議会報告
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6月17日に神戸市定例市会がひらかれ、日本共産党神戸市議団を代表して森本真議員が議案質疑をおこないました。
質疑項目
新型コロナウイルス感染症対策
1.命を救うための医療体制強化について
2.ワクチンの安全・迅速な接種について
3.PCR社会的検査の抜本的な拡充について
4.打撃をうけているすべての事業者および市民に十分な補償と生活支援をおこなうことについて
コロナ感染拡大の第3波・4波では、病床の確保が困難になり、自宅療養や高齢者施設での留め置き等が増大し、本来入院すべき重症者でも入院できない状況が生まれました。それにもかかわらず神戸労災病院では急性期病棟を44床、三菱神戸病院でも24床も削減していたことが明らかになりました。神戸労災病院は、2018年の地域医療構想調整会議では「病床機能は現状維持」とされていましたが、昨年6月、市内で病床が足りず困っていた時に病床を削減していました。この調整会議には、神戸市から保健部長が出席していましたが、市長も副市長も把握できておらず、2病院の病床削減について一切答弁できませんでした。森本議員は、第5波に向けて、さらなる病床確保が必要だと追及しました。答弁ダイジェスト
恩田副市長:さらなる病床確保は難しい。医療のひっ迫はワクチンで解消されると考えている。
森本議員:ワクチンは重症化や発症を抑えることができるもので、打てばコロナが終わるものではない。病床が足りない中、神戸市はなぜ神戸労災病院と三菱神戸病院の病床削減を認めたのか。
久元市長:通告をしていただければ答えられたが、個別の病院の詳細は存じ上げない。病床の確保についての考えは共有する。
森本議員:神戸市の市民の命を守ることがコロナ禍で極まって大事になったにも関わらず、なぜ市民の命を守る病床を減少させてしまったのか。神戸圏域医療構想調整会議は神戸市も関与する大事なことだ。きちんと究明すべきだ。
民間任せの姿勢改め、市民が安全にワクチン接種受けられる対策を
神戸市では、75歳以上のワクチン接種予約、65歳以上の接種券の配布がおこなわれ、16歳以上の接種券も6月11日から順次発送されています。森本議員は、希望するすべての市民が接種できるように、安全かつ取り残される市民がでないように、万全の対策をとるべきと質しました。
答弁ダイジェスト
久元市長:今月中に16歳以上のすべての市民への接種券の配送を完了する予定。働く世代や子育て世代、障害者、DV被害者・外国人等といった配慮を要する方にそれぞれきめ細やかな対応が必要と考えている。
森本議員:対策をとると言ったが、本当に安全かつ迅速に接種できるのか。これまで電話予約システムやワクチンの輸送を民間委託し、ワクチン接種担当係長を任期付職員で15名も募集しないといけない状況はいかがなものか。
恩田副市長:職員の勤務時間や新しい業務を考え、必要なものは民間の力を借りる。
森本議員:人的体制がとられていないのは、震災以降からこれまで続けてきた職員削減が大きな原因だ。
これまでの検査抑制の方針転換しPCR検査拡充を
神戸市では、これまで長田区の老人保健施設をはじめ、高齢者施設・医療機関などで多数のクラスターが発生し、死亡者も多数にのぼっています。これまでも求めてきたように、無症状感染者、初期症状感染者を見つけ出し保護・隔離することが、感染力が強い変異株の拡大のもと大変重要になっています。森本議員は、高齢者施設、医療機関・障害福祉施設の職員・入所者への頻回検査の実施と、保育園・学校などにも検査対象を拡大するよう求めました。
答弁ダイジェスト
恩田副市長:これまで国の要請を超えて市独自で実施してきた。頻度も今後検討を考えているが、ワクチン接種を迅速にすすめていくことが今一番大事だと思っている。
森本議員:副市長の答弁は「ワクチン接種をしたから大丈夫だ」というように聞こえる。感染者が少ないときにこそ、検査の対象を広げ頻回におこない抑え込むことが大事だ。
恩田副市長:ワクチン接種したところは定期的検査の対象からはずすことにしている。
森本議員:デルタ株によってワクチンを接種していない若い方に広がる可能性があることを考えると保育所や学校にも頻回の検査が必要だ。
久元市長:PCR検査の必要性は排除するわけではないが、今はワクチン接種を早期にすすめることに注力する。保育士の方々には優先接種を考えている。
森本議員:ワクチン接種を最優先ですすめつつ、PCR検査で陽性者を早く見つけ出し、クラスターを出さないことに注視していただきたい。
国・県任せにせず困っている中小業者に市独自の支援メニューを
この度の神戸市の補正予算案では、飲食店等時短営業協力金の補正予算が組まれています。この間の緊急事態宣言等の影響は、特定の業界・業種だけでなく、すべての中小企業、個人事業主に深刻な打撃となっています。十分な補償は、経済対策・生活防衛策であるとともに、感染拡大を抑止するうえででも必要不可欠です。森本議員は、昨年おこなったチャレンジ支援金や家賃補助金等、神戸市独自の経済支援策をつくるべきと追及しました。
答弁ダイジェスト
今西副市長:昨年度は国の臨時交付金を利用して独自支援をおこなってきたが、今年度から国の交付金は県が支給対象となり、神戸市には支給されないので、国や県に必要な要望をする。
森本議員:「臨時交付金が神戸市に入ってこないから手出しできない」という副市長の答弁だが、補正予算では、困っている事業者を救うメニューにはなっていない。定額の給付金など、今困っている事業者を救う支援をしていただきたい。
今西副市長:チャレンジ支援金など大きな経費を投じる事業は、臨時交付金がないと難しい。
森本議員:長田のケミカルや、協力金をもらっていない飲食業のみなさん、営業実態や暮らしが大変な方がたくさんいる。本当に今困っている方への支援をお願いしたい。