議会報告

  • 2020年10月16日
    予算・決算

    決算特別委員会で朝倉えつ子議員が意見表明

     10月15日に、神戸市決算特別委員会がひらかれ、日本共産党神戸市会議員団を代表して朝倉えつ子議員が神戸市一般会計決算、特別一般会計決算、公営企業会計決算とその関連議案に対して意見表明をおこないました。

    意見表明の内容は、以下の通りです。


    意見表明

     2020年10月15日 日本共産党神戸市会議員団

     

     令和元年度神戸市一般会計決算,特別会計決算,公営企業会計決算及び関連議案に対する日本共産党神戸市会議員団の意見を表明いたします。

     令和元年度神戸市各会計決算のうち,決算第1号から決算第4号,決算第7号から決算第12号,決算第14号から決算第20号の合計17件に関しては認定できません。

     また,決算関連議案のうち第56号議案,第57号議案の2議案に関しては承認できません。

     決算第5号,決算第6号,決算第13号の合計3件に関しては認定します。

     また,決算関連議案のうち第58号議案,第59号議案の2議案に関しては承認します。

     

    以下,認定できない理由を述べます。

     

     第1の理由は,新型コロナウイルス感染拡大で浮き彫りになった,医療・保健所体制の脆弱さを抜本的に立て直す体制の強化が不十分だからです。

     新型コロナウイルス感染拡大に伴い,公衆衛生の最前線となる保健所や重症者をはじめとする患者の受け入れを行った中央市民病院は不眠不休の態勢を余儀なくされました。しかし,医師・看護師・保健師など必要な人員と体制の確保は不十分なままです。市民の不安にこたえ,第3波以降の感染拡大に備えるためにも,医療・保健所体制の強化に今こそ取り組むべきです。

     第2の理由は,コロナ禍において,生業が窮地に陥っている地域中小業者の状態を置き去りにしたままだからです。

     コロナの影響により,中小業者の経営は危機にさらされ,年末にむけて廃業・倒産が激増する危機にあります。しかし,6月以降,中小企業向けの市独自の支援はなく,国の動向を注視するだけです。中小業者の生業を守るために,直接支援を継続・強化すべきです。

     第3の理由は,市民の声を聞かず,コロナ禍で苦しむ市民に負担増を押しつけているからです。

     昨年10月の消費税増税に便乗し,軒並み公共料金を値上げしたことで,市民生活を苦しめました。

     その上に,コロナ禍で苦しむ市民の暮らし応援のために,他都市では上下水道料金の減免が実施されるなかで,神戸市は下水道料金を値上げし,年間12億円の負担増を押しつけました。

     さらに,10月から,敬老優待乗車制度の無料乗車券を廃止,バス近郊区上限の撤廃と,福祉乗車制度の母子世帯の福祉パスを廃止するなど,支援が必要な高齢者や弱者を切り捨てています。

     市民の願いには背をむけながら,三宮再開発など不要不急の大型開発だけは聖域にするなど,到底認めるわけにはいきません。

     第4の理由は,市長公約である小中学校の少人数学級実現に真剣に取り組む姿勢がないからです。

     感染拡大を防ぎ,学校でのクラスターを発生させないためにも,コロナ禍での子どもたちのストレスと学力格差,教職員の多忙と疲弊を軽減するためにも,少人数学級の実現が待ち望まれています。市長は,自身の公約実現の立場にたって少人数学級実現へ真剣に向き合うべきです。さらに,こども医療費完全無料化・高校生医療費助成拡充という市長公約実現に誠実に向き合うべきです。

     第5の理由は,「行財政改革方針2025」によって,さらなる福祉や市民サービスの削減と職員削減に踏み出そうとしているからです。

    「行財政改革方針2025」では,今後5年間で292億円もの事務事業の削減・縮小で福祉と市民サービスの切り捨てを行おうとしています。

     また,コロナ禍で市民からの相談が集中した区役所来庁者の4割削減を目標にするなど,この間の経験を全く踏まえていません。公務員半減を掲げる,国の「自治体戦略2040構想」の実験台に神戸を差し出す方針は撤回するべきです。

     

     以上,決算を認定できない理由を述べ,日本共産党神戸市会議員団の意見表明といたします。

ページの先頭へ戻る