によって期間の変更、短縮もあると答えました。
森本議員は「4年間と議会で決めたものを途中の1年間でやめるなどはあってはならない」と是正するよう求めました。
◇
葺合文化センターの本館は、耐震化対応が必要であるが、改修に多額の経費が必要であることから耐震改修を見送り、平成28年4月から神戸芸術センターの6階を借り上げて、暫定移転することにより機能の維持を図るとして「暫定期間後については、意見を幅広く聞きながら神戸市全体で考えていきたい」と答えました。
答弁に対して森本議員は「移転させる場合には、幅広く意見を聴き、機能が低下しないよう」にと求めました。
借上住宅の買い取りについて
質問に対し鳥居聡副市長は、借上市営住宅については、「緊急的な措置として導入した」「目的と現状を考え市の財政負担、公平性の観点などから契約どおり20年の借上期間をもって所有者に返還する」これを基本として進めているとして「URから借り上げている住宅には、買い取りを前提にURへ建設をお願いしたものがある」「これについては市が取得し、それ以外の借上住宅については、借上期間満了時に空室にしたうえで、オーナーに返還する」と答えました。
答弁に対して森本議員は、神戸市が、新長田再開発地域の「まちの活性化のため」に県市協調で施設を移転し応援しようとしている。災害援護資金の返済では「被災者の生活再建を最優先」に保証人も含め返済免除できるようとりくんでいる。「なぜ借上住宅だけ入居者の立場にたってできないのか」と市長に見解を求めました。
久元市長は「いろいろな方法で住宅を用意しないといけないという一つの方策として取った対策」「20年が来たらオーナーに返還するという契約」「これは矢田前市長のときに定められた方針であり、十分に議論を重ねての考えぬかれた方針」この方針に基づいて対応していくことが基本で大切とした。大部分の入居者の方々については、神戸市の方針に基づいて転居していただいているとしました。
森本議員は「いま考えるべきは、本当にこのまま追い出すのか、それとも継続入居の希望者には神戸市が保障する」ことが求められている。市長に考え直すように強く迫りました。
神戸市産業振興センターの展示場について
質問に対し岡口憲義副市長は、神戸市産業振興財団とひょうご産業活性化センターは「双方が中小企業支援機関であり、様々なサービスを異なる場所で提供している」として利用者がこれらのサービスを活用するには、機関が分散していることから「わかりにくい」「使いにくい」といった状態。利便性の向上、県市の中小企業支援機関を集約することで、より一層の利便性を向上させ、支援機能を強化していきたい。「移転スペースを確保する必要があり、まとまった面積を確保できる場所として、展示場を活用したいと考えている」とした。事情を中小企業の方に丁寧に説明するとともに「周辺には代替施設がいくつか考えられるため利用希望の方にそのような施設を紹介する」などと答えました。
代替策としては、周辺施設で距離感を含め代替機能を持つものとして、神戸サンボーホール、国際展示場、デザイン・クリエイティブセンターのKIITOのホールおよびギャラリーといった施設を考えていると答えました。
答弁に対して森本議員は「産業振興センターを整備する際に、展示場を備えたのは、産業振興に帰する展示、講演会やレセプションなどの多機能用途のためにつくられた」と指摘。副市長が示した代替施設は「規模が大きかったり、面積は半分でも料金が倍である」として、現実的でないと指摘。代替施設というなら中小企業振興センターの施設のように、中小業者には半額で利用すべきであるのにしようとしないと批判。中小企業の方の意見を聴き再検討してもらいたいと強く求めました。
もっと市民の声を聞くべき(議案討論:味口)
2015年12月13日
味口議員が反対討論
12月4日に開かれた神戸市議会定例本会議で、味口としゆき議員が議案に対する議案討論をしました。
味口議員は、民間借上市営住宅オーナーの戸別返還業務、指定管理者制度の指定期間、産業振興センターにある展示場に関する議案で合計9議案に対して反対討論をおこないました。
味口議員は、民間借上市営住宅オーナーの戸別返還業務を「促進」するための債務負担行為について「当局は賃貸住宅への移行をスムーズに行い、オーナーも神戸市もお互いにメリットのある事業だ」などと答弁されましたが、これは、民間借上住宅オーナーの実態や要望を踏まえないものと指摘。民間オーナーは、神戸市の復興施策の協力者であり、多くの方が35年ローンなどで、市の求めに応じて市営住宅仕様の集合住宅を建設しました。民間オーナーのうち、「20年返還」を求めているのは、18%のオーナーであり、多数のオーナーは積極的に返還を求めていません。味口議員は「神戸市は、オーナーの実態や要望に寄り添った施策」に転換すべきとしました。
昨年、児童館の議案で指定管理者制度の指定期間は、4年間と議会で議決したにもかかわらず、1年で指定期間が打ち切られるものです。味口議員は「指定期間がコロコロ変わるのでは、雇用面の保障、人材育成や運営ノウハウの蓄積の点からも大きな問題」として指定管理の期間は、4年を基本とすることを神戸市は守るべきと批判しました。
葺合文化センターの議案は、耐震工事で暫定移転するため指定期間を短縮するというもので、会議室などは神戸芸術センターに暫定移転させます。暫定移転後のことは内部で検討されることになっており、公的な施設を市民や議会に知らせもせず、移転する事は絶対に許されないとただしました。
産業振興に必須の施設として展示会、講演会、レセプションルームなどに活用されてきた産業振興センターの展示場をなくすものです。中小企業支援対策の後退であるとして、産業振興センターの機能を弱めないように求めました。