議会報告
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5月26日に神戸市議会本会議が開かれました。日本共産党神戸市議団を代表して前田あきら議員が登壇し一般質問をおこないました。
質疑項目
1.住民本位でニュータウン再整備を進めること
2.学校調理の中学校給食の実施について
3.学童保育の給食提供について
現在、名谷駅周辺のリノベーションが進められていますが、マンション建設を中心とした「人口誘導」計画ありきで、これまで住んできた住民生活を軽視しています。住民や駅前の利用者からは「私たちの意見を聞き、計画に反映していくプロセスが欠落している」との声が多数上がっています。前田議員は、当初の計画ありきで強引に進めず、住民や利用者の意見から出発した名谷駅前の再開発に転換すべきと質しました。また、駅前整備を進める一方で、駅から少し離れた西落合では、4年前に廃止された幼稚園が放置され、南落合のミニコープが撤退して1年が経過するなど生活に悪影響が及んでいることについて前田議員は「駅前に商業テナントや住宅の誘致を止めてでも、実際に問題が生じている郊外の対策を優先すべき」と求めました。答弁ダイジェスト
久元市長:地域住民の皆さんと何度も意見交換をおこない、計画を具体化させてきた。
前田議員:駅北側の広場は緊急避難場所だったのに閉鎖され、南側の駐輪場は狭くなったとの不満の声がでている。市長が「民間住宅投資」を誘導するための再整備と決めつけ、トップダウンで計画を降ろしてくるから、住民や利用者の実態と合わないことが起こっている。
今西副市長:十分な周知のもとでおこなっている。
前田議員:それが住民の実態に合ったものかどうかを話し合っていないのではないか。昨年、駅北側のロータリー改修の整備指針を住民に示されたが、どのような意見が出たのか。
今西副市長:通学路の問題や交通事故の懸念があり(当初案では)安全性の確保は難しいという話だった。今後、改良した形で住民の声に寄り添った計画にしていく。
前田議員:先にパース(完成予想図)が出て、それを利用者や住民の実態や声を聞かずに進めるから、猛反発が出た。また、駅の郊外では、西落合の学童保育は大規模で基準も超えているうえ、駅前のマンション建設計画がある。4年前閉園し、手つかずのままになっている名谷こすもす幼稚園跡地は、住民の意見を聞いて、例えば子育てと多世代の交流施設を検討してはどうか。
今西副市長:現状調査をし、改修費用や解体費用等の精査結果を踏まえて検討したい。
前田議員:ほったらかしの落合池もたまった土砂を取り除けないかという声もあるがどうか。「落合池は年々葦が生え、水鳥や小鳥が減っている。街の人に池の四季を知ってほしい」「駅前にビルを建てるだけでなく、生き物や自然を残すことも大切だ」という手紙も、小学生からいただいている。
今西副市長:年3回ボートで清掃している。今後も良好な景観が維持できるよう努力したい。
前田議員:駅前では、商業ビルなどの拡張がスピーディーに進められているが、逆に周辺は脇に置かれてる。住民置き去りで進める緊急性のない駅前の事業を縮小してでも、郊外の対策に予算を振り向けるべきだ。
中学校給食
「費用対効果」ではなく子どもたちの未来のために必要な予算を「温かい給食」を願う生徒や保護者の声が上がり、署名運動も相まって「全員喫食の中学校給食」への移行が決まりました。しかし、給食センターと民間デリバリーの食缶方式中心で進められ、小学校の調理室から配送する親子方式は補完的な扱いとされています。これまで親子方式は「隣接する小中学校間」を前提で検討してきましたが、この度の親子方式実施候補校となった須磨区の3中学校(友が丘・南落合・須磨北)は給食を作る小学校から1~2㎞の距離です。
前田議員は「これまで前提とされてきた「隣接する小中学校間」にとどまらず、大半の学校で実現可能だ」と指摘し、あらためて全市で実現の可能性を検討し直し、多くの保護者が求め、安全・安心で食育も進められる自校調理や親子方式を最大限模索するべきと質しました。答弁ダイジェスト
長田教育長:対象校は隣接する小学校に限定せず、他の方式と比較して費用対効果や配送面を含めた効率性等の観点から検討した結果、現在4校を候補校としている。
前田議員:「費用対効果や効率性の観点」との答弁に神戸市の姿勢が現れている。神戸市学校給食委員会では親子方式を12施設で検討できると言ったが、一番調理余力がなかった(中央区)上筒井小が選定された。他校も調理施設を改修すれば、学校給食委員会で示された残りの11校で親子方式、さらには8校で自校調理が可能だというのが結論だ。三宮再開発や神戸空港は、過去の需要予測を大きく外れても、費用対効果抜きに何百億、何千億と使うのに子どもたちには「費用対効果」や「効率性」で考える。駅前だけが見違えても、子どもたちは喜ばない。決して持続可能な未来は神戸に訪れない。