議会報告

  • 2023年10月11日
    予算・決算

    決算特別委員会から④

    10月3日
    水道料金の値上げはやめよ
    水道局審査で赤田議員

    質疑項目
    1.自己水源の活用について
    2.水道料金の値上げについて
    3.給水停止について

     上下水道審議会では、水道事業の経営が厳しいことを理由に、水道料金の値上げが検討されています。赤田議員は〝値上げされるとささやかな楽しみであるお風呂の回数を減らすしかない〟という高齢女性の声などを紹介し、「30年にわたる経済の停滞に加え、物価高騰が今市民に襲い掛かっている。住民福祉の増進に相反することを推進するのは公営企業の趣旨に反する」と追及、水道局として水道料金の値上げはしないよう、毅然とした態度をとることを求めました。また、市民に安全で良質な水を安定的に供給しつつ、経営環境を改善するために、一般会計からの繰り入れや国庫補助金の増額を提案しました。

     

    答弁ダイジェスト

     赤田議員:地方公営企業法17条の2に「能率的な経営を行ってもその経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難と認められる経費について(一般会計等を)充てることができる」と書かれている。足りない分を一般会計から求めるのは筋だ。
     藤原局長:本筋としては、一般会計に繰り入れを求めるのは独立会計の考え方からは少し違う。ご利用いただいた分についてご負担いただくというのが本筋と考える。
     赤田議員:つまり、一般会計からの繰り入れを増やす気がない。それなら歳出面はどうか。4拡送水トンネルは更生工事の計画で現在は機能を停止している。供用を開始してそれほど年月が経っていない大容量送水管から各家庭に水道水を安定的に供給できている。134億円もかかる4拡送水トンネルの工事は不要不急な計画。「水道の経営が厳しい」というが矛盾している。水道料金の値上げは全く筋が通らない。


    10月4日
    市民のための市営住宅を
    建築住宅局審査で森本議員

    質疑項目
    1.市営住宅の削減について
    2.大量の空き住戸の解消と募集拡大について

     神戸市は、今、老朽化を理由に全区で駅に近い市営住宅も対象に入れ7000戸を削減する第3次マネジメント計画を進め、さらに1800戸を将来の再編予定として募集を停止しています。人口減少が進む中で、ニュータウンなどで、神戸市自身が市営住宅に空き家をつくり、人口減少に拍車をかけています。
     森本議員は、市営住宅の応募倍率は高倍率で、入居を求める市民が多くいる中で、空き住戸の改修予算が少なく、長田区をはじめ多くの空き住戸があることを指摘し、改修費を増やし募集に回すように質しました。

     

    答弁ダイジェスト

     森本議員:(将来再編予定の市住は)基本的に今は期限付のおよそ10年、若者世帯を含めて募集をしているが、そこはきちんと(一般も含め)募集をすべきではないか。
     根岸局長:現在計画中のものは、停止させていただき、それ以降も一般募集を停止している。吟味が必要だが期限付の募集に回し始めている。
     森本議員:募集を停止され、困っているところが、いわゆるニュータウン、須磨区・垂水区・北区・西区だ。6000何戸のうちの4000戸が募集されない。これは、ニュータウンの人口減少に対して抑制ではなく反対に人口減少を促しているのではないか。
     根岸局長:募集をわざと止めている状況ではない。
     森本議員:多くの皆さんが郊外であろうとなかろうと、建て替えを望んでいる。市営住宅を活用することが、今、大事だ。エレベーターのない住宅が使いにくいなら、最新の新しい住宅に替える。またシルバーハイツや障がい者の特目の倍率も結構高い。郊外だけにとどまらず積極的に建て替えの計画をつくるべきだ。


    10月4日
    統合ありきの計画は白紙撤回を
    健康局審査で朝倉議員

    質疑項目
    1.新型コロナの検証について
    2.済生会兵庫県病院統合について
    3.神戸市立看護大学入学金廃止・授業料無償化について

     神戸市北区にある済生会兵庫県病院と三田市民病院は、医師不足や施設の老朽化などを理由に将来的に単独で継続するのは難しいとして統合が計画されています。統合移転先として北区長尾町宅原があがっており〝遠くなれば通えない〟〝病院が無くなるのと同じだ〟などの声もたくさん出ています。朝倉議員は「コロナ禍を経験し、苦労しながらコロナ対応をされている2つの病院を、統合ありきで病床を減らし、済生会病院は市民が通院しにくい遠く不便な場所へ移転させようとしているのは道理がなく本末転倒だ」と追及。統合ありきの計画は白紙撤回するよう求めました。また、神戸市として支援するのであれば、新統合病院でなく今の済生会兵庫県病院への支援に力を尽くすべきと質しました。

     

    答弁ダイジェスト

     朝倉議員:神戸市が土地代や周辺道路の整備代も負担するといっているが、物価高騰、資材高騰が続いており、莫大な財源がかかる。それだけ財源かけるのなら済生会病院にもっといろんな支援ができるのでないか。
     梅永担当部長:支援の金額という問題ではなく、何を支援することにより何が解決できるかの問題だ。有識者も含めて議論を進めて再編統合が望ましいという結論をいただいた。それに向けて市として協力出来る支援を行っていく。
     朝倉議員:市長は本会議で「両病院が単独で存続できれば一番それが望ましい」と言われた。そういう思いがあるのなら、今の場所できちんと存続させるという立場で支援を検討すべきだ。


    10月4日
    地域図書館 指定管理者制度やめ、地域に根差し市の直営で
    文化スポーツ局審査で松本議員

    質疑項目
    1.地域図書館の指定管理者制度について
    2.王子公園再整備基本計画(素案)について ――― 味口としゆき議員

     神戸市は現在、中央図書館以外の地域図書館は指定管理者制度で運営をおこなっています。ユネスコの公共図書館宣言では「すべての人が情報や知識に公平にアクセスできるという原則を守ること」と提言されています。松本議員は「地域図書館は、貸し本屋や学生の自習スペースの提供のようになっている。地域社会や住民生活を支える状況拠点としての役割を積極的に果たし、図書館の運営計画や政策立案に利用者や住民も参画すべき」と指摘し、指定管理者制度ではなく、市の直営で運営するよう求めました。

     

    答弁ダイジェスト

     松本議員:指定管理者に委託している金額が非常に安価だが、重要な専門職である司書の役割にふさわしい人件費を出すべきだ。
     中山中央図書館長:実際どれくらいの金額を渡しているかわからないが、最低の金額ではない。研修も指定管理者が企画している。
     松本議員:司書はボランティアではない。研修をしても1年や5年の契約だと無駄になってしまう。
     中山中央図書館長:地域図書館の離職率は低い。指定管理者が変わった場合でも、引き続き勤務を望む職員の面接依頼を求める。
     松本議員:地域図書館は、地域に根差し住民と結びついて仕事ができるように、正規職員という形で配置すべきだ。

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